診断士1年目の活動内容とは?試験内容と合わせて紹介!
来週からGWですね!
このGW、かなり重要です!苦手科目の克服や逆に得意科目の更なる得点向上、はたまた遅れの巻き返しとやるべきことは受験生によっていろいろあると思います。
GWに入る前にこれ!という目標をもってGWを過ごすことで、目的が明確になりますので、是非目標設定をしてみてください(*^^*)
今回は先日のセミナーでモチベーションの維持が難しいという声も聞かれたので、実際に最近私が取り組んでいる診断士活動及びそれらの活動で使っている診断士知識を紹介していきます!
この記事を通して、皆さんのモチベーション向上の一助に慣れれば幸いです。
contents
にのみの診断士活動内容
中小企業の新規事業立ち上げ支援
開始時期:2021年3月
内容:ECサイトの新規事業立ち上げ
経緯:診断士の研究会というものに入り、その中の先輩診断士からの「一緒に案件をやりませんか」という呼びかけに対し、手を挙げた。
この案件は初めての有償の診断士活動です。私の本業はプラントエンジニアリングなので、本案件とは微塵も関係ありませんが、診断士の知見プラス、以前に個人的にAmazonへの出店を検討した経験を踏まえ、助言を行えています。現在も引き続き支援を行っており、非常にやりがいを感じる内容になっています。
では実際に診断士で学んだどの知識を使ったのか紹介します。
- 3C分析
3C分析とは、Customer(市場・顧客)・Company(自社)・Competitor(競合)の分析を行うことであり、市場分析を行う上で重要なフレームワークです。(平成30年度の2次試験事例Ⅰにも出題されました。)
2次試験を経験されている方は理解されていると思いますが、まさに各事例の1番最初に行う内部・外部分析ってやつです。
この分析により外部要因である市場・顧客と競合、そして内部要因である自社の関係性を把握し、適切な経営資源を配分する目的が決められます。
2. 5 Forces分析
5 Force分析とは業界の競争戦略について、マイケル・ポーターが提唱した外部分析フレームワークです。
ポーターは競争要因として「新規参入の脅威」「売り手の脅威」「買い手の交渉力」「競争企業間の敵対関係」「代替品の脅威」の5つが存在し、これらにより業界全体の収益性を決めると提唱しました。これら5つが全て強いと、収益性が低く魅力のない業界という事です。
ここで面白いのは、「あれ、意外とこういうのも代替品じゃない?」とかってのが出てくるのがこのフレームワークを使うことで見えてくることです。
例えば、USJの代替品というと、東京ディズニーランドや富士急ハイランドを思い浮かべるかもしれませんが、実はそこだけでなく「ネットフリックス」や「テレビゲーム」等のコンテンツも”余暇時間を過ごす”という点で市場のパイを奪い合っているのです。
試験では1次試験の企業経営理論でこの5つの要素について深堀して出題されることが非常に多いので、確実に得点しましょう。
3.「だなどこ」
環境分析の後は戦略策定です。ここでは診断士の2次試験では魔法の言葉として認識されている「だなどこ」を非常に使いました。
つまり「誰に」「何を」「どのように」「(その)効果」を表したものです。
中小企業というのは資源が限られていますので、ターゲットを選定し、そこにピンポイントで資源を投下することが必要です。
そのためにこのフレームワークをによって「ペルソナ」と呼ばれる詳細な顧客像を想定し、その顧客に向けたサイト設計や施策、商材選定を行いました。
だなどこの例
関東在住の高級マンションに住む20代主婦向け(誰に)に、睡眠の質が向上するアロマオイル(何を)をECサイトを通じて販売する(どのように)ことで売り上げ向上を図る(効果)。
マーケティング業界では超常識的なものなので、マーケティング業界の人は呼吸をするように出来ることかもしれませんが、私はそんな経験一切ありませんでした。しかし先輩診断士を見て学びながらも、学んだ知識を活用することで、このような支援を行うこともできています。
試験で言うと2次試験の事例Ⅱで必須のフレームワークになりますので、試験勉強を通じて、身に付けれられるようにしておきましょう!
