意外とわかってない？DXって結局何？
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こんにちは、sevenseaです。
今回は「DX」をテーマにしたお話です。
ここ数年どこに行っても聞く言葉ですが、ちゃんと理解して使っている人はあまり多くない印象です。トレンドワードとしてDXをテーマとした出題は過去何度か例もありますので、ここで基礎をしっかり押さえてもらえたらと思います！
合格カフェのお知らせ
合格カフェとは？
個性豊かな道場メンバー（先代メンバー含む）と受験生のみなさまで少人数のグループに分かれて相談会を開催します！
今回は、Zoomとリアル（東京）で開催。リアルは道場の先代から中小企業診断士としてのご活躍ぶりや、魅力あるお人柄を肌で感じていただけます。また、16代目メンバーの2次試験問題用紙や使用感満載の参考書類を閲覧できます。
リアル開催の会は遠くて参加できないけど、だいだいに2次試験の問題用紙を託したよ！
sevenseaの問題用紙も持ってくよ！
僕は残念ながら参加できませんが、僕の2次試験の問題用紙は見れちゃいます！
みなさまのご応募を、16代目一同心よりお待ちしております！
みんな、DXって言うけどさ…
なにもわかっとらーーーーーーん！！！！！！！
ええ、、、
すみません、冒頭からいきなり取り乱しました。
僕の身の回りだけなのかもしれませんが、「DX」という言葉をしっかりと理解することなく、雰囲気で語っている方がとても多いように感じています。そうでなければ、「DX化」だの、「DX活用」だの、「DX導入」だなんて適切でない表現がこれだけ蔓延ることはないんじゃないかと思うのです…。
少し主語の大きな話になってしまいますが、我が国のDXがなかなか進まないのは、DXに対する理解度の低さが一つの要因ではないかなと思っています。中小企業診断士を目指される皆さんはもちろん、そうでない方々にも是非今一度DXという言葉が何を指しているのかよく理解していただければと思いますし、その理解が広がっていくことが国や社会を発展させていくことにも繋がるものと信じています。
DXって何の略？
さて、まずは基本中の基本から、DXとは何の略でしょうか？
デジタルトランスフォーメーション、だね！
デジタルトランスフォーメーションという言葉は、前半の「デジタル」と後半の「トランスフォーメーション」の二つの単語に分解することができます。
「デジタル」という言葉は、ここでは身の回りのありとあらゆる情報を、コンピュータが読み取れる形に置き換えること、という意味で捉えると良いかと思います。（細かい説明は今回の記事では割愛します。詳細が気になる方は是非生成AIに聞いてみてください。）
「トランスフォーメーション」という言葉は、英語で変化や変革を意味する単語です。
したがって、「デジタル」を使って、何かを「変革」するという概念を示すのがDXという言葉です。「DX化」という表現は「変革化」と言っているようなもので冗長な表現ですし、「DX導入」や「DX活用」は「変革導入」や「変格活用」と言っているようなものでそもそも日本語として成り立ってすらいないと思います。
ITや中小企業支援の専門家であるのなら、言葉は正確に使ったほうがいいと思うのです…。
すごいバッサリ言ってる…
DXに至る道のり
とある方々とお話ししている中で、こんなやりとりがありました。
DXって言ってるのに、単純な業務改善に留まっている例が多いんですよね。
せいぜいデジタライゼーション止まりの例って多いですよね〜
多くの方にとってあまり聞き馴染みのないであろう言葉が登場してきましたが、DXに至るまでにはデジタイゼーション、デジタライゼーション、そしてデジタルトランスフォーメーションという3つの段階があるとされています。ここでは、IPAのDX動向2024を参考に、それぞれの段階について説明をしていきます。
デジタイゼーション
デジタイゼーションとは、紙などで管理しているデータをデジタルデータで管理するように変えていくことを指します。DX動向2024では、「アナログ・物理データのデジタル化」がデジタイゼーションとして分類されています。これをやるだけでは特段何か実利があるわけではないことが多いのではないかとは思いますが、デジタル化の第一歩としては重要です。
デジタライゼーション
