経営法務の3×3(初学生向け)


みなさんこんにちは、コニケンです。
もう三月中旬と言うのに、まだまだ寒い日が続きますね。年度末で仕事も忙しい時期だとは思いますが、体調を崩して授業に出られなかったり、思うように勉強に集中できなかったりと本当にもったいないことになるので、是非体調にだけは気を付けて下さい
さて、前回は情報システムのポイントについて簡単にまとめてみましたが、今回は経営法務のポイントについて書いてみます。一次試験二日目の朝一に受ける科目ですね。いよいよ一次試験の一周目の勉強も大詰めになってきましたが頑張っていきましょう

○はじめに
最初に言っておきますが、実は私にとっては一次試験最大の山場でした…結果的には本番で問題無く60点を超えましたが、模試や授業で受けた練習問題等で7科目中唯一40点台を叩き出し、不安要素が完全に取っ払えなかったのは事実です。それでも総合合格の足を引っ張らなかったのは、本番に臨むときまでには、当初持っていた苦手意識を相当克服したからだと思っています。そう、文理出身問わず「何となく難しそう…」「面白く無さそう…」という負の先入観を持っているみなさん、まずはその意識を少しでも取っ払えるようにしましょう!
間違っても時間切れ等で40点を切らないこと!ここで足きりをくらったら本当に本当にもったいないです。2次試験にも大々的には登場しないため、いわゆる重要3科目ではないですが、決して油断することなく、万全の状態で本番に臨めるように準備を進めていきましょう。また、万万が一のことを考えて、法務での失点を、例えば情報システムで補えるようにしておくという安心感が、結果的には本番で平常心を保つポイントでもあると思います。
初学生に取ってみたら視野を大きく拡げるチャンスです!特に私のように製造業の場合、知的財産での知識は直接的に仕事にも結び付きます。(余談ですが、入社してから何度か特許を出したものの、その裏にある知的財産法自体をあまり理解していなかったのがある意味恥ずかしいです。もちろん、今はもう違いますが!)また、これは誰にとっても共通ですが、会社法を学べば、基本中の基本である「自分の会社はどう成り立っているの?」ということも分かり、今までと違った形で自分が所属している組織が見えてくるはずです。ワクワクしてきませんか?

さて、導入が少し長くなってしまいましたが、前回同様「3×3」として、試験傾向3つ、それぞれに対する対策3つ、そして、最後おまけとして、これだけはマスターしたいトピックスを3つ掲げます。まだ学習がこれからと言う方も多いかもしれませんが、今後の予告と言う意味も込めて、気軽に確認してみてください。本格的に始まった頃に、またこの記事へのリンクを張っておきます。

○試験傾向・対策
1.問題文・選択肢が長く、時間切れを起こす可能性がある
まだ学習を始めていないみなさんも過去問をパラパラとめくって頂くと分かると思いますが、比較的一問一答的性格が強い情報システムや中小企業経営・政策に対して、60分という試験時間を考えても、問題文も選択肢の文も一つ一つが長いです。丸々一ページ文字で埋め尽くされているものもあれば、場合によっては一問が3ページにまたがっていることがあります。選択肢の差も曖昧で判断に迷うため、財務会計と並んで、きっと時間的にはカツカツになる科目となるでしょう(私自身、最後の最後までそうでした)。問題数は少ないのですが、一問あたりの配点が大きい分、一問落とすとダメージも大きいですよ。。

⇒対策1
日頃から、問題を解くときのスピードを意識する!もちろん、独特の言い回しに慣れるまでは多少時間がかかるのは仕方ないですが、ある時点からは必要以上に慎重になり過ぎず、 問題を解くときも(例えば)「3分で解く」と目標を定めて解いてみましょう。この科目は、深入りし始めたら正直キリがないので、特にその意識が重要だと思います。
この科目の代表的出題パターンとして、 a) 単純な穴埋め / b) ある事例に対して、適切・不適切の選択肢が与えられる /c)ある共通テーマに沿って、4つの全く異なる事例に対して適切・不適切の選択肢が与えられるがあります。いざ本番を迎えた時、もはや言うまでもないですが、問題順に解く必要は全くありません。時間がかからないa)から潰していき、あとは残りの時間でb)・c)をどう潰していくか。詳細はまた別の機会に触れることにしますが、自分の得意・不得意も考慮しつつ、戦略的に取り組んでください。しつこいですが、「終わってみたら時間切れ」ということだけは絶対避けるように!

