【合格体験記】分析 x 実行力 = 未合格体験記 – 未 ~はまっちさん~

みなさん、こんにちはうちあーのです。

4代目デビュー記事が一巡しました。早くもそれぞれの個性が出ていて面白いなぁ、と一読者の立場で毎日のアップを楽しみにしている今日この頃です。

さて、今日は道場読者の中でも指折りのロイヤルカスタマー、はまっちさんの合格体験記をお届けします。
はまっちさんは、この一発合格道場が始まった2010年からお読み頂き、2012年に中小企業診断士試験合格の栄冠を勝ち取られました。
この間、はまっちさんから頂いたコメントは32を数え、また数々のセミナーやオフ会にも積極的なご参加を頂きました。
初代・2代目・3代目メンバー全員にとって仲間的存在であるはまっちさんから届いた今回の合格体験記はまさに感無量。
酸いも甘いも知り尽くしたはまっちさんの合格体験記は、特に多年度受験生にとって参考になると思います。
また「常に前向きに診断士試験と対峙し、どうすれば合格できるかを考え抜くストイックさ」はすべての受験生にとって刺激となるでしょう。

では、早速お楽しみください。

寄稿ここから

◆自己紹介◆

はまっちと申します。2年目の受験で1次合格3年目の受験で2次合格と、1次・2次それぞれで悲哀を味わってきました(笑)
昨年度の未合格体験記とかぶらないように、今回は、今年の2次試験対策に絞って書きたいと思います。

 

◆今年の基本戦略◆

正解がない(正確に言うと「わからない」)2次試験だからこそ、どういう方針・戦略を取るのか?が極めて重要だと思います。僕は、「ふぞろいの多数派答案」、「どんな採点者が見ても理解できる答案」を目指しました。予備校についても、この目標を達成できる基準で選び、青木先生の本気道場にお世話になることにしました。
戦略とは「何を捨てるか決めること」なので、今年は、一発合格道場を含むブログの情報は「使える調味料があれば足してみる」、というレベルにとどめました。
2次試験の方法論はある意味食べ合わせのようなものがあると思っています。寿司にわさびが合ってもケーキにわさびが合わないように!、単独では素晴らしいアドバイスだったとしても、取る戦略によってはむしろマイナスに働くものもあるのではないでしょうか?

 

◆80分の密度の向上◆

まずは、予備校の先生の手順や考え方を身体にしみこませること、自分の失敗特性を把握して対策を解法手順に組み込むこと、を目的に振りかえりを行っていました。

具体的には、「設問を読む」→「与件を読む+解答を考える」→「解答候補絞り込み」→「記述」、のステップごとに、

・自分は何をどう考えたのか?80分の演習の中で自分がやったこと・考えたことを振り返る
・本来はどうすべきだったのか?先生の講義を何度も聞き返し、出すべき切り口やヒントに気付くべきポイントを書きだす

ことを、演習が終わるたびに行っていました。結果、4月くらいから、「このあたりは解答に使うな」、「この設問はみんなが取れそうだな」、などの判断がスピーディーかつ正確にできるようになり、一気に成績も上昇していきました。
この振り返りは相当に時間がかかるので、新規の事例を解く数は極端に減りましたが、今までも十分な数の事例を解いており、自分が落ちた要因は振り返り不足だと認識していたので、徹底的に振り返りに時間を投下しました。

 

◆知識・切り口のスピードアップ◆

次に取り組んだのは、TCMで学んだ「1次知識のソリューション化」です。(よければこちらも→ブログエントリ
2次の過去問や演習に出た1次知識を、「どういう問題をかかえる企業にどういうソリューションを提供するのか?」という切り口で整理し、i-phoneのフラッシュカードアプリにリストを登録して、通勤電車の中や空き時間に何度も見返しました。
ここで身についた「知識を引き出すスピード」は、口述対策でも効果を発揮したので、「2次試験を通じてコンサルティングの知識を学ぶ」訓練に最も効果的だったと思います。

 