4. 4P(マーケティングミックス)
続いて4Pについてです。4Pはマーケティングミックスとも呼ばれる分析手法で、Product(製品)・Price(価格)・Place(流通チャネルなど)・Promotion(コミュニケーション)の4つのPを表したものです。これらを活用することで、顧客に購買行動を起こしてもらうことができます。
図のように「顧客価値」というのはこれらすべての要素で決まり、どれが欠けてもうまく顧客価値が成り立ちません。このフレームワークを使いながら、どこに強みがあり、逆にどこに課題があるかを見極めて、「顧客価値」を最大化するための戦略を立てることが重要です。
試験で言うと、残念ながら頻出論点ではありません。ただし知らなくていいという知識ではなく、基本的過ぎてもう試験内容にするほどでもないという感じなので、確実に抑えておくべき内容です。
中小企業の補助金申請の支援
開始時期:2021年4月
内容:持続化補助金の申請支援
経緯:社内の診断士の先輩の紹介。補助金申請支援を行っている事業者から業務委託を受けている。
現在、コロナ禍で非常に多くの事業者が困っており、補助金の申請業務も非常に多いそうです。そのため私にも申請業務をさせていただける機会をいただいて、現在申請支援をしています。
では実際に診断士で学んだどの知識を使ったのか紹介します。
- SWOT分析
これは環境分析手法として2次の本試験でも非常によく出てきます。毎年のように2次試験の設問1では、まず確実にSWOT分析に関する問題が出ると思って間違いありません。
SWOT分析は、3C分析、5 Froce分析から更に自社の強み・弱みにフォーカスを当てて「自社の強み (Strength)・弱み (Weakness)」、外部分析として「自社の機会(Opportunity)・脅威(Threat)」を行います。
これらを4象限にし、それぞれで取るべき戦略を変えていきます。
補助金申請業務は本当に2次試験の知識や文章構成の経験が生きます。もはや補助金申請を書かせるために2次試験はああいった構成になっているのでは?と思うレベルです(笑)
「なんのためにこんな長い文章書かなきゃいけないんだ」とか思いながら2次の勉強をされている方もいるかもしれませんので言っておくと、それは”補助金申請をしてもらって、中小企業を救うため”なのです!!!(そんなことありません。)
2. 財務諸表を読む力
続いて財務諸表についてです。診断士で学ぶ財務諸表は貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書です。
この中でも特に、損益計算書の収益について補助金申請の時に使いました。減価償却といった基本的な用語の概念を知らないと書けないこともありますし、「~~することで、○○%利益の向上が見込めます」といったような具体的な数値を示すといったようなことも有ります。
また補助金申請書自体に記載はせずとも、支援先から財務諸表はいただけることが多いと思いますので、そういった際に適切な判断ができるようになっておくことは重要かと思います。
試験面では特に説明が必要ないくらい重要な能力ですね!必ず財務諸表を読める力を身に付けておきましょう!