2. 問題文のイメージが捉えづらい
「X社の代表取締役甲の母親乙は不動産等の資産を有しており…X社のY銀行からの11億円の借入について…」(2010年度第16問より抜粋)甲?乙?X?Y?独特の言い回しである上に、登場人物等の関係がとても複雑で、パッと読んだだけでは何を言っているのかイメージが捉えづらい問題が多々あります。とは言え、やはり1問あたり平均3分で解くことが求められており、じっくり読んでいる時間もありません。。

⇒対策2
文章として関係を追うのではなく、簡単な図を描いて関係を整理する!例えばお金の流れがどうなっているのか、誰が誰に対して損害賠償を請求しているのか等、文字だけでは分かりにくいことが、矢印を含めた図を描くことで一気に分かりやすくなります。もちろん、人に説明するパワポを作るわけではないので、精緻可憐である必要はありません。あくまで、自分が分かれば良いのです。とは言え、最初はそう簡単にはいかないと思います。1で言ったように、時間を意識しつつ、日頃から訓練を積み重ねることで、どのような図が有効かが見えてきますし、これは他の科目や、普段の業務においても間違いなく活かされてきます。

3. 覚えるべき内容の差が紙一重
何を言っているかと言うと、例えば会社法の冒頭に登場する、株式会社の種類(機関設計)。「公開会社にとって、監査役は必須なの?任意なの?え、大会社かどうかでも変わる!?」前提条件によってコロっと答えが変わり、その差は本当に紙一重です。曖昧な定着度のまま本番に臨んだら、緊張していることも考慮すると、間違いなく焦って正解に辿りつけないでしょう。。

⇒対策3
表の中身を漠然と覚えるのではなく、色やパターンで覚える!たとえば、上にも登場した機関設計において、表の中で「必須」の箇所を黄色の蛍光ペンで塗る。そうすると、画像パターンとして捉えることができ、頭の中に定着しやすいでしょう。もちろん、テキストの表をそのまま覚えるのではなく、自分が覚えやすいようにアレンジするのもオススメです。そして、いざ本番でそのテーマが登場したら、たとえ30秒かかったとしても、必要部分の自分流の表を、問題用紙に描き出す!私自身そうしましたし、冷静に判断ができます。単品ずつの記憶勝負で臨んでもおそらく失敗します。何度も練習して、表やその覚え方に改良を加えつつ、スラスラと描き出せるように今から訓練を積んでいきましょう。

○絶対にマスターしたいトピックス
先週同様、詳細は抜きにして、上の3)に関連して、最重要の3つのテーマを挙げておきます。本番までに何度も何度も確認することになるでしょう。とにかく最低限この3つだけはスラスラとアウトプットできるように準備をしておいてください
①株式会社機関
⇒株式譲渡制限会社・公開会社・大会社・委員会設置会社に対して、株主総会、取締役会、監査役の有無等
②組織再編
⇒事業譲渡/授受・合併・株式交換/移転・会社分割に対して、債権者保護手続きの有無、効力発生の時期等
③産業財産権
⇒特許権・実用新案権・意匠権・商標権に対して、保護対象、審査方法、出願公開制度の違い等

どういう形で出題されても、8月時点では、自信を持って人に説明できるようになっていましょう

○おわりに
いかがでしょう?何となくイメージが湧いてきましたか??冒頭にも言いましたが、(特に理系のみなさん?)絶対に苦手科目のままにしておかないこと!しばらくはなかなか結果が出ないかもしれませんが、粘り強く取り組みつつ、あくまで自分の世界を拡げる良いチャンスだと捉えて、法律の世界を楽しみながら学習してみてください。そうすれば、自ずと最後は良い結果に結び付くはずです。一人で悩んでしまったときは、過去問を題材に学習仲間や先生と語ってみるのもオススメです。是非頑張ってください!
<予告>4月に中小企業経営・政策もまとめますのでお楽しみに!
byコニケン

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