平成30年度1次試験「運営管理」を振り返ってみた

みなさん、おはようございます。なおさんです。

平成30年度の2次試験対策コンテンツ「なおさんの解法実況&事例研究」が一通り書き終わりましたので、今日は平成30年1次試験の「運営管理」を振り返ってみたいと思います。

これまでの過去記事はこちら:
「なおさんの解法実況&事例研究:平成30年度事例Ⅳ」
「なおさんの解法実況&事例研究:平成30年度事例Ⅲ」
「なおさんの解法実況&事例研究:平成30年度事例Ⅱ」
「なおさんの解法実況&事例研究:平成30年度事例Ⅰ」
「80分間の過ごし方」
「バックキャスティング思考法」

こうしてみるとかなり「ガチ」ですね。(^^;

私は学生の頃から「モノづくり」が大好きで、大学も工学部に進学しました。大学卒業後は、電子機器製造メーカーに就職し、企画、開発、製造、品質保証、コールセンター、修理サービスと製品のライフサイクル全般に関わって仕事をしていましたので、運営管理は得意科目なんです。
そんな私の平成30年度1次試験での「運営管理」の点数は87点でした。本日は、そのH30年度試験の結果を振り返ってみたいと思います。(^^)/


1.ABCD分析をしてみた

ここでいう「ABCD問題」とは、受験校(T〇C)の過去問題集等で公表されている問題毎の正答率のことを指します。
ABCDE問題の具体的な定義は以下の通りです。

A問題: 正答率80%以上
B問題: 正答率60%以上80%未満
C問題: 正答率40%以上60%未満
D問題: 正答率20%以上40%未満
E問題: 正答率20%未満

私のH30年度の解答ですが、ABCD別の正答率をみると以下の様な結果になりました。
A問題(6問14点): 100.0%(14点)
B問題(16問39点): 100.0%(39点)
C問題(15問33点): 72.7%(24点、4問ミス)
D問題(7問14点): 71.4%(10点、2問ミス)

多くの受験生が正解するであろうAB問題は100%と確実に解答できています。これだけで53点になりますので、残りのCD問題22問中4問正解できれば60点を超えてくる計算です。
尚、平成30年度は全44問(設問としては40問)中、ABC問題だけで37問84.1%、配点で86点にもなりますので、やはりDE問題(過半数の受験生が正解できない難問)は「できなくても気にしない」で良さそうです。
ABC問題重視については、9代目だいまつさんの記事「1次試験分析結果から見えた!~DE問題はやっぱり後回し!」に詳しく書かれていますので、そちらも参考にしてください。

2.どんな問題を間違ったのか確認してみる

実は私「1次試験は合格したからいいや」と思い、何をどう間違ったのかの振り返りをしていませんでした。(2次試験対策に集中していた、ともいう)せっかくの機会ですので、ここで間違った問題について振り返ってみたいと思います。

第14問 JISで定義される現品管理の活動として、最も不適切なものはどれか。(C問題、配点2点)

ア.受け入れ外注品の品質と数量の把握
イ.仕掛品の適正な保管位置や保管方法の設定
ウ.製品の適正な運搬荷姿や運搬方法の検討
エ.利用資材の発注方式の見直し

現品管理の具体的な事例が問われています。
現品管理(=現物管理)とは「どこに、何が、何個あるか、整理整頓してちゃんと把握しましょう」ということですね。JISでは「資材、仕掛品、製品などの物について、運搬・移動や停滞・保管の状況を管理する活動」とあります。
現品管理は、計画通りに生産活動を行うために必要な「生産統制」の一つであり、生産統制には①進捗管理(計画通りに進行しているか)、②現品管理(物の位置と数量は適切か)、③余力管理(人と機械の稼働状況は適切か、無理してないか、遊んでないか)の3つがあります。工場では、日々①~③の生産統制を行ないながら、約束した納期に間に合うように生産を行っています。

さて、選択肢の方を見てみましょう。

「ア.受け入れ外注品の品質と数量の把握」ですが、外注品の数量を把握していますし、品質を把握するのは「その部品が使用できる(良品)か否か」を確認しているので、現品管理の活動として適切だと思われます。

「イ.仕掛品の適正な保管位置や保管方法の設定」ですが、仕掛品というのは「作りかけの製品」のことです。仕掛品の保管位置や保管方法を適切に設定することは現品管理として大切なことです。これがいい加減だと、気が付いたら無くなっていたり、汚破損によって使えなくなったりして、予定していた数量の製品が作れない、なんてことになってしまいます。ですので、この選択肢も現品管理として適切ですね。