◆直前期◆

実は本番直前は若干スランプ気味でした。技術・知識は一年前よりも格段に上がっているはずなのに、思ったほどは点数が伸びないことがある。改めて振り返ってみると、最初に考えた切り口や過去問に引きずられて聞かれていないことに字数を投下している、ことに気付きました。
これは、「多年度の罠」です。多面的な視点や分析力に満足してしまい、「聞かれたことに答える」、「聞かれていないことには答えない」という原則をついつい外してしまっている自分がいました。自分が落ちるリスクは聞かれたことを外す時のみ、と考え、ファイナルペーパーで最後まで見直したのはただ一つ、「聞かれたことに素直に答える」、これだけでした。
分析力や知識を持ちながら素直に解答する。これが僕の考えるSランクの姿でもあります。

 

◆本番◆

事例Ⅰ、Ⅱは順調もⅢでミスし、Ⅳは見事に沈没しました。ただ、事例Ⅳは終わった直後の回りの雰囲気がかなり暗かったので(笑)、「Ⅰ~Ⅲの勝負だ。Ⅲのミスが致命傷になるかどうかが決め手で、合格可能性は五分五分かな」という感想でした。
2次試験は競争試験なので、自分がダメでも回りがもっとひどければ全く問題ありません。事例が終わって落ち込んでる時は、回りを見回してみて下さい。きっと、死相が顔に出ている人たちが大量にいるので、「自分だけじゃない」と安心できることでしょう(笑)

 

◆最後に◆

2次試験は、何度やっても繰り返してしまうミスや自分独自の思い込みをどう抑えるか?につきると思います。思い込みの強い僕は、自分の「独自アイディア」を抑えるために、あるべき知識や手順を徹底する方法を取りました。
ただ、やり方はきっと十人十色。あくまで一受験生の一体験にすぎませんが、皆さんの調味料の一つにでもなれたら、と思い、寄稿させて頂きました。

寄稿ここまで

 

いかがでしたでしょうか?
はまっちさんは去年の未合格体験記の中で、2次試験敗退の原因の一つに「自分の失敗特性と細かいタイムマネジメントへの反省が弱かった」点を挙げています。これを踏まえて、80分の密度の向上に取り組み、演習と講義でストイックに考え抜くことで成績上昇に繋げていきました。
失敗の原因を分析できても、それをどうしたら克服・改善できるかを探し出すのは容易なことではないし、さらに探し出してもそれを実行・継続することはもっと難しい。
この「分析」→「改善策」→「実行・継続」が、去年の未合格体験記と今回の合格体験記の間で齟齬なく繋がっているところが、いかにもはまっちさんらしい。
真摯な分析愚直な実行力は本当に見習うべきものがあります。

それでも直前期には危機が訪れます。
技術と知識が備わってくると、高得点への憧憬からか、はたまた競争が生み出すプレッシャーからか、つい差別化解答に走りがちなんですよね。はまっちさんが指摘の通り、多年度受験生が陥りやすい罠です。
では、はまっちさんはその罠からどうやって脱出したのでしょうか?
成功要因はいくつかあるはずですが、最大のポイントは「自分が落ちるリスクは聞かれたことを外す時のみ」と気付いたこと。ふうじん流に言えば「不合格のリスクを管理できたこと」ではないでしょうか。

そして、最後に行きついた先は「聞かれたことに素直に答える」ことでした。
ここでもう一度はまっちさんの未合格体験記に戻ると失敗の原因分析で「皆が考える多数派回答をそっと置いてくる」スキルが必要だったことに触れています。
この2つは必ずしも同義ではないけれども、聞かれたことに素直に答えられれば自ずと多数派回答に近づくのは明白です。
「なんだ、聞かれたことに答えるなんて当たり前だし、皆が考えることを書くなんてそれこそ誰にでもできるじゃないか」って思う方もいるかも知れません。
でも、これが実は簡単ではないし、これこそが中小企業診断士の基本的な資質として問われていることなのではないかと考えます。

はまっちさんの2つの体験記は、素直に答えることの難しさと大切さを改めて教えてくれています。
みなさんが2次対策を進めていく中で、是非とも「素直さ」を意識してみてください。

はまっちさん、多くの受験生にとって旨味のある調味料となるような合格体験記を寄稿頂き、心から感謝です。
合格したからと言って、道場との絆が途切れるとは思っていません。むしろ同じ診断士として活動していく今後の方が今まで以上のお付き合いができるのではないかと勝手に期待しております。
合格者の立場から今後も道場へのコメント等頂ければ幸いです。 m(_ _)m

 

※セミナー告知※

既にご連絡の通り、道場では2/27にセミナーを開催します。
先着順に受付しており、定員になり次第締め切りとさせて頂きます。
まだ受付可能ですが、例年残り一週間から申込みが増えてきますので、ご検討の方はお早めにお申込みくださいませ

