【何苦楚理論(其の十五)】二次試験のお作法②

みなさん、こんにちは。ながです。

先日、18年度合格を目指す方々とお話しする機会がありました。
勉強に対して不安な面もあるようですが、それ以上に新しい挑戦に目を輝かせていたように思います。
逆の立場だった2年前の私も、きっと同じような表情をしていたんだろうな、としみじみ考えさせられました。
日々の業務に忙殺されそうな毎日ですが、その時感じたワクワク・ドキドキな気持ちを忘れないようにしなければ、と初心にかえる思いでした。


今回は前々回にお伝えした「お作法」の続きです。
第2弾は「事例に取組む際のマイルール」
80分という限られた時間の中で、最大限のパフォーマンスを発揮するためには、最低限の「ルール」を定めておくことが大切です。
ルールの中身については、人それぞれ考え方があるかと思いますが、使えそうなものはぜひ活用してみてください。
※第1弾「事例Ⅰ~Ⅲの解答プロセス」はコチラから。

■ながのマイルール

・与件文から離れない!
二次試験の大原則
自分の書きたいように記述してしまいがちですが、社長はそんなものを求めていません。
自分に酔った独りよがりな解答は禁物です。

・線引きルールを忠実に!
なるべくペンの持ち替えをしたくなかった私は、基本的にシャーペンと「鉛筆※」の2本でやっていました。
※両側から削れる赤・青半分ずつの色鉛筆
シャーペンはメモや解答を書くために、赤青鉛筆は下のような切り口で与件文をチェックするために使っていました。
赤線 ⇒強み、良い効果・結果(売上UP、顧客からの評判良好・・・等)などのプラス要因
赤波線⇒弱み、課題、問題点などのマイナス要因
青線 ⇒その他重要部分
解答構成の中心となる部分を赤で統一することで、解答作成や見直しの時間が短縮されたように思います。

・因果関係を丁寧に!

「差別化をすることで(因)→売上アップを図る(果)」

一見納得!な文章ですが、私はなんとなく違和感があります。
本当に因・果の関係となっているでしょうか。

「差別化を図ることで(因)→来店客数(販売数)を増加させ(付加価値向上で販売価格を上昇させ)(果①)⇒売上アップを図る(果②)」

差別化を図ったことで得られる効果(果①)、そして、その効果を受けて最終的にもたらされる結果(果②)を段階的に分けて書いた方が、より丁寧な表現かと思います。
解答を記述した際には、因・果の関係を改めて確認してみましょう。

・解答する優先順位を考える!
時間が限られている以上、得点を確保しやすいものから取りかかる必要があります。
【優先度高め】
・過去~現在を問われている設問(本文に答えが書いてある可能性が高い)
「強み」の設問
【優先度低め】
・解答フレームが作成できないもの
・将来のことを問われている設問
・「弱み」の設問

・勝手に省略しない!
その言葉自体は一般的でも、与件文の中で省略されていないものはそのまま使用しました。
省略することで字数削減のメリットはありますが、複数の意味を持つ略語もあるので要注意です。
例:「HP」=①ホームページ、②ヒューレットパッカード、③ヒットポイント・・・
⇒事例で出てくるのはもちろん①ですが・・・寝る間も惜しんでド〇クエ11をやっている私には③にしか見えません笑

・文末を体言止めにしない!
得点に影響するかは分かりませんが、「文」を書いている以上、最後まで完結させる方が良い気がします。

・修飾語を要チェック!
わざわざ書いている修飾語は、その企業の強みや特徴などを表していることがあります。
記述する時もこういった修飾語を抜かさないように。
例:B社商品→「高品質な」B社商品、デザイナー→「社長と関係の深い」デザイナー

・時制に注意!
設問の時制と与件文の時制を合わせることで、見るべき段落が絞られることがあります。
細かいですが、意外なヒントとなるかもしれません。

・解答用紙の内容がすべて!
最後に忘れちゃいけないのがこれ。
クライアントに提出する提案書で、一言添えないと理解できないようなものでは不十分です。
提案の場面では、口頭で補足説明できるチャンスがあるかもしれませんが、二次試験においてはそんなチャンスはありません
解答用紙に書かれている内容でしかあなたのことを判断できないため、限られた字数の中で伝えたいことを漏れなく書ききる必要があります。
とにかく、マスの中で勝負!です。

以上が私なりのマイルールでした。活用できそうなものはあったでしょうか?
早いもので、次回が二次試験前最後の投稿です。
最後は、他のメンバーも語っている「ファイナルペーパー」について触れたいと思います。

それでは最後に、今日のお言葉。

『進まざる者は必ず退き、退かざる者は必ず進む』
(福沢諭吉/教育者、蘭学者、思想家等)

いくら演習をこなしてもなかなか結果がついてこない・・・と方もいるかと思います。
去年の私もそんな状況で、実際に手応えをつかめたのは本試験の2週間ほど前でした。
不思議なもので、二次試験のコツは徐々に分かってくるというよりも、なにかのきっかけで突如分かるものだと思います。
投げ出したくなることもありますが、歩み続ければ必ず見えてくるものがあるはずです。
焦らず腐らず、進み続けましょう!

