中小企業診断士とITストラテジスト

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口述セミナー@東京のお知らせ
12月7日(土)午後を予定
場所、時間の詳細は後日告知いたします。

※大阪、名古屋は口述セミナーの予定はございません。
あらかじめご了承ください。

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どーも、そーやです。

今週は寒波が押し寄せ、昨日は新潟で初雪だったそうです。皆様、体調のほどはいかがでしょうか。

私は二年連続で11月中下旬から風邪をひいています。風邪をひくだけでもテンション下がりますが、去年も同じように何とか動ける程度(熱や咳は出ない)の体調の悪さが1週間以上続いているのが悲しいところです。インフルエンザも例年になく早い流行になっているそうなので、二次試験合格発表待ちの方はしっかりと体調管理をしましょうね!

さて、本日はITに強い中小企業診断士を目指している方向けの内容です。

 

ITストラテジストの概要

「ITパスポート」や一次の経営情報システムが科目免除となる「応用情報技術者試験」と同じ情報処理技術者試験の一つであり、高度区分9つの試験のうちの一つでもあります。つまり情報処理の資格では相当な高難易度であると言えます。

ターゲットとしては、ITコンサルタントや経営戦略とITを結びつけるポジションの方を想定しているようです。

経営戦略に基づいてIT戦略を策定し、ITを高度に活用した事業革新、業務改革、及び競争優位を獲得する製品・サービスの創出を企画・推進して、ビジネスを成功に導くCIOやCTO、ITコンサルタントを目指す方に最適です。

ITストラテジスト試験 IPA情報処理推進機構

試験は毎年10月の第3日曜日(!!)と、中小企業診断士二次試験と丸被りするケースが非常に多い日程なのです。今年と去年は同一日程でしたが、一昨年の2017年はITストラテジストが10/15、診断士二次試験が10/22と1週間ズレる年もあります。

なお、合格率は例年15%前後で推移しています。

 

中小企業診断士にITストラテジストをお勧めする理由

試験自体の親和性が非常に高いことがあげられます。

特に、「幅広い経営知識が求められる点」と「時間内に論述の答案を作成する点」です。

ITストラテジストは1日に4つの内容の試験があり、それぞれ午前1、午前2、午後1、午後2と分かれています。午前は択一式試験であり、午前1は情報処理全般の基礎内容について、午前2はITストラテジスト固有の問題で出題されます。午後は記述式試験であり、普通の受験生であればこれが非常に難関です。特に午後2は2時間で約2,500字前後の論述をしなければいけません!

その点で中小企業診断士試験を経験された方は、

企業経営や財務会計など幅広く知識の下地が出来ており、かつ、二次試験では各事例500字程度の記述を経験している

この2点が他のITストラテジスト受験生と比べると非常に有利な状況ではあると思います。

加えてもう一点、高度情報処理試験の中ではデータベースやネットワークなど技術的な部分が弱くても合格しやすいのがITストラテジストをお勧めする理由です。上記の概要にもある通り、「経営戦略」に基づいてIT戦略を策定する方を想定した試験であるため、IT技術が強い方よりも、ITと経営の両面から語れる方のほうがなじみやすい試験です。ITは今はそんなに詳しくないけれども、今後自分の強みにしていきたいと考えている方がいましたら、選択肢の一つとして考えてほしい資格です。

 

ITストラテジストに合格した場合

中小企業診断士と同様に独占業務はありません。また日本ITストラテジスト協会という組織があり、勉強会や研究会などを行っているそうです。(加入は任意)

どちらかというと転職時や独立したコンサルタントの専門性を示す肩書として利用できるかと思います。特にITストラテジストは情報処理試験では高難易度として認知されているため、ITの専門家として対外的に証明しやすいと思います。

 

私の場合の勉強方法(おまけ)

