最後は「お団子一個」の「もう一点」で合否は決まる

こんにちは。ハカセです。

今日は10月20日。本試験まであと3日です。もう準備は大丈夫ですか?

■ 実力通りに合否が決まらない ■

診断士の二次試験は、実力通りには合否が決まらない試験です。僕自身も、本当は合格の実力がなかったのに「たまたま」合格してしまったと思っています。

僕のような場合はいいのですが、逆に合格する実力を持っている人が不覚を取る可能性もあります。

つまり、こういうことです。

実力が合格ラインに達していても、何割かの人が落ちてしまう。
実力が合格ラインに達していなくても、何割かの人が受かってしまう。

それが サイコロ理論 です。

模試の成績表を見てください。何千人と受けているので、同じ点数の人が大勢いるでしょう?

もしも自分の「一点上」に合格ラインが引かれていたとしたら?

それを分けるものは一体「何」なのでしょうか。

■ 運・不運の場合もある ■

その「分けるもの」が、運・不運の場合もあります。

それは、例えば 採点者との相性 が合否を左右するケースが考えられます。

受験仲間との勉強会に参加して、参加者どうしで答案を交換し合った人ならお分かりと思いますが、自己採点と他人の採点は、少なくても2-3点、通常は5-6点、大きい場合は10点近くの差(ブレ)が生じる可能性があります。

まさか国家試験なのだから、採点者による点数のブレが起こらないようにしているだろう」と信じたい気持ちは分かります。「お上のことには間違いはございますまいから」、でしたっけね(最後の一句)。

でも、「自分たちが払っている年金保険料がまさかどこかに消えているとは思わなかった」、「原子力発電所が津波でメルトダウンが起こるとは思わなかった」はずです。

とはいえ、これらは受験生にはどうすることもできないことです。

かといって、「運・不運なんだから、後は身を任せるしかないよ」と開き直る必要もありません。「運・不運」以外の部分で立てられる対策もあるはずです。

■ 一点でも多くとる ■

サイコロ理論を運だけに任せない方法はあるでしょうか。

ありますとも。

それは、「一点でも多くとる」ことです。

「当たり前じゃないか、いまさら何を言っているのか」と憤慨する受験生もいらっしゃるかもしれません。

まぁそういわずに、そのための「対策」を聞いてからご判断ください。

① 体調を整える

当日の頭の回転具合によって、気の利いた言い回しができるかどうかが異なる場合は考えられますよね。

そのためにどうすればよいか。

身体を十分休めることです。当日の試験中、「キレキレ」に冴えている自分が試験会場にいるよう、コンディション調整を行うことは重要です。

前日はゆっくり睡眠をとってくださいね。

② 失敗を繰り返さない

どんな時に後悔するかを考えてみましょう。

「模試でやった『あの失敗』を本試験でもやってしまった!shock

これ、一番辛いですよね orz 。

だから、道場では、「失敗の類型化」を推奨してきました。

具体的には、ミスノートを作ることです。例えば、僕のミスノートにはこんなことが書いてあります。

「営業を強化する」では分からない。
     ↓↓
「製品Bには営業が必要なのに、これまでの主力製品Aには営業が必要ではなかったので、C社には営業ノウハウがない。だから営業を強化する」
     ↓↓
ここまで言わないと分からない! 社長は天然ボケ!

権限委譲
  ↓
誰に? どの権利を? で、どういう期待効果?
  ↑↑ ここまで書く!

あぁ、今、振り返ってこんな風に↑書き写してみると、もう2年以上前のことなのに、どの校舎で受けたどの事例演習だったのか、昨日のことのように思い出せます・・・。恥ずかしい・・・。

