なんとなく量子力学

 

週の真ん中水曜日、今日のご予定いかがでしょうか。

こんにちは、6代目 Xレイ です。

5月の水曜は6代目の日ということで、おとさん、うみのリーダー、岡崎先生と続きまして、最後は私が参ります。

と、このような冒頭のご挨拶。
実は以下の本文をすべて書き終えた上で考えているのですが、今日のお話。
ゆるわだとはいえ、試験以外のことを書きすぎたようです。
それでもとおっしゃって下さる方は、どうぞお時間に余裕のあるときお付き合い願えればと思います。

 

さて、一次試験に臨む皆様。
この時期はどのような学習をされていますか。

私は独学でしたが、過去問に徹底的に取り組んでいました。
結果合格していますので、それで良かったものと思います。

大手受験校では「完成答練」が行われているようですが、その傍らで過去問に徹底的に取り組むのがいいのではと、受験校を通じて学習されたたきもさんもおっしゃっていました

やはりこの時期は、独学、通信、通学問わず過去問を中心に学習するのがよさそうです。
いまだ手付かずという方は学習速度を速め、いち早く取り組まれてはいかがでしょうか。

 

また、先日とりさんがおっしゃていた通り、ここから先は試験に近づくほど体調管理にも気を配らなければいけません。

例えば、今日体調を崩し一週間学習できなくなった。
この時期の一週間は、半年前のものとは重みが違います。

さらに6月、7月と進むにつれて、その重みは増していくでしょう。

そして、直前無理をおして試験当日に体調不良ともなりますと、1年がかりで培ってきた能力を十分に発揮できないかもしれません。

やはり、日々の体調管理をしっかりと行い、負担をかけ過ぎないこと。

万一体に異常を感じたら、早々と病院へ行くのがいいでしょう。
お忙しいなか大変でしょうが、持てる知識で自己診断し市販薬というよりも、専門的な知見からの診断及び治療が勝ることは言うまでありません。

と、さりげなく私の得意分野へ話を誘導しました。

そうして病院を訪れますと大抵の場合、まずは医師の診察、次いで必要に応じた検査と進んでいきます。
検査といえば、皆様一度は経験したことがあるだろう画像診断。
レントゲンやCT、MRIなど、現在の医療に欠かすことができません。

そのレントゲンやCTには放射線が使われますが、その辺りはご存知かと思います。

ちなみに、MRIは放射線を使いません。
日本語では磁気共鳴画像装置などと呼ばれるのですが、ごく簡単に説明しますと、体内の約70%を占めている水、その水分子を構成する水素の原子核(プロトン)を利用し、それに磁力を加えることによって信号を得るといった画期的な撮影装置です。

さておきまして、放射線。
近年は原発の是非をめぐる議論が一層激しさを増し、耳にする機会も多くなっています。

一口に放射線と言いましても、いくつか種類があることはご存知でしょうか。

代表的なものは、α線、β線、γ線、X線など。

そのうち医用に使われるのは、γ線とX線。
γ線は放射線治療、X線は撮影や透視に使われるのですが、その正体とは「電磁波」というものです。
要するに「」という「エネルギーを持った状態」のこと。

一方の、α線にβ線。
これらの正体は、α線がヘリウムの原子核、β線が電子。

ヘリウムの原子核や電子と聞いて、どのようなものをイメージされますか。
おそらくは小さな粒、いわゆる「粒子」を思い浮かべる方が多いものと思います。

すると、α線やβ線とは高速で飛んでいる小さな粒であり、同じ放射線といえど、先のγ線、X線とは随分シルエットが異なります。

ところで、そのヘリウムの原子核や電子。
本当にイメージ通りの「粒子」なんでしょうか。
実際に見たことはありませんよね。

って、今日は何の話?と不安になってきましたね。

 

2重スリット実験

『光は粒子か波か』

これはどちらをイメージされますか。
私は「波」をイメージするのですが。

さて、この議論は300年以上も前からあったようです。

17世紀後半。ニュートンは『光は粒子である』といい、それからしばらくの間、実証はされていないものの光は粒子とされてきました。

しかし19世紀初め、ヤングが『光は波である』ことを証明。
実験で証明されたので疑う余地はなく、ここで理論が逆転します。
さらには、マックスウェルが“光は電磁波である”という理論を確立し、『光は波である』説でもう確定かと思われたその時、一人の天才が待ったをかけます。

20世紀初め。かのアインシュタインは『光が粒子である』ことを証明します。

ある実験では『光は波である』
ある実験では『光は粒子である』
このような事実が確認されました。

科学においては実験結果がすべてといってもいいでしょう。
ならば、結論は
光とは波であって粒子でもある』(粒子と波動の二重性)
ということになり、これが現在でも標準的な認識のようです。

少々理解しがたくなってきた頃と思います。

ところが、さらに凄いことをいう科学者が現れます。

ド・ブロイ。
「波だと思っていた光は粒子でもあった訳か・・・
それなら逆に、粒子と思われている物質、例えば電子なんかも波であったりするんじゃない?多分すべての物質が粒子であり波なんだよ!きっと」
とこんな感じ。

もう訳が分かりません。

しかし、これ、実証されているんです。

最も有名かつ分かりやすいのが、2重スリット実験

興味のある方はこちらの動画(リンク先YOUTUBE)が分かりやすいかと思います。

「最も美しい」とも呼ばれるこの実験。
私の感性では不思議というより他ありません。
しかし、これは事実です。

不安が増長していますが続けますよ。

 

