テキストには載っていない診断士としての話す力について【後編】 by hotman

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みなさんこんにちは。
本日のブログ当番は「あなたのやる気の起爆剤🔥hotman🔥」です
Twitterもやってますので、もしよろしければフォローしてください❗️
今日もブログにアクセスしていただきありがとうございます
口述試験を受けた方は明後日が合格発表です
時間通りに行かなかったとか、終始無言で黙っていた、とかがない限りまず合格だと思います
ちなみに・・・昨年の名古屋会場の口述試験は全員合格でした。
2次筆記試験の合格発表の時と全く同じ位置に自分の番号があったのですぐに見つかりました!
合格後、自分でもびっくりするくらいの選択肢が待ち構えています
今年一年は診断士一年生の特権でさまざまなところに顔を出したり
興味のある分野へ果敢にチャレンジすることをお勧めします
どこの団体や研究会も温かく迎え入れてくれるはずです。
この二度と来ない診断士1年目を、大いに楽しんでください!
本日のブログは前回に引き続き
診断士としての話す力についての【後編】となります
前回のブログをまだ読んでいない方は以下にリンクを貼っておきますので
よろしければこちらを読んでから本日のブログを読み進めてください
診断士としての話すスキルについて
診断士に求められる話すスキルは以下の3つに大分されると考えています
話すスキルの種類

その中でも特に重要だなと感じている『②対話力』について、本日はより詳しくお伝えさせていただきます
対話力とは
対話は事業者さんとの話しの中で
事業者さんが気づいていない、悩みややりたいことを聞いて言語化する能力です
事業者さんのモヤモヤを我々の専門的な知識を駆使して、一つ一つ丁寧に言語化していきます
プレゼン能力以上に訓練が必要な能力だと思っています
本日の記事を読むと
『実務補習での社長さんへのヒアリングが楽になる』
さらに、
『中小企業診断士として事業者さんとの対話がスムーズにできるようになる』
ことを目的にしています。
本日の記事は以下の方へ向けて書いています
・実務補習を受ける合格者の方
・将来実務補習を受ける未来の合格者の方
・診断士合格後も対話に少しやりづらさを感じている方
つまり、ブログを読んでいる方全員の役に立てると確信して記事を書きました。
診断士受験でテキストには載っていない知識とノウハウになりますので
是非、参考にして今後の診断士活動に活用してください!!
対話力を磨く目的

そもそも、なぜ「対話力」が必要なのでしょうか?
それは企業の知的資産(目には見えない資産)を見える化(言語化)する為です
知的資産とは??
「知的資産」とは、人材、技術、組織力、顧客とのネットワーク、ブランド等の目に見えない資産のことで、企業の競争力の源泉となるものです。
これは、特許やノウハウなどの「知的財産」だけではなく、組織や人材、ネットワークなどの企業の強みとなる資産を総称する幅広い考え方であることに注意が必要です。
さらに、このような企業に固有の知的資産を認識し、有効に組み合わせて活用していくことを通じて収益につなげる経営を「知的資産経営」と呼びます。
よく知的資産と知的財産を間違える方がいるのですが(何を隠そう自分もその一人でした)
以下の表のように知的資産に知的財産は含まれているという感じです

(引用:経済産業省HP)
知的資産のことを詳しく知りたい方はこちらの動画が簡潔に説明されていてわかりやすいです
知的資産の勉強会でよく使われていたのが
会社の知的資産を氷山に例えた画像です
氷山の上に浮いている部分(見えている部分)が目に見える資産
しかし、その下には知的資産(見えない資産)がたくさんあります

目に見えている資産と目に見えない資産
企業の競争力を紐解くときに重要となってくるのが、この目に見えない資産、つまり知的資産です
この知的資産には企業の競争力の源泉になっている強みが含まれることが多いのですが
得てして企業の抱える課題の原因もこの部分に含まれることが多いと感じています
そしてこの目には見えない知的資産
事業者さん自身も気づいていないことが多々あります
そこで知的資産を見つけるために必要になってくるのが「対話力」ということになります
対話により企業の進むべき未来と現実とのギャップを理解する

