意図は細部に宿る。
こんにちは。 3215です。
今週末(今日から)は、某予備校の二次模試ですね。
このブログをご愛顧いただいてる多くの方が受験されるのだと思います。
一次試験模試の時も言いましたが、
模試の得点、ましてや順位などは本試験の合否にまったく影響を与えません。
特に初学の方で一次試験後から本格的に二次試験対策に取り組まれた方は、語弊を承知で申し上げますが、あんまり良い点を取ってこない方がいいですよ。
まずは「一日に4事例を解く」ということがどれくらい疲れるのか。ということを実体験するくらいの気持ちで受験されるのでいいと思います。
※この見解には個人差があります
勝負はあくまでも10月26日。
そこを見据えた戦略こそが一発合格へのキモです。
さて、今回も簡単だけど、きっと役に立つ事例クイズを一問ご用意しました。
【事例クイズ】(レベル2)
H25(昨年) 事例3
第2問:配点 40 点;
C 社では、顧客からの問い合わせに迅速に対応するため、また、短納期化に対応するため、技術部内の情報の共有化や業務の効率化を図る計画がある。この計画について、以下の設問に答えよ。
:設問1;
技術部内で共有化が必要と考える具体的情報名を 80 字以内であげよ。
:設問2;
技術部内の業務効率化を図るために必要な具体的改善内容を 120 字以内で述べよ。
上記設問を解答する上で「まず」注目してほしい点があります。
その点とはどこでしょうか?
カッチン、カッチン、カッチン・・・・・ ポーン! 終了です。
さて、皆さんはどこに注目してもらえたでしょうか?
・「対応する計画がある」ってあるから、現在から未来のことだな。(前回の復習)
・「問い合わせに迅速に対応」とか「短納期に対応」とかあるから、ここがC社の問題点でここを解決するのが課題なんだな。
・「具体的」ってあるから、解答が曖昧にならないように注意しなきゃな。
・大問の中に設問が二つあるから、その繋がりをちゃんと考えて解答しなきゃな。
・配点が40点だなんて、けっこう高配点だな。細心の注意を払ってやらなくちゃ。
・「迅速な問い合わせ対応」と「短納期化」の二つの課題があるけど、設問1と2それぞれにどう対応させるべきかな?
だいたい、上記のようなことに留意される方が多いと思います。
そして今回、僕が「まず」注目してほしかったところは
「設問1の最後が『あげよ』になっている」
ということでした。
「なーんだ、そんなところ?」と思われたかもしれません。(もちろん、気づかれた方も多いと思います)
なぜ僕がそこに「まず」注目してほしかったか?
他の問題でもほとんどが「述べよ」なのに、作問者は何故この問題は「あげよ」にしたのか?
それは、この部分に作問者が明確な意図を持たせているからです。
この問題は「述べる」のではなく、「あ(挙)げて」ほしいから、わざわざ「あげよ」と書いてくれているのです。
では、「述べよ」と「あげよ」の違いはなんでしょう?
【述べる】
1 考え・意見などを口に出して言う。「所信を―・べる」「礼を―・べる」
2 文章で表す。「前章に―・べたごとく」
【あげる】
(挙げる)表し示す。「例を―・げる」「証拠を―・げる」 (抜粋)
【文章】
1 文を連ねて、まとまった思想・感情を表現したもの。主に詩に対して、散文をいう。
2 文法で、文よりも大きな単位。一文だけのこともあるが、通常はいくつかの文が集まって、まとまった思想・話題を表現するもの。 (抜粋)
( 出典:デジタル大辞泉)
つまり、設問1については、「無理に文章にしなくてもいいや。簡潔に具体的情報項目を複数個書いておこう」という方針が設問を読んだ時に決められます。
前回の時制の話もそうですが、ただでさえ設問を読んで情報を収集し、
- 「~かもしれない」
- 「~に注意しなくちゃいけない」
といろいろな「可能性」を考えながら与件文を読んでいくことはとてもパワーと集中力が必要になります。
その中で、設問を読んだ時点で解答の方針をスッと決められるというのは、気持ちをとてもラクにします。
また、より「具体的」にしようと長い文章を使って情報項目を解答した場合、作問者が想定する項目数に足りなくなるばかりか、「あげよ」と問うてる作問者の意図にそぐわない可能性もあります。
リラックスした状態なら気づくようなことでも、80分という制限時間の中で、合格基準に達する解答を残そうとそれっぽいところに集中していると、どうしても視野が狭くなり、こうした細かいところを見落としがちになります。
こういったところに自分をラクにするヒントや作問者の意図が如実に表れることもあることを覚えておいてくださいなー。
3215
>まりりん丸さん
コメントありがとうございます。
>「診断士試験は出題者の立場になることが大切なのだな」
>「さらに言えば、設問部分は出題者のメッセージなのだな」
二次試験はまさにコンサルなんですよね。
なので「読む力≒聞く力」「作問者≒中小企業の社長さん」なんだと思ってもらえるとさらに楽しくなってもらえるかな?と。
また、作問者が「設問を先に作ってから与件文を作る」ということも、設問→与件で読むという根拠になってきます。
まず問われていることを知っておいてから与件文にあたるというのは自分をラクにするためなのに、可能性を考えすぎてアタマの中をいっぱいにしてから与件文を読みにいくのは、何だか本末転倒のような気がするのです。
このブログをご愛顧いただいてる読者の方は割とストイックな人が多い印象なのですが、僕は4年かかって受かった結論として「シンプルに考える」というのが合格の秘訣なんじゃないかなーなんて思ってます。
これからもよろしくお願いします。
いつも参考になる記事、ありがとうございます。
3215様をはじめこちらの記事を読むことで、
「診断士試験は出題者の立場になることが大切なのだな」
「さらに言えば、設問部分は出題者のメッセージなのだな」
との思いを強くしております。
道場の記事を読んだことで、最初に設問の部分を読んでから本文にあたる解き方が自分の中で確立され、2次試験の勉強が楽しくなりました。育児しながら細切れ時間ですが、80分の解答時間を意識してやっています。
1次試験は合否が微妙な線なのですが、いずれにせよ今の学習が将来に役立てばと思っております。
引き続き、よろしくお願いいたします!