【平成28年事例Ⅰ】模範解答の比較

平成28年度の診断士試験も一休み

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おはようございます。こばです。
二次筆記試験が先週終わり、さらに、プロ野球も終了したことで虚無感に襲われている今日この頃。
これからはじまるのはストーブリーグ。チームの補強を進める時期。
まず、第一の補強であるドラフトが終了。
これからFA補強が始まる。FA補強の面白い点は選手の年俸によって、リスクが生じること。
診断士受験においてFA制度はないものの、これからの身の振り方を考える時期はプロ野球と同じ。

身の振り方を考えることも大事であるが、
試験について分析し、あの問題が意図していたことが何だったのかを考えるのも興味深いものである。

ということで、TACTBC大原の3社分の模範解答を比較します。
模範解答は各自確認。

□解答比較□

問題1:業績が好調であった A 社の代目社長の時代に進められた事業展開について、以 下の設問に答えよ。
設問1:当初立ち上げた一般印刷事業などの事業展開によって A 社は成長を遂げること ができた。その要因として、どのようなことが考えられるか。

この第1問の時制は過去であり、与件分にヒントが明示されているため、回答しやすい。
1970 年代半ばに3代目社長が、から始まる段落をまとめれば良さそうである。

ここは事例のテーマでもある強みが関連してくる。
シンプルに成長した要因は、強みを生かすことができたからと考えられる。

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類推する必要もないため、3社ともほぼ同じ回答になっている。

設問2:1990 年代後半になっても売上の大半を学校アルバム事業が占めており、A 社の 代目社長が推し進めた新規事業が大きな成果を上げてきたとはいえない状況であ った。その要因として、どのようなことが考えられるか。

設問2は失敗した要因である。
失敗する要因は、強みを生かすことができなかったからと考えるのがシンプルである。
設問1でまとめた強みを生かすことができなかった。
また、さらに、2008 年のリーマンショック、
から始まる段落で経営改革で着手したことが書かれている。
経営資源を集中さえたとあるので、裏返しで、1990年代後半では経営資源が分散していたと考えられる。

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3社でTBCが多くの切り口で回答しているが、全てを盛り込む必要はないと思われる。
ここでは、1.無関連な多角化⇒2.シナジー効果が発揮できない、3.経営資源の分散⇒強みを生かすことができなかった。
この3つの論点は盛り込みたい。

問2:A 社の現社長5代目の経営改革に関連して、以下の設問に答えよ。
設問3: A 社が、新規のアルバム事業を拡大していく際に留意すべき点について、これ までの学校アルバム事業の展開との違いを考慮しながら、中小企業診断士として、 どのような助言をするか。

既存のアルバム事業との違いと新規事業の拡大に対する留意点が問われている。
私の場合は
違いは○○である。
新規事業を拡大するためには、販路を拡大する必要がある。その際の留意点は①組織面で○○②人事面で○○である。とまとめる。

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既存の事業との違いを明確にしているのは、TACのみである。
その他の2社に関しては留意点を中心に回答をしている。
考慮しながらをどう捉えるかではあるが、考慮したかどうかを明確化するためには、記述するしかない。

さらに、戦略に対して組織と人事を対応させる必要があるため、その留意点を記述する。
留意点と改善点の違いが何かは不明。
27年度の設問5でも留意点が問われていたが、私は改善点をそれとなく書いている。

設問4: A 社では、これまで、学校アルバム事業を中核に据えた機能別組織体制を採用 していたが、複数の事業間で全社的に人材の流動性を確保する組織に改変した理由 を、100 字以内で述べよ。

組織は戦略に従う。
戦略の変化があったことに起因して、組織を改変したと考えられる。
戦略の変化として既存の学校アルバム事業と新規のアルバム事業の違いは設問3で検討している。
営業力強化の体制作りに取り組んだ。と記載されている。
また、生産現場から営業に配置転換も行っている。
このことから、営業力の強化のために営業に配置転換したが、生産現場の人員が不足することを懸念しているのではないかと考えられる。横断的な組織にすることで、生産現場への応援体制を柔軟に行えると考えられる。

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私の考え方と近いのはTACのようですね。
この問題では3社ともばらけています。どれが正解ということはありません。あくまで、予備校の模範解答です。
組織は戦略に従うという切り口で回答すればいいのではないか。