ちなみに財務3表については先日池やんが「決算書は財務3表の繋がりを意識しよう【中小企業診断士】」で解説していますので、是非ご覧ください。
3. 中小企業経営・政策の知識
次は1次試験だけで出てくる中小企業経営・政策についてです。「知識」と書きましたが、それに関連する事柄といった感じです。
市場分析をする際に中小企業白書が参考になったり、そもそも今どのような補助金が合って、その内容はどのようなものなのかというのは、事前に試験で政策を学んでおけば比較的理解しやすくなります。
従って、ここでは「これ」といった知識という感じではありませんが、補助金申請する際には事前知識があるのとないのでは、やはりあった方がスムーズに書けるといった感じです。
中小企業白書については、なゆたが「いつの間にか得点源★中小企業白書「ながら聞き」のススメ(ダウンロード用_白書の本文データ付き)」で音声付で解説してくれていますので、こちらを是非ご覧ください。
一発合格道場
最後にこの一発合格道場です。
当たり前ですが、ここが一番診断士の知識を使っています(笑)ただ勉強してから少し時間も経っていますし、忘れていることも多々ありますので、このブログを通じて、知識の棚卸ができ、それが診断士活動に繋がっているのは間違いありません。
また先日のように受験生支援を通じて、多数の方から感謝される機会は診断士業務をしていてもなかなか経験できるものではないので、非常にやりがいがあるものになっています。
そして何よりもこの道場の先代の方達は診断士としても活躍されている方が多いので、非常に刺激を受けています。現在、コロナ禍でF2Fの飲み会等は出来ていませんが、道場という横の繋がりでも仕事が出来たらなと個人的には思っています。
早くも宣伝のようになってしまいますが(笑)、今年度受験されている方の中でも我こそはという方は来年是非13代目として道場を盛り上げていただき、自身の診断士業務にも繋げていただければと思います。
まとめ
いかがでしたか?
1月に合格し、4月頭まで海外現場で働いていたことを差し引くとかなりアクティブに活動しているな~とこのブログを書きながら振り返っております。というかもうパンクしてます(´;ω;`)
診断士資格を目指していると、どこかで「診断士は食えない」とかネガティブな話を聞くことも有るかと思います。
しかし、こんなひよっこな診断士もどき(登録どころか得点開示もまだできていない)でも、診断士というのは横の繋がりが他の士業と比べても強いので、積極的に手を挙げることで様々な経験ができます。
試験は非常に長丁場で、モチベーションの上がり下がりは誰しもあると思います。そんな時はこのように試験内容を自身の診断士活動の活躍イメージとオーバーラップしていると自覚することが、やる気を保てる一つの方法になるでしょう。
今回の記事がその役割を少しでも担えていたら嬉しいです。
私も現役時代はLNG受入基地のFEEDエンジニアでした。今は退職してバイオマス発電に関わっています。これを本業としながら、注目すべき技術を持つ中小企業の海外マーケット探しを支援したく、今年2回目の2次試験を受験します。最後の機会です。苦手の事例IとIIを克服するために、AASで思考ロジックを叩き直されています。
今年こそラストチャンスさん
コメントありがとうございます。
そうなんですね!弊社もバイオマス発電事業にも参画していますので、非常に親近感が湧いております!
海外進出の支援ができる診断士は貴重な存在なので、非常に価値が高いと思います。
是非、今年度合格され、診断士としても、そしてその知見を更に本業にも活かされ、大活躍されることを心から願っております。頑張ってください!
にのみさん、実際に診断士活動の記事をありがとうございます!
自分にとって一番の勉強のモチベーションになります、楽しく読ませていただきました!
合格後にも一次試験と二次試験の知識を活用するとのことで、今回記事にあった3C分析、5force分析など、改めて復習して知識を深めようと思いました。
1点質問なのですが、補助金の申請などについて資料をまとめる際は、例えば過去に申請が通った書類やひな形など、何かを参考にしながら作成するのでしょうか? 完全に一から何も見ずに作成するとなると、ハードルが高そうだなぁと思いまして。
ロムさん
コメントありがとうございます。
モチベーションの向上に繋がったようで、非常に嬉しいです。
私の場合は「業務委託」の形で、補助金申請のとりまとめをされている事業者様から仕事をいただいています。先方はこれまでも何件か申請の経験がある事業者だったので、いくつか参考資料をいただいています。
補助金業務は先輩診断士等からの委託が多いので、委託元から資料をいただくことが多いかと思いますが、知り合いから頼まれてとかだとひな形がないので、ロムさんのおしゃる通り結構大変かと思います。
一応インターネットで調べればそれなりの情報はあるようですが。
従って、まずは経験者に教えを請いながらノウハウを蓄積し、個人でやるならそのあと、といったような対応になるかなと思います。
もうすでにそういった業務のイメージをされているようで、この先もそれを糧に勉強できそうですね!(*^^*)頑張ってください!