コペンハーゲン解釈

科学者はこの事実をどう捉えるのか。
先ほども言いましたが科学は実験結果がすべてといってもいい。
ならば

・電子は観測前には波動関数に従った空間的広がりがある
・観測時点で状態は可能性のある一点に収縮する
・どの可能性に収縮するかは、波動関数が示す確率に従う

このよう捉えようというのが「コペンハーゲン解釈」と呼ばれるものです。

難しすぎるので、波動関数は置いておいて、ごく簡単に言い換えると、
「電子は誰かに見られる前は、波のように確率的にいくつかの状態で同時に存在している。そして見られた瞬間に粒子になる。」
といった感じでしょうか。

前半は「重ね合わせ」という考え方でそれ自体少々分かりづらいのですが、後半の「誰かに見られた瞬間に粒子になる」。これはどうでしょう。
「えっ?」って感じじゃないですか。

しかし驚くべき、これがいまでも標準的な解釈とのことです。

「なぜ、そうなるの?」
と聞いても、いまだその分野の科学者でさえ説明ができない。
本当に正しいかどうかも分からないと。

だから「理論」ではなく「解釈」なのでしょう。

でも、そのように解釈すると、正しく実験結果を説明できる。
そして、その結果を応用する上で別段支障もない。

だから科学では「そこはよし」と。

 

理解と解釈

さて、中小企業診断士試験。

何事もきちんと正確に理解するに越したことは無い。
もちろんそのように思っています。

しかし範囲は膨大、時間は有限。すべてを納得いくまで理解するのはなかなか難しい。

そこで試験学習では、コペンハーゲン解釈の精神といいますか、正しい結果(正答)を導けるのなら、きちんと理解できてなくとも「そこはよし」と割り切ることも時には必要ではないかと。

 

例えば、マクロ経済学のIS-LM分析。

LM曲線について少々確認しておきましょう。

LM曲線とは、貨幣市場が均衡しているときの国民所得と利子率の関係を表していて、右上がりの曲線として描かれます。

その式は
$M/P=L(Y,r)$
とするのが一般的でしょうか。

左辺のMは名目貨幣供給量、Pは物価水準。よって左辺は実質貨幣供給量
一方の右辺は貨幣需要関数を表していて、それは国民所得Yと利子率rで決まるとしています。

その国民所得yで決まる部分が取引需要、利子率rが投機的需要
それらをL1、L2とし、
$M/P=L(Y,r)=L1+L2$
と表すものもよく見ます。

次に、試験で頻繁に問われるLM曲線のシフトについて。

LM曲線がシフトするのは、外生変数であるMまたはPが変化したとき。
IS-LM分析は物価水準Pを一定する短期分析なので、ならばLM曲線のシフト要因は金融政策による貨幣供給量Mの増減ということになります。

そこで、例えば貨幣供給量Mを増加させたとき、LM曲線はどのようにシフトするか。

貨幣供給量Mを増加させると貨幣市場では超過供給が発生します。
$M/P>L1+L2$

そのとき、一方の債券市場では超過需要が発生し、債券価格が上昇することで市場利子率が低下する、というのは平成25年経済学第6問の通りです。
すると、利子率の減少関数である貨幣の投機的需要L2が増加することで、貨幣市場は再び均衡します。
$M/P=L1+L2$↑

このように流動性選好理論を基にして考えると
拡張的金融政策のときは均衡利子率の低下によって
LM曲線は下方向にシフトする
このように捉えるのが正しいのではないでしょうか。

 

どうでしょう。
どこまで理解するかはそれぞれでしょうが、特に最後の「下シフト」。

見ようによっては「右シフト」とも解釈できるわけで、多くの方がそうしているように
「貨幣供給量Mの増加→LM曲線右シフト」
と捉えておいて、IS-LM分析の問題に正しく答えられるならそれでもいいのかなと。

そして流動性のわなのとき、金融政策によってLM曲線はシフトしないというのが正解ですが、間違って下方向に動かしてしまうと大変なことになります。でも、右シフトと解釈しておけば間違って動かしてしまっても、何とかセーフ。など、少々乱暴ですけども結果救われることさえあったりして。

なぜ右方向にシフトするのか説明はできないけれど「そこはよし」と割り切るのも、試験学習では一考かと思うのです。とはいえ、もちろん正しい結果(正答)を導けることが前提ですが。

まあ、きちんと理解したければ合格した後でも学習できますから。

 

シュレディンガーの猫

戻さなくてもいい話に戻して、
あまりに理解しがたいコペンハーゲン解釈。

「やはりそれはおかしいでしょ?」
と批判したのがシュレディンガー。

そのため考えた思考実験が有名な
シュレディンガーの猫

興味のある方はこちらの動画(リンク先YOUTUBE)でいかがでしょうか。

コペンハーゲン解釈が正しいとすると、誰かが猫の生死を確認するまでは、生きている猫と死んでいる猫が重なり合った状態になっているのだと。

「そんな訳無いでしょう?だから、おかしい。」
とシュレディンガーは言うのですが、どうでしょう。

私も少々受け止め難く思います。

でもこれ、半ば強引に中小企業診断士試験に例えてみると・・・

これから受験する中小企業診断士という世界においては、試験の合否が誰かに観測されるまでは、合格する自分と不合格の自分が重なり合った状態である。結果どちらになるのか確率に支配されている。

ということは・・・

ならば、合格する自分が観測される確率を高めるにはどうすればいいのか考えよう。

となって・・・

それには、やはり学習だ!

ということで、これがなかなかいい感じ。

 

それでは、この辺で。 Xレイ

 

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