【初学者向け】診断士試験における「論理的」

皆さん、こんにちは。

最近は、朝晩もすっかりと涼しくなりました。ついつい夏の格好をして出掛けると、夕方頃には肌寒さを感じてしまいますね。本試験に向けて、気温は下降傾向ですので、体調管理が難しくなると思います。食べ物や寝具などには留意して、体調万全で本試験まで乗り切りましょう

さて、前回は「考える」部分の基本的な頭の中の流れを確認してみました。今回は「論理的」について、気を付けてほしいポイントと診断士試験における「論理的思考」の位置付けについて考えたいと思います。

■論理的ってどんなもんなの?
診断士試験に関わらず、仕事や日常生活などの様々な場面で、私達は日々他人と理解し合うためにメッセージを送っています。その際、相手により伝わるようにするために、理由をセットにして伝えているはずです。この理由とメッセージを繋ぐ道筋(=論理)が繋がっており、かつ、納得性の高い場合、論理的と呼ばれてることになります。

■論理は繋がりやすい
道筋(=論理)が繋がっているかに関しては、組み立て方によって比較的自由に広い範囲で理由とメッセージを繋ぐことが出来ます。例えば、ワンマン社長の従業員10名規模の会社を想像して下さい。「社長に権力が集中しているから、従業員が育たない」という言い方もできるし「従業員が育たないから、社長に権力が集中する」という言い方も出来ます。これが「社長に権力が集中するから、明日は雨になる」のような、どう考えても意味が繋がらない場合はダメダメですですが、理由とメッセージに意味的関係性があれば、その関係性を解釈して論理自体を作ることは容易に出来るのです。

私が2次試験の勉強を始めた当初、足を引っ張っていたのがこの解釈の部分です。論理が作れないので苦労したのではなく、何でも論理が繋がってしまうために、何を選んでいいのか分からない状態に陥りました。自分の解釈でも論理自体は繋がっているはずなのに、なぜ低評価しかもらえないのか…みたいなことを考えていました。その時、予備校講師に相談した際の答えが「納得感が薄い」という指摘でした。「論理がある」ことと「論理的である」ことの違いに気付いていなかったのです。

■論理の歩幅
論理的と言われるためには、納得性が求められます。基本的に理由とメッセージとの間に距離が開きすぎると、納得性は低下してしまいます。 そのため、距離の短い論理展開を繋いでいくことによって、納得性が高まってくるのです。イメージとしては下の図のような感じですね。

では、どの程度の距離感で論理を繋いでいくことが良いのか。診断士試験において、解答の文字数制限答えを与えてくれています。一つの理由を述べるのに大体20字~30字。私は、100字であれば2~3段階、120字であれば3~4段階の展開が必要だと考え、距離感を調整していくようになりました。大体の距離感が掴めると、いくつ材料が必要か、与件文のどの部分が繋がるかが見えてくるようになりました。

■診断士試験における論理的って?
私自身は勉強仲間がいなかったため、朝一で予備校に向かい、事例演習返却ボックスにある他の方の解答用紙をチェックするという、ちょっと個人情報保護法に引っかかるような技を使っていました数十枚の解答を見比べていると、評価の高い解答には、ある一定の論理の型のようなものがあることに気付くようになりました。そこから自分なりの型を整理・収集するようになるのですが、 このあたりの話は昨日のbutaoの記事がとてもタイムリーですのでご一読を。皆さんも既に一定数の事例を解いてきた結果、自らの中にいくつか型を持っているのだろうと思います。

様々な道場記事でも書かれている通り、試験会場で一から十まで考えるのではなく、既に答えを持っている状態で試験に挑む姿が理想です。診断士の二次試験とは、例えるならば武道における型のようなものだと思います。それらの型は、基本となる動きの組み合わせであるから万人が習得できる。また、正しく修練を積めば身体がほぼオートマチックに反応をする。その結果、相手が何を放ってくるかは分からないが、実際の試合では無駄なく効率的な対応が出来る

診断士試験の目的は一人の達人を見つけ出すことではなく、ある一定能力を習得した人間の選別です。ですので、コンサルタントに求められる論理的能力を測るために、「論理的解答の型」をどれだけ習得したか、その型をどれだけ素早く引き出せるかを試しているのだと思います。この試験はいきなり物陰から襲われるようなゲリラ戦ではなく、予め相手の傾向を研究した上で真正面から披露できる演武会だと知っているかどうかで、心構えは大きく変わるはずです。ですので、「読む」「考える」「書く」の「考える」の部分は、事前にどれだけ「考える」型を習得したかであって、その場で「型を考えて生み出せる」かは求められていないと言えます。前回、今回と続いた「考える」の基本となる考え方は、このような型を習得する上での補助になりますので、参考にして頂ければ幸いです。

それでは本日はこのへんで失礼します。

Oz

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