追記

2019年度ITストラテジストに合格しました!
少しは堂々として勉強方法を乗せられてほっとしています。

午前1、午前2はマークシート形式であり、かつ過去問が非常に出やすい傾向のため、ひたすら過去問だけを暗記しました。特に午前1は直近2回分の内容は出にくい傾向があり、直近3回以前の試験内容からそのまま出題される傾向にあります。(例えば、2020年秋の試験を受ける場合は、2020年春、2019年秋の内容は出にくく、2019年春以前の内容が出やすい)

過去問はすべて情報処理安全確保支援士ドットコムに解説付きで載っているので、すきま時間に覚えるのに重宝しました。

なお午前1は、直近2年以内に応用情報以上の試験の合格があるなどの条件を満たせば免除できます。

午前2は、診断士で学習した範囲からの出題が多いため過去問の学習も比較的楽に出来ると思いました。アンゾフの成長マトリックス(組織)、バリューチェーン(経営戦略)、ファイブフォース分析(経営戦略)、マーケティング要素4P(マーケ)、需要の価格弾力性(経済)、投資のNPV分析(財務)、などと中小企業診断士受験生であれば見たこと勉強したことのある内容が非常に多いです。
なお午前2の過去問は上記のようなステキなサイトは存在していないため、解説のテキストを購入するか自分で調べることになります。私はWEBマーケティング関連の言葉に疎いので、そこを中心に検索して調べて自分なりに解説を作るというやり方をとりました。

 

午後1、午後2は情報処理教科書のうかる!ITストラテジストを参考にしています。
午後1は設問あたり30文字程度の記述を求められ、90分で約350字の解答作成が要求されます。これは診断士の二次試験で事例の読み込みを行ってたお陰で比較的平易に勉強ができました。これも診断士二次経験者であれば、過去問中心の学習でいいと思います。

そして最難関の午後2は、2時間という制限の中で、設問1は800字以内、設問2は800字以上1,600字以内、設問3は600字以上1,000字以内と、腱鞘炎になるのではないかという圧倒的記述量レベルで論述が求められます。自己の経験をもとに出題内容に沿ったお題で、導入側のIT戦略策定について論述します。これは何通りかAと言われたらBと書き出せるようなテンプレートを用意しておかないと、2時間では書ききれないです。

今回は時間内に書ききれたものの、残り10分で600字以上足りていない状況から殴り書きで答案を作成したため、非常に完成度は低いものだと思っています。次回挑戦する際には、IT導入の投資効果のテンプレートや、具体的な導入効果のテンプレートなどを準備して、その場で考えることをより減らせるようにして時間節約できるよう臨みたいと思います。あとはやはりiPadの勉強の弊害である、紙とシャーペンに慣れることをもう少し真面目に取り組みます。ここの2点は二次試験で経験しているのに全く活かせてません。

 

本日は少し内容が薄めではありますが、中小企業診断士受験生にITストラテジストの試験の存在を知ってもらいたいと思い取り上げさせて頂きました。

以上、ITストラテジストのそーやでした。

 

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中小企業診断士とITストラテジスト”へ10件のコメント

  1. トリックスター より:

    soyaさん、合格おめでとうございます!!スキルⅣの中でも最高難度の試験合格、本当にすごいですね。私は全くのIT素人ながら、去年応用情報技術者にまぐれ合格してから、ITストラテジストは雲の上ながらなんとなく興味を持っていました。soyaさんのこの記事を読んで、「多分合格しているんだろうな」と思っていたので、今朝結果を拝見して「やはりね」と思いました笑。私も今日の口述無事通過していたら出来るだけ早く登録まで終わらせ、I Tストラテジストにも挑戦していけたらと思います。

    1. soya より:

      トリックスターさん、お祝いありがとうございます!ITストラテジストをきっかけにITを強みに出来ると活動にも幅が広がると思います。ぜひ診断士活動と合わせて情報処理も並行で挑戦してみてください!

