【合格”前”体験記】ママさん受験生がストイックに短期一発合格を目指す!~おはともさん~
こんにちは。3215です。
二次試験が終わってから、早1か月。
モヤモヤした気分にも、そろそろ飽きてきてるのではないでしょうか?
それでも、まだ二次筆記試験の結果発表まであと2週間強あります。
モヤモヤはまだもう少し続くわけですが、この”執行猶予期間”も、これまで頑張って二次試験に行きついた者にしかわからない「醍醐味」として味わってもらえればいいなーと思います。
今日は先日の.NAP.さんに続き、受験生の方からお寄せいただいた「合格”前”受験体験記」をご紹介いたします。
今回は昨年の12月末から診断士の学習を始められたママさん受験生”おはとも”さんの体験記です。
お仕事と家庭と育児をこなしながらの受験生生活はとてもストイックなものでした。
当初、A4用紙10枚強に及ぶ大作を僕のほうで泣く泣く凝縮させていただいてます。
それでは、どうぞー。
寄稿 ここから
[おはとも;自己紹介]
30代女性、5歳の娘あり。
2004年 社会保険労務士試験にストレート合格。
2008年 出産・育児休業取得
現在、保険業界で事務系専門職に従事。
[受験を決断した理由]
・社労士試験合格からのステップアップ
いまから10年前、TACに通学し社労士試験に合格した後、診断士の受験を勧められたのがこの資格との最初の出会いでした。
しかし当時の私はまったく興味を持てず。そのまま10年の歳月が過ぎてました。
・ビジネススキル獲得と提案力強化
2013年、管理職に昇進。ただでさえ育児と仕事を両立しながらの生活で大変なのに、実務経験のない部署での仕事。
定時で帰らなければならないのに帰れない壮絶な日々。
業務改善をして皆が定時で帰れるようにしたい。
しかしそこで気づいたのは、業務改善に必要な知識も提案するノウハウも自身に不足していることでした。
そこで、私自身が理論武装すること・社内での信頼を得るためのわかりやすい肩書=「中小企業診断士」を得ようと受験を決めました。
・目標設定
学習開始を決意したのが、2013年12月27日。
ゼロからのスタートで7科目受験するにはぎりぎりのタイミング。
しかし情報収集したところでは、診断士の一次試験は7科目同時受験することで科目間のバラつきを平準化することができトータル学習時間は最も少なくて済むらしい。
そこで、最短コースで合格を手にしたかった私は今年7科目学習に食らいつく、と決めました。
・学習時間確保
一次試験合格までに必要な最低学習時間は800~1000時間。
学習開始から8月の本試験日まで週25時間の学習を続けたとして、ジャスト800時間。
しかし娘にこれ以上の負担は無理だと判断したため、Web通信講座により
- 平日の昼休憩時
- 移動時間
- 子供の睡眠中
- 休日の子供を習い事に預けている間
のみを勉強時間に充てました。
・学習方法
10年前の社労士受験の経験から、診断士試験1次までの勉強についてどの程度ストイックにやらなければならないかというイメージは掴めていました。
が、完璧な状態まで仕上げて本試験に臨むというスタイルは今の私には難しい。
そこで、やるべきことの取捨選択が今後重要になってくると認識しました。
[基本講義インプット期の学習]
年末~GW終了までに7科目のインプットを終了すること、それ自体が最大の目標でした。
そこで、「学習の完成度は低くても、講義日程に遅れることなくどんどん進める」を基本方針とし、理解が不十分でも全体像をざっくりと把握することを優先しました。
この時期にしていた学習は次のとおりです。
- 移動中・食事中・入浴中・家事をしながらWeb通信で講義を聴く。
- 可能な限りテキストを開きチラチラ見ながら。
- 手足を使っていても頭を使っていない時間は勉強(講義を聞く)に充てる。
↓
講義に対応する部分のトレーニング(問題集教材)を1回解く
この時期の学習時間は週10~20時間と目標である25時間に届かず。しかもそのほとんどが「ながら学習」。
テキストの予習は一切せず(予習する時間があったら次の講義を聴くことに充てる)・復習はトレーニング(基礎的な問題集)を1回解く。
GW直前、休日の7日間で受験予備校の講義×10コマと対応する答練を消化しました。
とても短い期間での詰め込みになってしまいましたが、「GWまでに7科目の基本講義をすべて終える」という目的を執念でどうにか達成しました。
[基本講義終了時(GW直後)までの学習時間]
約250時間+α(細切れ時間)
当初目標ではこの時期までに470時間学習の予定でしたが、結果は目標を大幅に下回っています。
そして、GWまではまずまずだった答練の成績(7科目合計476点)も、GW以降は問題の難易度が上がってきて急降下。
ここで、私より早く学習を開始したライバルたちとの実力差を初めて感じました。
- これから何をやったらいいのか?
