組織は戦略に従う

 

こんにちは、 Xレイ です。
二次試験まであと5週弱。いかがでしょうか。

今日は、珍しく6代目リーダーより特命を受けております。
それは
いまだに二次試験の“キモ”が掴めず心が折れそうな受験生を何とかして
というものなんですが。

事例Ⅰ~Ⅲ。
一向に合格できそうな解答を書けるようにならない
いまだ何をしていいかもよく分からない
とそんな方。
おそらく、解答パターン(思考パターン)ができていないのではないかと。
どんなことかと言いますと

第1問 C社の強みを述べよ

こんな設問があったとします。
なんとなく何をすればいいのか分かりますか。

①C社の強みを答えればいいんだな、と解答要求を把握する
②「C社の強みは、・・・である」といった感じで解答しよう、と解答フレームを決めておく。
③与件文から、他者と比較してC社の優れている点が書かれている記述を探してくる。
④無事見つかったら「C社の強みは、・・・である」とさっきの解答フレームに当てはめて記述をする。

おそらくこんな感じが多数派。
この通りやれということではありません。
このような解答パターン(思考パターン)を各々の設問に対して、ある程度確立しておく必要があるのではということです。
「80分のお作法」をパクってカスタマイズするのはその後です(同時進行もあり)。なので、そのパターンを確立せずに、80分の過去問演習を行っても、なかなかうまくいかないはずです。

それでは、どのようにそのパターンを確立するのか。
一つ例を挙げると、
“目指す解答”いわば“自分なりの正答”を決めて、そこから逆算
どうすればそこにたどり着けるのかを一度じっくりと考える。
こんな感じでやってみるのはいかがでしょうか。

 

今日はもう一つ、事例Ⅰについて思うところを。

二次試験対策を始めて早6週間。
形になってきたと感じるストレート生も、少なくないでしょう。
事例Ⅱは、正しい方向に発想力を生かせれば大丈夫そうだ。
事例Ⅲは、この過剰な情報量を処理するのは時間との戦いだ。
などなど思うことも。

事例Ⅰはどうですか。
何だかよく分からない
いまだ、こう感じる方も多いと思うのですが。

その事例Ⅰの与件文。どんな事に気を配って読み込めば、事例企業さらには解答要求をしっかりと把握できるのでしょうか。

時系列を意識する
私の中での二次マスターなごさんがこちらでおっしゃってました。もちろん重要です。
ちなみにそちらの記事。ストレート生の方は、今一度しっかりと読んでみてください。この時期になると、マスターの指南が、以前よりも分かると思います。

もう一つ、近年の事例Ⅰで重要なのは
戦略を意識する
これだと思います。

 

組織は戦略に従う

“近年の事例Ⅰ”といいましたが、平成21年以前とそれより後では、少々様子が異なります。

平成21年以前はA社の業績がイマイチというパターンが多いんです。
そこで最悪「これからどんな方向に進めばいいの?」となってしまって、今後の事業の方向性、それ自体を助言しなさいということに。
こうなると難しい事例Ⅰが、さらに難しくなってしまいます。

それに比べ、平成22年以降はA社の業績が割りといいんです。
経営環境の変化にうまく対応して、すでに正しい方向(=戦略)に向かって進んでいる。そんなシチュエーションで、それが与件文に描かれています。

よって、その描かれている戦略を読み取り、常に念頭に置くことで、いくつかの設問において解答要求を取り違えることなく、正しい方向性で解答できるのではないかと考えています。ちなみに、解答する内容はあくまでも組織・人事を意識します。

どういったことか具体的にいきます。

 

平成22年の事例Ⅰ。(以下は個人的見解です)

A社は砂糖を中心とした食品原材料を扱う商社。
与件文から
1.物流機能の強化と販売経路の維持・拡大
2.加工部門の強化
といったA社がすでに進めている戦略を読み取り、常に念頭に置きます
さらに、基本的にはその戦略に従った組織をデザインしていく、といった意識を持ちます。

