【渾身】財務指標を理解しよう(安全性)

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こんにちは、どいこうです。過去記事はこちら

はじめに

今日は6月2日です。この日と言えば・・・

昭和61(1986)年6月2日、当時の中曽根康弘首相が衆議院を解散し、衆議院と参議院の選挙を同じ日に行うことになりました(衆参同日選挙)。マスコミが中曽根氏の「死んだふり」という言葉を喧伝し、「死んだふり解散」と論いました。

この時を最後に、衆参同日選挙は行われていません。今年は「あるんじゃないか」という噂が流れていますが、動向が気になるところです。

そういえば、6月2日は、私はたまたま毎年スイーツを食べている気がします。

さて、本題に入りましょう!

安全性にかかわる財務指標まとめ

本稿は前回の続きです。

安全性が必要な理由ですが、前回記事でも言及したとおり、「投資・融資したお金が戻ってくるか」という投資・融資した投資家・銀行家にとって極めて大切な問に答えるためです。

短期的な支払能力と支払義務の対応を分析する「短期安全性分析」、長期的な支払能力と支払義務の対応を分析する「長期安全性分析」、他人資本と自己資本のバランスを分析する「資本調達構造分析」、それに加えて「インタレスト・カバレッジレシオ」を解説します。

1.短期安全性分析
・流動比率
・当座比率
2.長期安全性分析
・固定比率
・固定長期適合率
3.資本調達構造分析
・自己資本比率
・財務レバレッジ
・負債比率
4.その他
・インタレスト・カバレッジレシオ

※穴埋め形式を採用しています

短期安全性分析

流動比率(Current ratio)
計算式: 流動比率(%) = 流動資産 ÷ 流動負債

短期的な支払義務(流動負債)に対して、1年以内に現金化できる資産(流動資産)がどれだけ確保できているかを表す指標です。

流動比率は[200]%以上が望ましく、[100]%以上が必要とされます。
大まかにみて[流動資産>流動負債]となっていれば短期間(1年)の会社の支払能力は問題ないだろうと考えるわけです。

当座比率(Quick assets ratio)
計算式: 当座比率(%) = 当座資産 ÷ 流動負債

流動比率の分子をより回収可能性の高い当座資産に置き換えたもので、より厳格に短期の支払能力を評価する指標です。

当座比率は[100]%以上が望ましいとされます。

当座資産から除外される代表的な項目は[ 棚卸資産 ]です。[ 棚卸資産 ]に投じた資金が現金化されるまで長期に及び、現金化されない可能性があることを考慮しているからです。
簡便的に計算する場合は、当座資産 = 流動資産 - [ 棚卸資産 ] と計算されることもあります。。

なお、分母の当座資産 = [ 現金及び預金 ] + [ 受取手形 ] + [ 売掛金 ] + [ 有価証券 ]と計算されます。

当座資産の計算からは、流動資産のうち、[ 棚卸資産 ]、前払費用、前渡金、繰延税金資産、その他といった項目が除外されることになります。

長期安全性分析

固定比率(fixed ratio)
計算式: 固定比率(%) = 固定資産 ÷ 自己資本

(返済義務のない)自己資本に対して、固定資産をどの程度保有しているのかを示す指標です。

固定比率が低いほど、安全な設備投資を行っていると評価します。

ただし、長期にわたって収益をもたらす油田、発電所、航空機、工場、賃貸用建物等を長期資金(20年ローン等)で取得することは必ずしも危険とは言えません。そこで、「固定長期適合率」の登場です。

固定長期適合率(Fixed Assets to Fixed Liability Ratio)
計算式: 固定長期適合率(%) = 固定資産 ÷ (自己資本 + 固定負債)

長期資本(自己資本と固定負債)に対して、固定資産をどの程度保有しているのかを示す指標です。

固定長期適合率は、[ 100 ]%以下であることが必要とされます。固定長期適合率が[100]%を超える場合、「短期負債で長期間利用する固定資産を取得している」疑いが強いです。例えば、耐用年数20年の工場を3年ローンで取得した場合など、資産が生み出す収益では元本返済に窮してしまう事例がみられます。

資本調達構造

他人資本をどの程度活用しているかを表す指標です。前回の収益性に関する指標でも言及しましたが、資本構造は本来は資本収益性にも安全性にも絡んでくる指標です。なのですが、中小企業診断士試験の文脈においては「安全性の指標」として解答を求められることが多いようですので、皆様気をつけてください。

自己資本比率(equity ratio)
計算式: 自己資本比率(%) = 自己資本 ÷ 総資産

総資本に占める自己資本の比率を表します。指標の性質上、◯%という表示となります。

・財務レバレッジ(financial leverage)
計算式: 財務レバレッジ = 総資産 ÷ 自己資本

自己資本に対して、何倍の資本を活用しているかを表します。自己資本比率の逆数で、◯倍という表示となります。

負債比率(DER; Debt Equity Ratio)
計算式: 負債比率(%) = 負債 ÷ 自己資本

その他

・インタレスト・カバレッジレシオ(ICR: Interest Coverage Ratio)
計算式: ICR = 事業利益 ÷ 金融費用

支払利息などの金融費用に対し、本業の利益(営業利益)および財務活動の収益(金融収益)を合算した「事業利益」が何倍であるかを表す指標です。倍率が高いほど、債権者にとっての安全性が高いと評価されます。

インタレスト・カバレッジレシオは、上述の指標とは異なり、損益計算書の項目を反映した指標です。

おわりに

いかがでしたでしょうか。財務指標は1次でも2次でも問われますので、ぜひ確認しておいてください。それではまた~。


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【渾身】財務指標を理解しよう(安全性)”へ1件のコメント

  1. どいこう より:

    穴埋め部分の解答です!

    ■流動比率
    流動比率は[200]%以上が望ましく、[100]%以上が必要とされます。
    大まかにみて[流動資産>流動負債]となっていれば短期間(1年)の会社の支払能力は問題ないだろうと考えるわけです。

    ■当座比率
    当座比率は[100]%以上が望ましいとされます。

    当座資産から除外される代表的な項目は[ 棚卸資産 ]です。[ 棚卸資産 ]に投じた資金が現金化されるまで長期に及び、現金化されない可能性があることを考慮しているからです。
    簡便的に計算する場合は、当座資産 = 流動資産 - [ 棚卸資産 ] と計算されることもあります。

    なお、分母の当座資産 = [ 現金及び預金 ] + [ 受取手形 ] + [ 売掛金 ] + [ 有価証券 ]と計算されます。

    当座資産の計算からは、流動資産のうち、[ 棚卸資産 ]、前払費用、前渡金、繰延税金資産、その他といった項目が除外されることになります。

    ■固定長期適合率
    固定長期適合率は、[ 100 ]%以下であることが必要とされます。固定長期適合率が[100]%を超える場合、「短期負債で長期間利用する固定資産を取得している」疑いが強いです。

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