二次試験の「グループ学習」とか「勉強会」って本当に必要?
こんにちは。ハカセです。
二次対策、始めていますか?
「何をしていいか分からないー 」という方も大勢いらっしゃると思います。
大丈夫です。最初はみんな一緒ですから。
でも、いつまでも「大丈夫」なわけはありません。
この記事でも述べたように、なるべく早い時期に学力の急上昇を発生させなければいけません。そのためには、自分に合った「処方箋」を早く見つけなければいけません。
自分の処方箋を探し回る受験生からよくある質問に「グループ学習」に関するものがあります。
ここは誤解を恐れず、端的に答えます。でも、誤解したくない人は、エントリーの内容を(太字だけじゃなく)しっかり読み込んでくださいね。
■ グループ学習はした方がいいですか? ■
ハカセの結論: 人それぞれですが、やるとメリットがある場合が多いです 。
この質問。本当に多いのですが、本当に困ります。
道場では、「二次試験の学力向上の処方箋は人それぞれ」と言い続けています。そう言っているのに「やった方がいいですか」と聞かれても、「ですから、人それぞれです」と答えざるを得ません。
人によって「向き不向き」があるとは思いますが、でも、グループ学習はやると色々といいことがありますよ。
■ グループ学習で何をすればいいですか? ■
ハカセの結論: やりたいことをやればいいと思います。
グループ学習の一般的なメニューは、
- お題となる事例を決め、事前に解いておく (答えを見ずに80分間で解いておく)
- メンバー間で解答をシェアする
- グループで集合して、それについてディスカッションする
- 人数は4-5人ぐらいが妥当かな。
- 時間は90-120分が限界でしょう。
というものだと思います。そのほかにも、
- お作法(80分の手順)を披露しあう
- 「切り口」をみんなでブレーンストーミングしてみる
- 二次試験の「悩み」を共有してみる
- 逆に、学習の過程で得た「気づき」を共有してみる
- 最終的に「ファイナルペーパー」を共有してみる
などもGood Ideaだと思います。
大事なのは、(1)「自分たちに何が足りないか」を自分たちで考え、(2)いくつかの選択肢の中から、(3)自分たちに最適なものを選ぶこと、が大事です。(二次対策の処方箋 の記事 に書いた通りです)
上記が、(2)でいう選択肢の候補の一部になれば幸いです。
■ グループ学習の効果は何ですか? ■
ハカセの結論: 他人の失敗を自分の失敗とみなし、他人のよい解答を自分のものにすることです
理由① 時間がありません。
二次試験まであと2か月。本当に時間がありません。時間と事例が無限にあるなら、あらゆる「事故」とあらゆる「ナイス対応」を自分で直接経験し、それを本試験に活かすのがベストでしょう。
でも、その時間はありません。
であれば、他人の「事故」を自らの「事故」と思って大いに反省し、他人の「ナイス解答」を今度は自分が再現するべく取り込むことです。
例えば5人でグループ学習をすれば、短時間でも5倍の経験をすることができます。
もちろん、これはあくまでも理論値です。でも、1倍以上の効果は得られるはずですよね。
理由② 相対試験である。
道場が口酸っぱく申し上げているように、二次試験は相対試験です。上位2割が合格します。
であれば、模範解答と同じものは書けなくても、少なくとも他の受験生が80分で書いた解答は書けなければいけません。
そのためにも、事故を起こした場合には「それが自分だけの事故なのか、それとも他の人も起こした事故なのか」を反省し、他人のナイスな回答には「次は自分も書けるようにしよう(=そうでないと合格圏に入れない)」と気を引き締めることが大事です。
■ グループ学習で一番大事なことは? ■
ハカセの結論: 他人の答案のコピーを拝見することです。
僕は JC と ふうじん などと一緒に総勢7人か8人ぐらいでグループ学習をやっていました。僕の場合、グループ学習で実践したことは、答案交換会も、切り口のブレインストーミングも、どれも「ためになった」と思います。
でも、よく考えてみると、僕はよいグループに入れてもらえました。メンバーに恵まれました。メンバー全員が合格してもおかしくない、非常にレベルの高い勉強会でした。そして、こんな例はもしかしたら稀有かもしれない。
じゃあ、「その中で何が一番役に立ったのか?」というと、乱暴に順位をつけるとすれば、実はディスカッションではなく、他人の答案のコピーを拝見すること なのかもしれません。逆に言えば、他人の答案を手に入れずにディスカッションだけをするグループ学習は効果が薄いかもしれない。
他人の答案が重要な理由は、もうお分かりですね。「他人が書ける答案は、自分もかけなければいけないから」です。
「ふぞろいの合格答案」がどうして重要なのか、その理由はまさにここにあります。模範解答よりも「ふぞろいの解答」の方が重要なのです。
(ちなみに、同じ理由で、僕は過去問をほとんど解いていません(事例IVは解きましたが)。受験校の事例演習をひたすらやりました。この件はまた別途)
とはいえ。
じゃあ、他人の答案さえ手に入れればそれでいいのか、というと、それは うーん、それはやや疑問 です。