- どこから学習に手を付けるべきか?
を知りたくなり、TACの教室講義に参加するようになりました。
そこで教室受講生たちが話す会話のレベルが高いことに驚き、養成答練の点数だけを見て安心している自分の甘さに気づいたのです。
当時、周囲に受験仲間がいなかったため、「私は相当がんばっている。育児・家事・仕事・勉強を両立なんて神業はなかなか出来ない」ぐらいに内心思っていました。
しかし、教室講義に出てみれば私以上に忙しい人や育児と仕事、海外出張と学習を両立している女性がいることを知りました。
その日、涙とともに
「なんだかんだと合格できない理由をつけて逃げようとするのはもうやめよう。試験翌日に道で倒れて死んでもいいから、死ぬ気で勉強して絶対に今年合格する」
と決めました。
この時期やりはじめたこと
・インターネットによる受験情報収集
学習方法や本試験に関する情報収集のため、インターネット検索をして一発合格道場にたどり着きました。
社労士受験の経験上、本試験は勉強した知識そのものより、
- どれだけ情報やテクニックを的確に利用できたか
- 当日までのコンディション調整に成功したか
にかかっていることを知っていたので、道場ブログを発見してからは、勉強と同様にブログからの情報収集を重視しました。
道場で紹介されていた「橋げた理論」を知ったのも6月…。
すでに完成答練も終盤でした。
6月後半から本試験直前期までは、毎週平日に1日休みを取り、勉強時間に充てることで、40~45時間/週を確保しました。
平日の朝・昼・夜で4時間×4日=16時間
休日(2.5日)24時間
答練期に点数が下降した経済学・企業経営理論については勉強方法を変えたことで点数が上がり危機を脱出。
公開模試のレベルは本試験より少し高いと聞いていましたので、いまの実力からすると400点が目標、とにかく1点でも多く稼ぐことのみを目標にすると決め、万全のコンディションで臨みました。
[TAC公開模試の成績]
7科目合計 427点
総合得点で420点越えを達成。
少し前までは厳しいと思っていた一次試験突破が一気に射程圏内に入ってきました。
[公開模試後~超直前期]
今後の課題は努力したけれどやっぱり足切りになった財務会計と、得意だと自負していたのに予想外に足切りをくらった経営法務の得点の積み上げでした。
【財務会計】
最も困ったのは、過去問や答練の解説を読んでも、言っている意味がさっぱり分からないこと。
自分が前に進んでいる実感が全く得られないのではいくら問題を解いても無意味であって、やり方を変えない限り一切実力は伸びないと悟ったのです。
「直前期に新しい教材に手を付けるな」という通説がありますが、私は公開模試での財務敗退を経て、通説をあえて無視して自分の信じたやり方を選び取ることを決心しました。
7月初旬の1週間、新たな教材に取り組みはじめました。
【財務の新しい取り組み】
- 日商簿記3級のテキスト 3日間かけて1回読む
- TAC財務会計オプション講座(基礎的なもの)を通信受講、4日間で消化
その結果、「なあんだ!そんなことでよかったの?」というほど理解がすすみ、ようやく過去問の解き方・解説の理解ができるようになりました。
【経営法務】
法務は守備範囲が広いうえに丸暗記では対処できない理解を問う問題が多い。
そこで学習範囲を絞って得点可能性の高いところを重点的に補強する手段をとりました。
道場の出題領域表とTACからの情報を参考に、会社法と知財の暗記強化と過去問攻略に集中しました。
両者では特に知財のほうが難易度が低くなる傾向があるため知財の基本的暗記事項を優先しました。
【超直前期のピーキング】
会社は火曜から休みを取り、勉強とコンディション調整に充てました。
迫りくるプレッシャーの中で道場のひめさんのピーキング記事を参考にしました。
