【渾身】運営管理(生産管理)② 妄想組織図で論点をイメージする<二次に繋がる一次知識>

皆さん、こんにちは!そのです。一応本業は製造業です。
前回記事
の続きとして、【渾身】シリーズの生産管理テーマでお伝えしたいと思います。

前回は、生産管理分野が分かりにくい理由のうち、
1.言葉の定義が分かりにくい
について考えてみました。

今回は、
2.論点の階層が分かりにくい
3.イメージがつきにくい
このあたりに向き合ってみます。

前回、「生産管理」、あるいは「管理」という言葉の定義自体がMECEにならないので、ある程度割り切る事が必要…と書きました。
でも、しっかり階層でイメージしないと、特に二次試験では、今何の話をしているのか分からない、解答骨子をどう組み立てていいか分からない…ということになりかねません。

因みに、二次試験の事例Ⅲは、「複数の設問で、同じことを聞かれている気がする」という現象がよく起こります。解答テクニックの中には、「敢えて同じ解答を複数設問に被せてしまう(加点狙い)」というのもあります。確かにそれも賢いやり方なのですが、予件文を極力階層に分けてしっかり捉えることで、それぞれの設問の位置づけが見えてきます。不思議なことに、それが見えるようになる、〈開眼〉する瞬間ってあるんですよ。私も最初は苦労したのですが、そこに行きつくと途端に楽になりました。
「論点を正しく捉える」にはコツがあり、言語で捉えるのが得意図で捉えるのが得意、など個人個人で相性もあるのですが、私は試験勉強の奥の手として、妄想で捉えるという変わったことをしていました。
頭の中でドラマ仕立てにし、キャラ立ちを考えてみるのです。
(これを知人に話したら「意味わかんないww」と一蹴されました。もしかすると通じるのはごく一部の方かもしれませんが、もう綺麗ごとは言っていられない時期なのでほんの少~しでもヒントになれば本望です!)

今回は、実際にC社の生産本部で働いている人達の所属と、仕事、それに顔と性格と人間関係を妄想してみます!


今回の妄想の決め手は、階層でイメージしたい内容を組織図として作成し、それぞれの人に仕事を割り振ってみる事です。普段「訳わかんない」と思っている勉強内容が、実際にある「人」の仕事になって、それでお給料を貰っていると妄想すると、なんだか現実味を帯びてくる気がしませんか。

~事務棟の人達~


生産管理部長 兼 工程管理グループ長

経営者の右腕として生産を管理する立場。職歴の長い世渡り上手。工場長と立場は同列だが、現場を下に見るところがあり工場側からは嫌われている。
最近、事業拡大にあたり「生産統制」を重要視、生産統制課を独立させた。

生産管理部 工程管理グループ 生産計画課長

生産工場内の事務棟に勤務し、生産計画を一手に担う責任者。常に事業の先を見通し、必要に応じて設備配置(工程計画)や人員配置(負荷計画)も担当する。経営トップからの情報は早く、俯瞰的な視点を持って的確な計画を作り出すが、現場レベルとのギャップが度々生じ、工場側から敵対視される事に頭を抱えている。
日程計画、工程計画、負荷計画を頭脳明晰な3人の部下に任せている。

[日程計画担当 a主任]
・上層部が決めた大日程計画中日程計画を元に、小日程計画を作成。従来通りフォワード方式で作成していたが、色々勉強してトヨタ式のバックワード方式を取り入れるか悩み中。ジョブショップディスパッチング法など)、フローショップPERTアローダイアグラムクリティカルパス)といったスケジューリング方法は製品の特性によって変わるが、新製品の生産開始の際など、適切な方法を選択する判断力には自信がある。
[工程計画担当 b主任」]
連続生産個別生産ロット生産、の生産方式の決定を行う。また、部品加工では、固定式機能別製品別レイアウトなどレイアウトの決定(SLP:システマティックレイアウトプランニング)、組立加工では、ライン生産セル生産、の方式も決定する。ライン・バランシングも常にテーマとして持つ。仕事の幅は広く、責任が大きい。
[負荷計画担当 c主任]
・負荷と能力のバランスや稼働率の安定を調整する。機械設備の増強(または削減)といった投資に関わる事、就業時間の延長や作業員の増強(または削減)といった人事労務に関わる事を担当するシビアな仕事である。生産統制課の余力管理と連携して計画にあたる。IEの専門知識を持つ。