対話によって知的資産を見つけて、そのあとは何をするのでしょうか?
それは会社の未来と現実のギャップを理解することです。
この未来と現実のギャップにこそ課題や問題点があり
企業を迷わず進むべき未来に導く、まさに羅針盤のような役割が我々診断士には求められていると考えています
ではそのギャップを見つける対話方法とは??
具体的にいくつかのポイントを見ていきたいと思います
知的資産を見える化する対話の方法について
ではどのように事業者さんと対話をすれば見えざる資産である「知的資産」の見える化が行え
さらには現実と進むべき未来のギャップを理解できるのでしょうか?
いくつかの対話の方法を解説していきます
ポイントその①〜過去、現在、未来の切り口で現実とのギャップを理解する〜
一つ目のポイントは、対話全体を会社の生み出す価値を中心としたストーリーとして捉え
会社の向かいたい方向性、目指すべき夢や目標、あるべき姿と現状のギャップを理解することです
そのギャップを理解する上で意識していただきたいのが
過去、現在、未来の時間的な区分とそれぞれの時間軸に沿った5つの切り口(テーマ)です

これらの切り口(テーマ)に沿って話を聞けば網羅的に知的資産を理解することができます
①〜⑤までどれも重要な切り口(テーマ)で外すことはできないのですが
この時に注意していただきたいのが「別に時系列順に対話をしなくてもOK」と言うことです
将来のあるべき姿と現在のギャップを理解するのであれば
過去から順を追って対話を進めたくなるところですが
特にこれといった正解はありません
というより、事業者さん毎にどこから聞くのが効果的かが異なります
A社は老舗で100年以上の歴史を持つ商品が強みでしたら、会社の沿革(過去)から聞くべきですし
B社がイケイケベンチャーで、常に目標を共有し合っているような会社でしたら
未来のあるべき姿から聞くべきだと思います
事業者さん毎に一番話しやすい切り口(テーマ)が異なるので、
切り口(テーマ)は適切に判断をするようにしてください
ポイントその②〜3つの話題でスムーズに対話を進める〜
続いてが「対話の話題を何から切り出せば良いか?」です
それは以下の3つから切り出すとスムーズに対話を進めることができます

