【独学者向け】経済解説④「時事問題」
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どうも、kskn(きしけん)です。
久々の経済解説です。
テーマは「時事問題」。
どうでしょう?時事問題って何か対策してますか?
新聞を読んでる、ニュースを見てる。。。なるほど、いいですね。
でも僕が思うに、時事問題を解くために知っておくべき経済ニュースは、たった2つです。
それは、2008年のリーマン・ショックと2011年の東日本大震災です。
とはいえ、これらの出来事があったことを知っているだけでは問題は解けません。
これらの出来事が世界経済/日本経済にどのような影響を与えたか振り返ってみましょう。
なお、それぞれの因果関係は僕の推測によるところもあるので間違っていたらご指摘ください。
【世界経済】
まずそもそもリーマン・ショックがなぜ起きたかと言うとサブプライム・ローンの不良債権化と、このサブプライム・ローンを証券として組み込んでいたサブプライム・モーゲージの暴落によるものです。(サブプライム・ローンって何ぞやという方はお手数ですがググってみてください。)
これによってその証券を買っていた銀行は大きな損害を受けました。損害を受けたことにより、お金を貸し出すことができなくなって経済の循環が悪くなり、世界的に不況となりました。
こうした背景で不況となったことにより、
売上/利益の低下
失業率の増加
ドル安(ドルの信用力が下がったため)
が起こりました。
そしてその結果、各国は経済を刺激するために金融緩和を行いました。それにより
金利の低下
が起こります。
こうした世界的な緩和により徐々に景気を取り戻していきました。
これが大まかな世界の流れです。
【日本経済】
日本は少し状況が異なっていました。
日本の銀行はそもそもサブプライム・モーゲージを多く買っていなかったため、直接的な影響はそこまで受けなかったのです。
しかし、世界的にドルが売られた反動で安全資産として円が買われました。そのため、
円高
になりました。円高になったことで、輸出がしづらくなったり企業の海外事業の採算が悪くなりました。
その上、世界的に景気が悪いわけですから取引量も減っています。そういうわけで、日本企業も間接的に
売上/利益の低下
輸出額/輸入額の低下
が起こりました。失業率も上がったことは上がったのですが、日本は雇用者の権利が強いため他国ほどは上がりませんでした。
また、金融緩和も積極的に行わなかったので金利は下がりませんでした。というか、そもそもすでに低金利でした。
そしてこうした状況の中で、東日本大震災が発生しました。
これによって国内製造業が打撃を受けて輸出高が減ったとともに、発電用の燃料輸入が増え、
貿易収支の赤字化
が起こったわけです。(2008年のリーマン・ショック時は一時的に赤字化しましたがすぐに回復し、2011年に再び赤字化した後2015年頃まで赤字が続きました)
以上が2008年~2015年ごろまでに起こったことです。
これを実際の過去問と照らし合わせながら、どういった問題が出題されていてどう解くのかを考えていきましょう。
まずは貿易関係で平成29年度 第2問
bは2011年以降、マイナスが続いていますから貿易・サービス収支ですね。
平成24年度 第4問
これも2009年と2011年以降でマイナスになっているAが貿易収支です。
なお予備知識として、所得収支とは「国外で発生した我が国の所得の受取と、国内で発生した外国への所得の支払の差額」のことで、結論としては常にプラスで金額も安定しています。
次に失業率の問題で平成29年度 第1問
2008年であまり失業率の上がっていない日本がcというのは分かりますね。
そしてリーマン・ショックの最も大きな影響を受けたbがアメリカです。
なお予備知識として、「EUは平均的に失業率が高い」ということを知っているとより簡単にaがEUと判断することができます。
(さらに言うと、EUの中でもイギリス、ドイツ、オランダは比較的失業率が低めで、フランスやイタリア、スペイン他は総じて高めです。)
続いて、平成27年度 第2問。
正直、このグラフは見方がよく分かりませんでした。ただ、設問分に資産・負債差額と書いてあります。
家計においては資産>負債だろうということが推測できますから、常にプラスなaが家計というのはすぐに分かります。
次にcは2008年頃から少しずつマイナス額が増え、2011年ごろから特に大きくなっているように見えます。
これはおそらく景気低迷による財政支援と震災の復興支援によって国債発行額が増加し、負債が増えたからだと考えられますね。つまり一般政府です。
それによってbは消去法で非金融法人企業となりますね。僕は正直、2007年ごろからマイナス額が減っている理由はよく分かりません。
金融危機により長期での借入れが難しくなったか、取引量が減って流動資産と流動負債の差額が減ったか、そのあたりですかね。(詳しい方いらっしゃいましたら教えてください 笑)
最期に、平成26年度 第2問。
これもリーマン・ショックを期にグラフが大きく変化しています。
設備は「過剰-不足」の数値です。不況によって取引量が減るので設備の稼働率が下がって過剰感を感じる、と考えるとc,dが設備だと分かります。ただ、両者はほとんど差がないので大企業と中小企業の区別はつきません。
次に貸出態度は「緩い-厳しい」の数値です。金融危機によって貸出を厳しいと感じる、と考えるとa,bが貸出態度で、こちらは両者に差があります。aは比較的早く数値が改善してますが、bはしばらく低いままです。
これを銀行側の立場で考えると、「環境が厳しい中で貸すなら、信用度の高い大企業に貸したい」と思うはずです。
となると、aが大企業でbが中小企業だろうなぁと分かりますね。
貸出態度:bは選択肢ウしかないので、ウが正解となります。
解説は以上となります。
このように時事問題はリーマン・ショックと東日本大震災による背景を知っておき、問題の設問文を正しく解釈することができればある程度対応することが可能です。
たった8点しかない時事問題ですが、一次試験の一番初めに解く問題なのでしっかり押さえて良いスタートを切ってください!
(=゚ω゚)ノホナ、マタ!!
良い記事ですね
匿名さん
お褒めいただきありがとうございます!
今後も頑張って参ります!