中小企業診断士とは何か?

みなさん、こんにちは。和尚です。

今後合格体験記を山ほど掲載せねばならないので、この文章が和尚独自としては最後の文章になる、かと思われ・・・と思ってましたら、

岡崎氏が
この記事

和尚め!「イケカコ不要論は不要だ!」(笑)

みたいな、論陣を張っておられて、ああ、これは年越しで考えねばならんなぁ、とか、色々なことが多すぎて、また、TDLのカウントダウンのチケットが運悪く当選してしまいましたので、暦の上でタダでさえ短い正月休みがほぼ0という事態になりまして、心は千々に乱れる和尚でございました。

「イケカコ不要論は不要」論に回答も含めまして、
和尚の初投稿と同じタイトル
「中小企業診断士とは何か?」
というメインテーマで、議論のしどころについては、行きつ戻りつお送り致しま~す。

相変わらずの長文ご容赦。

では、本文。

和尚の世を忍ぶ仮の姿で一番よく絡む士業は
・司法書士
さんであり、これは診断士とのコラボも、法務関連くらいがリンクするところかな、と思われます。会社設立時の登記など、お世話になる部分が多く、これについては「書士」さんでもあり、正誤の判定はあきらかで、あまり摩擦も起きにくい士業さんではないか、とこう思うのであります。

さて、ここから某士業さんにケンカしないように注意をしながら書かねばならないのですが・・・。

その次に絡むのが
・税理士
そもそも、中小企業を経営していく上で、
「納税」
は欠かすことの出来ない必須の義務でもありますゆえ、財務に強い税理士にシャチョーさんが頼ってしまうという点があって、シャチョーさんにヒアリングすると
「私はね、こう思っているんだけど、税理士さんがこういうから。。。。」
とかの発言を聞いたのは枚挙にいとまがありません。

一般的に中小企業の社長が、経営上の相談で誰に一番相談しますか?という問いには
「税理士」
という、回答が多い、ということを聞いたことがあります。はい「中小企業診断士」ではなく。。。。

ここも診断士業界の人にも是非頑張ってほしいと思う。
なぜなら、
「税理士はそもそも『税務』のエキスパートであり、間違いなく税金を納めるために助力するのが一義であり、一方診断士の試験科目である企業経営理論や運営管理などの、経営に欠かすべからずの知識は問われない資格ではある」
からです。

ここで、
「イケカコ不要論は不要だ!」に対する私の反論(とまではいきませんが)意見をのべます。

・イケカコは税理士試験、公認会計士試験には必要であろう
・同じく、中小企業診断士の財務試験を「合格するためだけ」には、「かなりレベル的にはハイではあるけれど」一定の効果はあるだろう。苦手意識を払拭し、財務に慣れる、ということを考えれば非常に効果は出てくるであろう。

という点、特に後者については、岡崎氏と同じ意見です。

税理士、公認会計士には必要だと思うんですよね、イケカコ。
そもそも会計系試験対策問題集だから。

でもさ、こういう場面を想像してほしいのよ。
「設備投資の意思決定はIRR法とかありまして、それによりますと御社は○○で・・・」
とか、数字だけで分かりきったことを言って、そんなもんで社長の心の底からのコンセンサスが得られるか、というのが、私の意見。

またまた話は飛びますが、IRRだけではなく、DCF法もそうですが、いったい割引率になんの意味があるのでしょうかね、というのが大いなる和尚の疑問。

平成17~19年のITバブルに引きずられた不動産プチバブルで話題になったのがこの期待利回り≒割引率。当時六本木ヒルズの期待利回りは1%台だったことを和尚は記憶しております。となれば、インカムゲインによる資本回収に50~100年近くかかるという計算になる。。。。

この率が低くなればなるほど、不動産の価値(≒会社の価値)は高くなります。企業も同じですが、この割引率、現在の利率ではなく
「将来の利率(の見通し)」
であることから、当然投資家の、診断士的に言えば、設備投資をしたい社長さんの「思惑」が入るのは致し方なく、そこは主観の観察結果でしかあり得ない。

