ありがとう事例Ⅳ!のために〜オススメ問題集〜
日時:2020年8月29日(土)23:00~25:00
場所:オンライン (zoom)
・内容:独学者向けの「ユルいアドバイス」と「よろず相談会」
(相談会は6~7名/班を20~30分毎に入替形式)
・人数:約20名(※応募多数の場合は抽選といたします)
・受付期間:8月11日(火)6:00~8月21日(金)24:00
・受付方法:Googleフォームにて必要事項入力
・参加確認:8月22日(土)までにEメール連絡
(※抽選の場合、外れた方への連絡は致しかねます)
おはようございます。さとまるです。過去問へのトライは進んでいますか?初めて解いてみて、合格答案と自分の答案とのレベルと差にガックリきた方も少なくないはずです。でも、レベルの差は「伸びしろ」とも言いかえ可能。その部分にあなただけの合格への処方箋が隠されているはずです。
2次試験対策の手始めに過去3年間の過去問を解いた結果、この伸びしろ(レベルの差)を一番感じたのが事例Ⅳだったため、去年、道場、ふぞろい、タキプロと主だった受験生支援団体の夏セミナーに参加した際も、事例Ⅳの強化方法を聞く!というのが主目的でした。
今年はオンラインセミナー一色で、リアルのセミナーはあまり開催されていませんが、去年参加したリアルのセミナーでは、合格者が利用した教材やノートなどがサンプルとして置かれていて、休み時間に手にとって見ることができるというケースが多かったです。
去年のこの時期はとにかく事例Ⅳの強化が急務。その視点で眺めていたところ、一番置かれている率が高かったのが、以下の2冊でした。
・30日完成!事例IV合格点突破 計算問題集(以下「30日完成!」とします)
・事例IV(財務・会計)の全知識&全ノウハウ(以下「全知全ノウⅣ」とします)
ワラにもすがる思いで、この2冊は迷わず購入。実際有益でしたので、今日は使い方や特徴を書いてみたいと思います。
■「30日完成!」と「全知全ノウⅣ」の共通点
経営指標、CVP分析など、テーマごとに問題が分かれているところが、これら2冊の共通点です。年度ごとに出題されるテーマは違いますが、年度を横断してテーマごとに問題がまとめられているので、理解の足りない分野を重点的に補強することができます。
また、両者とも計算過程に沿って丁寧に回答を解説している点も共通しています。ここでポイントなのが、昨日のカワサンの「考え方合わせ」と同様、事例Ⅳでも解答があっていたかだけではなくて、なぜこのような回答になったか、計算過程やその計算をした理由を振返ることです。
例えば、経営指標の選択で、自分の回答と模範解答が同じ「売上高営業利益率」になったとして、そこで正解だから次へ進むのではなく、なぜ「売上高総利益率」や「売上高経常利益率」ではなく「売上高営業利益率」という判断をしたのかまで説明できるようにすること。模範解答の過程を含めて、確実に当てにいくという復習方法をオススメしたいです。
使い方としては、どちらもまず一通り解いてみて、自分の得意・不得意なテーマを炙り出すところから始めてみましょう。私は通しで2周してみて、正答率の低い分野、自信のない分野だけ3周目をやりました。
1周にかかった時間は、両者合わせて、1周目は1ヶ月弱(1冊あたりだと10日ほどでしょうか)。2周目はその半分、3週目は問題を絞って直前まで復習していました。
■「30日完成!」ってどんな本?