①業務プロセスについて
実は業務プロセスは知的資産の宝庫でもあります
業務プロセスには必ず人が関わり、何らかの価値を生み出しています
業務プロセスを詳細に紐解くことで知的資産を見つけることができます
具体的には業務プロセスをヒアリングし、その各工程に対して
価値を付与している源泉部分をヒアリングしていくイメージです
②製品・サービスについて
まずここから対話を始めることをお勧めします
理由としては製品・サービスは企業が顧客へ提供する最終のモノであり
企業が生み出した価値の塊であると共に、目に見えるからです
最も対話しやすく、価値を見つけやすいのがこの話題です
③沿革について
企業の未来を見つめるときに必要となってくるのが
現在の企業価値を生み出した企業の過去、つまり沿革に対する話題です
企業は常に順風満帆というわけではなく
創業から山あり谷あり、紆余曲折を経て成長をしてきています
その企業の成長点とも言える紆余曲折の部分にフォーカスすることで
現在、そして未来に通じる会社の見えざる資産を見つけることができます
ポイントその③〜傾聴7つのポイント〜
対話の主役はあくまで経営者の方です
自分が話すのではなく、常に相手に話をしてもらうということを意識します
しかし、これがなかなか難しいんです
そこで相手に話をしてもらう、傾聴するためのポイントを説明します
①ヒアリング先の会社や社長をリスペクトし、興味を持つ
これは自分が診断士として事業者さんと対話するときに一番心がけていることです
「社長は孤独」という言葉を聞いたことがあると思います
特に中小企業の社長さんは孤独に頑張っている方が多いです
社内で誰にも相談できず、会社の方針や行末を一人で考えている
そんな社長さんがとても多いです
孤独な社長さんの貴重な壁打ち相手として
自分は常に心からのリスペクトを忘れないようしています
また、社長さんの行なっている事業に興味を持つようにもしています
純粋に知らないことを学ぶ姿勢とも言いましょうか
とにかく興味を持って勉強させていただく姿勢で対話に臨みます
②否定しない、批判しない、アドバイスしない、提案しない、一般化しない
対話は現実と未来のギャップを理解することが目的です
常に相手に話をしてもらう意識を持って臨み
相手がいかに話をしてもらえるかに全神経を集中するべきです
特に否定的な発言「でも」「しかし」「だけど」などは言わないように心がけてください
またアドバイスについても対話ではやめた方が良いです
アドバイスをしだすと診断士が一方的に話し始めてしまい
対話の目的である企業の現実と未来のギャップを理解することが難しくなります
アドバイスは思いついてもその場ではグッと堪えて
帰ってからパソコンの前で報告書に記載するようにしてください
③相槌をうつ、目線を合わせる
目線を合わせて、「はい」「それから」「ええ」など頷きながら相槌をうちます
この際に注意が必要なのが「なるほど」「わかります」と安易に言わないことです
向こうは専門家であり、その道のプロです
「なるほど」と言いすぎると
「本当にそんなにわかってんの??」と思われてしまうことがあります
相槌はアクティブに最小限の言葉で返すように心がけましょう
④オウム返し
相手の言葉にポジティブな感想を付け加えてそのまま返します
例)
経営者「我が社は同業他社よりも高品質・短納期を会社の目標としています。」
診断士「高品質で短納期が売りなんですね。素晴らしいですね。」
これは相手にしっかりと話を聞いているという印象を与えることができます
相槌と合わせて積極的に使っていくようにしましょう
⑤サマリー(要約)返し
相手の話を要約して返す方法です
このテクニックが対話の中ではかなりの威力を発揮します
相手の話を聞いて要約して返すことで
相手は自分の言ったことを理解してくれているとの安心感と自分の話を端的にまとめて聞くことで
何を話したかったかの理解も深まっていきます
自分はサマリー返しが対話の中で最も重要なテクニックだと考えています
これを体得するにはそれなりに場数を踏む必要がありますが
コツとしては
・主語を明確にする
・要点は1つにまとめる
・結果や効果の落ちをつける
・「ということでよろしいでしょうか?」などのクローズドクエスチョンの疑問形で返す
例)
経営者「〜〜〜我が社の良いところの説明〜〜〜ということが我が社の良いところかと思っています」
診断士「はい、と言うことは、社長が積極的に進めている1on1コミュニケーションが社員の士気を上げて、その結果、製品の品質向上に繋がり、その製品を短納期で納品ができることが強みとなり、他者と差別化できているために顧客から選ばれているということでよろしいでしょうか?」
⑥質問は1つにする
対話を進めていく上で必ず質問をしていくのですが
その際の質問は1回につき1つずつにします
1回につき複数個の質問をしてしまうと相手から回答が返ってこないことがしばしばあります
対話では1回の質問につき回答は1つと心がけるようにしてください
⑦具体的な回答を得られるように質問をする
見えない資産である知的資産を見つけるためには具体的に掘り下げる質問が有効です
そのときに威力を発揮するのが「ど」から始まる質問形式です
「ど」から始まる質問
・どのような【話題・切り口】でしょうか?
・どれくらいの期間がかかっているのでしょうか?
・どんな良い点があるのでしょうか?
・どう言った理由で顧客に選ばれているのでしょうか?
などなど
そして注意が必要なのが「な」から始まる質問をしないことです
「なぜ?」「何で?」「何が?」などは相手に威圧的で高圧的な印象を与えてしまう可能性があります
親が子供に叱るとき、上司が部下を叱責するとき、よく「な」から始まる言葉を使いがちです
「な」から始まる質問には、無意識に相手のことを、今この瞬間理解できていないとのニュアンスが含まれていると思っています
「な」から始まる質問をせずに「ど」から始まる質問をすることを意識してみてください
対話の実践
では今まで記載したことを踏まえて対話の実践をして見ましょう
もう1つ対話例を見て見ましょう
最後に
いかがでしたでしょうか?
2回にわたって前編後編で自分が「話すスキル」の中でも特に大事(だと思っている)「対話」についてお送りしました
今日のブログの内容を踏まえて実務補習に臨めば昨年の自分のようなミスを犯すことはないと思います
是非、実務補習の貴重な機会をより実り多いものにしていただいて
皆さんの今後の診断士活動の礎にしていただければと思います。
今年合格目標の方はそっとブックマークでもしておいていただいて、合格後に是非読み返していただけると幸いです
今日のブログの何か1つでも、皆さんの参考になる部分があると嬉しいです

もし何か不明な点などありましたら、コメントいただけると別途回答させていただきます
それでは今日も最後にテンションの上がる曲で終わりにしたいと思います
アーティスト:Hi-STANDARD
楽曲名:Stay Gold
このブログを読んだ方全員が金ピカに輝けますように・・・

明日はリットです!!
hotmanに紹介されるとか新鮮!!

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hotmanさん、後編、楽しみにしておりました!
(ゆっくり読みたくて、今日まで温存しちゃいましたw)
物凄く熱量のこもった記事でしたね、めちゃくちゃ参考になります!!
これは完全保存版ですね✨本業でも参考にさせて頂きます!
ベストさんコメントありがとうございます!!
後編お待たせしました。
一年間で学んだことを凝縮してお届けしました
参考になって嬉しい限りです。
(頑張って書いた甲斐がありました)
ぜひ本業の方でもお役立てください!!