【事例Ⅲ】勝負の分かれ目
インダスタリー4.0
おはようございます。こばです。
先日、一次試験の合格発表がありました。
合格基準は、本年度の得点水準を勘案し、「総点数の59%以上であって、かつ、1科目でも満点の40%未満のないこと」としました。また、「経営情報システム」については、本年度の得点水準を勘案し、受験者の得点に4点を加算しました。
この合格基準の変更は過去にもあり、驚くことではない。
二次試験の受験生を確保するために、恣意的に基準を操作しているのがよくわかる。
これは、岡崎が述べている通り、合格者が多すぎる場合は合格基準を高くすることを示唆している。
420点取れば良いんです時代の崩壊
一次試験も急速に変化しているが、それ以上に現実の技術は急速に変化している。
そして、急速な技術革新により物流革命が起きようとしている。
では、物流に関連する事例Ⅲの内容に入ります。※事例Ⅲで配送が問われることはほとんどない。
まずはテーマの確認から
□事例Ⅲテーマ□
環境変化への対応による短納期の実現
事例Ⅲの企業は製造業であるが、生産技術に関することはテーマではない。
過去の事例においてC社の強みは高い技術力であり、その技術力を活用した高品質な製品である。
そのため、事例のテーマはQCDのCDにあたるコストの削減と短納期の実現となる。
テーマがイメージできたら、読む際の着眼点を明確にする。
□読む際の着眼点□
大局的にどうこの事例をとらえるかがポイント
■事例Ⅲのポイント~設計図~■
オリジナルデザイン:問題の原因が複雑化し、真因がわかりにくい。
起きうるエラー:わかりやすい原因を深堀、見当違いの解答を組み立てる。
変更後のデザイン:設計図を基に原因を複数見つけ、正しい組み立てを行う。
◇事例Ⅲの着眼点◇
事例Ⅲ:問題点の解決がカギ
問題の真因を把握すること。
原因は1つではない。変化と未対応の2つが組み合わさって問題が発生する。
問題本文を読む際は、下記、設計図に根拠を当てはめる。
□こばの事例Ⅲイメージ□
平成21年以降の設問一覧
第1問 | 第2問 | 第3問 | 第4問 | |
H27 | □SWOT分析・生産工程 (設問1)自動車部品分野に参入する場合の強み (設問2)新規受注のメリット (設問3)短納期対応 |
□生産工程 生産工程に生じている 問題点と改善策 |
□納期管理・情報システム 納期遅延を解消するための 納期管理および情報 |
□生産体制 国内生産を維持するために 強化すべき点とその理由 |
H26 | □SWOT分析 強みと弱み |
□設備・作業管理 加工不良率の増加 に対する具体的な対策 |
□生産計画及び 資材管理 (設問1)業務移管のメリット・デメリット (設問2)生産計画や 資材調達計画の改革内容 |
□販路開拓 経営資源に着目した 販路開拓 |
H25 | □SWOT分析・生産計画 (設問1)首都圏参入で活用すべき競争優位性 (設問2)関東工場の役割 |
□情報システム・作業管理 (設問1)共有化が必要な具体的情報名 (設問2)業務効率化を図るために必要な 具体的改善内容 |
□営業活動・設計開発活動 共同開発事業の 失敗の要因と 新規事業開発の留意点 |
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H24 | □SWOT分析 創業の成長要因 |
□生産計画・作業管理 顧客や新製品の 増加への課題と その具体的改善策 |
□生産活動・ 情報システム (設問1) セントラルキッチン機能を具備させる対応 (設問2) セントラルキッチン機能を有効にする 日常業務上の 必要情報 |
□営業活動・生産活動 販売数量の 減少傾向・ 製品単価の 引き下げ要求へ の提案 |
H23 | □SWOT分析 生産技術面・ 営業面の特徴 |
□生産計画 生産計画の精度向上 のための対策 |
□営業・設計・生産活動 (設問1)営業スタイルの提案 (設問2)設計面・生産面の課題 |
□情報システム CAD/CAMのメリット |
H22 | □SWOT分析 業界における強み・弱み |
□作業管理 (設問1)コストダウンの具体的方法 (設問2)生産現場で予想される混乱と対策 |
□情報システム 生産リードタイム短縮と コストダウンのための共有すべき情報項目 |
□戦略的方向性 中国進出計画に関して自社技術を生かした 独自の経営の方向性と対応策 |
H21 | □SWOT分析 安定的な業績を 維持している理由 |
□製品在庫 (設問1)過大製品在庫・ 製品欠品が発生している理由 (設問2)製品在庫問題に 対する生産面での対策 |
□OEM製品 (設問1)OEM製品取引のメリット (設問2)OEM事業推進の 課題と対応策 |
□生産形態 見込生産と受注生産の違い |
過去7年間においてほぼ問われている内容は同じである。
SWOT分析に始まり、利益を確保するための体制作りに終わる。
そのため、対策を十分行うと安定した得点が期待できる事例である。
いかに、設計図に与件情報を当てはめるか。
問題 ⇔ 原因 ⇔ 改善策
この設計図の事前準備した量が得点の差に繋がる。
しかし、今年は事例Ⅲで何かが起きる可能性が高い。
一次試験の変化と同様に、計算問題が問われる可能性は十分ある。
事例ⅡのPOSデータ分析のような
改善前、改善後のライン編成効率を計算させる問題もあり得る。
ではまとめ。
・事例Ⅲのテーマは利益拡大及び短納期の実現。
・今年の事例Ⅲは難化は想定内。
・計算問題の対応が勝負の分かれ目か。
byこば