【法務】「要するに」の活用
普段から法律に触れる機会は少なく、とっつきにくいのが経営法務。
誰が呼んだか暗記三兄弟。
といっても、その暗記ができない。したくない。AWAY感満載。文章長い。法務アレルギーになりそうだ…等々。
少しネガティブなご意見が多いのも、この科目の特徴です。
そこでご提案
定義がやたら多い科目だからこそ、整理力、理解力が大切。
そのための方法の一つとして、「要するに」と頭につけて読むのです。
人間の思考回路とは不思議なもの。
「要するに」の後に続く言葉は、「結論」がくるのです。
しかも、端的に。
効果
定義や仕組みの概要を閲覧 → 「要するに」をつけて読む → とりあえずまとめる → 自分なりの定義が成立 → 納得感 → イメージができるため暗記が定着 → 後日誤りに気付く → すぐに修正 → さらに理解が深まる…etc。
というわけで、具体的に経営法務のメイン分野である会社法関連用語を、「要するに」をつけて読み込んでみましょう
※実際の法律的解釈とは異なる場合があります。あくまでイメージを捉えるためというご理解で、ゆる~くお読みください。
◆会社組織◆
株主総会
要するに、オーナー会議。
資金を提供することで手は動かさず口を動かす。
→こう書くとなんだか嫌な感じですね(笑)
取締役
要するに、現場責任者。
オーナー達の希望に沿った運営をして、会社を良くすることが仕事。
→額に汗水垂らした、まさにジャパニーズサラリーマン!
取締役会
要するに、現場責任者会議。
最低3人以上の責任者がいるので、そのうちの代表者を決めたりもする。
→責任者の中でもトップを決めておいた方が、何かと運営しやすいですし。
監査役
要するに、見張り役。
取締役が暴走しないかチェック。
なので、責任者よりも立場的に守られている。(解任決議は特別決議事項など)
→監視される方が権限強かったら、結局監視できなくなりますよね?
会計監査人
要するに、赤ペン先生へ委託。
大企業になると社会的な影響も大きくなるので、外部専門家がきちんと監督しましょう。
→利害関係者は、会社の財務諸表を見て投資や融資などの判断をします。その財務諸表が正しいかどうか、外部専門家による太鼓判が必要となるわけですね。
会計参与
要するに、赤ペン先生を懐柔。
人材確保が難しい中小企業にとって、自社内で財務健全性を保つのは難しい。そのため外部専門家を内部の役員として迎え入れ、責任を負ってもらう。税理士・税理士法人、会計士・監査法人がなれる。
→財務諸表を作成する役割を外部専門家に就任してもらうことで、より健全性の高い財務内容を開示することができますね。潰れる時は一緒だ!的な。
委員会設置会社
要するに、牽制球の投げ合い。
外部の人間たくさん入れましょう。そうすれば、双方で監視し合えるでしょ。
→役員間のなれ合いを防ぐため、様々な権限を分散することで、相互のチェック機能を活かすことができます。
どうでしょうか?
続いて組織再編等にいってみましょう
◆組織再編等◆
事業譲渡
要するに、仕事そのものの売買。
今行っている事業をそのまま売ります!買います!売買契約。
→債権者保護手続きは不要、でも個別に債権者の同意が必要。お金で解決。
合併
要するに、合体!
会社ごと売ります!買います!
→競合会社、他分野会社、自社事業関連会社などを取り込むことで、ビジネスのスピード活性化。
株式交換
要するに、交換こでグループ化。
完全親会社が既存会社となるよう、株式を交換しましょう。
→買収資金がなくてもOK。別法人のまま運営もできます。
株式移転
要するに、新会社で交換こ。
完全親会社が新設会社となるよう、株式を移転しましょう。
→ホールディングスカンパニーを作るときに使われたりしますね。
会社分割
要するに、切り売り。
会社の一部をチョキン。
譲渡先が既存なら「吸収分割」。新設なら「新設分割」。事業譲渡の対価は金銭。会社分割の対価は株式。
→対価として株式を渡すので、運営に影響力を持たれる場合がありますのでご注意を。
よく会話形式でどの組織再編を選択すべきか聞かれやすいため、整理しておきたいですね
◆株式◆
株式併合
要するに、ガッチャンこ。
2株が1株に。発行済株式総数が減ります。
→実務上は、合併比率を調整するためや、減資手続き円滑化の際に行ったりします。
株式分割
要するに、細胞分裂。
1株が2株に。発行済株式総数が増えます。
→高すぎた株価を株式分割し下げることができます。流動性が高まることで、さらに株価が高まる可能性があります。
株式無償割当
要するに、バラマキ政策。
無償で株式をあげちゃうよ。手続きは株式分割と一緒。
→株式分割は同じ株式のみ。無償割当は異なる種類株式もOK!
自己株式
要するに、へそくり。
自分で自分の株を持つ。(隠さないけど)
→会社が自社の株式を保有している場合。この株をまた市場に売却することも可能。
このあたりも、自分の言葉で説明するとなると、抜け漏れしやすいところです
◆持分会社◆
合名会社
要するに、無責任会社。
なんかあったら責任は全部負ってね~!
→無限責任しかいない法人形態。だからほとんど普及してない…。
合資会社
要するに、差別階級。
全責任負う人と限定責任の人が、それぞれいます。
→ぶっちゃけ中途半端な組織体制ですね。
合同会社
要するに、ふつーの会社。
株式会社と同じ。全員、限定責任の人で構成。
→株式会社と同様の責任で、簡素で、安く、柔軟性がある組織形態。
いかがでしたでしょうか?
このように、自分の言葉で一度まとめてみると、自分が本当に理解しているか否か、はっきりわかります。
まずはイメージをつかんでから、暗記をする。何事も順序が大事です。
是非、お試しあれ
今日の四字熟語:積小為大(セキショウイダイ)
小を積みて大と為す。何事も順というものがあり気に逸って速成を願ってはならないという戒め。小は自らの身の丈にあったもの、平凡なものでありそれが集うことでやがて大なるものへとなる。
今日も元気で
U2でした。