自分にそれだけの実力があればいいでしょう。他人の答案を入手して、「どれが【よい答案】なのか(=模範解答に近い答案が「よい答案」というわけではありません)」を判断できるならば、コピーをもらえばそれで十分でしょう。
例えば ふうじん の答案を入手したとして、「なるほど、ふうじんは こういう思考回路でこういう解答を書いたんだな、なるほど」と、自分の中で ふうじん の思考回路が読むことが出来るならば、コピーをもらうだけで十分でしょう。現に、道場の くれよん は、二次試験対策の二年目はグループ学習にはどっぷりハマらず、その代り答案交換をせっせとやっていたそうです。
でも、この時期、そんなに実力のある人が多いとは思えない。
だから、非常に逆説ですが、確かに、グループ学習で一番大事なことは「他人の答案を拝見すること」です。
でも、それだけでは意味がなく、「どうしてその解答を書くに至ったのか」のプロセスをその人から聞き出す作業(=ディスカッション)も 必要なのです(特に二次対策開始当初は)。
そういうディスカッションをすると、多くの気づきを得ることができると思いますよ(特に二次対策開始当初は)。
■ グループ学習でやってはいけないことは? ■
ハカセの結論: 「オレの意見が一番正しい」と主張することです。
最初はね、どうしてもやってしまうんです。僕もそうだったかもしれない(JC、ふうじん、ゴメンね)。
自分の答案が、(時に模範解答よりも)いかに正しいかを躍起になって主張し、そして他人の答案の難点を次々に指摘してしまうものなのです。挙句の果てに、メンバー間の点数や順位までつけようとします。
愚の骨頂です。
グループで一番になっても意味がありませんし、たかが練習です。本番でそれをやらなければ意味がない。
グループ学習の大事なことは
「 Give and Give、ひたすら Give 」。
「教えることは学ぶこと」。
自分の解答プロセスを、口に出してメンバーに話せば、話している最中に「そうか、そういうことなんだ」という気づきが、雨後の筍のように湧いてきます。
「勉強会しても(自分に)メリットがない」と考えている方は、ご自身のためにも、グループメンバーのためにも、グループ学習に参加しないほうが無難でしょう。(実際、グループ学習なんてしなくても合格する人は合格します)
■ ハカセ がグループ学習で得たものは何ですか? ■
これはあくまでも個人的な意見ですが、2つあります。
(1) 模範解答(ゴール)を目指しつつ、模範解答を実現することは目指さなくていい
ということに気付いたことは大きかったです。非常に逆説的ですね。でもこれに気付くのに時間がかかった。
「めざせ! ふぞろいの 多数派答案」
というのが、それ以降の僕の合言葉になりました。この件については別途記事を書きたいと思います。
(2) 金科玉条となる「決めゼリフ」を得ました。
二次試験の処方箋は人それぞれ。どんな言葉が響くか、分かりません。
僕の場合、グループ学習仲間の E口さん が呟いた言葉が、僕の「転機」になりました。
それは、
「事例にはゴールがあって、それに導くルールも整備されている。なのにどうして書けないんだろう ・・・」
というもの。
僕はこのセリフを聞いたときに、ハッ としました。電流が流れました。
E口さんは、「事例にはゴールがあってルールがある」ことを気づいており、それに乗っかることができないことを悩んでいたんですね。でも(恥ずかしながら)その時僕はまだ気づいていなかった(なんと、本試験の2週間前です)。E口さんが何気なくそれを呟いてくれなかったら、僕は合格していなかったと思います。
その日から、僕は「与件文と設問文はすべてルールだ」と思うようになりました。
そうすると、不思議なもんですね、事例の与件文や設問文が計算式とか交通標識に見えてきたのです。
そういうきっかけを与えてくれたのは、他でもない グループ学習 でした。
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これまで説明してきたように、グループ学習をするべきか、しなくてもよいかは、皆さんご自身が決めることです。
ここでは、グループ学習を導入した場合の メリットと注意点 を述べさせていただきました。
もしも、グループ学習を導入することになった際には、参考にしていただければ幸いです。
by ハカセ
>お薬ハック様、コメント頂きありがとうございました。地元の人が多いであろう模試の時に声をかける作戦は成功でしたね。それもこれも、目的意識を持っているハック様ならではこそです。頑張ってください、応援しております!
いつもお世話になっています。
先日頂いたアドバイスを元に、無事に1回目の勉強会を終えることができました。この記事の内容を元に勉強会の目的と進行方法を決めておき、参加者全員の承諾を得てから勉強会を始めたのでブレなくスムーズでした。
2次試験まであと数回、継続してみたいと考えています。アドバイスをありがとうございました。
そうですね。WATATAが参加していた勉強会は熱い(濃い)メンバーでしたね。グループ学習のメリット・デメリットを整理することも必要かもしれませんね。
いやぁ、私は3人でグループ学習したのですが、他2名が確実に合格しそうなハイレベルな方々だったので、出来ない自分がイヤで辛かったですよ・・・。でも、やってなかったら受かって無かったと思ってます。