【中小企業診断士試験】2次試験80分の使い方(オン春回答)

皆様こんにちは。3chです。
今日も道場ブログを読んでいただき有難うございます。

Q : 2次の経験がなく、過去問を解いても80分で書ききれません。

4月のオンライン春セミナー(略して、オン春)にてこの質問を頂きました。実は自分も1年前に道場のセミナーで同じ質問を投げたことがあります。お気持ちは痛いほどわかります。

本日は、2次試験に初めてチャレンジされる方向けに、このご質問にお答えします。

最初から誰も80分では解けない

2次試験の受験の最初は全く書けないと思います。
2次に慣れるためと思い模試などに参加すると、周囲がカリカリと解答を書いていくので余計に焦ります。
初心者歓迎の勉強会などに顔を出してみると、参加者は結構しっかり解答を書いてきたりして焦ります。

ちなみに私の場合は、初めて2次の過去問題を解いたときは8時間(途中中断して2日間)掛かりました。
「半日かかっても第1問すら書けなかった」(11代目おべんと君)など、初受験で最初にトライする場合、全く解けなくても気にすることはありません。

むしろ、今の段階で80分では書ききれないことが分かっていること自体、一歩前に進んだと前向きに捉えましょう。

 

まずどうすればよいか

「80分の使い方」は解答プロセスそのものであり、道場他にも多数の記事があります。タイムテーブルの詳細は予備校のメソッドによって異なります。

そこでまず初めに、単に時間がない、80分で解けないで終わるのではなく、自分はどこで時間をロスしているのかを振り返って把握しておくことが重要です。

初学者の方の現段階としては、

「80分で完成するというより、開始何分後にはここまで進んでおく(与件文を読む、骨子を固めるなど)目安を自分で決め、どの時間帯でロスしているかを特定し、その時間を短縮する方法を考えてはどうでしょうか」(11代目さとまる)

私と全く同じ意見です。できればこの段階で過去事例を解いてみて、2次試験問題がどういう問題なのか、自分の読む時間、考える時間、書く時間のどれがどれくらい掛かるのか、を把握しておくことは必要と思います。

 

時間配分について

そのためには、まず、80分の使い方をざっと決めておきます。私の場合以下の時間配分ルールを定めていました。

2次時間配分(事例Ⅰ~Ⅲ)>
①開始15分で設問文→与件文を一通り読み終えておく
②開始35分で解答を書き始める(ここまでに解答骨子作成)
③開始75分で解答用紙を埋める
④あとは見直し、バッファ(5分残す)

まだ仮でもよいので上記のような時間配分を定め、その上で過去問を解いてみて、どこで時間が掛かるかを分析してみます。

私の場合、最初の頃は考える時間が圧倒的に遅かった。単純に書く時間は早かったが、書き直しが多く結果的に書く時間が遅かった。そのためこの時期は1次知識整理、解答手法・メソッドの情報収集を中心に進めておりました。

8月以降の2次学習の初めの頃は、合格者答案や予備校の模範解答の写経でどういう書き方をすれば合格ラインなのか、正解に近づけるのか、を覚えて身に着けていくことを80分以内で解くことより優先しました。その次で80分以内で確実に効率よく処理できるように持っていく、というステップをイメージして進めてました。(詳細後述)

 

タイムテーブル(事例Ⅰ~Ⅲ)

参考までに当日の80分の使い方として、自分の実際のタイムテーブル(事例Ⅰ~Ⅲ)の詳細を記載します。
(詳細については2次試験が近づいてきたら改めて記事にしたいと思います。)

(1)準備 開始~1分
・受験番号を記入する
・問題用紙を開き全体の分量を把握する
・問題用紙をばらし下書き用の白紙を用意する
・与件文の第1段落と最終段落を読む

(2)設問の読解 開始2分~8分
・各設問を読んで分析し、解答骨子の枠組みを作成する
・どの戦略レイヤーが問われているかを決定する

(3)与件文の読解 開始8分~15分
・与件文を読み、マーキングを行う(段落番号とキーワード、自分は鉛筆のみ使用)
・開始15分で一通り与件文を読み終える

(4)解答骨子の作成 開始15分~33分
・設問文に戻り、与件文と照らし合わせながら解答骨子を作成する

(5)解答骨子を俯瞰 開始33分~35分
・解答骨子を再度確認し解答間の整合性などを確認する

(6)解答記述 開始35分~75分
・解答骨子を基に解答用紙に解答を記述する
・開始35分で必ず書き始める

(7)見直し 開始75分~80分
・表現など微修正
・最後に誤字、脱字がないか見直し
・受験番号を再度確認

80分の使い方は2次の解法であり、人によってそれぞれ違うためあくまで一例です。

私の場合、最初にこのような詳細タイムテーブルを設計し、ブラッシュアップしていった、という理想的な感じではありません。道場記事等いろいろな情報を参考に1次終了後に1回上記のタイムテーブル案を作ってはみたものの、いざ模試などでは全く実践できませんでした。結果、試行錯誤を繰り返しながら、何とかこの流れに収まった、という感じです。