「ウ.製品の適正な運搬荷姿や運搬方法の検討」はどうでしょうか。現品管理の対象は、部品や工場内の仕掛品だけでなくて完成した製品にまで及びます。これは、梱包方法や運送方法が適切でないために輸送時に破損したりして、お客様の所に届いたら壊れて使えなかった、ということのないようにしましょうという考えに基づいています。要するに、ちゃんとお届けするところまでが責任範囲ですよ、ということですね。ですので、これも現品管理の記述として適切です。

「エ.利用資材の発注方式の見直し」です。残り一つですのでこれが正解(=現品管理として適切でない)の筈ですが、念のため確認します。
資材(部品や材料など)の「発注方式の見直し」というのは①定量発注方式(在庫が発注点まで減少したら定められた定量を発注する。ダブルビン方式を含む)、②定期発注方式(定めた期間ごとに発注する、発注量は在庫数との兼ね合いで変動する)のいずれの方法で購買するかを再検討する、ということです。要するに「物の買い方」の話であって、現品管理が対象とする「現物」は関係ありませんので、この選択肢が不適切な表現です。

従って正解は「エ」ですね。

尚、学習の際には「エで正解だった」、「ウで不正解だった」で終わらせるのではなく、上記の様に各選択肢の正誤が判定できる状態にまで学習することで、確実に実力をつけていくことが出来ます。

この問題は「C問題」に分類されていますが、生産計画、生産統制は2次試験でもよく問われる論点ですし、実際の生産現場でも重要な管理項目になります。診断士になって工場に関わる仕事をする時を想定して、ここはしっかり押さえておきたいところですね。(あれ?なんで間違えてんだろう、、、(^^; )

第15問 新製品を組み立てるための標準時間をPTS(Predetermined Time Standard)法を利用して算定することにした。標準時間を設定するための準備に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。(C問題、配点2点)

a.PTS法で算定された標準時間を組立作業を行う作業者の習熟度に応じて調整するために、作業者の組立職場での就業年数を調査した。
b.設備による加工時間を別途付与するために、設備で試加工を実施して加工時間を計測した。
c.標準時間を見積もるための基礎資料を整備するために、既存製品の組立作業に対して時間分析を実施した。
d.試作品を組み立てるための模擬ラインを敷設して、製品組立の標準作業を決定した。

〔解答群〕
ア.aとb
イ.aとd
ウ.bとc
エ.bとd

「PTS法」とは、IE(Industrial Engineering)手法の一つで、作業に含まれる人間の動作要素についてあらかじめ「(要素)標準時間」を定めておき、その組み合わせによって「作業の標準時間」を設定する方法です。標準時間は、一定の作業方法、設備および環境のもとで、必要な熟練度をもっている作業者が一定の品質の作業を完成させるために、普通の速度で作業を行うのに必要な時間をいいます。PTS法には多くの手法がありますが、その中でも代表的なのがWF法(Work Factor analysis)とMTM法(Method Time Measurement)です。
WF法では、①身体の各部位(指、手、前腕、腕、胴、脚、足)②運動距離、③重量または抵抗、④人為的な調節(停止、注意、方向の調節、方向の変更)の4つの要因を元に、あらかじめ定められた動作時間標準表から標準時間をピックアップしていくことで全体の標準作業時間を決定します。
MTM法では、WF法の4つの要因をさらに、①手をのばす、②運ぶ、③まわす、④押す、⑤つかむ、⑥定置する、⑦放す、⑧引き離す、⑨目の移動、⑩目の焦点合わせ、の10個の基本動作に区分して分析を進めていきます。

う~ん、、、この問題、C問題ですが結構ディープな感じがします。私もメーカーに勤めていましたが、工程管理には携わっていませんでしたので、実際にPTS法を行って標準時間を設定したことはありません。
テキストでは結構なページ数を割いて説明していますが、標準時間、IE手法(①時間分析、②PTS法)の概念的な部分の理解にとどめておいた方が効率的かもしれませんね。

では、選択肢を見てみましょう。

「a.PTS法で算定された標準時間を組立作業を行う作業者の習熟度に応じて調整するために、作業者の組立職場での就業年数を調査した。」についてです。PTS法では、動作要素の標準時間はあらかじめレイティングされていますので、作業者の習熟度に応じて調整する必要がありません。また、就業年数と習熟度は必ずしもイコールではないと思いますので、この選択肢は誤りですね。この時点で「a」が含まれる選択肢「アとイ」が除外されます。

