自習時間に何をすればよいですか?(ハカセの場合・その2)
こんにちは。ハカセ です。
今回は、自習時間に何をすればよいですか? (その1)の続編です。
その1 では、合格に必要な一次対策を、
- INPUTする知識量
- INPUTする効率
- OUTPUTされる効率
に分類し、「1. INPUTされる知識量」についてお話ししました。
要約すると、「INPUTされる知識量を増やすこと」を目的に、予備校のテキスト以外のメディアにまで手を伸ばすことはお勧めできない、つまり、自習時間を「学習範囲拡大」に使うのは合格への最短ルートではない、という話をしました。詳細は その1 を参照ください。この話を整理すると、こんなイメージになります。
もちろん、これは「テキスト以外に手を出すな」という意味ではありません。「テキスト以外の情報に手を出すのは、テキストが吸収出来てからにしましょう」、あるいは、本音で言わせてもらうと「テキストも吸収出来ないのに他のものに手を出すのは順番が違うんじゃないですか?」、という意味でもあります。おっと、上から目線過ぎますか? スミマセン・・・。
では、どんなことに自習時間を使えばいいのでしょうか。それは、残っている、
この二つを向上させるために自習時間を使うべきです。
■ INPUTする「量」と「深さ」を制する ■
INPUTを効率させる2つのことをお話ししましょう。
一つは「量を制する」こと。
これは、テキストが提供する100の知識を、なるべく多く吸収しましょう、というものです。具体的には、80よりは90。90よりは95吸収するように努力するということです。
二つ目は「深さを制する」こと。
これは、その知識への「粘着度合い」と言い換えてもいいかも知れません。外部から与えられた新しい知識を、字面だけではなく自分なりに消化して、目だけではなく、頭に入れ、腹に落とし込むようにすることです。
■ 対策1 既知の知識の活用 ■
これまで触れたことのない新知識・新情報を、「量も深さも」吸収するのはかなり難しいことです。恐らく講義で聞いただけでは、ただの「聞き流し」になってしまい、折角受け取った貴重な知識・情報は右耳から左耳へと抜けて行ってしまうことでしょう。それを補う必要があります。
一つは、冒頭の図でご紹介している「日常生活や社会人としての基礎知識」です。
分かりやすいところでは、IT企業勤務の方は経営情報システムの基礎知識がありますよね。でもそれだけではありません。これまで自分が構築してきたシステムが「なぜ必要だったのだろうか」、「顧客企業はどういう理由であのシステムを導入したのだろうか」と、企業経営理論の発想で回想してみることが出来ると思います。メーカーの方は改めて自社工場を眺めてみれば、運営管理の手助けになるはずです。
また、自社に限らず、取引先の工場やオフィスでの気づき。それから日経新聞で目にとまった記事。それらすべての情報を、つい先日学んだ7科目のどれかに常に結びつけてみることで、知識の「量」も「深さ」も向上し、知識の粘着性が格段に高まります。
もちろん、日常生活もフル活用することが出来ます。例えば日頃コンビニに行って「どうして飲料の冷蔵庫は店の奥にあるのだろう、コンビニに来る人の多くはドリンク目当てなんだからレジのそばにあればいいのに」と疑問に持っていたとしましょう。そんなとき、テキストを読む(または講義を聞く)ことで、「あぁ、客導線を長くするために奥にあるのか」、「なるほど、最近はウォークインタイプになっているからバックヤードとの裏表の位置である必要があるのだな」と得心がいくでしょう。変わったCMをみかけたら、「この企業はどんな戦略でこのCMをうったのだろうか」と思いを巡らせることです。
このように、新知識を既存知識という触媒に触れさせることによって、「量」と「深さ」を両方とも向上させることが可能だと思います。
「日常生活や社会人としての基礎知識量」と、「学習で得る新知識の定着度」はある程度比例します。診断士試験は社会人経験が豊富な方が有利というのはこの辺りに理由があるのかもしれません。
逆に、取りこんだばかりの新知識を既存知識化することも効果的でしょう。知識は会議室(テキスト上)で動いているわけではありません。現場で動いています。どんどん使った方が、INPUT効率(定着度)が向上します。
■ 対策2 自分から取りに行く:予習のススメ ■
もう一つの対策は、やはり道場の定番:予習を行うことです。予習がいかに大事かはこれまでも口酸っぱく申し上げてきました。自習時間はまさに予習に使うべきだと思います。
ご参考までにコアな記事をご紹介します。
とはいえ、以前寄稿してくれたチートモさんは、「予習にトライしたけど自分には合わなかった」とおっしゃっていましたね (詳細は 寄稿:速習生・通信生のチートモさんの受験体験記 )。
よって、予習するかどうかは人それぞれとは思いますが、いずれにしろ間違いないことは、受け身の姿勢では絶対に合格できない、ということです。能動性を確保するための何らかの工夫を、それぞれにしてみることが重要だと思います。
■ まとめ ■
本日は、INPUT 効率向上策についてお伝えしました。
テキストで100与えられた知識を、いかに100に近くの量を吸収するか、その深さをいかに確保するか。
- 既存知識との融合で量を確保する。
- 新知識を既存知識化することで深さを確保する。
- 能動学習で量も深さも確保する。
上記以外にも、様々な工夫でINPUT効率を向上させてみましょう。
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少々長くなりましたが、自習時間に何をすればよいですか? (その1)の続編 をお伝えしました。
次回は最終回、自習時間に何をすればよいですか? (その3) をお送りします。
by ハカセ