デジタライゼーションとは、既存のビジネスプロセスをデジタル技術を用いて改善することで、効率化や高付加価値化を行うことを指します。DX動向2024では、「業務の効率化による生産性の向上、既存製品・サービスの高付加価値化」の2つがデジタライゼーションとして分類されています。あくまでも既存のビジネスプロセスをベースに業務効率化をする場合はデジタライゼーションという分類になるため、「従来紙で行なっていた書類の回付を電子化した」とか、「繰り返し行う作業をRPAを用いて自動化した」などの例はデジタルトランスフォーメーションではなく、デジタライゼーションと言えます。おそらく、冒頭で紹介した「DX化」などと言っておられる方々はこの辺りを指して「DX」という言葉を使っているのではないかと推察します。
注意点として、デジタルトランスフォーメーションが善、優れたもので、デジタライゼーションが悪、劣るもの、というわけではなく、ステップや目的に違いがあり、組織やビジネスの状況に応じて今すべきことはどちらなのかを判断すべきであることは忘れてはいけません。
デジタルトランスフォーメーション
本題のデジタルトランスフォーメーションとは、ビジネスモデルや企業文化の根本的な変革を通して、顧客視点で新たな価値を創造していく取り組みのことを指します。DX動向2024では、「新規製品・サービスの創出、組織横断／全体の業務・製造プロセスのデジタル化、顧客起点の価値創出によるビジネスモデルの根本的な変革、企業文化や組織マインドの根本的な変革」の4つがデジタルトランスフォーメーションとして分類されています。「抜本的な変革」や「顧客視点」などの言葉がキーワードとして紹介されている例が多く、顧客の立場から見ても変わっていることがわかるような内容であるかどうかが、デジタライゼーションかデジタルトランスフォーメーションのどちらに該当するかを分けるポイントになってくるでしょう。
例えば、一部の銀行では、銀行としての機能の一部を他の会社へ提供し、提供先の会社のサービスと組み合わせることで、銀行以外の企業でも金融関連の事業展開が行えるようになるサービス（Banking as a Service、略してBaaSと言う）を提供しています。これまで金利収入や手数料を主な収入源としてきたビジネスモデルから、サービス利用料を貰うというビジネスモデルに大きく変化しながら、我々エンドユーザー視点からは銀行だけでは実現できない、より便利で高度なサービスを享受できるようになりつつあります。
それぞれの関係性
デジタライゼーションの箇所でも書いた通り、これら3つの概念は紹介した順に、徐々に行なっていくことがセオリーではありますが、組織の状況や事業内容等によってはいきなりデジタルトランスフォーメンションから始めても良い、というものが一般的な見解です。したがって、今自分たちの組織に必要な取り組みはどこなのかをよく考え、適切な取り組みを模索することが重要なことにはよく留意していただければと思います。
日本と米国のDX進捗状況
さて、デジタイゼーション、デジタライゼーション、デジタルトランスフォーメーションの定義を確認した上で、またまたIPAのDX動向2024より、データを引用し、各段階ごとにどれだけの企業が成果を上げられているのか確認してみましょう。
この表からは、以下の3つのことが言えるでしょう。
①米国は日本と比べ、すべての項目で成果を上げられている傾向にある
②日本の2年間の変化はほぼ見られない（≒取り組みが進んでいない）
③デジタイゼーションはある程度成果が出ている割合が高いが、デジタライゼーションやデジタルトランスフォーメーションは低い
このようなあまり良くない状況を政府はあまり良しとしていないような状況であり、IPAの各種資料に加え、中小企業白書2025などでもDXに至るまでの過程をいくつかに分けて、その到達度を測ろうとしています。
※ここでは、段階1が未実施、段階2がデジタイゼーション、段階3がデジタライゼーション、段階4がデジタルトランスフォーメーションのことを指しています。
このような状況にあるため、もしかしたら今年の試験で、ある取り組みが3つの段階のどこに当たるのかを考えさせるような問題が出るかもしれません。
だからこそ、デジタルトランスフォーメーションという言葉単体ではなく、そこに至るプロセスについてもよく理解し、いつでも説明でいるようになっていることで、試験勉強としてはもちろん、一人の社会人としても成長できるのではないかと思います。
最後に
今回の記事では、改めてDXの基本に立ち返り、デジタイゼーション、デジタライゼーション、デジタルトランスフォーメーションという3つの言葉の意味を再度確認していただきました。これからは是非皆さんにもこれらの言葉を使いこなして、デジタルの力で社会をより良くしていっていただけたら幸いです。
明日はまさき！楽しみにしてるよ！
明日は財務分析のお話だよ！
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