※この時点で解答は「ウ.bとc」、「エ.bとd」に絞られているわけですから、両方に含まれる「b」は当然正しい記述であり、本番の試験では検討の余地はありません。つまり、「c」か「d」の正誤判定ができれば、正解が導けますのでどちらかの正誤判定ができれば良いわけです。この様な解答選択肢が用意されている問題は「2つが正誤判定できれば正解が導ける」ので、選択肢4つ全てを検討する必要はありませんし、「2つだけ正誤判定」することで解答時間の短縮も実現できますね。(学習時には、4つの選択肢すべてに正誤判定できるまで学習する必要があります)

では、選択肢「c」を見てみます。「c.標準時間を見積もるための基礎資料を整備するために、既存製品の組立作業に対して時間分析を実施した。」ですが、これはPTS法ではなく、時間分析による標準時間の設定を行う方法の記述ですので誤りです。
「時間分析」の代表的な手法に「ストップウォッチ法」(直接時間分析法)がありますが、これは実際の作業時間を「ストップウォッチ」を使って計測する手法です。時間分析では、計測した「正味時間」に作業者の熟練度や環境によるばらつきを考慮した「レイティング」を行い、さらに「余裕時間」を加えて標準時間とします

これで選択肢「c」の含まれる「ウ.bとc」が誤りとなりますので、正解は「エ.bとd」となります。(1次試験の時点では知識が曖昧だったのかもしれません、、、(^^; )

第20問 生産現場で行われる改善に関する記述として、最も適切なものはどれか。(C問題、配点3点)

ア.あい路工程での出来高を向上させる目的で、その直前工程の処理能力を高めた。
イ.生産ラインの編成効率を高める目的で、生産ラインのU字化を検討した。
ウ.同一製品を継続生産する職場での進度管理の手間を省く目的で、製番管理を導入した。
エ.入社直後のパート従業員を短期間で組立職場に配置できるようにする目的で、1人生産方式を導入した。

生産現場で行われる改善に関する設問です。工場ではいろいろな改善活動を行いながら生産効率や品質を高めるための努力が継続的に行われています。「改善」と言っても対象とするものは様々ですし、本設問でも「出来高向上」、「編成効率向上」、「進捗管理の効率化」、「教育期間の短縮」と対象が分かれています。工場内の業務に関する総合的な知識が必要となりますので、確かに「C問題(正答率40~60%)」であるのもうなずけます。

では、選択肢を見てみましょう。

「ア.あい路工程での出来高を向上させる目的で、その直前工程の処理能力を高めた。」ですが、いきなりブチかましてくれてます。「あい路(隘路)工程」って何でしょうね、私もわかりませんでした。調べたところ、「狭くて通行の困難な道。物事を進める上で妨げとなるものや条件。ネック。」とありました。なんだ「ボトルネック工程」か、、、そう書いて欲しかったですが、これはあえてボトルネックではなく「あいろ」と書いていますね。意地悪です。(^^;
ということで選択肢は「ボトルネック工程の出来高を向上させる目的で、その直前工程の処理能力を高めた」になります。こう書いてもらえれば誤りだということがすぐにわかりますね。出来高を規定してしまうからボトルネック工程なわけで、ボトルネックの処理能力を高めないと出来高は向上しません。直前工程の処理能力を高めたら、ボトルネック工程の前に仕掛品を積み上げるだけで何の効果もありません。

「イ.生産ラインの編成効率を高める目的で、生産ラインのU字化を検討した。」これは問題なさそうな記述になっています。
生産ラインの編成効率は、ラインの「総作業時間」を「工程数×標準サイクルタイム」で割って求めます。現実にはラインの各工程の作業時間は全く同じにはできませんので、標準サイクルタイムは一番遅い工程に合わせて設定されます。従って、それよりも早い工程は標準サイクルタイムとの差だけ「手待ち」が発生することになり、この差が編成効率を下げる要因になります。仮に各工程の作業時間が全く同じだとすると、編成効率は1(100%)になりますので、どれだけ各工程の作業時間を均一にするかが編成効率を高めるポイントになります。
通常のストレートラインでは、各工程の作業量の調整は前後の工程との間でしか行えませんが、U字ラインの場合、背後の工程との作業量調整も行えますので、調整の自由度が大きくなり編成効率を高めるのに有利に働きます。