前日の夜にはやることが何もなくなってしまったので8時ごろにはさっさと布団に入ってしまいました。
[本試験成績]
- 企業経営理論 76点
- 財務会計 56点
- 運営管理 69点
- 経済学 80点
- 情報システム 52点
- 経営法務 48点
- 中小経営政策 74点 7科目合計 455点
[一次試験成功の要因]
学習期間中、2度の方向転換を行っていることがその要因と思います。
現在の自分の勉強の仕方で、ゴールに到達できる見込みがあるのかをつねに分析する。
到達できる見込みが薄ければ学習方法を変えるという意思決定をできたことが成功要因だと思います。
【二次試験対策】
一次試験が終わるまで、TACのカリキュラムにあった「二次スタートアップ講義」というのをちょっと聞いた程度でそれ以外何もしていませんでした。
速習で一次の合格すら怪しいのに二次にまで手を広げる余裕がなかったというのが正直なところです。
最も困ったのは、
- 何をどのように学習したらよいのか?
- どこが合格基準なのか?
- 何を目標とすればよいのか?
が分かりづらいことでした。
そこで情報収集のためふぞろいや全知識等の書籍を使い、どんな解答が合格・不合格なのかを知ろうとしました。
またタキプロの勉強会に参加することで、多年度受験生と接する機会もありその人たちがどんな解答を書いているのか見ることもできました。
また、講師から「スモールビジネスマーケティング」と「ブランドづくりの教科書」を読むことをすすめられました。
講師や受験仲間から「一次試験で学んだ知識を使った解答になっていないので、一次試験の復習をしたほうがいい」とアドバイスを受け、それ以降は「全知識」を読むようにしました。
一次試験の財務会計をぎりぎり実力で突破した私としては事例Ⅳが最も心配だったのですが「事例Ⅳ単独で落ちる人はほとんどいない」「事例Ⅳ合格のハードルは思っているほど高くない」という話を真に受けて「ああ、そんなにやらなくていいんだ」と思ってしまいました。
今思えば、ほかの一般的受験生はそうであっても財務会計の実力が弱い私はもっと早い段階から力を入れて取り組むほうがよかったんじゃないか、と思ってしまいます。
寄稿 ここまで
いやー。前半の一次試験対策への取り組みには圧倒されますね。感服です。
今秋から学習を始めた方の中にはひょっとしたら「え?この試験ってここまでしないと合格できないの?」とか思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ここまでストイックに取り組める方はそうそういらっしゃらないと思います。
その中でも、おはともさんは社労士試験学習の経験を活かしつつ、学習目標の設定をしたり、主体的かつ柔軟的に学習の仕方を修正されています。
こうした「学習のPDCAサイクル」をキチンと廻すというところは、これから学習を進める皆さんにも参考になるかと…。
本文中にもありますが、6月までの「時間」と「学習進度」の管理に”橋げた理論”に基づく「学習の習熟度(理解)」の管理が加わっていれば、より効率的だったのかもしれません。
(ちなみに”橋げた理論”とはこちらのページをご参照ください。)
それに比べて二次試験対策は「対策期間の短さ」や「捉えどころのなさ」にずいぶんと迷いと苦労をされた感が読み取れます。
ここが「合格前体験記」で如実になるところですね。
きっと合否が判明してからだと、いろんなところが「英雄譚」や「敗将の弁」みたいに変換されちゃう。
これが初学の方の二次対策について「リアルなところ」なんだろうなぁと。
…なんて、ずいぶんと上から目線で物申しておりますが、結果が出る前にここまで振り返ることができるのはすごい!
おはともさん、どうもありがとうございました!
3215
sohko93さま
コメントいただきありがとうございました!
