考えること(論理的思考力)と暗記(知識)のはざまで-「とりあえず暗記」のススメ

こんにちは。牛嶋・寺前・和田法律事務所の弁護士岡崎教行です。

今回は、フリーの日曜日枠に初投稿です。

日曜日というと、僕も大ファンのふうじんさんの切れ味鋭い投稿日というイメージですが、ちょっと私も参戦(笑)

さて、ここで今日のお題にからんだ質問です。

中小企業診断士試験では、論理的思考力と知識のどちらが試されているでしょうか?

今年の二次筆記試験の出題の趣旨をみると、

「基本的理解力・分析力」「分析力・課題発見力」「分析力・原因究明力」「助言能力」「整理・分析する能力」「提案する能力」「解決する能力」

などが書かれています。

これを見る限り、そうか、診断士については、知識ではなく、論理的思考力が試されているんだ!と思われるかもしれません。

確かに、司法試験もしかり、中小企業診断士試験もしかり、他の国家試験もしかり、巷では論理的思考力が大事だということがいわれて久しいと思います。暗記じゃないよ、考えることが大事だよ、諸君!と言われたりもすると思います(特に高齢の方々から)。

だけれども、誤解を恐れずにいえば、国家試験の大半は、あらかた暗記でなんとかなります。暗記量に勝るものはないと思います。

これはかつては日本で一番難しいと言われた(?)旧司法試験(現在のロースクール制度の下での新司法試験とは別)にほぼ暗記で対応した私の実感です。

えっ、じゃあ、弁護士岡崎は、試験は論理的思考力は全く要らないって言っているの?と思われるかもしれませんが、それは否です。

僕が大学生時代に、司法試験を勉強していた友人が僕にこう言いました。

「司法試験って論理的な思考力を試す試験だから、1から考える能力を鍛える必要があるって先生にいわれて、おれもそう思ったんだよ。暗記なんて、意味ないよな。」

その友人はそれを愚直に信じたのか、どうしてかはわかりませんが、合格までに10年以上の年月がかかりました。

じゃあ、岡崎はどう思っているの?という点ですが、僕は、一定程度の暗記がなければ、考えるなんてことはできない、1から全てを考えるなんてことは絶対にできないと思っています。

知識の上にしか論理的思考力は育たない。圧倒的な知識があれば、論理的思考力もより高まっていく。

これが僕の持論です。だから、僕は、「とりあえず暗記すればいいじゃん」ってことをよく言います。

僕の勉強方法は、まず暗記から入ります。暗記って言っても、「理解ができないと覚えられない」こんな反論が想定されますが、そんなことを言っているようでは、受験生失格です。

理解ができないと覚えられないというのは体のいい言い訳です。理解ができてなくても暗記はできます。

たとえば、円周率。昔覚えましたよね。あれを覚えるのに理解が必要ですか?そんなことないでしょう。百人一首、あれを覚えるのに理解が必要ですか?そんなことないでしょう。

 

まず暗記をする。最初は意味がわからないのですが、暗記したあとに、授業あるいは答練の解説、もしくは過去問の解説を読んでいると、何かのきっかけで、あ~、これって、こういう理屈だったんだ~、と気づくときが絶対に来ます。

そのようにして理解を深め、論理的思考力を養っていくという勉強方法を取っておりました。

 

でも、暗記って辛いんですよね。わからないものを覚えるのは確かに辛い。でも、それはやらなきゃいけない。

だって受験生だもん。受かるためだもん。考えることが大事だから暗記は・・・なんていうのは逃げの一手です。辛い作業から逃げたいだけです。

さて、暗記で一番大事なものは何だと思いますか?

僕は、回数だと自信を持っていえます。僕の場合は、司法試験のときからそうですが、教科書などで覚えるところにマーカー(お気に入りはオレンジ)を引きます。読みながら、何回もオレンジのマーカーを塗っていきます。

そのため、覚えるところについては、オレンジマーカーが何十回、何百回と塗られるので、その部分が盛り上がってきます。そこまでかつてはやっていました。塗って塗って塗りたくる(笑)

それから、覚えたら、頭の中で覚えたことを吐き出すことを何回もやりました。これ、ほんとつらい作業なんです。なぜかというと、覚えたと思って頭の中で吐き出そうとすると思い出せないことばっかりなんです。ほんとつらい。

覚えてなかったら、もう1回テキストをみて、頭で思い出してみる。それを何回もやっているとそのうちに覚えます。その繰り返し。

また、回数を増やすために工夫したことといえば、電車の中で1駅ごとに1つを覚える、例えば、丸ノ内線であれば、西新宿と新宿の間で1つを覚え、頭で思い浮かべる、新宿と新宿三丁目の間でほかの1つを覚え、頭で思い浮かべるということもやっていました。

こう考えると、勉強って、電車の中でもできるし、歩きながらでもできるんですよね。

時期的には、スト生だと、もう経済学の授業は終わったんですかね?経済学についても理解力が大事だと言われます。だけど、理解できなかったとしても、まずは暗記してみましょう。

そうすれば、何回もやっているうちに理解できると思います。あ~、このグラフの意味ってこうだったんだ~、と間違いなく思える日がきます。法務も同じです。

さぁ、今日から「とりあえず暗記」しましょ。

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考えること(論理的思考力)と暗記(知識)のはざまで-「とりあえず暗記」のススメ”へ4件のコメント

  1. 岡崎 教行 より:

    ふうじんさん
    コメントいただけるなんて、とても光栄です。
    福本ネタって、辛辣なんだけど、本質をついていると思うんですよね。
    あっ、ふうじんさんのご見解も同じ香りがします(笑)

  2. ふうじん より:

    福本ネタ、私も大好きです。
    なんだか暗記をがんばりたくなってきました。

  3. 岡崎教行 より:

    イタロジャポさん
    コメントありがとうございます。
    たくさん塗ると、そのうちに文字が見えなくなるんですよ(笑)。で、マーカー塗ると、どういうわけか浮き出てくるんです。
    何回も塗っているところと塗っていないところの凹凸が結構、嬉しくて(笑)

    福本ネタ、改変バージョン、うまいですね~。私、思いつかなかったです。
    次回以降、利根川を中心に攻めていこうかと思っています。

  4. イタロジャポ より:

    「とりあえず暗記」、激しく同意です。
    それにしてもマーカーで何百回ってすごいですね。そんなに塗ったら擦りきれちゃいそう。あ、でもその頃には完全に脳に転写されてるからいいのか(笑)

    福本ネタも今後楽しみにしています。
    「思考力からがんばるんじゃない・・・
    暗記・・・暗記だけがんばるんだっ・・・
    暗記がんばった者・・・暗記がんばり始めた者にのみ・・・
    思考力が来るんだよ・・・!」

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