そもそも2次試験は80分では解ききれないボリュームであり、いかに60点を超えるためにどのように限られた時間を使うか、その時間内に処理しきるか、が2次試験対策のコアな部分になります。いろいろな手法を参考にして、自分なりの解法をパクッてカスタマイズしながら獲得していってください。

よって、初学者の方にとっては、2次の解法を収集し、時間制約をあまりかけずに過去問で実践しながら自分に定着させることがまず優先で、細かな時間配分を意識しながら取り組むタイミングは、2次の学習の途中の9月くらいからで十分だと私は思います。

 

80分で解けるようになるまでの経緯

とはいえ、2次試験については、80分で収まればよいだけでなく、具体的に内容がどこまで到達できていたら合格ラインなのか、達成度がわかりづらいのがつらいところです。

私はどれくらいの感触が合格ラインと呼べるのか、色々な人に聞いてました。
予備校講師、昨年度合格者等の複数の方に

「80分以内で解いて論点を大外ししなくなったら、ある程度合格ラインに近いところまで来ている」

と言われたことが印象に残りました。このアドバイスを基に、自分としてはまずは80分で確実に大きく外さない(=書いたけどほぼ0点解答、白紙解答が一切なくなる)状態まで持っていくことを一つの目標としてました。

では2次の勉強を進めていく際、いつ頃、80分で解けるようになったのか。
参考までに私の2次(事例Ⅰ~Ⅲ)の80分の使い方を中心に、学習の経緯を時系列で紹介します。

<経緯>

1月頃~3月頃
2次試験問題を真面目に読んでみて難易度の高さを知り、情報収集を始める。
80分で解ける気が全くせず、80分では解いていない。

4月下旬~5月上旬
初めての2次模試で80分で解答用紙を埋めることに精一杯。何とかマス目は埋めれる。
結果は惨憺たる内容。各事例必ず1問は大外しの0点解答がある。

この間、しばらく1次優先で2次問題を80分で解くことはない。

8月中旬
模試で80分で1次知識を全く応用できず愕然とする。
解法も確立どころか全く染み付いてない、実践できていない。
解答用紙を埋めるだけの感触。周囲がカリカリと解答を作成しているのを横目に焦る。

8月後半
模試自宅受験で1日1事例毎に80分でやるが、骨子を作っているとどうしても時間内に収まらずかなり苦戦。
苦し紛れにとりあえず80分で書いた、といった感じ。

9月上旬
本番も近づいてきているので80分を測定して過去問を解くが、時間配分までは意識が回らず解くことだけで精一杯
講義やテキストを読んだ直後で、似たような事例なら何とかそれらしい解答が書けるようになっているが、抽象的な難易度の高い問題は1、2問大きく外している。1度解いた過去問でも外す。進展がなく苦しい。

9月中旬
過去問を集中して80分で解いていく。ひたすら模範解答を写経。2周目以降ならある程度のベスト解答は作れる。
(2周目、3周目くらいでようやく解き方が少しわかってくる。合格者や予備校の正解のフレーズが思い出せるようになってくる。)
が、80分では骨子作成が時間に入りきらず、解答が崩れる。5分残す余裕なし。
このころ、一進一退で思うように進まず、非常に苦しい。
過去問を回しつつ、何とか状況を打破したく、Web勉強会に参加。

9月後半
初見問題80分勝負でタイムテーブルを意識して何とか自分のペース配分を実践できるようになった。ただ80分に無理やり収めている感じ。
内容はとても合格ラインとは言えないが、外しても多少は引っかかり0点解答はなくな

10月10日頃
初見過去問で、自分のペースは意識して80分である程度大外ししない程度の解答を書ききれるが、余裕はない。
0点にはならないだろう解答を一通りすべて埋められるが、自信をもって合格点とは言えない苦しい感触。