「ウ.同一製品を継続生産する職場での進度管理の手間を省く目的で、製番管理を導入した。」ですが、「製番管理」は個別生産や小ロット生産に向いた生産管理方法ですので、継続生産には向きません。
製番管理は、JISによると「製造指令書を発行するときに、その製品に関するすべての加工と組立の指示書を準備し、同一の製造番号をそれぞれにつけて管理をおこなう方式。」とあり、実際には個別生産や小ロットの製造番号ごとに原材料や部品の調達がおこなわれ、どの原材料や部品がどの製造番号に対応しているかが明確になっています。これにより仕様の異なる製品であっても製品ごとに現物管理や原価管理が行えるわけです。

最後の「エ.入社直後のパート従業員を短期間で組立職場に配置できるようにする目的で、1人生産方式を導入した。」ですが、「1人生産方式」は複数工程を行うスキルを持った多能工が行うものです。入社直後のパート従業員をいきなり「1人生産方式」に配置するなんて「いじめ」ですよね。すぐに辞めちゃうんじゃないでしょうか。(^^;

ということで、正解は「イ.生産ラインの編成効率を高める目的で、生産ラインのU字化を検討した。」になります。(「あい路工程」に惑わされてアにしちゃいました、、、(^^; )

第22問 中小企業庁『平成27年度商店街実態調査報告書』で用いられている商店街のタイ プに関する説明として、最も適切なものはどれか。(D問題、配点2点)

ア.近隣型商店街:最寄り品と買回り品の店舗が混在する商店街で、地域型商店街よりやや広い範囲であることから、徒歩、自転車、バス等で来街する商店街
イ.広域型商店街:百貨店・量販店を含む大型店があり、買回り品よりも最寄り品の店舗が多い商店街
ウ.地域型商店街:最寄り品中心の商店街で、徒歩または自転車等により買い物を行う商店街
エ.超広域型商店街:百貨店・量販店を含む大型店があり、有名専門店、高級専門 店を中心に構成され、遠距離からも来街する商店街

受験生のほとんどが読んでいないであろう『商店街実態調査報告書』からの出題です。さすがD問題、これは出来なくても気にすることはないでしょう。商店街タイプに関しては後述しておきますが、ここではロジックだけで正解にたどり着けないか検証してみます。

まず、4つの商店街のタイプを「近場・商圏狭い」→「遠い・商圏広い」の順に並べてみます。「近隣型<地域型<広域型<超広域型」の順で商圏が広くなりますね。ここまでは日本語の問題なので大丈夫だと思います。
次はこの「サイズ順」に並べた商店街の記述を比較してみます。
記述では、「近隣型:徒歩、自転車、バス等で来街」、「地域型:徒歩または自転車等により買い物を行う商店街」となっており、サイズと移動手段が逆になっていることがわかります。つまり、「近隣型」と「地域型」の記述が逆になっていますので、この二つの選択肢「ア」、「ウ」は適切でないことがわかります。

次に「イ.広域型」と「エ.超広域型」です。前半の記述「百貨店・量販店を含む大型店があり」は共通ですので、後半部分を比べてみます。
「広域型:買回り品よりも最寄り品の店舗が多い商店街」、「超広域型:有名専門店、高級専門 店を中心に構成され、遠距離からも来街する商店街」を並べてみると「エ.超広域型」の方は問題がなさそうな記述になっています。
一方で「広域型:買回り品よりも最寄り品の店舗が多い商店街」ですが、「買回り品よりも最寄り品の店舗が多い」というところが不自然です。

「最寄り品」というのは購入頻度が高く、メーカーやブランドに対するこだわりの薄い商品で、主に食品や日用雑貨品のことを言います。レタス1個をわざわざ遠方まで買いに行く人はほとんどいませんので、当然購入するのは近場の商店街になりますね。
「買回り品」とは、衣服や家電、趣味の用品など、価格や品質を比較して購入する商品のことを言います。これらは専門店で購入することが多く、消費者が複数の店舗を「買い回る」ためにこのように呼ばれています。好みの店は人それぞれですし、品揃えの多い店舗にわざわざ出かけることもありますので、商圏は最寄り品よりも広くなります。

