【渾身】経営法務 会社法改正論点

こんにちは、ぽらーのです!
8月の1次試験に向けてT○C予備校生の場合は、これから完成答練期に入り、科目毎のローリングに突入しますね。
今は一番しんどい時期です。1次試験合格を山頂とした登山に例えるなら、今は5合目から7合目の間といったところでしょうか。
このローリングの時期をご自分の納得いく学習によって登り切ってしまえば、雲の合間から澄み切った青空に浮かぶ山頂が見えてくるはず。
がんばりましょう♪

さて、5月3日より6代目道場メンバーによる【渾身シリーズ】のリレーがスタートしておりますが、本日は「経営法務」ということで、ぽらーのが担当させていただきます。
内容は前回記事の続きになります。⇒こちら

以下の記事は個人的な見解であり、かつ、法律解釈や法務面において正確かどうかの検証はしておりません。よって、正確な情報については市販の専門書や概説書等でご確認いただければ幸いです。
また、かなり重箱の隅のような要素も含まれておりますが、ご了承ください。

今月5月1日に改正会社法が施行されましたが、診断士試験における影響度はそんなに大きくないと思われます。
理由は、今回の改正が上場会社などの大企業に対する規律の見直しが中心であり、中小企業との関連が基本となる診断士試験に与える影響度はあまり大きくないと考えられるためです。
では、「出そうもないか?」 というと、「そうとも言えないなぁ」というのが正直な所感です。
見ていきましょう。

1、会社法改正の理由(法務省HPより

=================================================
株式会社をめぐる最近の社会経済情勢に鑑み、社外取締役等による株式会社の経営に対する監査等の強化並びに株式会社及びその属する企業集団の運営の一層の適正化等を図るため、監査等委員会設置会社制度を創設するとともに、社外取締役等の要件等を改めるほか、株式会社の完全親会社の株主による代表訴訟の制度の創設、株主による組織再編等の差止請求制度の拡充等の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。
=================================================

難しい日本語です。弱りました。
国語力にあまり自信がないですが解釈に挑戦です。

2.解釈(分解)

「株式会社をめぐる最近の社会経済情勢に鑑み」
⇒近年の上場会社をめぐる不祥事と株価低下、海外投資機関からのガバナンス強化の要請を言っているのかな。
「社外取締役等による株式会社の経営に対する監査等の強化のために」

⇒上記目的の手段として、次の二つを主に整備

「監査等委員会設置会社制度を創出」
「社外取締役等の要件等を改める」

「株式会社及びその企業集団の運営の一層の適正化等を図るために」

⇒上記目的の手段として、次の二つを主に整備

「株式会社の完全親会社の株主による代表訴訟の制度の創設」
「株主による組織再編等の差止請求制度の拡充」

「・・・等の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。」

⇒ふむふむ。
対象はおそらく主に大会社・公開会社や大きな企業グループであり、それらのガバナンス強化とグループ運営の適正化について主に言っているのだな。
で、中小企業や過去問傾向等との関連も合わせて、どんな改正概要なの?改正の狙いは何だったの?をまとめたものが下記別表です。ご参考になさってください↓

3.まとめ

昨年、他の受験生支援ブログにおいて、弁護士の方が「弁護士の領域であって診断士の領域ではないが・・・」という前提を述べつつ、中小企業との関連において重要な論点として挙げられていたのが、

キャッシュアウト制度」

「多重代表訴訟」(中小企業が持株会社となってその子会社で実質的に事業を行う場合)

「詐害的な会社分割における債権者保護」

「監査役の監査の範囲に関する登記」

などです。

ぽらーのとしては、上記に加え、前回記事での分析のとおり過去問分析では事業譲渡も頻出論点であることもふまえれば、子会社等の株式譲渡で一定要件を満たす場合には、事業譲渡と同様に主総会の特別決議が必要となった点も案外重要なのではないかと思います。

また、改正の目玉(インパクト大)であり、知識問題として問われるとすれば・・・

「監査等委員設置会社制度の創設」や「社外取締役等の要件」

このあたりもあり得るでしょうか・・・

本日の記事は以上です。

日々の学習を楽しみましょう♪
ぽらーの でした。

<参考文献>
‪●平成26年度 改正会社法(有斐閣)
●改正会社法の要点がわかる本(SE)
●中小企業診断士2015 スピードテキスト(TAC出版)

【おまけ】
協会から27年度の1次試験案内が5月7日に発表されております!

⇒診断士協会1次案内へのリンク

申込期日は6月2日とまだ先のような気にもなりますが、これから先、公私において突発的な事がないとも限りません。
「試験に受かるぞ!」という気持ちを高める上でも、どうか手続きは余裕をもってお早めに。

Follow me!