設問5:業績低迷が続く A 社が有能な人材を確保していくためには、どういった人事施策 を導入することが有効であると考えられるか。中小企業診断士として、100 字以内で 助言せよ。

経営変革が求められているため、既存の人事戦略から変革をしなければならないのではないかと思われる。
新卒社員や女性社員の採用を 積極的に進め、と最初に記載されているので、それ以外の人事戦略を助言する必要があるだろう。

逆の切り口となると
新卒⇒中途
女性⇒男性?
育成⇒即戦力
男性の社員の強化と助言するのは考えにくいため、即戦力の中途採用を強化しましょうとなるのかと思われる。

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この設問も3社ばらけている。比較的、TACが私の考えと近いが、再雇用や現地採用は私の中ではない視点であった。
この問題は知識を並べればいいダメでA社に対する助言になっているかが求められる。
一般的な知識だけでなく、A社、社長の想いに寄り添っているかが重要となる。

ではまとめ。

・これからプロ野球はストーブリーグ。身の振り方を考える時期。
・設問1,2は比較的、回答しやすい。ABランク。
・設問4,5は予備校も答えが割れるDEランク。

byこば

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【平成28年事例Ⅰ】模範解答の比較”へ5件のコメント

  1. アヒルチャン より:

    こば様 アドバイス有難うございます。今、手に入るテキストをとりあえず読んでいきます。11月中旬に運営管理が出るようなので、それを待って今は企業経営理論と財務会計を読んでいきたいと思います。問題集も出ているようなので、それもやっていきます。頑張ります!!かなり寒くなってきたのでこば様はじめ、先生方もご自愛ください。

  2. アヒルチャン より:

    こば様 夜分に申し訳ありません。アヒルです。貴重なアドバイスを頂き、どうも有り難うございました。社労士の本(入門書)を読んだのは、社労士になろうと思ったわけではなく、診断士の勉強に生かせるヒントはないかな、と思ったわけです。今後は診断士のテキストを読み込んで行きたいと思っています。運営管理・経営情報システムが苦手なので、早くテキストが欲しいところです。独学なので道は険しいですが、道場で合格された先輩方の体験記も読んでいきたいと思います。だんだん寒くなってきますので、こば様はじめ、先生方もご自愛ください。

    1. こば より:

      アヒルチャン様

      返信ありがとうございます。

      社労士の科目も奥が深いので、参考程度にされて深入りしない方が良いと思います。

      2017年度版の診断士テキストはまだ、経営と財務しか出版されてないですよね。
      早くテキストが欲しい気持ちわかります。私もそうでした。でもここで焦って古いテキストに手を出すと最新情報が得られないので、ぐっと我慢しましょう。

      道場には独学の合格体験記も多くあります。今後のスケジュールのイメージもできますので、ご参考にして頂ければと思います。

  3. アヒルチャン より:

    一発合格道場の先生方へ 夜分に申し訳ありません。アヒルです。実は今、社労士の入門書を勉強していました。深入りするつもりは全然ありません。ただ、日本は今、高齢化社会になってきており、医療・介護・年金などの問題があると思います。このような分野は今後ビジネス・チャンスがあるのでは、と思っています。高齢化はある意味問題ですが、逆に言えばビジネス経験豊富な人に会社に残ってもらい経験を生かしてもらう方が、政府の言う「1億総活躍社会」に適するのではないかと思いますし、診断士の2次の事例問題、特に組織・人事に関する事例問題にも役立つのでは、と思ったのです。以上のようなことが雑感です。ハズレかもしれませんが・・・。

    1. こば より:

      アヒルチャン様
      コメントありがとうございます。

      社労士の勉強もやられているのですね。
      私も勉強したことありますが、労務・保険・年金も奥が深くかなりのボリュームですよね。

      さて、診断士試験と一億総活躍社会の関連ですが、
      あまり意識する必要はないかなと思います。

      あくまで診断士としての素養をみる試験です。
      タイムリーな時事ネタが合否を分ける可能性は低いかなと思います。

      しかし、この環境がビジネスチャンスになることは十分あると思います。合格後の資格の活用方法も含めていろいろ検討されてはいかがでしょうか。

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