【合格体験記】湘南台キュウさんの「いくつもの壁を乗り越えての合格」
こんにちは。ハカセです。
今日は、「いくつもの壁を乗り越えた末に見事合格された、「湘南台のキュウ」さんの合格体験談をご紹介します。
受験生の皆さんには、それぞれのドラマがあると思います。
キュウさんの受験歴も、山あり谷ありだったようです。
まずは拝見しましょう!
====== 寄稿ここから =======
はじめまして、キュウ と申します。
この度ハカセよりご依頼をいただき、合格体験記を執筆させていただくことになりました。
一発合格道場というタイトルのサイトに、私のように 合格まで5年かかった者 が寄稿してよいものか迷いましたが、これもご縁と思い引き受けさせていただくことにいたしました。
私は合格までにいくつもの壁と遭遇しました。その壁を乗り越えたというか、なんとかやり過ごした結果の合格 でした。
なにぶん「私はこうやって合格した!」みたいなノウハウがなく、ただ長年勉強を続けてきたら、たまたま今年受かってしまった部類ですので、受験生の皆さんには余り参考にならないかもしれません。
読者の皆様には、「凡人でも継続していればチャンスがあるんだ」という風にとらえていただければと思います。
■ 自己紹介 ■
年齢:49歳
職業:大手電機メーカー系半導体商社勤務。業務内容は、財務会計、税務、総務、人事など管理業務全般を担当。
資格:日商簿記2級、内部監査士(来年2月取得予定 ← 二次試験と同時期だったので、つらかったです)
家族:妻、小学2年、2歳になる二人の男子の4人暮らし
■ 勉強をはじめたきっかけ ■
周りの人間には、「子供がまだ小さくてこれから学費が掛かるので、70歳まで働かないといけないんだよねー。定年後も職にありつけるように勉強してるんだー。」みたいなことを申しておりますが、勉強を始めた頃は未だ下の子供もおらず、よく自問してみると、「周りの人間に負けてなるものか!」という気持ちがきっかけではなかったかと思います。
当時は今の会社に異動になって間もない時期で、親会社に同年代のライバルが何人かおり、「何かスキルを持たないと」、という思いが強かったからだと思います。そんな中、かつての上司が数年前中小企業診断士の資格を取得したことから、「自分もやってやろうじゃないか!」と意を決したのでした。
■ 合格までの受験歴 ■
一次試験
2008年:財務会計(64点)⇒ 1科目合格
2009年:経済学・経済政策(60点)、企業経営理論(64点)、運営管理(74点)⇒ 3科目合格
2010年:経営情報システム(63点)、経営法務(62点)、中小企業経営・政策(55点)で、一次試験合格 (なんとジャスト180点!)
二次試験
2010年:事例ⅠがB、事例Ⅱが A、事例Ⅲが D、事例Ⅳが Aで、総合B
2011年:筆記試験合格
■ 合格までの道のり ■
2005年
会社の通信教育で、O社テキスト7冊を入手。内容をひたすら要約してExcelに入力する勉強法を試みるが、効果がなさそうな気がしてきて途中で中止。
2006年
入手したテキストがたまたまO社のものだったので、見慣れているという理由でO社一次二次ストレート合格DVD通信コースを申し込む。わりと順調に勉強スタート。
2007年
壁その1
年明け早々、持病の腰椎椎間板ヘルニアが再発し、左足に麻痺症状が出る。7~8回神経ブロック注射を打ってもらい、2ヶ月位かけて回復。その間勉強を中断。
壁その2
5月、今度は頸椎椎間板ヘルニア発症。首の痛みに加え、右腕全体に痺れが生じる。数ヶ月治療。この時点で一次試験を断念。
秋に入り、勉強再開。O社教材の残りに手をつけ、科目によってはさらにダイジェスト版を追加で申し込む。
2008年
壁その3
7月上旬、これまた持病の尿路結石再発。自宅近くの病院に4泊5日入院。一次試験を1ヶ月後に控え、一度は受験を断念することも考える。
しかし、その後なんとか受験にこぎつけ、1科目の合格を果たす
壁その4
秋に入り、残り6科目の勉強を再開し始めたが、11月に妻の第二子懐妊が判明。予定日は来年7月。出産期間中、上の子供の世話をみる必要が生じるため、3科目に絞ることを決意。
とにかく過去問を繰り返し問いて、正解数を増やすことに専念する。
2009年
過去問回しとO社テキストダイジェスト版で苦手箇所の確認中心で勉強を進める。
科目の入り繰りはあったものの、一次3科目合格を果たす。
12月、T社二次本科通学クラスを申し込む。
2010年
8月、ジャスト180点で残りの3科目合格。一次試験突破 。
10月、担任のT先生の言葉につられ、二次試験を仙台で受験。力及ばず敗退。発表翌日、即同じクラスを申し込む。
2011年
1月、クラス内で勉強グループ結成 。5人で毎週日曜講習後、自主勉強会を開く。内容は、当日演習をメンバー分各々採点。その後、解答までのプロセスを各自発表し、ベスト解答についてみんなで話し合う。また、毎週課題を定め、それについても話し合う。(例えば「平成22年事例Ⅲ設問3について全力解答を作る」等)
壁その5
5月チェック模試終了後、不登校になった長男に対し休日はとにかく一緒に過ごす時間を作ることに専念することにして、休学を決意。5月一ヶ月間は全く勉強せず。
6月に入り少し落ち着き始めたので、一次保険受験を考える。2科目に絞り勉強を再開。
8月、一次を保険で受験。結局素で受けた企業経営理論1科目のみ合格。翌日から二次試験の勉強再開 。休んでいた間の演習を取り寄せ、通常演習と併せて取り込む。T先生のご厚意により添削もしていただく。
壁その6
10月に入り、頸椎椎間板ヘルニア再発。右手全体に痺れが走る。毎週鍼灸院へ通い、騙しつつ受験当日を迎える。
二次筆記試験受験当日は、シャープペンを0.9mm・2Bのものに変え、なんとか事例Ⅳまでこなす。
12月9日午前10時20分、会社PCで合否を確認する。確認直前、勉強仲間2名から不合格の連絡を受けショックを受ける。自分もおそらくダメだろうと半ば覚悟して受験番号を確認。
・・・見つかった!