  2. たーサン より:

    こんにちは

    私は、中小企業診断士試験を受験する前にITストラテジスト試験を3回受験しました。午後1の記述形式の試験までパスしましたが、午後2の論文は論旨メチャメチャ、字数足らずもあり、当時は全く歯が立ちませんでした。

    今年ようやく診断士1次をパスし、2次の学習を通じて感じたのですが、ITストラテジスト試験は、2次の事例Ⅳに続く事例Ⅴ(IT編)ではないかと思いました。確かに試験形式は違うものの、記事にあるようにIT技術そのものではなくITをいかに事業や経営に役立てていくかを問う試験です。ですので、中小企業診断士およびその受験者でも十分通用するように思います。

    当時の私は経営の視点を持てませんでしたが、診断士の学習を通して経営の知識を幅広く知ることが出来ましたので、再度ITストラテジスト試験を受験したいと考えております。

    1. soya より:

      たーサン様、コメントありがとうございます!
      ITストラテジスト経験者からの診断士受験でしたか。これは私の感想ですが、診断士2次で答案作成の訓練をしなければ午後試験は結構大変だなと思いますし、診断士2次があったからこそすんなり受験できた(結果はどうであれ)ものでした。
      そして仰るとおりストラテジストは事例5と言ってもいいくらいですね!どっちかの資格を持っていたらさらに免除される範囲が増えればより嬉しいくらいです。
      同じような道を目指しているもの同士頑張りましょう!

  3. たかか より:

    一次で落ちたので、ITストラテジスト受けました。

    結果はまだ分かりませんが、受けてよかったです。

    記事にある通り、診断士の勉強を活かせることができ、日程も2次と同じため翌年の2次勉強のイメージトレーニングにもなりそうです。

    個人的に感じた大きな違いは、診断士2次は「オリジナルの素晴らしいアイデア」が求められてないのに対し、ストラテジストはそれが求められる点と、
    診断士2次はいかに少ない文字数で詰め込むかに対し、ストラテジストはいかに文字数を稼ぐかという点、
    あと道場みたいな素晴らしい受験者向けサイトが無い(多分)ことです。

    情報免除目的でも、2次とは関係ない応用情報ではなく、ストラテジスト受けるのもアリかと思いました。

    1. soya より:

      たかかさん、コメントありがとうございます!
      午後1は診断士二次試験の簡易版みたいな位置づけも出来ると思うので、今回のITストラテジスト受験は大きなプラスになると思います。また午後2と診断士2次の共通点としては、与件分や設問で問われていることに対してきちんと真正面から答えないと得点にはならない部分でしょうか。聞かれたことにきちんと答える、両者ともその訓練として非常に有効だと思ってます。
      そしておっしゃる通り、ストラテジスト(ST)は受験生向けサイトどころか個人ブログもほぼないので手探りな感じですよね。STは情報処理試験のステップアップや業務経験が豊富な方が受験するケースが多いから、STだけに単純に費やす時間は少ないのも一因でしょうか。
      お互い合格出来てるといいですね!

  4. アール より:

    soyaさん、早速のご回答ありがとうございます。
    よく理解できました。
    業務未経験のため、午後2の試験はかなり難しいと思いますが、次の目標に定めたいと思います。
    まずは、今年の中小企業診断士ですが…。

    1. soya より:

      アールさん
      ぜひ診断士合格の次のステップとして検討下さい!

  5. アール より:

    情報提供ありがとうございます。
    興味があったので過去問を見ましたところ、午後2の試験で、「あなたの経験と考えに基づいて…」、「あなたが携わった…」、「あなたはどのようなディジタル技術を活用し…」等の記載がありました。
    これは、ITに関する業務に携わっている方を対象とした試験なのでしょうか?それとも、想像で論述するということも期待されている試験なのでしょうか?

    1. soya より:

      アールさん、コメントありがとうございます。
      ITストラテジストがITの企画立案業務をする方を想定しているため、「システム導入したことはないが〜」と記述すると不合格判定になると聞いています。そのためコメントへの答えとしては、想像で書くことは期待されてない、ですが、その業務未経験の方でも過去問を中心にしてそれらしい解答を作れば合格する可能性はあります。
      この資格をきっかけにシステム導入の最上流のポジションを目指している人もいると思うので、午後2はあたかも携わったかのように論述することをお勧めします。

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