「またそのパターンで失点かよ!」ということがないよう、しっかり自分の深層心理にまで叩き込みましょう。

ところで、ファイナルペーパー や ミスノート なんて、その人にしか役に立ちません。

でも、もしかしたら他人の失敗から学ぶ何かがあるかもしれない。

そう考える方のために、ハカセのミスノート を公開します → こちら

ちなみに ハカセのファイナルペーパー はこちらの記事に → こちら

ダウンロードされた方は、こちら に「もらっていくよ」と一言コメントを残して頂けると嬉しいです。

活用方法は自由ですが、二次使用(転載・転送・加工使用)はご遠慮ください。<(_ _)>

③ 最後の一秒まで無駄にしない

与えられた制限時間は80分です。

経験者だろうと初学者だろうと80分です。

業務都合や家庭の事情で、二次試験対策に与えられた時間は平等じゃないかもしれません。でも、試験の制限時間(80分)は平等に与えられているのです。

この与えられた時間は有効に活用したいものです。

時々、途中退席をする方もいらっしゃいますが、僕は「モッタイナイ」と思います。(僕は一次試験でも途中退席をしたことがありません、「中小」でも。)

もちろん、後続する事例のために脳に休息を与えるのも大事ではあります。

でも、後続の事例が簡単だったら(=休息の必要がなかったら)どうするのでしょう? そこで差がつかず、結果的に途中退席した事例で明暗を分けたとしたら?

最後の一分、最後の一秒まで無駄にせずに、キッチリ使い切ることを、僕は選びました。

制限時間いっぱいまで粘って、具体的に何をするか? それが ↓ です。

④ 最後の一文字まで無駄にしない、妥協しない

これが恐らくラストメッセージになるでしょう。

決してSランク受験生ではなかった僕が、もしかしたらAランクにも入れず、Bランクだったかもしれない僕が、初学者ストレート合格をしたのは、二次試験で消しゴムを使うことを厭わなかったから だと僕は信じています。

僕は二次試験の80分 x 4事例を解いている間、一度も妥協しませんでした

妥協というのは、こういうことです。

「あぁ、この根拠を盛り込み忘れたなぁ、最後に5文字余ってるけど、どう考えても10文字は必要だなぁ。消すの面倒だし、時間も残りあと2分だし、ま、いいか」

僕はこのような場合、必ず盛り込みました。150字の設問で、折角書いた最初の方の文字を消さなければいけない(=実質全部書き直し)ことになろうとも、絶対に妥協しませんでした

だって、実力が足りていないんだから。妥協したら自分はそこでおしまいだよ。そう思っていました。

僕のミスノートにはこんなことも書いてあります。

箇条書き⇒ 「書き切れないからいいや」と諦めた人が負ける。捻じ込む。

「書ききれない」という状況に直面した時。この時に重要なのが「記述のテクニック」です。

僕が 「二次試験を見据えた一次対策」の意味 という記事で述べた二次試験対策で本来育成するべき能力である「文字制限管理能力」というのが、コレです。

こうして自分が言いたいことをなるべく少ない文字数で書き上げ、これによって、「一部の受験生しか盛り込めないであろう お団子」をもう一つ盛り込む。これが合否を分ける一点を支えてくれる。

・・・と僕は信じていました。

お団子とは、例えば、こういうことです。前述のミスノートの表現を借りると、

「強み」はその源泉までを考える。
 ⇒ C社は技術力がある
 ⇒ 「協力会社の協力のおかげ」
 ⇒ 「それを選定した調達ノウハウ」までが強み!
  (注:事例Iなら、「新しい技術を外部にも求める組織文化」かもしれませんね)

全体としては他の受験生と同じ書くことを目標にするのです(上記で言えば「強みは技術力」)。でも、常に「お団子もう一つ」を盛り込む機会を窺っていました(その要因・源泉の追求)。

⑤ 慌てる自分を見つけて冷静になる

どんな時に「お団子ひとつ」が必要になるか。

本試験では「合否を分ける設問」が必ずあります。僕が受けた平成21年は「事例Iの第5問:短期的な売り上げ増進の具体的施策」、「事例IIの第4問:ネットを使った地域内外とのコミュニケーション」が恐らくそうです。

この二つの問題、多くの受験生は恐らく 「(・・? 」だったと思います。

僕も 「(・・? 」でした。でもすぐに、「あ、これは難問だ、みんな書けないぞ」と冷静に分析する自分が居ました。

そしてそんな風に冷静になっている自分を発見したことで、さらに落ち着きを取り戻しました

こういう「 (・・? 」な問題、具体的には制約条件が甘い問題(=何を書いても許されると勘違いしそうな問題)でこそ、多数派解答に入りつつ差別化するチャンスです。

重要なことは、そこで冷静になれるかどうかです。ここで冷静になれたのは、「敢えて模範解答を目指さない」の記事で書いたことを思い続けていたからだと思います。

■ 最後に ■

最後に皆さんに伝えたいこと。

スティーブ・ジョブズ氏は「Stay hungry, Stay Foolish」と述べたそうですが、僕は、

Stay Cool, Stay Foolish.