ここで選択肢「イ.広域型商店街:百貨店・量販店を含む大型店があり、買回り品よりも最寄り品の店舗が多い商店街」に戻ります。正しい地域型商店街の説明は「最寄り品と買回り品の店舗が混在する商店街」となりますので、4つの商店街の記述を整理すると以下のようになります。
近隣型:最寄り品中心の商店街
地域型:最寄り品と買回り品の店舗が混在する商店街
広域型:買回り品よりも最寄り品 の店舗が多い商店街
超広域型:有名専門店、高級専門店を中心に構成され、遠距離からも来街する商店街

やはり「広域型:買回り品よりも最寄り品 の店舗が多い」という記載は変ですし、これは「最寄り品」と「買回り品」が入れ替わっているのではないか、と推測します。順番を入れ替えてみると、
近隣型:最寄り品中心の商店街
地域型:最寄り品と買回り品の店舗が混在する商店街
広域型:最寄り品よりも買回り品の店舗が多い商店街
超広域型:有名専門店、高級専門 店を中心に構成され、遠距離からも来街する商店街

となりすっきりします。従って「エ.超広域型商店街:百貨店・量販店を含む大型店があり、有名専門店、高級専門店を中心に構成され、遠距離からも来街する商店街」が適切だと判断します。
ま、このようなロジック展開を試験時間内で行うのは難しいので、やはり「D問題は気にしない」のが良いですね。

商店街の定義:

近隣型 最寄品中心の商店街で地元主婦が日用品を徒歩又は自転車などで買い物を行う商店街。
地域型 最寄品及び買回り品が混在する商店街で、近隣型商店街よりもやや広い範囲であることから、徒歩、自転車、バス等で来街する商店街。
広域型 百貨店、量販店を含む大型店があり、最寄品より買回り品が多い商店街。
超広域型 百貨店、量販店、を含む大型店があり、有名専門店、高級専門店を中心に構成され、遠距離から来街する商店街。

 

第33問 物流におけるユニットロードおよびその搬送機器に関する記述として、最も適切なものはどれか。(C問題、配点2点)

ア.一貫パレチゼーションとは、発地から着地までの間、保管用のパレットから輸送用のパレットへの積み替えを繰り返しながら、パレットに荷を積載し続けて物流を行うことである。
イ.平パレットは、主にプラスチックまたは鋼材で作られており、木製のパレットはほとんど使用されていない。
ウ.平パレットは、ワンウェイパレットとして利用されることが一般的である。
エ.ロールボックスパレットは、フォークリフトなどを用いずに人力だけでも荷役することができる。

物流における「ユニットロードシステム」に関する出題です。
ユニットロードシステムとは、さまざまな荷姿の包装貨物を個別に扱うのではなく、パレットやコンテナなどの単位にユニット化することによって、物流機器を利用して荷扱いし、輸送、保管などを効率化する仕組みをいいます。

それでは選択肢を順番に見ていきましょう。「ア.一貫パレチゼーションとは、発地から着地までの間、保管用のパレットから輸送用のパレットへの積み替えを繰り返しながら、パレットに荷を積載し続けて物流を行うことである。」についてです。
「一貫パレチゼーション」とは、作業効率の向上のため、パレット積みのまま発送から到着の荷卸しまで一貫して輸送する方式をいいます。積卸しはフォークリフトによって行われます。積み替えの省力化の効果が著しく、コンテナやトラック、貨車の回転率が高くなり、また荷傷みが少ないなど多くの利点があります。
従って、選択肢にある「保管用のパレットから輸送用のパレットへの積み替えを繰り返しながら」という記述が誤りです。この記述を除くと「一貫パレチゼーションとは、発地から着地までの間、パレットに荷を積載し続けて物流を行うことである。」と正しい記述になります。

「イ.平パレットは、主にプラスチックまたは鋼材で作られており、木製のパレットはほとんど使用されていない。」についてです。
平パレットは、上部に構造物を持たない板状のパレットのことを指します。パレットの主な素材は、木材、金属、プラスチック、紙(段ボール)と様々ですが、世界中で最も多く利用されている素材が木材です。木材の利点として、他の素材と比較し価格が安く、比較的積荷がすべらない、補修が簡単であることがあげられます。従って、選択肢にある「木製のパレットはほとんど使用されていない」という記述が誤りです。

「ウ.平パレットは、ワンウェイパレットとして利用されることが一般的である。」についてです。
「ワンウェイパレット」とは、発地から着地までの片道のみで、回収しない前提で製造・利用されるパレットのことを指します。使い捨てパレットとも呼ばれます。輸出の場合はプラスチック製のワンウェイパレットが使用されることもありますが、レンタルパレットという仕組みもあり、一般的には繰り返し利用されることも多いです。
従って、選択肢にある「ワンウェイパレットとして利用されることが一般的」という記述が誤りです。