何回も見直すが掲載されている。涙があふれ出した顔で隣のアシスタント達に「あった・・・。受かった・・・。」とようやく伝える 。
自席の後ろにあるカタログ室に入り、携帯で妻に電話。
「受かった・・・」 と言うのが精一杯 。
あとは嗚咽になって会話が出来ない。一方妻と子供は、これから日曜を一緒に過ごせる嬉しさでルンルンになっている 。
こうして5年に渡った診断士受験勉強に終止符が打たれた 。
■ まとめ ■
持病を多く抱え、受験勉強にとって様々な障害に直面した私が、合格を勝ち得た要因はと云えば、腐らず、あるがままに事実を受け入れ、決して諦めなかったことに尽きると思います。
勉強の進め方など、決して褒められたやり方はしませんでした。
この程度の人間でも継続すれば合格出来るんだということで、受験生の皆様の励みになれば幸いです 。
2012年度、一発合格道場読者の皆様から、一人でも多く合格者が出ることを願うばかりでございます。
===== 寄稿ここまで =====
キュウさん、ありがとうございました。
次から次へと襲ってくる逆境を、一つ一つ跳ね除けて進んだ末につかんだ合格。さぞかし感慨深いでしょうね 。
「ヘルニア再発」、「尿路結石再発」と、簡単に書いていらっしゃいますが、その時は身体の痛みと共に、勉強が思うように進まないもどかしさ を感じていらっしゃったことでしょう。
特に、息子さんが不登校になった際には、きっと辛かっただろうなと拝察します 。
ヒトの好い キュウ さんのことですから、「自分が診断士を目指しているから 」とか、「合格までに何年もかかっているから」と、自分を責めてしまったのではないかと想像します 。
でも、そういう障害を一つ一つ乗り越えて、最後の最後につかんだ合格。
僕らには想像できないほどの達成感、充実感 があったことでしょうね 。
受験生は、程度の差こそあれ、それぞれ、受験勉強を続けるにあたっての課題や障害を抱えています。
それらをどうやってクリアするか、またはクリアしないまでも、どうやってマネージするかが、最大のキーポイントなのでしょうね。
受験生の皆さん。それらの障害を、上手にマネージできていますか? それを考える良いきっかけになったのではないかと思います。
キュウさん、ありがとうございました! これからもよろしくお願いします!
by ハカセ
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追伸:
もうひとつ、キュウさんの見逃せない勝因は、「その年の難易度が低かった科目をしっかり科目合格している」点です。
まず2008年。得意な財務会計を確実に合格しています。
2009年。経済と運営が比較的難易度が低い年でしたが、この二科目をしっかり科目合格しています。この年は財務会計比較的難しかったのですが、前年受かっていたおかげで受験せずに済みました。
そして、2010年。経済は一転非常に難しくなりましたが、前年科目合格していたおかげで受けずに済んでいます。一方、2009年に難しかったけど2010年は多少難易度が下がった 情報・法務・中小 を、2010年に見事にリベンジしています。
基本的に、科目別の難易度は「易 ⇒ 難 ⇒ 易 ⇒ 難 」 と一年ごとに行き来する場合が多いのです。(中小が典型的です。もちろん例外はたくさんありますが。)
よって、多年度で合格することを目指している方は、その年の難易度の低い科目を「取りこぼしを作らない」ことが非常に重要です。
もしも2009年の経済を取りこぼして科目不合格になっていたら、難易度が高い 2010年の経済に合格する必要が生じていたところでした。特に キュウ さんの場合は、2010年は残りの3科目を 180点ジャストだったわけですから、なおさらです。(キュウさん、無礼な物言い、すみません・・・。あくまでも仮定の話ですから・・・)
キュウさんの愚直で地道な努力が、難易度の低い科目を着実に拾うことにつながったのでしょうね。
受験生の皆さん、ぜひ、参考にしてください!