サブノートは必要ですか? (ハカセの場合)

こんにちは。ハカセ です。

先日、嘉邦さまからの問い合わせにあったように、サブノートを作るべきか否かは受験生の悩みの一つです。

ここでは、サブノートに関する ハカセ の私見を述べさせて頂きます。あくまでも私見です。

サブノートとは

そもそも「サブノートとは」なんていう定義はないのかもしれませんが、一般的には、「テキストや講義から学んだことを自分なりにまとめたノート」ということになるでしょう。テキストや講義の内容をそのまま転載する人もいらっしゃるでしょうし、テキストに載っていない情報を講義などから収集し、それをまとめる人もいらっしゃるかもしれません。

サブノートのメリット

まずはサブノートを作るメリットを考えてみましょう。

サブノートの一番の特徴は「書くこと」ですね。嘉邦さまからの コメント にあったように、学習開始時期はまだ頭が慣れていないため「テキストを読んだだけでは頭に入らない」という方は、もしかしたら、サブノートを作って自分で記述する」過程で新知識が頭に入ってきやすくなるかもしれません。ちなみに、二次試験対策で問題文を写経する(書き写す)という勉強方法があります。これも同様の狙いがあるのでしょうね。

そしてもう一つの特徴が「整理すること」。テキストも講義も、受講生になるべくわかりやすく編集されていると信じたいのですが、編集・整理の方法は十人十色。テキストや講義内容を、サブノート上で自分なりに再整理することによって体系的に記憶することを手助けするかも知れません。

いずれの特徴も、「知識を吸収しやすくする」ことが目的になっています。

サブノートのデメリット

サブノートの最大のデメリットは「時間的な損失」です。どのようなサブノートを作るかにもよりますが、PCを使うにせよ、手書きにするにせよ、いずれにしても時間がとられてしまいます。診断士試験は7科目。しかも各科目とも侮れないボリューム。道場がお勧めするアウトプット学習など、サブノート以外にもやることはたくさんあります。吸収に時間がかかるかもしれませんが、テキストなどを通じて知識・情報は現に提供されている(保持している)わけです。テキストに不足している情報を補強するためのサブノートでないならば、サブノートを作ることは、吸収のためとはいえ情報や労力の重複が生じていることは否めません。

また、「金銭的な損失」も見逃せません。受験校に通っている方は、「テキスト」と「講義」という情報を得るためにその対価(受講料)を支払っています。誰かが必要な情報を入手・整理してくれた生産物に対価を払っているのを認識したうえでサブノートを作る以上、作成する労力を補って余りある成果が期待できなければいけません。

ハカセの場合

ボクの場合はサブノートを作成しませんでした。いや、もう少し正確に言いましょう。最初の1-2科目はサブノートのようなものを作成していました。でもやめました。

具体的には、講義中テキストを横目に見つつ、講義内容で気になったことをノートに書き込むというものでした。そして、ボクが当初サブノートを作成していた理由が面白い。それは、「テキストを汚すのがイヤだから」というもの。今考えると、勘違いも甚だしい、本当に恥ずかしい理由ですが、事実です。

しかし、サブノートは途中でやめてしまいました。理由は簡単。「無駄が多いから」です。講義中、講師の説明や板書などをノートにまとめていましたが、殆どの情報は(当り前ですが)テキストに書いてある。気づくとテキストを転記している。そして最もイタかったのが、新知識がどこに書いてあるか分からなくなってしまったのです。「へぇ」と思ったあの新知識、テキストに書いてあったのか、講師の説明にあったのか、それをサブノートに書いたのか書かなかったのか、それとも答練の中に出てきたのか、答練の解答解説に出てきたのか、はたまたスピード問題集に出てきたのか。その情報を探すのに時間がかかるようになってしまったのです。

そこで、途中からは全ての追加情報をテキストに書き込む方式に変更しました。講師の説明や板書も、答練での新知識も、答練の解答解説の新知識も、スピ問からの新知識も、全てテキストに書き込みました。当初の「テキストを汚したくない」という希望は捨てざるを得ませんでしたが、金を払って得たテキストを「自分の手でさらに良いものにしてやる!」ぐらいの気持ちで、ガンガン書き込みました。こうすることにより、全ての情報がテキスト上に集約され、テキストさえ読めば全ての知識を復習できるようになりました。「テキストのこの知識は答練の第何問で問われたよ」てな情報も書き込みました。これは非常に効果的でした。