 

 

Ciao!
By うちあーの

 

 

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【合格体験記】分析 x 実行力 = 未合格体験記 – 未 ~はまっちさん~”へ6件のコメント

  1. はまっち より:

    うちあーのさん>
     コメントありがとございます。いや~、本当にいろいろな面で道場の方に支えていてもらったんだ、と改めて感じています。
     今後は診断士としてよろしくお願いいたします。

    1. うちあーの より:

      はまっちさん
      33回目のコメントありがとうございます(^^)
      そう言って頂けると、とても光栄です!
      こちらこそ、今後とも引き続きよろしくお願い致します。

  2. すた~ より:

    うちあーの 様

    早速のコメント返信ありがとうございます!
    診断士は昨年夏前にT○Cのアプローチ講座を受けました。
    8月からの受講を考えていたのですが、結婚式を12月に控えてしまったため、今年に入ってからの挑戦としました。

    私なりに色々調べて臨んだものの、高い山に変わりはなく、自分の今居る位置に不安になるばかりです。

    1.5年(2014年)での合格を目指しているので、一先ず8月に3科目受ける予定です。
    その分、多少の(心の)余裕はあるものの、
    そもそもの「アタマの出来」がヒドイ!ので、
    常に引け目とプレッシャーとに襲われ、すでに押しつぶされそうなのです。。。

    今後、閲覧を通して学んだりコメントさせてもらうこともあると思いますので、よろしくお願いします。

    1. うちあーの より:

      すた~様

      コメントありがとうございます!
      仰る通り1.5年コースですと、ストレート生と比較して時間的余裕はありますね。
      計画通り2014年度合格するためには、今年の1次試験3科目を確実にクリアし、積み残しなきようにしたいですよね。

      自分の現在地がどこなのか。初めて踏み入れる山の中では不安に感じて当然かと思います。
      すた~様のお住まいとご都合にもよりますが、可能であれば2/27の道場セミナーにご参加頂くのも一案かと存じます。
      セミナー自体「今がどのような時期なのか」を知る良い機会ですし、何より同じような境遇の受験生同士の輪を広げる場でもあります。

      すた~様の理路整然とした文章から「アタマの出来がヒドイ」とは微塵も感じられません。
      人それぞれ程度の差こそあれ、暗記が苦手だったり、論理的思考力に不安を感じたりしますが、これらはいずれも鍛練により成長可能です。
      是非ともご自身の力に自信を持って、そして成長を楽しみながら学習していってください。

  3. すた~ より:

    初めまして。
    2013年2月から勉強を始めた、すた~と申します。
    既に自分の勉強法に悩み、最大公約数的に、どんな勉強法があるだろう。と思っている内に、こちらに辿り着きました。
    とても為になっています。

    質問させて頂きたい事も多いので、これからよろしくお願いします。

    1. うちあーの より:

      すた~様

      コメント&ご愛読頂き、ありがとうございます!
      今月から診断士試験の勉強を始められたのですね。7科目と多岐にわたる1次試験、さらに何が正解なのか捉えにくい2次試験。恐らく今すた~さんは、高くそびえる山を目の前にしてその山のふもとから「さて、どうやって登って行こうか」と思い悩んでいるような状態ではないかとお察しします。
      であれば、ここに辿り着いたのは大正解。この道場には、執筆陣や体験記を寄稿頂いた読者の方々の成功体験・失敗体験の事例やそれに対する対応策・考え方などが蓄積されております。また今年も合格したてのフレッシュな執筆陣が中心となって鮮度良い情報を提供し続けていきます。その中には「こういう登り方もあるのか」といった発見もあるかと思います。それをご自身の外部環境や内部環境に合わせて少しずつカスタマイズしながら取り入れていくとよいでしょう。山の登り方は千差万別十人十色。すた~さんご自身にとっての最短距離を是非とも見つけてみてください。

      道場は双方向のコミュニケーションを大事にしており、今回のようにコメントを頂けると執筆陣一同大変嬉しいものです。質問等ございましたら、何なりとお気軽にコメントくださいませ。
      今回合格体験記を頂いたはまっちさんのようにオープンマインドでどんどん道場に絡んで頂ければ幸甚です。
      こちらこそ、今後とも何卒よろしくお願い致します!

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