となれば、いくら精緻にDCFやらIRRなぞやったところで、結果は主観的なもの、でしかありえない。結論的に意思決定会計なぞ、極論すれば
「社長の勘」
でしかない代物になりかねません。(大分暴言吐いてます)

ただ診断士たるもの、その「勘」てものの補完、すなわちメリットデメリットを明確化してあげることが肝要で、そのデメリットを乗り越えてでもやるんですか?社長!ということしか言えないのではないか、と思うのです。

そもそも、ラジカルイノベーションとか経営分野で勉強してきている我々中小企業診断士が、無謀とも思える設備投資が必須であるベンチャー企業を後押しするのに、過去の財務指標や常識的な投資決定モデルで語れるか!んなもんで投資判断してたら、アップルや、ユニクロでさえミスリードしてしまうぞ!というのが私の意見でございます。

イケカコ=与えられた数値を使った難しい計算式、考え方による判断、が万能と思う危険性、これが一番私が危惧するところで。。。

税理士でも公認会計士でもなく、我々中小企業診断士が出来ることとは
①財務のエキスパートではなく、財務「も」分かる専門家として、「1次試験で得られた広くそこそこ深い知識」を駆使して「2次試験、企業への実習で鍛えられた思考力」をもって総合的な判断で、企業を正しい方向へ導くことが出来る
②その知識・経験でもって、中小企業の社長さんに寄り添い、その時々のメリットデメリットを指し示しながら、時には厳しいことも具申しながらも、常に伴走出来る

そのような役割を担うのが本筋ではないか、と思うのです。

だから、というかなんか論点はボケてしまいましたが、財務が得意と言われる和尚は、財務偏重は避けたい、と思うのです。

なぜなら、答えが出やすい科目だから。
これによる分析は絶対だと思いがちだから。
イケカコなんかをやってると、多分ですね、難しい数学の問題を解いた時のような爽快感が、企業を完全に分析した万能感に繋がってしまいがちではないのか、そう思うのであります。

和尚も難易度高い診断士事例Ⅳを解けた時の爽快感は、わかりますもん。

だけどね。

和尚の思いは、
診断士試験は単なる通過点であり、診断士になってから、会社、社会のためにどのようにその知識を役立てるか?
というところにあるの。だから、財務が得意と言われて天狗になりたくなく

物覚えのわるい頑固なシャチョーさんにも自分とこの決算くらいは分かるように
「噛み砕いて説明し、理解を得たい!」
という気持ちが大きいの。だからイケカコの解法だけを伝授するのではなく、その根底に潜む考え方の伝道師になりたく、とあるブログではほぼ一年間財務のイロハを書きつづけて参りました。

ただ、この試験受からねばならぬのも事実。とある勉強会に来られてた今回の試験で涙を飲んだ方から、
「和尚、この試験通ってなんぼですから、まずは通りたいっす」
のようなメールを先般いただいて、試験に通ることも大事という気持ちも持っております。
となれば岡崎氏のブログのように、手当たり次第、なんでも食べてやる!くらいの意気込みは絶対に必要だし、それについては大いに応援致します。

さて、他士業とのからみについてまとめ(になるのかな・・)。

この診断士試験、岡崎氏のような「弁護士」でさえ、試験の完全免除はなく、必ず1次試験のいくつかの科目は受験し、合格する必要があります。
他の国家資格は。。。みなまで言いますまい、ある仕事を何年かやったら自動的にもらえるのもあると聞きます。

難易度はともかく、そこいらに誇りを持ちましょうよ、診断士の方、合格者の方、また未合格者の方も。

また、話を飛ばしたくなったので遠慮なく飛ばします。

1級ファイナンシャル・プランニング技能士という国家資格があります。
道場の6代目のお仲間では和尚とmyaちゃんがホルダーです。
和尚がこれを取った時に思ったのが、つぎは診断士がほしい、何故ならこの資格は個人が主だけど、診断士は法人が主だから。。

まま、テイストは診断士ににております。例えば
・いろんな法律と資格試験が混じりあっている。例えば税理士試験、宅建試験、社労士試験の一部がよく似た格好で出題される
・2次試験には口述(面接)試験がある。
などがありますが、一番の共通点は
「広く、ある程度深くの知識を求められ、かつ他士業との連携が求められる」
点ではないでしょうか。