生産管理部 工程管理グループ 生産統制課長

生産管理の計画と実施のコントロールを円滑にし、生産効率と品質を高める為に新設された(工場から独立した)新しい課の責任者。立ち位置ははっきり言って事務方と現場の板挟みでストレスが多い。
作業手配、進捗管理、現品管理、余力管理をフットワークの軽い4人の部下に任せている。


[作業手配担当 d主任]

・生産統制における計画機能である、「差立て」を担当している。どの作業を、いつ、どの機械で、誰にやらせるか、という具体的な作業指示を行っている。毎日工場に出入りし、朝礼と夕礼に参加する。
[進捗管理担当 e主任]
・計画通りに作業が進んでいるかをチェックする。ガントチャートカムアップシステム製造三角図などを用いて管理する。チェックだけではなく対策も考えなければいけないのが大変である。進捗状況は日々変化するので、常に仕事に追われている感を持っている。
[現品管理担当 f主任]
・部品や材料、仕掛品について、何がどこにあるのかチェックする。ものが無くなる、という一見くだらないトラブルに取組むが、責任者を明確にしたり、保管場所を明確にしたり5Sの徹底など、地道な取組みに即効性があり、効果が目に見えやすいので次々QC活動を企画したり、楽しく業務にあたっている。
[余力管理担当 g主任]
・負荷計画で調整している、人員配置、設備配置が適切であるか、工場の現場に出入りしてチェックする。人に関わる事を事務方に報告するので工場では煙たがられている。本人は、何と言われようが正しく状況を報告する、公正な仕事をモットーとしている。

~工場の人達~

生産実施部長(工場長)

現場たたき上げのエンジニア。工場での管理は高度なマネジメントそのものであり、①作業管理、②設備管理、については工場長みずから付帯業務として現場の状況を正しくチェックしている。③資材・購買管理は、工場長自ら責任を持つほかに外部とのやり取りが必要な外注管理を含むので業務量が多く、専任の部下を配置。事務方と対立する事も多いが、基幹ラインとして高いプロ意識を持ち、現場第一主義で経営トップにも対等に接する。

①作業管理
・日々、現場の実態を把握し、3SECRSなどの作業改善を指導している。それぞれの作業チームへQC活動も推奨している。
②設備管理
・日々、設備の状態を把握し、予防保全事後保全改良保全保全予防、といった保全活動を行う。設備投資に関わる為、生産管理部と連携を密にしている。工場レイアウトの実態把握も重要で、SLPの検証などを行っている。
③資材・購買管理[資材・購買管理担当 h課長]
ABC分析などで重点資材を整理した上で、定量発注方式定期発注方式を選択し、適切な資材発注を任されている。また、外注管理を任されている他、資材所要量計画(MRP)については独自のシステムを取り入れており、その管理も担当している。業務の幅が広く多忙であるが、現場にいないと中々出来ない仕事なので、事務方に任せられない、と対抗意識も強い。

長くなってしまいましたので、この辺で。実は他にもいろいろな妄想癖を駆使して、試験勉強をしていましたので、そのうちまた書ければと思います・・・!

大丈夫、あなたは、ぜ~~~ったい合格しますから!
待ってます、そのでした!

 

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【渾身】運営管理(生産管理)② 妄想組織図で論点をイメージする<二次に繋がる一次知識>”へ4件のコメント

  1. その より:

    はち さま
    ありがとうございます(笑)
    実は去年、まさに池井戸潤さんの小説『陸王』を読んだら、ぴったり生産のイメージに繋がって興奮しましたね。(一次後にでも是非読んでみて下さい!)

    残りの日々、行けるところまでしか行けないんだから、とある意味割り切ったほうが気が楽になるかもしれません。でも、自分を信じて。「行けるところ」って、必ず合格ラインを越えられるはずと。
    逆算で考えると辛い気がするんですよね…。今現在の位置に自信を持つのが良いと思いますよ。
    頑張ってください!

  2. はち より:

    池井戸潤に企画書を持っていこうかと(笑)

    緻密な描写に『あっぱれ‼』

    渾身シリーズのレベル高さに、合格するレベルを重ね、あ~↓涙

    今年、あと残りの日々でどこまで行けるか?

    不安ばかりです

  3. 匿名 より:

    面白いですね。
    でも時間が足りなくなりますね。

    1. その より:

      匿名 さま

      コメントありがとうございます。そうですね、あくまで手段なので、学習に行き詰った時などに色々試していただければ嬉しいです。頑張りましょうね!

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