私の体験記が励みになったというのは大変嬉しいです。
寝て欲しいのに寝てくれないチビちゃんとの生活、時間を自分でコントロールできない辛さ、ありますよね。
ときにはお子さんを他の方に見ていただいて「早く寝てくれ〜」というストレスから解き放たれて、勉強に集中できる時間を持てるといいですね。
合格は逃げません。逃げるのは自分。
どうすれば受かるのか、そのためには何をすればいいのか、
冷静に考え、情報を集めればおのずと自分のすべきことが見えてくるはずです。
診断士は、特に女性にとっては人生を変える素晴らしいきっかけとなる資格です。
欲しいと願えば、必ず手に入ります。
私も受験生時代に、もう無理かも、と思ったことが何度もありました。一次も二次も、試験の直前はことさらにそんな不安に襲われました。
そんなときに自分のメンタルを回復させる術を持っておくことも有効かもしれません。
来年は診断士として一緒に活動しましょう!
お返事いただきありがとうございます!感動しています!!
かなり崖っ淵にいることを改めて実感していますが、合格の先に見えるものを意識して、やり抜きたいです。
今後ともよろしくお願い致します!!
3215様
重ね重ねありがとうございます。
来年こそは!と思うほどに力が入り、過去問ばかりに向き合いがちでした。今年の経済で60点行かなかった自分にとって、何が不足しているのかを今のうちに冷静に考えて、理解すべきところを先に取組みます。
おはとも様
早速返信いただき、ありがとうございました。
私は予備校も単科で受講していた関係で仲間を作る時間もなく、なかなか情報交換もできなかったので大変助かりました。特に経済は過去問を解いても点数が安定せず困っておりました。今一度、理解すべく時間を投入したいと思います。
>matsuさん
コメントありがとうございますー。
おはともさんの回答でも充分かと思いますが、僕が以前コメントしましたことも補足しておきます。
経済学は石川秀樹先生や茂木喜久雄先生のテキストがわかりやすいと評判が高いようです。
また石川秀樹先生についてはYouTubeにて経済学講座を提供していますので、こうしたものも活用してみてはいかがでしょうか?
http://www.youtube.com/playlist?list=PLBFED17C66831C5FA
おはともさんの言う通り、今のうちにしっかり理解するところから始めると経済学はどんどんラクに楽しくなってきますよー( ´ ▽ ` )ノ
matsuさま
私の場合はまさにそのスーパートレーニングを使用して点が上がったクチです。
ただ、私の場合はかなり前にですが林敏彦先生による放送大学科目「経済学入門」を勉強していたという基礎がありました。
いまから本試験までならかなりの時間がありますので、過去問に慣れるのはもう少し先にするとして、今は理解をしっかり固める、という作戦を私なら取ると思います。
スーパートレーニングで「解説が少ない」と感じるのであれば、今は問題集よりも、経済学の書籍を読み込むような理解重視の学習をすることで、来年の点数に差が出てくるかもしれません。
TAC過去問は、一回の試験で出題される問題のバランスや時間配分などを考えるためのツールだと考えていました。
論点をまとめて解くには同友館の過去問が使いやすいですね。
おはともさま
2016年合格を目指して頑張っております。
状況がとても似ていて、合格体験記を読んだ時から励みにしておりました。10月に出産し、育児休業中ですが、会社の雲行きが大分怪しくなり、復帰後のリスクヘッジとして合格を目指しています。
2人の子持ち、1人は4歳、1人は未満児でなかなかまとまって寝てくれない中で、GWまでに養成答練終わらせるのがやっとでした、、、。
けど、絶対合格して会社で知識を活かして仕事をしたい、もし会社が倒れても大丈夫なエンプロイヤビリティを身に付けたいと燃えています。
無理かも、、、と思ったときはおはともさまの記事を読んで奮起しています!
絶対ストレート合格目指して頑張ります!!
急にコメントしてすみませんでした(^◇^;)
今年、簡単だったはずの経済を1マーク差で落としてしまったmatsuです。経済の問題集についてアドバイスください。TACでのe先生は、過去問も必要だが、公務員試験用のスーパートレーニングを推奨してますよね。私には解説が少ないのがツライのですが、ただ別の先生は10年分の過去問を勧めていたような… 去年はTACの過去問を使ってましたが、横串で解く時に少し使いにくく迷ってます。
来年は今年より難化すると思いますので、頑張っておきたいと思います。