事例Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの本質を横串攻略!
こんにちは。くれよんです。
2次試験のスタートダッシュはいかがでしょうか?
道場にも 日々色々なご質問・相談が来ています。
皆さん戸惑い、悩みながら頑張っているのだな~と思いました。
たった1年や2年の差ではありますが、経験者として悩みに応え、応援したい!と、道場メンバー皆真剣に回答していますので、悩んでいたら、ぜひ道場までコメント下さいね
さて、2次受験生の多くを悩ませるもの、事例Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ。
ある意味やることのはっきりしている事例Ⅳと比べ、確かにわかりづらい。
何となくつかめているようで、でも何に着目したらいいのかはぼんやりしていて、なかなか取っつきづらいというストレート生、得点が伸び悩む経験者も多いのではないでしょうか?
となれば、道場おなじみの「横串し攻略」
先日の道場セミナーでお話しさせて頂いたところ、大変好評を頂きましたので、ここで改めてご紹介します。
毎度言うまでもないことですが、あくまでこれは私のとらえ方になりますので、これを“絶対解”として捉えないように
■事例のシチュエーション比較
まずは事例Ⅰ、Ⅱ、Ⅲのシチュエーションをビジュアルに比較。
上図のとおり、事例Ⅰ~Ⅲはいずれも事例企業を中心としたストーリーになっています。(当たり前か)
ただし、図を見れば顕著なように、横串比較してみると、そのシチュエーションは結構違います。
◆事例Ⅰ
事例Ⅰは人事・組織事例ですが、シチュエーションにも大きな特徴があります。
それは、登場してくるのが、A社内の人間だけで完結しているということ。
◆事例Ⅱ
事例Ⅱはマーケティング事例なので、ターゲットとなる既存顧客・新規顧客があり、競争相手があり、そして、協力者がいるというのが特徴です。一方で事例Ⅰ、Ⅲと違ってB社内の記述はあまり詳しくありません。協力者というのは少しピンと来ないかもしれませんが、相互に協力できる別の事業をしている会社であったり、(例えばH21の銭湯)、地域の商店街だったりします。
つまり、顧客に対して、協力者と共に何らかの手を打って、競合に勝つというシチュエーションです。
◆事例Ⅲ
どちらかと言えば事例Ⅱに近いように見えますが、少し違いがあります。
事例Ⅲは生産の事例なので、顧客から注文を受けて生産して納品するまでの一連の動きに関係する登場人物(外注先、サプライヤー等)が出てきます。特徴としては、C社の中において、受注にかかる営業部門から、設計部門、製造部門、場合によっては納品配送部門等といった各部門が登場してくることです。
事例Ⅲではこれらの登場者間の「情報の流れ・連携」が上手くいっているかどうかをシチュエーションとして洗い出せるようにしたいです。
■コンサル方針&与件の着眼点比較
続いては、「コンサル方針」と「与件の着眼点」を横串比較。
一覧表でまとめると以下の通り。赤文字は共通点、茶文字は相違点です。
事例に共通するのは、どの事例もこれまで順調だったところに何らかの変化があり、そのチャンス・ピンチに対処が必要になっているということ。
まぁ、コンサルをお願いしようという状況ですから、何らか変化があるのは当たり前なんですが、それを明確に意識すると事例への取り組み意識も変わるものです。
◆事例Ⅰ
事例Ⅰのコンサル方針は、「評価・報酬・採用・教育を駆使して課題を達成すること」。
よって、与件では、 「変化」の他に、「課題(=社長の想い)」と「権限委譲・モラールUP/DOWN」に関する記述に着目。
よく事例Ⅰは特に難しいと言われますが、私が思うその理由がコレ。
・評価・報酬・採用・教育を駆使の部分については、知識として持ってくる必要があり、与件内だけの情報で閉じない。
・シチュエーションはA社内だけの話なので、課題(=社長の想い)という制約を考慮しないで方向性を考えると自由に方向性が打ち出せてしまい大外ししやすい。
◆事例Ⅱ
事例Ⅱのコンサル方針は、「『専門性・地域密着・関係管理』を武器に、『ターゲット+協力者+4P』を定めて競争優位を構築すること」。
よって、与件では、「変化」の他に、中小企業が競争優位を構築する際の武器となる、「専門性」、「地域密着」、「関係管理(Life Time Value)」に関する記述に着目。
私見ですが、事例Ⅱは、拾ってくる情報が多いので、こうした型(もしくは思考)を持った上で、与件を見れると非常にスピーディかつ抜け漏れなく対処できるのでオススメ。
◆事例Ⅲ
事例Ⅲのコンサル方針は、 「作業基準と情報の流れの改善で、QCD改善・強化」。
よって、与件では、 「変化」の他に、「現在の作業基準」と「現在の情報の流れ」に関する記述に着目。
作業基準の改善とは、例えば、「今までロット毎にやっていた作業を製品の種類毎に行う」と言ったこと。
情報の流れの改善とは、例えば「営業部門から製造部門に一方方向に流れていた情報を双方向にする」と言ったこと。
これを改善することで、QCDの改善・強化につなげて変化に対処します。
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長い記事に最後までお付き合い頂きましてありがとうございました。
以前、この記事で、Sランク、Aランクの話がありましたが、Aランク以上になって、「合格できるかも」という手応えをつかむ上では、事例Ⅰ~Ⅲのそれぞれの本質をきちんとつかむことが不可欠。
役立てて頂ければ幸いです。
by くれよん