競争地位別戦略をやさしく解説
本日からGWが始まる方もいるかと思います。
GWの勉強計画はばっちりでしょうか?
「1次試験の苦手分野を克服する」「2次試験にチャレンジする!」
など様々な計画を立てているかと思います。
自分の立ち位置や進捗状況によってとるべき戦略は異なってくるかと思います。
勉強計画を作成するのも大切ですが、作成した計画を定期的に見直すことも大切です。
勉強していると、思い通りに進まないことも多いと思います。
「新たな苦手分野が見つかった・・・」
「過去問の復習に思ったより時間がかかってしまった」
など、計画から外れることもあるので、
事例Ⅲの生産統制のように、計画をこまめに見直すことをおススメします。
私の場合は、新たな苦手分野が見つかったときは、早めにつぶすようにしていました。
とは言っても、あまり大がかりに計画を変更すると大変なので、
1日当たりの負荷を小さくして、計画に大きく影響が出ない形で計画を修正してしました。
さて、今回は企業経営理論から競争地位別戦略をご説明します。
企業経営理論は1次試験と2次試験の両方に関係があるので、
単なる暗記でなく実際の企業戦略と関連してポイントをまとめると理解しやすいかと思います。
ということで、本日は仮想の「キツネフード🦊」業界の競争地位別戦略について見ていきましょう!
contents
競争地位別戦略
競争地位別戦略の全体のイメージは下記のとおりです。
リーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャーの4人(匹?)のプレイヤーがいます。
私のブログによく出てくるキツネですが、肉食寄りの雑食のようです。
今回はキツネが食べるキツネフードの市場を例に競争地位別戦略を考えてみましょう。
(実在する企業、人(きつね)とは関係ありません、すべて私の想像です)
今回はわたくしが各企業の代表にインタビューしに行く形式で進めています~
リーダー
九尾のこんちゃん
リーダー
企業概要
従業員数:1,500匹(きつね)
売り上げ:750億円
市場シェア:50%(キツネフードシェア1位)
企業概要:キツネフードを初めて作った老舗メーカー。全国に多くの部下がおり、圧倒的な生産力をもつ。味は創業時からお客様に親しまれている甘い味のキツネフード1種類。
一言:最近人間界にいった部下が「愛の力を研究する」とかいって、小学生を妖怪から守るために先生と共闘するようになり、戻ってこなくなった。
こんちゃ、本日はインタビューの時間をありがとうございます!
よろしくお願いいたします。
タチサレ、ニンゲン、タチサレ、、、
!?!?!?
・・・・
・・・
・・
・
・
・
昔いじめられたので、人間は苦手だったけど、
あなた、目が細くてきつねみたいだから、インタビューにこたえます。
それはよかった笑!
ではさっそく!
現在御社は業界で堂々の1位ですね!
御社の今後の戦略について教えていただけますか?
そうですね、創業当初に比べて、キツネフードもかなり浸透して、市場も成熟してきたように思います。
この市場でのシェアは現状が最適なので、今後はキツネフード市場そのものを拡大する方策も考えています。
ところで、きつねのエサと猫のエサって似てると思いませんか?
今後はキツネフードをキツネ以外のタヌキや猫にも販売しようと考えています。
なるほど、キツネフードの市場が拡大すれば、リーダー企業の御社にとってもメリットが大きいということですね!
ところで、最近の懸念点についてもお話しいただけないでしょうか?
そうですね、競合のゾロコンが、新しい味のキツネフードを販売し始めたので、うちも新しい味を検討しないといけないと考えています。
創業以来、ずっと同じ味を提供してきたのでマンネリ化していたのかもしれません。
シェアが少し下がってきています。
なるほど、それは由々しき事態ですね、、、
そんな中でも揺らぐことのない、御社の強みは何ですか?
