「自己充足的予言」を診断士学習に活用してみる
こんばんは。ZonEです。
震災から10日以上経ちましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
余震や計画停電はまだ続いておりますが、私の身の周りは ほんの少しだけ平穏さを取り戻しつつある気がします。
震災後に色々な現象が発生しましたが、その中でも私が驚いたのは、コンビニの棚からカップラーメンなどが無くなったことでした。
そうです、食料や物資の買い占めです。あな恐ろし、集団心理…といった感じでしたよね。
オイルショックの時も、トイレットペーパーなどの過剰な買い占めが発生したようですが、これは「自己充足的予言」によるパニックとしても有名です。
「自己充足的予言(self-fulfilling prophecy)」というのは、マートン(Merton,R.K.)の定義によると
“このようになるのではないかといった予期が、無意識のうちに予期に適合した行動に人を向かわせ、結果として予言された状況を現実につくってしまうプロセス”
のことで、「予言の自己成就」などとも訳されています。
そこで、今回はこの「自己充足的予言」を診断士学習に有効活用する方法について考えてみたいと思います。
方法は簡単
突然、堅い心理学用語が出てきたので身構えてしまった方もいらっしゃるかもしれませんが、今日は軽めの話題です。
自分のなりたい姿を自分と身の回りの人々に予言してしまおう…ただそれだけです。
例えば、財務を得意科目にしたければ、周囲の勉強仲間に「自分は財務が得意だよ」とか「自分は財務を得意科目にする」などと宣言/予言してしまいます。
あとは、「自己充足的予言」の効果で自然と財務が得意科目になるのを待つだけ…です………と言われても、さすがにちょっと眉唾ものですね。
信じていただけるようにもう少し掘り下げて、「自己暗示」と「ピグマリオン効果」に分解して説明してみます。
自己暗示
自己暗示というと、催眠術とか胡散臭い話に聞こえるかもしれませんが、ここでは自分を「その気にさせる」程度だと思っていただければ十分です。
「その気になれ」って言われても、財務で問題がスラスラ解けるようになり、ある程度点が取れるようにならないと「その気になれない」のも事実だと思います。
ですので、自己暗示が有効に働き出すのは、今回のプロセスの後半です。予言や宣言が現実味を帯びてきたときに、自己暗示でそれを加速させる…といったイメージでしょうか。
ただ1つだけ記憶の片隅に留めておいてほしいのは、財務のテストで高得点(例えば80点)を取ったという事実に対して、
「たまたま良い点数が取れた」
と思うだけだと得意科目にはなりませんが
「自分は財務が得意だから良い点数が取れた」
と思うことができれば、財務は自然と得意科目になっていく…ということです。
また、一度財務を得意科目だと思ってしまえば、もし科目内によく分からない分野が出てきても、「自分は財務が得意」という認知と「得意科目内によく分からない分野がある」という現実の間にある不協和を解消するような行動が取られます。専門用語で言えば「認知的不協和の解消」のために、そのよく分からない分野をそのままにせず、きちんと理解するまで自発的に学習を進めることができるようになるわけです。これも自己暗示がなせる業ですね。
ちなみに「認知的不協和の解消」とは、「矛盾した2つの認知がある状況で、その不協和(矛盾)を解消するために、比較的変えやすいほうの認知を変えて、協和している状態にする」心理作用です。マーケティング心理学でも例としてよく出てくるのでご存知の方も多いと思いますが、自分が購入した高級車をけなす雑誌を読んだ際にその雑誌を批判することで認知的不協和を解消を図る…などが好例でしょうか。
ピグマリオン効果
心理学用語が連続してしまい申し訳ありませんが、「ピグマリオン効果」とは「教師の生徒に対する期待や態度が、生徒たちの知能や学習の意欲に大いなる影響を与えるという現象」です。知能が普通のクラスの生徒に対して、教師にこのクラスの生徒は知能が高い子たちであるとウソをついたところ、教師は知能が高いと信じ期待や態度が変り、本当にそのクラスの生徒たちは、知能が高くなった…というハーバード大学のロンゼンサール教授の実験は聞いたことがあるかもしれません。
「自分は財務が得意だよ」と周囲に宣言することで、周囲の期待や態度はあなたをそのように扱うようになります。例えば、会社の同僚に「自分は診断士の勉強を通じて、財務が得意になった」と宣言したり、勉強仲間に「自分は財務が得意だから分からないところがあったら質問して」と言い切ってしまえば、同僚や勉強仲間はあなたにアドバイスを求めたり質問をするようになるハズです。その状況のまま何もしなければ、単なる「ハッタリ野郎」や「嘘つき」で終わりですが、前述した「認知的不協和の解消」も働いて、多くの方は「財務が本当に得意になる努力」を自然とするようになるハズです。
この方法は、周囲に「今○○の資格試験勉強しているから□□に関する事なら何でも聞いて」と大見栄を切っておいて、後でその言葉に追いつけるように頑張る…といった感じで、診断士だけでなく色々な資格勉強をする際にもかなり使えます(最近のお気に入り)。
最後に
私は「言霊」って結構大切だと思っています。
今回は自己充足的予言をプラス方向で活用しよう…というテーマでお話させていただきましたが、逆に意図せずマイナス方向に使ってしまっている方も多いのでは…とも感じています。もし、「自分は財務が不得意だから○○~」などと口にしている方がいらっしゃるなら、絶対に止めていただきたいと思います。謙遜でもそんなセリフを口にしていると、本当に不得意科目を作ることになってしまいます。
どうせならプラス方向に、プラス思考で勉強を進めていってください。
それでは、今日はここまで。
by ZonE