【渾身】経営法務 会社法改正論点”へ6件のコメント

  1. 2次2回落ちて、1次からやり直しの40代様 より:

    ぽらーの様

    いつも大変お世話になっております。

    ご丁寧なご説明を頂き、誠にありがとうございます。

    察するところ、「使い分け」が有効なのですね。
    おそらく、採点者にとって分かりやすい解答を心がければ、必要なところではナンバリングを使い、そうでないところでは使わない、という対応になってくるかと思われました。
    (もちろん、ナンバリングを使わずに立派な解答を書かれる方も多くいらっしゃるとも思いますが)

    いずれにせよ、「ナンバリング自体」で直接合否に影響があるわけではない、ということだけは合格者の方のリアルなコメントで理解できました。

    お忙しいこととは思われますが、今回もお付き合いを頂き、誠にありがとうございました。

    以上、宜しくお願い申し上げます。

  2. ぽらーの より:

    2次2回落ちて、1次からやり直しの40代様

    1次試験大変お疲れさまでした。
    また、記事がお役に立ったとのことですが、とても嬉しいです。誠にありがとうございました。

    さて、ご質問の件ですが、私は結構ナンバリングを使っていました。

    ただし、①、②、③の因果関係の流れが①⇒②⇒③の場合、①、②、③とナンバリングで分けて書くよりは、例えば「・・・(①の内容)により、・・・(②の内容)となり、・・・(③の内容)となる。」 という書き方のように、ナンバリングを使わない方が、採点者からすれば読みやすいし、理路整然とした解答であるとみなされる可能性があります。予備校の先生もこの点をご指摘されているのかもしれませんね。

    一方、設問が「メリットを答えよ」、「理由をいくつか答えよ」、「情報項目を挙げよ」などと複数の解答要素が考えられるケースにおいて、解答要素間に因果関係がない、もしくはこの設問では因果関係までは答える必要がない場合には、「メリットは①、②、③」、「理由は①、②、③」、「情報項目は①、②、③」というようにナンバリングして端的に解答する方が良いというか、字数も少なくて済むし、解答者・採点者双方が楽なような気もします。

    2次試験は字数と時間に制限がある試験です。ナンバリングについては、おっしゃられているような自分にとって役立つかどうかということも判断基準として加えた上で、設問や解答内容に応じてケースバイケースで対応されるのがよろしいのではないかと思います。

  3. 2次2回落ちて、1次からやり直しの40代 (です) より:

    ぽらーの様

    いつも楽しく読ませて頂いております。

    ところで、「経営法務・改正論点のまとめ」サイコーに役に立ちました。

    おかげで、先日の1次試験にて70点越えが達成出来そうです。

    直接の出題がなされた箇所はもちろんですが、「まとめ」を持っていることで試験中の安心につながり、落ち着いて試験問題に対応できました。

    誠にありがとうございました。

    お礼ついでに、不躾ながらもう一つお聞きしても宜しいでしょうか?

    もう2次試験の話なんですが、よく予備校の先生が(事例Ⅰ~Ⅲなどで)解答用紙に解答を書くときには、「ナンバリング」をするな、と仰います。
    ナンバリングとは、例の

    ①XXXXだったから
    ②XXXXだったから
    ③XXXXだったから

    といった各解答要素に番号を振りながら答えるタイプの解答です。

    予備校の先生曰く、この方式では解答要素同士に因果関係がないのがモロバレで、採点者の印象が悪い、とのことです。実際、先生方からはそういったコメントがよく聞かれます(某予備校)。

    一方、この書き方は非常に便利で、自分の解答を安定させるのに役立ち、当日の試験中のパニックになりかけの中、上手く自分の考えをまとめるのにも役に立つ気がします。
    もし使えるものなら使いたいです、正直。

    実際、世に出回る多くの再現答案でも(ふぞろい等)、このナンバリング方式は多く見受けられます。ということは、ナンバリング方式を採用しても、十分合格できる、ということになると思うのですが、実際には合格者の方は本当にナンバリングをして合格されてらっしゃるのでしょうか?
    合格者の方が回りにいないので、この場を借りて質問させて頂きました。

    本題とずれ、場違いな質問となり大変恐縮ですが、もしアドバイス頂けますと大変助かります。

    以上、宜しくお願い申し上げます。

  4. 2次2回落ちて、1次からやり直しの40代(です) より:

    ぽらーの様

    ご返事、どうもありがとうございました。
    これからも期待しております。

  5. ぽらーの より:

    コメントを頂きまして、誠にありがとうございます。
    お問い合わせの法改正の「産業財産権バージョン」ですが、私の方では作成しておりません。ご期待に添えず申しわけございません。
    このようにコメント頂きますと、道場メンバーのモチベーションも大変向上しますので、今後も何なりとコメントいただければ幸いです。
    よろしくお願いいたします。

  6. 2次2回落ちて、1次からやり直しの40代(です) より:

    いつも参考にさせて頂き、大変感謝しております。

    また、今回の会社法改正のまとめ、すごく助かります。
    独学で勉強をしていると、こういったテキストでは追いきれない内容って、かなり役立ちます。

    どうもありがとうございました。

    感謝ついでに(?)といってはなんですが、法改正の「産業財産権バージョン」なんてものは存在するのでしょうか?
    (不躾な質問でスミマセン)

    期待してます。
    これからも頑張ってください。

    では。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です