経済学・経済政策 「2財」の平面図【中小企業診断士】

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カワサンです。週のはじめの月曜日。
ということで、1次試験はじめの科目である経済学・経済政策です。

夜な夜な経済学・経済政策の過去問を見ていたら、毎年この平面図が登場していることに気付きました。

この青線、2パターン考えられます。

①2財の関連性(代替率や予算線)を表したもの

②需要曲線

今日は①について考えてみます。

 

1.「2財」の平面図

①に関する過去の出題。直近5年で毎年出ています。
(過去問はこちらを参照、以降紹介する過去問も同じ参照元)

このグラフ、聞きなれない言葉や概念がいろいろ出てきますね。
「無差別曲線」「効用」「限界代替率」
初学者の方は抽象的ワールドに「???」となって方も多いのでは。

ただ、今回取り上げる「無差別曲線」も「等費用線」も、ツボを押さえておけば同じグラフの眺め方で解けます。

 

2.無差別曲線について

無差別曲線は「財務・会計」のファイナンスの問題でも時々でるので、しっかり押さえておきましょう。
ファイナンスの問題は先日のべりーの記事で詳説してますのでチェックして下さい。

また、いろんなパターンは過去にも解説がありますので、ご参考下さい。
【渾身!論点シリーズ】個人の消費行動分析①

 

(1)曲線は空中に浮いている→平面に描いた

これは「効用」の度合いなんですが、なぜ平面図の右上に行くほど「効用が高い」と言えるのでしょうか。
これは、三次元のグラフを平面図に表現したものだからなんです。
(参考:外部サイト
地図で言う「等高線」、天気図で言う「等圧線」と同じですね。

上は数学チックに書いてますが、C1(リンゴ)とC2(バナナ)の消費する比率でU(満足度)が決まるということです。
無差別曲線は空中に浮いていて、右上に行くほど「高さ=効用」が高いということをまずは認識!

 

(2)いろんな無差別曲線

【経済学・経済政策】平成27年・第12問

常に一定の固定比率で一緒に消費されるような財を完全補完財という。完全補完財であるような2財の無差別曲線を示す図として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

これは図Bが答えなんですが、解くというよりも、曲線のパターンに注目して解説します。

■図A 基本形
縦軸方向がだんだん減ると、横軸方向がだんだん増加
ほとんどこれです。
縦軸をイチゴ、横軸をブドウで例えてみます。
イチゴを食べる量が減れば、だんだんブドウの量を増やして、同じ効用(満足度)にする。そんな感じです。
ただ、その比率は2つの点の取り方によって異なります

■図B 補完財
靴や自転車のタイヤなど、2つ1組でないと効果を得ない(=効用が生じない)もの。
縦軸を前輪、横軸を後輪としましょう。
自転車一台につき、前輪が何個あっても、必要な後輪は一個だけですよね。
反対に、自転車一台につき、後輪が何個あっても、必要な前輪は一個だけ。
なので、片方がどんな数であっても、もう片方は固定の数量を以って消費されることになります。
これを完全補完財と言います。

■図C 代替率一定
これは代替率が一定と書いてますが、グラフで言うところの「傾きが一定」てやつです。
曲線上のどこの点を取っても、その間の変化の割合が一定です。
縦軸をイチゴ、横軸をブドウで例えれば…
イチゴ4個→3個 ブドウ3個→4個
イチゴ3個→2個 ブドウ4個→5個
という具合に、常にイチゴ1個減に対してブドウ1個増で同じ効用という感じです。

■図D
これはひねくれ者です。
a→bへの変化よりc→dへの変化のほうが、代替率が大きいですね。
だんだん代替率が大きくなるので「逓増」と言います。
この時期なんで深追いせずに、「だんだんだいたいりつがおおきくなる」→ひらがなで書くとややこしいわ!!という程度で覚えましょう。

 

(3)予算線との関係

二つの気持ちが重なる点が最大値と覚えておきましょう。

無差別曲線くん予算線ちゃん、微妙な関係-

①無差別曲線くんの想いが強すぎて、予算線ちゃんを突き刺してます。一方的で、これは良くありません。

②無差別曲線くんがチキンハートで予算線ちゃんに声がかけられていません。想いは届かぬまま…

③無差別曲線くんの想いが、強すぎず弱すぎず重なる。お互いの想いが絶妙な距離感で結ばれました

 

【経済学・経済政策】平成27年・第14問

いま、2つの財、財X1と財X2を消費可能な個人の効用最大化行動を考える。当該の個人は、所得80 を有し、財X1の価格は2、財X2 の価格は4という条件のもとで、効用が最大になるよう財X1の消費量x1と財X2の消費量x2とを組み合わせることができる。この個人の効用関数はU=x1x2と与えられており、合理的な当該個人は、x1 =20x2=10という組み合わせを選択することが分かっている。
下図では、縦軸の切片aと横軸の切片bとを結ぶ予算制約線と無差別曲線U の接点として、効用最大化の行動が図示されている。
この状況を説明する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