そうですね、市場で初めてキツネフードを発売したことは大きいでしょう。創業当初は新しいものが好きなキツネが多く購入してくれて、それから徐々に広がっていきました。
今では多くのキツネに認知され、ブランド力はあるかと思います。
またキツネフードを長きにわたって取り扱っており、ノウハウも蓄積しているので、低コストで提供することができます。
当社の規模も強みで、生産量が多いため、生産コストも抑えることができます。
ひとことポイント:規模の経済と経験曲線効果
経験曲線効果はこれまでの累積生産量が多くなることで、ノウハウが蓄積してコストを下げることができる効果です。一方、規模の経済は(ある時点での)生産規模が大きいことで1つあたりの生産コストを下げることができる効果です。
チャレンジャー
かいけつゾロこん
チャレンジャー
企業概要
従業員数:1000匹(きつね&イノシシ)
売上:450億円
市場シェア:30%(キツネフードシェア2位)
企業概要:比較的新しくできた会社で勢いがある。部下のイノシシがよく働くので、カバレッジも高い。ブドウ入りのすっぱいキツネフードを販売して注目を浴びている。市場シェアを拡大中。
一言:いたずらが好き、結婚願望が高い、つめが甘い
なぜ、今までにない、あたららしい味を出そうと思ったのですか?
業界トップのきゅうりの、、、じゃなかった笑
九尾のこんちゃんに対抗するには、彼らができないことをする必要があるからや!
彼らの甘~いキツネフードを改良して酸っぱい味にしたった!
いままで、甘いキツネフードを中心に商売しとったから、顧客からの期待もあって、そう簡単にすっぱい味はだせへんはずや!
だから、そこを狙って、シェアを拡大するで~!
なるほど、その戦略がはまって、最近シェアを伸ばしているのですね!
今後の方針についてお聞かせください。
さらにシェアを伸ばすために、九尾のこんちゃんが作れんような新しい味のキツネフードを作ろうと思ってる!
ひとことポイント:競争戦略
ポーターの競争戦略は3つの種類があります。差別化戦略、集中戦略、コストリーダーシップの3つです。今回のかいけつゾロこんは差別化戦略を中心に競争戦略を展開しています。大手企業に比べて規模が小さい中小企業は差別化戦略や集中戦略をとることが多いです。
フォロワー
うろこん滝
フォロワー
企業概要
従業員数:300匹(きつね)
売上:50億円
市場シェア:3%(キツネフードシェア7位)
企業概要:もともと子供用のお面を扱っている会社だったが、キツネフードが好きな子供が増えてきたので、キツネフードを取り扱うことにした。山奥のお店が多く、立地が悪い。シェアの拡大にはあまり興味がなく、あくまでお面もがメインでキツネフードとのクロスセルを狙っている。
一言:こどもがすき、こどももうろこん滝さんが好き。お面業界での存在感は大きく、お面には厄除けの効果もあるらしい。
お面がメインの製品とのことですが、なぜキツネフードを取り扱うようになったのですか?
・・・・近所の子供から山奥で立地が悪いため、「キツネフードが手に入らない」という困りごとを聞いたので取り扱うことにしました。
・・・・九尾のこんちゃんが大成功を収めていたので、同じようなものを提供したら売れると思いました。
なるほど、キツネフードはお店の周りを中心に販売しているのですね。
今後の展望についてお聞かせください。
・・・・そうですね、最近は近所のこどもに剣術を指南する機会をいただいたので、こどもとの接点が増えてきました。そのこどもにも紹介できたらと考えています。もともと近くの子供に喜んでほしいと思って始めた事業ですし、、、、
先発企業・後発企業
先発企業は前述した経験曲線効果を得やすいですし、先発企業としてのブランドを構築し、後発企業に対して参入障壁を作ることも可能です。しかしながら、市場に受け入れられないのリスクがあり、研究開発費や広告宣伝費が大きくなる傾向があります。一方の後発企業は、市場があることはわかっているのでリスクが低く、開発や広告費用を抑制できますが、市場に受け入れられるには先発企業にはない付加価値を提供する必要があります。
ニッチャー
ごんちゃん
ニッチャー
企業概要
従業員数:50人(きつね+人間)
売上:30億円
市場シェア:2%(キツネフードシェア10位)
企業概要:人間の兵十とともに立ち上げた会社。彼が腰痛で悩む祖母に、うなぎを食べさせてあげたエピソードに基づき、高齢キツネ向けたうなぎ入りのキツネフードを提供している。きつねには珍しく、人間とパートナーシップを構築して事業を展開している。
一言:パートナーの兵十には、過去にすれ違いから火縄銃で狙撃されることもあったが、誤解を乗り越え強いきずなで結ばれている。
なぜ高齢者に特化した製品に注力するようになったのですか?
