三者三様 暗記3兄弟の歩き方(法務)
「暗記3兄弟と仲良くしてますか?」
情報の三文字略語に四苦八苦しながらも、そろそろ予備校生は養成答練を迎える時期。財務や運営管理などの主要3科目に続き、難関経済もクリアしてきた受験生にとっては、難しいながらもなんだかホッとする情報。
なぜならすんなりと学ぶ≪記憶≫に徹すれば、変化球も少なく、古典的・王道的な問題が頻出である出題傾向である情報は、努力に応じた素直なリターンが見込める得点源科目だから。
まずはおさらい。前の記事にも記載してある通り、暗記三兄弟を制するオーソドックスな勉強の流れは下記の通り。
≪記憶≫…単語や言葉の意味などベーシックな基本事項を覚える
≪理解≫…基本的な単語の知識を基に、内容を理解し記憶を定着させる
≪丸暗記≫…理解を越えた自分自身の感覚と違うものを直前に設問ごと覚える最後の力技
情報は比較的、≪記憶≫要素だけでも回答できる部分が多く、これまでの難関科目をクリアしてきた皆さんなら、比較的すんなりと過ごせたのでは。
でも今度の法務は≪記憶≫から≪理解≫までの学びを多用する科目。特に≪記憶≫で毛嫌いが出ると一気に苦手科目に陥る可能性大。逆に≪記憶≫をクリアできれば、≪理解≫は容易に進み一気に得意科目に出来る貯金シリーズ。
その分岐点となる視点は下記の2点。
- 専門用語は、単なる言葉の道具と割り切る
- 民法、会社法、知的財産権など頻出出題範囲を把握
これが分かれば得点荒稼ぎ。
具体的に言うと。
1 専門用語は、単なる言葉の道具と割り切る
難しい言葉が並んでいるように見える民法。でも実際は「ヒトに関する決めごと」が書いてあるだけ。そのため基本的には人道的な判断と民法判断はだいたい一緒なので、言葉の意味さえ把握できれば、結論は案外感覚で判断できる。
そのため簡単な例は問題にならず、出題されるのは例外事例など微妙な場合のみ。でもそのポイントは実は限定的なため出題予測が容易。
でもそもそも多くの人が「難しい言葉」を毛嫌いしてしまうので、民法の勉強自体が後回しになり、当たり前のことが書いてある問題も多いにも関わらず、例年難易度が高い。
例えば…
善意・悪意 ⇒(事実を)知っているか、知らないか
心裡留保 ⇒ 思っていることと違うことを言っている(冗談)
欺罔行為 ⇒ だますこと
重過失 ⇒ ちょっとした注意で防げる注意力が欠如した状態
無権代理、連帯保証、要物契約…
たとえばこんな感じで。
最初に法務特有の「言葉」をただの記号と割り切れば第一関門突破。
言葉を覚えれば、あとは問題になりそうなケースを大まかに把握しておく。特に民法は善人と悪人とうっかり八兵衛(以後、八兵衛)の3人が登場するケースが多く、だれを守るべきなのかという観点で考えるとほとんどの問題がすんなり解決。
当然ながら守る順番は
善人 > (うっかり)八兵衛 > 悪人
Aに脅迫されたBがCに土地を売却
⇒脅迫なので避けられず可哀そうだから、Bを守る
(Bは契約を取り消せる)
Aに騙されてBがCに土地を売却
⇒Bはうっかり騙された(八兵衛)から、善人のCを守る
(Bは契約を取り消せない)
⇒でもCが騙した事実を知っていたら、Cは悪人なのでBを守る
(Bは契約を取り消せる)
大まかなルールが分かってくると、問題が解きやすい。特に民法は差が付きやすいので、得点源にして周りと差別化。
2 民法、会社法、知的財産権など頻出出題範囲を把握
法務は出題範囲がある程度固まっており、集中的に覚えることで得点力をアップ。特に会社法や知的財産権は毎年頻出であり、ある程度定型的な出題形式が多数。内容を理解し、過去問等で複数回問題を解き重ねることで得点の定着を図る。
この場合、単なる暗記ではなく、理解しながら知識を定着させることが大切。会計監査人や監査役がどんな会社の種類の場合に必要なのか、吸収合併と新設合併の違いなどを過去問タテ解きで知識を固める。会社設立や知的財産権は中小企業にとって大切な部分でもあるため、丸暗記でなくきちんと≪理解≫することで記憶の長期化を図ることが肝要。
法務は専門的な業務が多いため、実際の業務で携わったことが無い人が多く、苦手意識のある人が多い科目。逆に言えば、≪記憶≫をスムーズに行うことで、≪理解≫を容易に進め得点荒稼ぎ科目。
見た目のハードルの高さを“単なるまやかし”と早めに見破り、周りの四苦八苦を尻目に≪理解≫をいち早く進めることが養成答練高得点への最短ルート。
というわけで。今日はここまで。
「近道はないから、王道を全力疾走。勝負相手は自分です。」
なごでした。
大変失礼しました。逆ですね。本文直しましたのでご確認いただければ幸いです。
> 重過失 ⇒ 大きな過失が無いこと
.
なのでしょうか?