つまり、二次試験では、「平常心で、愚直に解く」ことが大事だと思います。

決して奇をてらうことなく、他の人と同じ解答(=ふぞろいの多数派答案)を愚直に目指す

一方で、

周囲の焦りを冷静に見極め、「お団子一個」を確実に積み重ねる

これが出来れば、合格に(ほんの少しかもしれませんが)近づくことができるのではないかと思います。

Good Luck good

by ハカセ

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最後は「お団子一個」の「もう一点」で合否は決まる”へ16件のコメント

  1. ざあらし より:

    ハカセさん、こんにちわ

    ざあらしです。

    いえいえ、22日の前日に気付いて、慌ててDLして、印刷して、当日はガン見していましたよ。

    自分のミスノートは対応付けが誤っていたとかで、過ちのレベルが低すぎて、使い物にならなかったもので。(アハハ)

    レベルの高い過ちのハカセさんのミスノートは大変参考になりました。

    結果はともあれ、320分闘ってこれたので、満足しています。再現答案は作りましたが、怖くて答え合わせはまだ、出来ません。(苦笑)

  2. ラッセル より:

    前日ですが、ミスノートとファイナルペーパーいただきました。ありがとうございます。

    1. ハカセ より:

      ガネーシャさん、narieさん、akiさん、pilotfishさん、hi2さん、mkさん、スズメさん、へちゃちゃりさん、こじろうさん、こぐまさん、MMさん、uさん、hayaさん、ラッセルさん、コメントありがとうございました! 他人のミスノートが役に立ったかどうかは微妙だと思います(恐らくダウンロードしたけどほとんど見なかったという方が大半だと思います・笑)が、少しでもお役に立てたことを願っております。皆さんの「事故」が少しでも減りましたように!

  3. haya より:

    ミスノート頂きました。
    有難うございました。

  4. u より:

    ミスノートいただきます。
    1次試験の前より拝見していました。
    最後まであきらめず1点の上乗せを狙っていきます。
    ありがとうございます。

  5. MM より:

    ミスノートいただきました。
    貴重な情報、本当に有難うございます。
    最後まで、丁寧にやってきたいと思います。

  6. こぐま より:

    ハカセ様

    ミスノートいただきました。
    ここまできちんと体系立ったまとめをされて
    いたんですね。
    貴重な情報やアドバイス、本当にありがとう
    ございます。
    最後まであがいてもがいてこようと思います。

  7. こじろう より:

    ハカセ殿

    ミスノートいただきました。
    ありがとうございます。
    最後の最後まで粘って合格を勝ち取ります。

  8. へちゃちゃり より:

    ノートいただきました。最後まで頑張ってきます

  9. スズメ より:

    ハカセさん、こんにちは!
    いつも参考になる記事をありがとうございます。
    ミスノート、いただきます。
    本試験、がんばります!!!

  10. mk より:

    先日のセミナーに参加させていただいた者です。
    非常に厳しい試験になりそうですが『最期まで諦めずにやり切る』ことを決意します。
    ミスノート、参考にさせて頂きます!

  11. hi2 より:

    いつもありがとうございます。ミスノートお借りします。

  12. pilotfish より:

    いただきましたX2

    あと3日 ゾクゾクします。  
    試験終了後は、楽しみにしていたクリティカルシンキング読みます。  
     

  13. aki より:

    こんにちわ、ミスノートいただきました。

  14. narie より:

    こんにちは。ミスノート、いただきました。
    自分のミスノートに「書いたつもりで書き忘れてること」がないか、確認に使わせていただきます。
    ありがとうございます^^

  15. ハカセのミスノートいただきました。
    自分のも作成中です。
    参考にさせていただきます。
    ありがとうございました!

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