よって、正確には「サブノート作りをやめた」ではなく、「テキストをサブノートにした」みたいな感じですかね。

よって結論

「結論」なんてものはありません。だって、勉強方法はひとそれぞれですから。ボクのやり方を強要するつもりもお勧めするつもりもありません。作りたければ作ればよし。不要だと思ったら作らなくてもよし。

だけど、忘れてはいけないのは、作成の是非を「サブノートを作ることが合格に効果的に貢献するか?」という判断基準で検討するべきだ、ということです。サブノートを漫然と作り始め惰性で作り続け、そして、サブノートの作成が目的化してしまうこと だけは回避しなければいけません。

サブノートを作ることは、例えるならば「動画録画機能が付いたデジタルカメラを持っているにもかかわらず、高額なビデオカメラを新たに購入する」ようなものです。デジカメの動画機能でソコソコ満足が出来るならば、新しいビデオカメラを買い足すことはないでしょう。でも、その機能に満足できない場合(解像度が悪い)、またはそれでは満足できないほど素敵な動く被写体が生じた場合(子どもが生まれた)、新たにビデオカメラを購入するケースはもちろん考えられます。いずれにしろ、そこには「本当に必要か」と「それ自体が目的化していないか」という検討が行わなければいけません。

合理化の4原則というものがあります。運営管理という科目で習いますが、それはECRS というものです。

E:Elliminate:なくせないか
C:Combine:一緒に出来ないか
R:Rearrange:順番を変えられないか
S:Simplify:簡素化できないか

このE→C→R→S という順番に、合理化の手だてを探るのがセオリーだと言います。日本語の語頭の音をとって「な・い・じゅ・か」と覚えます。

サブノートを作成しようと思う方は、一度立ち止まって、ECRS に従ってその要否を検討してみることをお勧めします。

例えば、「一緒にする」ことを検討するなら、テキストと同化させる、すなわちテキストに書き込むというのも手です。「順番を変える」のなら、講義後にサブノートにまとめていたものを、講義中に作るとか、講義前に作ってみるなどの工夫があるでしょう。「簡素化」なら、手書きで大学ノートにイチから作るのではなく、エクセルなどで表形式にまとめてみるのも手かもしれません。

上記ECRSで検討しても、それでもやっぱり手書きのサブノートが作りたいという方がいらっしゃっても、全く構わないと思います。その方にとってサブノート作成が合格への近道なのですから。

挑戦者にビジネスパーソンが多い診断士試験は、時間制約との戦いでもあります。サブノートに限らず、すべての勉強方法について、ただ漫然とそれをこなすのではなく、「自分はコレコレこういう理由でこの勉強方法が必要だ」という毅然とした理由と意志をもって実行することをお勧めします。これはもしかしたら診断士試験対策に限った話ではないかもしれません。

by ハカセ

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サブノートは必要ですか? (ハカセの場合)”へ3件のコメント

  1. 50up より:

    ハカセ殿
    過去のエントリーを拝見、大変参考となりました。早速次回日曜クラスの学友達にコピーを配り、今後の方向性につき話し合うつもりです。
    ご相談に乗って頂いた事で、みんなモチベーションが高まることと思います。
    検討結果については日曜夜コメントさせて頂きます。
    今後ともご指導のほど宜しくお願い致します。

  2. 50up より:

    毎日の更新を楽しみに、かつモチベーション維持に
    拝見させて頂いております。
    さて、本題のサブノートとは関連性が無く恐縮ではありますが、つい最近、T●Cの懇親会を通じてお近づきになった4、5人で勉強会を始めようとしています。
    テーマ(例えば2次事例、22年度1次本試験問題他)、頻度、1回当たりの所用時間等、効率的な運営方法について道場メンバー様のアドバイスを頂ければありがたく存じます。
    今後の道場メンバー様のますますのご活躍と、当ブログの発展を祈念致しております。
    どうぞ宜しくお願い申し上げます。

    1. ハカセ より:

      50upさま。いつもご愛読ありがとうございます。この時期から勉強会とはすごい! 勉強会(グループ学習)のやり方についてのご質問ですが、まだどんな会にしたいのかの具体像が描けていないようですね。まずは過去のエントリーを参考にしてみてください。https://rmc-oden.com/blog/archives/category/%e5%8b%89%e5%bc%b7%e4%bc%9a まずはこちらをご覧いただき、さらに詳細な質問があれば、具体的にご質問いただければ、こちらから何でもお答えします! グループ学習は最短合格への最も効率的な武器の一つだと僕個人は考えています。その具体的な成果のみならず、心理的な効果も見逃せません。発展的な勉強会になることを願っています!

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