以上、ながでした!

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【何苦楚理論(其の十五)】二次試験のお作法②”へ10件のコメント

  1. なが より:

    はち様

    紛らわしてくてスミマセン(笑)
    ぜひ本物も探してみてください!

  2. はち より:

    企業診断、
    ながさんではなく、なごさんだった(笑)
    そそっかしすぎました(笑)

  3. なが より:

    ひまわり様
    ご返信ありがとうございます。
    試行錯誤しながら自分の形を確立してください。
    ストレート合格を達成できるよう、応援しております!

  4. ひまわり より:

    丁寧な回答、ありがとうございました。確かにそれら全てを盛り込むための編集術も大事ですね。子どもの受験が来年なので、なんとか今年合格したいです。アドバイスを参考にもう一踏ん張りがんばります。

  5. なが より:

    ひまわり様

    初コメント、誠にありがとうございます。
    ひまわりさんのご説明の通り、私が伝えたかったことは「差別化」を図ることで得られる「結果」の深掘りです。
    個人的に「差別化⇒売上増加」となると、飛躍しているように感じていたのでお伝えした限りです。
    もちろん、通りすがり様の仰る通り、どうやって「差別化」を図るか、を具体化することも大切だと考えています。
    その両方を言及できていなかったことが、言葉足らずだったなと思っております。

    ひまわりさんのお悩みは、去年の私も感じていました。
    結局私の中では、「どちらも必須」という結論に至り、必ず解答要素にしていました。
    どちらも重要視していたのは、上記の例でいうと以下の理由からです。
    ・どうやって「差別化」を図るか、の「どうやって」の部分には、その企業の強みや特徴が入るはずで解答要素としてははずせない。
    ・「差別化」を図ることで得られる「結果」も、助言・提案する上では絶対にはずせない。飛躍した(ように感じる)結果を書きたくない私は、なるべく深掘りして書きたい。

    文字数が限られている時は、どちらかを削るというよりも、なるべく冗長的な表現を避け、いかにして文字数内に埋め込むかということを意識していました。

    きっと、事例に本気で向き合っているからこそのお悩みだと思います。
    悩むことは時にツラいですが、その先には必ず光が見えてきます!
    あと20日程ですが、ラストスパート頑張ってください!

  6. ひまわり より:

    なんとかストレート合格をと思っている二次受験初挑戦者です。初めてコメントさせていただきます。私が悩んでいたところとちょっと似ていたので。
    ながさんが伝えたかったことは「差別化⇒売上増加」の因果は薄いということではなく、ワンステップ飛んでいるということだと思いました。「売上増」は「客数増 x 単価増」に分解することができるので、今回の差別化がどちらの結果を導くのかを考えたうえで、「差別化⇒客数増(または単価増)⇒売上増」と書いた方がより正確な因果を指摘できるということなのだと思います。
    「通りすがり」さんは「差別化⇒売上増」の因果の中で、「差別化」を具体化しないとその因果が適切かどうかを説明できないだろうというご指摘なのだと思います。
    それぞれ言いたいことは分かるのですが、私の悩みは、限られた文字数の中で何を(どちらを)書けばいいのかいつも迷ってしまう、というものです。「10文字で答えよ」であれば「差別化で売上増を図る」でよいと思いますが、「50文字で答えよ」と言われた時、差別化の内容を具体化した方がよいのか、それともその因果の中間因果を指摘した方がよいのか、というのが今一つパシッとせずに悩んでいます。それは各設問によるということなのでしょうが。「・・・を踏まえて」などと書いてあればよいのですが「助言せよ」と言われた時に一番困ってしまいます。勉強仲間には考えすぎだと言われました。

  7. 通りすがり より:

    因・果の関係が大事というのは分かりますが、その例はピンときませんね。

    差別化をすることで(因)→売上アップを図る(果)
    の因果の関係が不明(根拠に乏しい)というなら、

    差別化を図ることで(因)→来店客数(販売数)を増加させ(果)
    というのも同じように因果の関係が不明(根拠に乏しい)だと思うのですが。

    子供向けメニューの開発や親子で入りやすい店作りを心がけ、近年増加する子育て世代層を取り込むことで(因)→来店客数(販売数)を増加させ(果)
    位に具体的な内容でない限り、因果関係が明確かなんて客観的に判断できないと思いますよ。

    1. なが より:

      通りすがり様
      コメントありがとうございます。
      また、貴重なご指摘もいただきまして、誠にありがとうございました。
      確かに仰る通りです。稚拙な例をご紹介してしまい、お恥ずかしい限りです。
      通りすがり様のように、最適な因果関係で文を書けるよう、精進して参ります!

  8. はち より:

    企業診断拝読しました
    茶化、知らなかったです

    内容も読みごたえありましたが、私は、勝手に『なが』はお名前の一部と思っておりましたので、本名に一番驚きました(笑)

    1. なが より:

      はち様
      お久しぶりです。コメントありがとうございます。
      せっかく驚いてくださったのに申し訳ないですが、別のお方のようです(笑)
      いつか登場するかもしれませんので、また探してみてください。

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