FP倫理では、税理士法や弁護士法への抵触に気を付けることが非常に強く言われます。
逆に言えば、それだけ他の士業との連携、が求められるということが言えるでしょう。

中小企業診断士もおなじことが言えるのではないだろうか、と思うのです。

ここは、名阪口述セミナーでなご氏が言っていたこととは少し違うのですが、
先生、と呼ばれるものにとって、「これはどういうことでしょうか」という質問をされ、分からないということは許されない。。

ここまでは一緒です。

そこからつけたし。
で、その質問に対して噛み砕いて説明しまた解説を行い、さらなる奥深い部分、例えば他の士業との連携が必要になる場合においては、スムーズな橋渡しの役割を行える立場たるべし。

というところでしょうか。

最後に。
一番この資格を維持する場合に、気を付けねばならないこと、それは

「知識の陳腐化」

です。FPにおいては一生もん、診断士においても、5年の更新はあれど、基本一生もんの資格ではあります。

でも、その知識を磨き続けていないと、資格を維持していくことは困難になろうかと思われます。

この診断士資格、合格者・登録者と同じ数だけ更新をしない人が多く、長らく2万人程度の資格保有者しかいないというデータをこの間よみました。

少し寂しいはなしですが、この資格に合格したときの喜びをいつまでも忘れず、

会社・社会のために少しでもこの努力を還元すべく、

合格、未合格の方もがんばっていきましょうよ。

てなわけで、今年最後のブログは、長々といつもどおり書かせていただきましたっ!

合掌。

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中小企業診断士とは何か?”へ4件のコメント

  1. 紫雲和尚 より:

    firebladerさん、重ねてコメントありがとうございます。
    FPと診断士の親和性、というか補完性に最近気づいてきまして、FPについての分野も知っていると、他の士業のポジショニングがよくわかるというか、どこが得意分野で、どの士業にまわせばよいか、ということがよくわかります。
    .
    さらに、まあ幅広くそこそこ深い知識でもって、顧客の信頼も得ることが、診断士+αで出来るようになってきましたよ!
    .
    来年はぜひともリベンジを決めていただいて、同じFP診断士としてがんばりまっしょい。

  2. fireblader より:

    紫雲和尚様
    コメントありがとうございます。
    実務で活躍できるようがんばって勉強します。
    私も正会員に申し込んではいるのですが、診断士勉強優先で、ファイナンシャルプランが積みっぱなしになってしまっています。継続ポイントも厳しい状態なので、同時進行でがんばります。活かしてこその資格ですし、必要としてくださる方にお役に立てるよう精進したいと思います。

  3. 紫雲和尚 より:

    firebladerさま、こんな読みにくいブログ(自分でいま読み返してみて、マジに思った)にコメントありがとうございます。
    .
    はい、覚えてますよ、FP診断士の話!
    .
    今回は残念な結果ではあったようですが、この資格、あきらめなければ受かる資格だとも思います。
    .
    それよか、その知識の陳腐化についてのご意見、和尚は今一番それが怖くって、FPについてはファイナンシャルプランニング技能士センターに登録し、毎年1万円会費払って、強制的に問題解いて、陳腐化を防いでます。人間って堕落していくとどこまでも堕落していくので、こうしてやっていかないと
    .
    試験に受かったど!
    .
    というだけで、それはもうずるずると。。。というのが一番怖いんですよね。
    .
    いつか、また一緒に診断士としてそしてFPとして活動しましょうよ。
    リベンジ、期待してます!

  4. fireblader より:

    和尚様
    10月の大阪のセミナーに参加させていただき、FP診断士の仲間入りを目標に掲げておりましたが、今回は残念な結果となりました。 来年こそは仲間入りできるよう努力を続けます。正直FP知識の陳腐化は胸に刺さりました。FP診断士と胸を張れるように2次対策と平行してFP知識の錆落としも進めていきます。前を向く力を頂きありがとうございました

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