全知識全ノウハウに比べて、比較的内容が易しく、事例Ⅳがあまり得意でない方は、先にこちらに取り組むことをオススメします。
というのも。「30日完成!」の「はじめに」に書いてあるように、
STEP1:1次試験から2次試験の橋渡しとなるレベルの問題
STEP2:2次試験レベルの問題
と、いきなり2次試験の問題が難しいと感じる受験生が、STEPを踏んで学べる構成になっているためです。
ただし、「30日完成!」だけで自信を持って2次試験を解けるようになるかというと、個人的にはやや疑問が。。一問一問をできるだけ1ページに収めて編集する、という紙面上の方針のためだと思うのですが、問題が1ページにまとめられているせいで、本来、長い事例Ⅳの与件文や設問文の中に散りばめられ、自分で丁寧に文章を読んで見つける必要のある解答のポイントが見つけやすくなっており、STEP2の問題のレベルが、2次試験レベルよりも若干落ちているように感じました。
そのため、いきなり事例Ⅳを解くのは難しく、一次試験と二次試験の橋渡し的な位置づけの問題集が欲しいという方には、最適な問題集だと思います。
■「全知全ノウⅣ」ってどんな本?
「30日完成!」に比べて、より過去問に近い形式で取り組めるのが「全知全ノウⅣ」です。平成18年度以降の過去問を元に、テーマごとに問題が掲載されており、30日間よりさらに過去問に近い形で事例Ⅳの学習を進めることができます。
特に参考になったのが、第2章の損益分岐点分析と、第3章の意思決定会計の解答部分です。これらのテーマは頻出ですが、解答に至るまでの手順を抜かしたり、条件を見落としてしまい、受験生の間で差がつきやすいテーマでもあります。
全知識全ノウの解答部分では、これらのテーマの解答手順ができるだけ一般化され、条件を漏れなく見つけるためのポイントが掲載されており、自分の解答との「考え方合わせ」を細かくチェックすることができる、という点でオススメです。
なお、各設問には(1)レベルで重要度がA〜Cまでついていて、Cが一番難しい問題という位置づけになっています。ただ、この本の序章にもある通り、重要度は解答手順通りに解けるかどうか(条件抽出の複雑さなど、ひねりがあるかどうか)を表しており、得点への繋がりやすさを表すものではないことに注意が必要です。
オン夏!のセミナーでは「Cまでやるべき?」というご質問をいただきましたが、本番を意識して、単純に手順通りに解けない問題、ひねりのある問題にトライし、変化球に慣れておくというのも手だと思います。
■過去問自体はいつやるべき?
ここまで、事例Ⅳがあまり得意でない方は、まずは問題集から着手すべきという話をしてきました。では年度別の過去問をやらなくていいかというと、結論は否ではないかと。
それは、問題集を解くだけでは、80分で事例Ⅳを解く練習ができないからです。個別の設問を完璧に解けたとしても、80分で終わらないと意味がない。
・確実に解く問題と余った時間でできればいい問題の見極め
・問題を解く順番の決め方
のような内容は、実際に年度別の問題を80分で解いてみないと、感覚として分からないと思います。
問題集ばかり解いていた私は、去年10月に入ったところでこの事実にやっと気づき、最後の2週間、仕上げとして過去5年分を解くことにしました。すると、8月時点で全く手応えのなかった問題が、60〜70点取れるようになっており、成長を感じたことを覚えています。
問題集で手応えを感じるようになった暁には、ぜひ過去問も忘れずチェックしてみてください。
さて。目隠ししてスイカを割りに行くが如く、今は「事例Ⅳ、どこに向かえばいいんだろう。。わからん。。」という方も。 ここからの取り組み次第で、事例Ⅳを得点源にするチャンスは大いにあると思っています。
先日のオン夏!セミナーでは、事例Ⅳ担当のかーなから、「ありがとう事例Ⅳ!」という名言が飛び出しました。2次試験後に心置きなく「ありがとう事例Ⅳ!」と言えるように、毎日の勉強を積み上げていきましょう。
以上、さとまるでした。
☆☆☆☆☆☆☆
いいね!と思っていただけたら
にほんブログ村
↑ぜひ、クリック(投票)お願いします!↑
サトシさま
コメントありがとうございます!
