採点者がさらっとマルを付けたくなる!?

10月15日(水)
今日のゼミで、教授からお達しがあった。何でも10月末から1ヶ月程度、忙しくなるので予定を空けておくようにとのこと。何でもこのゼミ毎年恒例の儀式だそうだ。先輩に聞いても「まぁ…みんな乗り越えてきた道だから。」としか教えてくれない。不気味だ

10月22日(水)
改めて、教授から来週以降の予定を空けるように念押しされた。 一応、予定は空けておいてはいるが詳細が分からないので、あまり調整できていないのが本音だ。11月に受けるTOEICの勉強に支障が無いといいなぁ

10月29日(水)
研究室に朝から集合の号令。目の前には5,000枚の解答用紙。積み上げたら50cmくらいあるよ、これ。この1ヶ月で、全部を採点するのかよ…とりあえず100枚程度採点を始めてみるものの、記述式だから教授からもらった模範解答とちょくちょく違う。採点に迷うたびに教授に指示をもらうので、作業進まない

10月30日(木)
採点2日目。だんだん採点のコツが掴めてきた。一つの設問は大体2分くらいで対処していけば、スムーズに進む。しかし、手書きの文章を読むなんて何年振りだ?癖字や殴り書きの解読がつらい

10月31日(金)
解答用紙は持ち出し禁止なので、研究室にこもって採点。単純作業に通じる部分もあるので、集中力が求められる。今日は1時間だけやって終了。

11月1日(土)
何百枚も見ていると、何となく解答の型やキーワードのようなものが分かってきた。はまった解答が続いてくれると、採点も楽。逆に、型やキーワードから外れていたら加点しない。例外をいちいち読んでいたら、時間もなくなるし。2週間後のTOEICの勉強時間確保のために、こういう作業系はさくさく終わらせねばならない

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みなさん、こんにちは。

いきなり妄想全開の偽ブログの内容を書いておりますもうお分かりですよね。これは、採点者側から見た採点作業のイメージして書いています。 本日は、採点者側の事情を推測しながら、周囲の合格者と同じ解答を作る必要性を考えてみたいと思います。

■採点の裏側を推測する
冒頭の偽ブログの文章のネタはひめのこちらの記事やせんせいのこちらの記事を参考にしています。どちらの記事も、採点は少人数ながらも複数人で行っているという事を指摘しています。正しい採点という観点でいけば単独採点が理想です。しかし、現実的に単独で5,000枚採点するのはかなり難しいでしょう。とはいえ、国家試験の記述式採点を数百人規模の外注に任せた場合、解釈による採点のぶれや機密管理の面で不安が拭えません。ですので、作問者+数名での採点というのが現実的なイメージではないでしょうか。

■情報処理能力は?
ひめの記事では、1事例につき10分程度しか配分ではと推定されています。仮に10分を6つの設問で分配すると一つの設問で100秒程度。試しに、手元にある文章で計測したところ、私が1秒で読む量は10文字程度。丁寧にじっくり読んだとしても、1秒5文字程度でした。100字の解答を読むのに最低でも10~20秒程度は必要になるかと思います。となると100秒の内、残り80秒程度でキーワードや文章構成をチェックしなければなりません。しかも、わんこそばのように、次から次へと解答用紙が押し寄せてくる流れ作業。こうやって考えると、あまり丁寧に読んでもらうことは難しいのかなぁと容易に想像できますね。

■採点者の気持ち
偽ブログの主人公は大学生という設定でした。学生がどうかはともかく、採点者は、公正公平な採点を達成するという職業倫理を持つような 採点のプロではないでしょう。そのような職業があるかは謎ですがどちらかと言えば、面倒な作業をやっているし、出来れば少しでも早く終わらせたいというモチベーションではないかと推測されます。読解に時間が掛かる解答や殴り書きのような読みづらい解答に対しては、面倒なので深入りしたくない。わざわざ丁寧に読み込む義理もないし、低めの点数でいいだろう。こんな感じで、次の解答に手を伸ばす姿が浮かびます。

また、イノベーションを引き起こす素晴らしいアイディアや他人とは全く違う斬新な視点の解答は、彼ら採点者を大いに喜ばせることでしょう。次から次に押し寄せる解答用紙を捌く上で、一番ありがたいのは一目で他人と全く違うという解答用紙です。なぜなら、即☓を付けて次の解答用紙に取り掛かることが出来るからと容易に推測できます。「何言ってるかよく分からないけど、一目で模範解答と違うことが分かったから読み込まなくてラッキー」と喜んでいるのではないでしょうか。

■無事に採点を通過するには
採点者側として、方向性が全く違うor読みづらいor理解しづらい解答は簡単に判定できると推測されます。問題は合否の分かれ目になるような微妙なレベルの解答。どちらの解答も、方向性は大体あっているし、書き方も問題ない。でも、点数として差が出てしまう。その要因が、多くの合格答案解答とどれだけ似ているかどうかという点だと思います。80秒程度の限られた時間の中で、多くの人が使っていたキーワードやフレームワークがあれば、採点者としては安心して◯を付けられるでしょう。そのような意味で、他の方々がどのようなキーワードやフレームワークを使うのかを研究するのは有意義だと言えるでしょう。

■おまけ
本試験まで、いよいよ1ヶ月を切りました。予備校の事例演習が終わった10月以降が、ストレート受験生にとっての勝負の時間です。私自身、昨年の10月初旬にようやく手応えを感じた覚えがあります。特に、書く技術や伝える技術についての優先順位は必ずしも高くありません。 しかし、意識をするだけで大きく変わるのも事実。「書く力」に関してはある意味、テクニック的な要素も強い部分だと思われます。google先生に聞いてみれば、様々なテクニックが手に入ります。私自身がに心掛けていたの1.主語の近くに述語を置く、2.無駄な言葉を削る、3.「、」は多用しないという3つのポイント。どれもちょっと意識するだけで印象が随分と変わります。また、どうも合格答案へあと一歩でもやもやしているという方は、ふうじんのこちらの記事を読んでみることをおすすめします。 最後の一秒まで、成長目指して頑張りましょう!

それでは、本日はこの辺で失礼します。

Oz

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採点者がさらっとマルを付けたくなる!?”へ2件のコメント

  1. Oz より:

    通りすがり様

    コメントありがとうございます。診断士試験の歴史を鑑みれば、私は採点をしている(orしていた)という情報が出回ってもおかしくないかと思います。しかし、まったく噂を聞かない状況ですので、コメントにある「診断士協会採点説」だと納得度が高まりますね。

    今回の記事を書くにあたり、その他国家試験の採点事情も調査してみました。すると司法試験では論述式採点後、公式に「採点実感」という採点者のコメントをフィードバックするシステムが存在することを知りました。

    例えば、平成24年度司法試験採点実感では『「受験生へメッセージを送る」というコンセプトで公表している採点実感を受験生が読んでくれていると思える「改善」が見られることを喜びたい。』という一文がありました。

    もし、採点のプロである診断士協会が実行しているのであれば、このような制度を導入できたら良いのではないかと思いました。

    なんだか私の願望披露になってますね。失礼いたしました。

  2. 通りすがり より:

    通りすがりの診断士です。面白い記事なので思わず見入ってしまいました。ところで『ゼミ生説』の問題は情報管理ですよね。毎年2-3人程度選定されるとしても、延べ人数ではそこそこの数になってしまいます。その割に確証めいた情報は世間に出てこない。そこで『職業倫理を持つような採点のプロ』=『中小企業診断協会の人達』とすると色々と辻褄が合うような気がしますがいかがでしょう(笑)

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