最後の「エ.ロールボックスパレットは、フォークリフトなどを用いずに人力だけでも荷役することができる。」についてみてみましょう。
「ボックスパレット」は、上部構造物として少なくとも3面の垂直側板(網目、格子状などを含む)をもつパレットのことをいい、「ロールボックスパレット」は車輪付きのボックスパレットのことです。カゴ台車、カゴ車とも呼ばれ、金属製のゲージに、キャスターが付いたものをスーパーやコンビニで見かけることが多いですね。ロールボックスパレット(カゴ台車)は、店舗への納品時など、複数の異なる商品を一か所に届ける際に利用されることが多く、トラックからロールボックスパレット(カゴ台車)ごと下して、そのまま店舗の倉庫に納品したりします。底部にキャスターがついていますので、選択肢にある「フォークリフトなどを用いずに人力だけでも荷役する(運ぶ)ことができる。」という記述も適切ですね。

従って、選択肢「エ」が正解になります。尚、上記解説の一部は、「一般社団法人 日本パレット協会」のホームページから引用しています。わかりやすく解説されていますので参考にしてみてください。
一般社団法人 日本パレット協会

第39問 マーケットバスケット分析は、頻繁に購入される商品の組み合わせ(相関ルール)を見つけ、併買を促すためのヒントを見つけ出すのに活用される方法の1つである。この相関ルールの評価に関する下記の設問に答えよ。
(設問1) ※正解だったので省略します。
(設問2) 商品Xと商品Yの相関ルールを評価するとき、商品Xの購買が、どの程度、商品Yの購買を増大させているかを示すリフト値を計算する式を次に示す。

以下の①~④のうち、式の空欄AとBに入る語句として、最も適切なものの組 み合わせを下記の解答群から選べ。(D問題、配点2点)

①全顧客数、②商品Xを購入した顧客数、③商品Yを購入した顧客数、④商品XとYを購入した顧客数

〔解答群〕
ア.A:① B:②
イ.A:① B:④
ウ.A:② B:②
エ.A:② B:③
オ.A:③ B:④

「マーケットバスケット分析」とはデータマイニングの手法の一つで、POSデータやECサイトの購買データを分析して、「一緒に買われる商品」の組み合わせを発見する探索的データ分析のことです。大手ECサイトで「この商品を買った人は、こんな商品にも興味を持ってます」的に表示されるアレですね。

「リフト値」は、バスケット分析における重要な指標の一つであり、ある商品Xの購買が他の商品Yの購買とどの程度相関しているかをみる指標です。リフトは英語で持ち上げるという意味ですから、商品Xの購買が商品Yの購買をどれだけ持ち上げているかを示しています。
例えば、全てのお客さんの中で商品Yを購入した人が5%だった時に、商品Xを購入した人を分母にしてみたら25%だった、となるとかなりの相関があるわけです。

すべての購買履歴の中で商品Xと商品Yの両方が買われている割合を「支持度」といいます。式で表すと「支持度=商品XとYを購入した顧客数÷全顧客数」ですね。
商品Xを買った人の中で、さらに商品Yを購入する確率を「確信度」といいます。式で表すと「確信度=商品XとYを購入した顧客数÷商品Xを購入した顧客数」になります。(ここまでが設問1で問われています)

「リフト値」は、「商品Xが買われたときに商品Yも買われる確率」が「全体で商品Yが買われる確率」の何倍あるか(どれだけリフトされているか)を見る指標です。

従って、分子の空欄Aには「②商品Xを購入した顧客数」が、分母の空欄Bには「③商品Yを購入した顧客数」が入りますので、正解は「エ.A:② B:③」となります。


いかがでしたでしょうか。運営管理は大きく「工場管理」と「物流・販売管理」に分かれます。後半の「物流・販売管理」は、リテールマーケティング(販売士)検定試験と重なる分野が多いので、そちらのテキスト(2級)も参考になるかもしれません。私は会社で取得を強くすすめられていましたので、販売士2級を取得したことがプラスに働きましたが、「運営管理の勉強のために販売士資格を取得する」のはちょっと効率が悪いと思います。あくまで参考程度にテキストをパラパラ、、で十分だと思います。
以上、なおさんでした。(^^)/

 

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