まず、経営分析の問題の量の話で言いますと、30日完成!には3問、全知全ノウⅣには10問載っています。いずれも1問で複数の経営指標を答えさせる設問となっており、全知全ノウⅣを解いておけば量的には十分と思います。
その他、道場メンバーオススメの本として、ビジネス会計2級の問題集もありますが、診断士試験にはあまり関係のない指標(収益性効率性安全性の11個の指標以外という意味で)も登場するので、試験に向けた効率という点では、全知全ノウⅣをオススメしたいです。
演習方法のおすすめとしては、なぜその指標になったのか、選択の理由を確認することです。すでにされておられるかもしれませんが、指標の選択の際には、BS、PLのデータからはじきだした数字で良し悪しを判断するだけでなく、与件文に指標を絞り込むヒント(支払利息、在庫etc)が隠されていないか、よーくチェックして選択し、自分が選択した理由と解答の考え方との間にズレがないか、確認してみてください。
最も、ふぞろいの解答などをみても、経営指標に関しては合格者間で解答が割れることもあるのですけれども。。
今日も有益な情報をありがとうございます。
ちょうど事例Ⅳの問題演習をどうやろうか考えていたので、タイムリーに提案をいただいて助かりました。
1つ質問なのですが、経営分析に関する問題集が少ない気がしています。ご指摘いただいた2つの教材に経営分析の問題が豊富にあればいいのですが、そうでない場合は少し不安です。
と言うのも、経営分析の本試験問題を解くと微妙に指標が異なること(総利益率のところを営業利益率と解答してしまう、有形固定資産回転率のところを棚卸資産回転率と解答してしまうなど)があり、いまいち得点が伸びていないからです。
一応、来年目標のものからTACの事例Ⅳ特訓が6回から8回に増えます。その増えた2回で経営分析が入る可能性はありますが、現時点では不明です。また、付属の計算問題集には経営分析はありません。
TACの事例Ⅳ特訓以外の選択肢で考えた場合、経営分析でオススメの演習教材や演習方法があれば、アドバイスいただけないでしょうか?
よろしくお願いします。
Ashさま
コメントありがとうございます!令和元年度の 2次試験案内(https://www.j-smeca.jp/attach/test/h31/h31_2ji_annai.pdf)を見ると「サイズはおおよそ縦180ミリ、横100ミリ、高さ 30ミリ以内程度」とあるので、横125mmはやや大きいですね。2次試験案内には、続けて「上記基準に適合するかどうかは、監督員が試験室において判定し、適合しないものについては、その使用が禁止されます。」という記述もあるので、心配ならば今のうちに規定に適合する電卓に慣れて置いた方が良いかもしれません。
ちなみに、私は横109mmの以下の電卓を愛用していました。
https://www.amazon.co.jp/dp/B00LMR2LQQ
また、おべんとくんの記事(https://rmc-oden.com/blog/archives/122828)で紹介されている電卓は、横112mmでした。「ミリ以内程度」という受験案内の書き方が非常に悩ましいですし、そこまでチェックされているかわかりませんが、気になるようであれば、今から当日の不安をなくしておくのも手だと思います。ご参考まで。
さとまる様
お忙しいところ早速ご返信頂き、誠にありがとうございます!
ご推察の通り、受験案内の記載に悩まされていたので、ご愛用の品をご教示頂き、悩みが解消されました!早速買います。どうもありがとうございました♪
さとまる様
Ashと申します。初めてコメント致します。
記事の内容と直接関係なくて大変恐縮ですが、事例Ⅳの相棒となる電卓で、おすすめのものがあれば、ご教示頂ければ幸いです。
手持ちの電卓(Canon HS-1210TU)が規定より少し大きめ(横125ミリ)なので、新しいものを買った方が良いか迷っています。
ただ、便利な機能(GTやスライドスイッチ)がついているものは、大きめのものが多い印象です。多少大きくても大丈夫という意見もあるようなので、実際どうなのか、教えて頂けると助かります。