試験3,4日前
初見過去問で何とか75分で解答を書ききれる。
複数の解答基準からも大外しはしていないが、合格ラインに近づいたという感触は持てず。

本試験
本番では一応時間内に解答しきれた。
事例Ⅰ、Ⅱはほぼタイムテーブル通り、5分前くらいには書き終わっている。
事例Ⅲは焦って上手くいかずギリギリ。

直前期、10代目ksknさんに2次直前期は70分で解き切る練習を、とドSなアドバイスを頂いていたのですが、全くできず、自分は何とか頑張って3日前に75分までしか詰めれませんでした。

上記の通り、私の場合は、試行錯誤の上で試験直前になって何とか80分で収まる解法を掴んだ、といった感じです。今振り返ってそう思います。当時はそんな解法を掴んだなど思う余裕すらありませんでした。当然、ゴールデンウイークの段階ではとても80分で解ける状況ではなかったです。

よって、今の段階で2次未経験者の方が過去問を80分で解けなくても何も心配することはなく、1次突破を優先してください。ゴールデンウイーク期間に時間が確保できるなら、2次に向けて1度過去問を解いてみて感触を試しておく。その後は、2次解法や予備校等の情報収集をやっておいて、2次に関連する1次知識の習得徹底を1次対策で意識して行う、というスタンスでよいと思います。

以上、ご参考になれば幸いです。充実したゴールデンウイークを!

 


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【中小企業診断士試験】2次試験80分の使い方(オン春回答)”へ2件のコメント

  1. 今年こそ、でもコロナで不戦敗? より:

    3ch さん

    いつも参考になる記事をありがとうございます。
    今回は二次の80分タイムマネージメントを体得された経過を詳しくご紹介いただきましたが、読者として少し更問をさせていたただきます。

    Q1.75分で完結することと、基本60点を確保する質的レベルにまで持っていくことの両立にいたるまでの時系列的な完成度経過を教えて下さい。

    Q2.結果的には事例Ⅰが好成績で心理的には良いスタートダッシュを切られたたようですが、特に難関の事例Ⅰをうまく乗り切る方策があれば、ご紹介下さい。

    以上、よろしくお願いします。

    1. 3ch より:

      3chです。
      今年こそ、でもコロナで不戦敗?さん、コメントありがとうございます。
      またいつも道場記事をお読みいただきありがとうございます。

      頂戴しましたご質問にお答えします。
      —————————
      Q1:75分・60点レベル答案の両立完成までの時系列過程

      A1:
      ①「初見過去問を」、②「75分で」、③「60点レベルの答案を書く」のを「両立」ができたと感じたのは直前の3,4日前です。

      両立できた状態を仮に100として、私の場合の完成度の推移を主観でありますが数値化すると
      8月中旬  5%
      8月下旬  5%
      9月上旬 10%
      9月中旬 20%
      9月下旬 35%
      10月上旬 60%
      10月中旬 70%
      本番直前 85%?
      ※100%完成したという感触は全くなし。
      概ねこのような感じです。

      何回も解いたことのある過去問なら②、③は9月下旬頃には満たせましたが、初見問題で②の75分は無理でも80分である程度対処できるようになってきたのは、過去問をやり込んできた10月上旬頃です。

      ・9月中旬:解いて2、3回目の事例であれば80分でそれなりの解答は作成できる(初見過去問でなく、記憶に頼ってマネしてる)。
      ・9月下旬:初見問題でも時間制限を気にせず考えれば何とか近い解答が書けるが時間を絞ると崩れる。
      ・10月上旬:過去問をやり込んで2次に慣れてきた10月に入ってようやく進捗が上がってきた感じ。

      2次直前に75分以内で解けたときの感触は、③与件文を読んで解答骨子がスムーズにできる=タイムテーブルの通りの時間で書ききれる=②75分で書ける、という感触でした。

      なお、私は③を優先、次に②、②+③を過去問を回してクリアしたら、①を条件に加えて確認、というサイクルでした。

      —————————
      Q2:事例Ⅰを乗り切る方法

      A2:
      事例Ⅰについて特別に対策をしていたわけではありませんが、
       ①多面的な切り口を意識する(過去の解答から切り口をメモして覚える)
       ②因→果で必ず答える
      ことは2次全般の過去問演習では意識しておりました。

      事例Ⅰついてはとくに時制を意識した復習を行っておりました。
      事例Ⅰは企業の変遷が長きにわたることが多いため、解答復習の段階で、A社の経緯の表を手書きで粗く作って、解答解説とあっているか確認しておりました。
      その上で各段階のA社に対しての組織・人事の原理原則の適用が合っているか、といった観点で解説と自分の解答を振り返ることを意識していました。
      実際に本番ではこのトレーニングは効いたと思っております。

      コメントで書ききれない詳細については後日記事にさせていただきますね。
      以上、ご参考になれば幸いです。

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