〔解答群〕
ア この個人は、所得80の使い道として、x1=20x2=10以外の組み合わせを選択することで効用を一層高める余地が残されている。
イ 財X2の消費量がゼロならば、財X1を30 消費することで所得80を使い切ることができる。
ウ 縦軸の切片a の値は、財X1の価格に応じて変化する。
エ 無差別曲線U上の2財の組み合わせ(x1,x2)では、いずれも効用水準が200で一定である。

経済学・経済政策おなじみの「問題文が長い」やつです。
そして、条件は箇条書きでなく文章で記述。線と点は大文字と小文字を巧みに使い分けています。
試験1日目の最初の科目。紛らわしさに冷静さを失いそうになります。

ただこの問題、想いがどうこうもありつつ、素直に文字へ数字を代入すれば答えが出ます。長い問題文と関数は見掛け倒し。
他の科目(特に経営法務や中小企業政策の「対話形式」問題等)もそうですが、問題文が長いものは、問自体がシンプルなことも多いので、まず問いから見ることをオススメします。

…問題文が短い方が厄介な問いが多いような気がします。。。

ア x1=20x2=10以外の組み合わせは想いが重ならない→×
イ X1=2なので、30消費するときに使う所得は60だけ。20が余る→×
ウ X1の価格が変化した時は、X1の消費量が変化→b点が移動する→×
エ 唐突に「効用水準が200」とあるが、U=x1x2を素直に計算すれば10×20=200→○

ということで正解はエです。

 

3.2財が「資本」と「労働」~等費用線も同じコト言ってます

2財の関係を「労働」と「資本」とした問題が出てきます。
考え方はイチゴとブドウの場合と一緒です。

「労働=人力」「資本=機械」くらいのとらえ方でOKです。

【経済学・経済政策】平成30年・第18問 設問1

生産においては、生産要素を効率的に投入することが重要である。下図では、等産出量曲線と等費用線を用いて、最適な生産要素の投入量を考える。
この図に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 点A と点B は、労働と資本の投入による費用は同じであるが、生産量が異なる。
イ 点D では、労働と資本の投入による費用は点B より少ないが、生産量は多くなっている。
ウ 点F では、点D よりも資本の投入が少なく、労働の投入が多いので、費用が少なくてすむ。
エ 費用を一定とした場合、点A では、労働の投入を増加させ、資本の投入を減少させることによって、生産量が増加する余地がある。

この問題、こんな風に書き換えても(赤字部分)同じです。

【経済学・経済政策】平成30年・第18問 設問1の読み替え

下図では、無差別曲線と予算線を用いて、最適な2財消費量を考える。
この図に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 点A と点B は、財x2財x1消費による費用は同じであるが、効用が異なる。
イ 点D では、財x2財x1消費による費用は点B より少ないが、効用は多くなっている。
ウ 点F では、点D よりも財x1消費が少なく、財x2消費が多いので、効用が少なくてすむ。
エ 消費を一定とした場合、点A では、財x2消費を増加させ、財x1消費を減少させることによって、効用が増加する余地がある。

この場合「予算線」は「等費用線」と言います。

予算線が2財を消費するためのお小遣いの上限みたいなイメージ。
等費用線は生産するために使えるコストの上限って感じですね。
言葉自体を忘れてしまっても、2財と同じと思えば解けます。

ア 点A、Bともに同じ曲線上にあるので生産量(効用)は同じ→×
イ 点Bより点Dのほうが等費用線(予算線)が右上→費用が多くかかっている→×
ウ 点Dも点Fも同じ曲線上→生産量(効用)は同じ→×
エ 選択肢が言っていること。無差別曲線へ想いを重ねる動きですね!→重なったところが最大化→○

ということで正解はエです。

 

4.さいごに~残り約1か月なので

試験まで残り約1か月です。

インプット学習もアウトプット学習も、深追いせずに重要論点を磨きげて確実に得点する力を身に付けたい時期ですね。
なので、何度挑んで考えても正答にたどり着かぬ分野は、敢えて丸暗記という作戦でも良いと思います。

おべんと君も言ってたように、すべて60点を目指すのではなく、苦手科目は足切り回避、得意科目で平均60点ラインをカバーという作戦もありと考えます。

残り1か月の使い方次第で、得点の伸びは十分に期待できます。
私は中小政策に得意苦手の意識が無かったのですが、試験1か月前に模試を解くと30点レベル。。。
そこで、苦手な法務のペースを落として重要論点に注力。代わりにほぼ毎日中小政策に時間を費やして得点力を伸ばしました。結果、本番で60点近くまで伸ばせました。

今までの練習問題の出来不出来を振り返り、試験までの対策を少しだけ見直してもよいと思います。
ここまで来れば、結果まで突き進むのみです。

 

では、また!

(参考文献)ミクロ経済学 第3版(伊藤元重)

 


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