第1問は、物流機能の強化という戦略に至った背景について聞かれていて
(設問1)では、その戦略をとる前はどのように事業を行っていたのか
(設問2)では、そこからどうしてその戦略をとることになったのか
それらを答えてほしいのではないか。

第2問は、販売経路の維持・拡大という戦略のための施策で、結果的には物流機能の強化にもつながる、M&Aについて聞かれていて
(設問1)で、まずはその戦略自体の概要を問われている
(設問2)で聞かれているメリットは、その戦略を推し進める上でプラスになることのはず。つまり、買収先の従業員が作り上げてきた顧客との信頼関係ごと顧客基盤として手に入れられる、といったような。ちなみにデメリットは、おそらく人事の観点から待遇面。

第3問はひとまず置いておいて、第4問。
物流機能の強化と販売経路の維持・拡大に加え、加工部門の強化という既存の戦略を推し進めていく前提で、さらに経営資源を分散させて専門外の領域で事業をするべきか、を聞かれていて
『加工部門の強化なんかより、仕入・販売・配送に専念し新たな領域を目指す組織作りを・・・』など、絶対に答えてはいけないはず。
ここは既存の戦略を肯定した上で適切な方向性を示し、それに即した組織のデザインを助言する。

このように考えていければと。
もちろん個人的見解なので、内容に異論はあると思います。
特に第2問の解釈は難しく、間違っているかもしれません。
言いたいのは、事例企業を「経営戦略」といったような大きな視点で捉えて、そこから設問によって組織・人事の問題に落とし込んでいければ、ということです。

ついでに、ひとまず置いておいた第3問。
どのように答えるべきか判断が難しいのですが、仮に、単純にメリット、デメリットを中心に答えるとすると
メリットは、普通に考えれば次世代を担う人材のモチベーションアップということになるのでしょうか。
さておき、少々話は逸れますが、ここではそのデメリットについて。
与件文の第1段落の最後の方。
「定年を目前にしたあるいは定年延長した社員の割合が高く・・・」
組織・人事の事例Ⅰなので当然目に留まるところですが、一歩踏み込んで考えて、そこから現状は離職率が低いということを連想できるかどうか。
聞かれてるのはA社にとってのデメリットです。
一般的に考えられるいくつかのデメリットの中から、離職率悪化の懸念を指摘するのは十分理にかなってると思います。
これは、事例Ⅰ~Ⅲ共通なのですが、ポイントで一歩踏み込んで考える
重要なことだと思います。

 

話を戻しまして、「戦略を意識する
上例は、戦略を読み取れた後の話ですが、まずはその読み取りが重要であることは言うまでもありません。今日は連休スペシャルということで、その辺りの話をもう少し。

 

平成23年の事例Ⅰ。(またまた、個人的見解です)

A社は、絆創膏を主力商品とした医療品メーカー。
近年推し進めている戦略は、新市場の開拓
具体的には
1.医家向け医療品市場
2.中高年向け製品市場(化粧品・健康食品)
と、ここまでは簡単。
もう一つ読み落としていけないのは、第1段落の最後。
「わが国とは法や規制の異なる欧州や米国、今度の成長が期待される中国などの海外の市場開発・・・」つまり、
3.海外市場
“法や規制の異なる”という記述から一歩踏み込んで考えて、展開する商品は医療品(中国へは化粧品・健康食品の可能性もあり)。
ついでに、2.はなぜ「中高年層をターゲット」にしたのか一歩踏み込んで考えてみる。
主力の絆創膏市場、その消費の中心はおそらく子供。
少子高齢化による、その市場規模の縮小を感じ取ったからかな。
と推測しておく。

こんな感じで戦略を読み取り、それを意識して各設問に取り組んでみると、今まで見えなかったものが見えてくるかもしれません。しつこいようですが、解答する内容はあくまでも組織・人事です。

 

以上です。
大きな視点で事例企業をしっかりと捉えて、正しい方向性を言い当てる。
解答の根拠探しで行ったり来たりの受験生を尻目に、それができればと思うのですが。

それでは、また  Xレイ

 

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