高齢キツネの割合が低いので、大手にとってはうまみが少ないので、競争が回避できます。
また、当社のキツネフードは、兵十とのパートナーシップに基づき、人間のテクノロジーを活用しており、他社にはつくれない高齢キツネ向けに特化した製品になっています。
すごいですね!
なぜ、人間とパートナーシップを組むことになったのですか?
きつねは人間と仲が悪く、通常はパートナーシップは組めないと思います。しかし、私は、まぁ人間といろいろあり、今では良好な関係性を構築しています。長期にわたるパートナーシップの中で習得した技術を用いて高齢向けキツネに特化したキツネフードを作ることができました。
今後の方針についてお聞かせください。
当社は大手企業に比べて規模が小さいので、今後も高齢キツネに向けたキツネフードに注力する予定です。長期的には人間とのパートナーシップをさらに活かして、高齢者向けの商品を幅広く展開することも計画しています。例えば、人間もキツネも高齢になると腰痛に悩むことが多くなるので、腰痛を軽減するサポーターなどを候補に考えています。
VRIO分析
VRIO分析は企業のもつ経営資源を、経済的価値(Value),希少性(Rareness)、模倣可能性(Imitability)、組織(Organization)の観点から評価する分析手法です。特に長期にわたって持続的な競争優位を確立するためにはVRIOのIに適合する強みがあることが重要です。Iに適合する経営資源は、①経路依存性、②特許、③取得手順が不明、④取得するのに時間がかかる、などの特徴があります。ごんちゃんの人間とのパートナーシップは、経路依存性に基づいておりなかなか競合はまねできません。
まとめ
本日は競争地位別の戦略についてご紹介させていただきました。
それぞれの特徴をまとめると下記の表になります。
九尾のこんちゃん | かいけつゾロこん | うろこん滝 | ごんちゃん | |
分類 | リーダー | チャレンジャー | フォロワー | ニッチャー |
戦略 | 市場拡大、最適シェアの維持、同質化 | リーダーと差別化してシェア拡大 | 大手を模倣し、対決回避 | ニッチ市場でトップを目指す |
市場 | 全市場 | ほぼ全市場 | 大手の隙間 | 特定市場 |
経営資源 (量、質) | (豊富、独自性高い) | (豊富、独自性低い) | (乏しい、独自性低い) | (乏しい、独自性高い) |
さて明日はひでさんの登場です!
令和2年度事例Ⅲの後半です!
この一連のシリーズを「ひでさんの頭のなかにあった全ノウハウ」と呼んでいます~
明日もお楽しみに!
おまけ
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今回のインタビューでは、4社の成長戦略についても聞いています。アンゾフのマトリックスでどこに該当するか考えてみてください。
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九尾のこんちゃん→新市場開拓戦略、かいけつゾロこん→新製品開発戦略、うろこん滝→市場浸透戦略、ごんちゃん→新製品開発戦略
競争地位別戦略の分かりやすい記事、ありがとうございます。
各々の企業(狐?)の設定が非常に作りこまれていて、尚且つ分かりやすくてとても楽しく読めました。
最初の九尾のきつねに威圧されていたのには笑いましたw
是非今後の記事でもこの四匹の狐の登場を期待しておりますw
ロムさん
コメントありがとうございます。
楽しく読んでいただけて嬉しいです。
設定の作りこみは苦労しました笑
これからも機会があれば、また登場させたいと思います!