事例Ⅲ・Ⅳで共通に求められる分析能力の所感(1次知識のキホンの今が大切!)

<今週の道場>

11月17日(火) この時期にやっておくと良いこと
11月18日(水)  一次知識を診断士になってどう役立てるか~マーケティング編~
11月19日(木)  一次知識を診断士になってどう役立てるか~財務編~
11月20日(金)  一次知識を診断士になってどう役立てるか~人事・組織編~
11月21日(土)  2016年度合格目標:経済学特別講義~スルツキー分解と異時点間の消費

 

こんにちは、ぽらーのです。
題名に2次試験の事例Ⅲ(運営)・事例Ⅳ(財務)とありますが、本日の記事は主に2016年度合格目標の1次・2次初受験の方々向けに書いた記事です。
そのような方は1次試験対策の真っ最中と思いますが、T●C予備校生であれば未学習であろう運営管理の内容や先々2次試験の内容も絡めて書いております。「2次試験なんて先のこと今は考えられないよ~」という声も聞こえてきそうですが、診断士試験合格を目指すを上で1次試験と2次試験とのつながりを意識して学習することは重要であり、短期合格のポイントであるとも考えますので、ゆるい話題(ゆるわだ)だと思って少しお付き合い下さい。
なお、先月2次試験を終えられた方には、少々平易過ぎる内容かもしれないですが、ご了承下さい。

2次試験の事例Ⅳでは経営分析が良く出題されます。
経営分析とは貸借対照表や損益計算書から経営指標の数値を計算するものですね。
1次試験の財務でも各指標の計算結果を求められますが、1次試験では経営指標の計算式が分かること、問題にそって計算できること、その結果を元に劣っているか優れているかを判別できることなどの知識が問われます。
事例Ⅳにおいては、D社という主人公とD社とほぼ同規模で同じ業種・業態の同業他社が与えられ、与えられたD社の概要説明(=与件文)をもとに経営指標における数値を比較して、D社の優れているところ、劣っているところを分析させ、今後の課題を述べさせるような形式で出題されます。ここでは事例Ⅳの経営分析では1次知識で学んだ経営指標を用いた分析能力と助言能力が問われると言えます。

話の視点を少し変えます。
私たちは日常会話では「何と比較して」をあまり意識せず、大きい、小さい、長い、短い、易しい、難しい、早い、遅いなどの形容詞を使うことが多いと思います。
例えば、「私の通勤時間は30分と短い」と述べた場合、ここで言う「短い」とは、通勤時間の標準や平均との比較を暗黙の前提にしていると言えます。
首都圏の通勤者の平均的な通勤時間は分かりませんが、私には1時間半だと少し長いかな、45分を切ると割と短い方とではないかいう感覚があり、その感覚がここでいう「短い」の根拠です。
ぽらーのは、診断士の学習してから、形容詞を使う際は常に何との比較してそうなのかを意識するようになりました。この意識自体はとても単純なことですが、物事を論理的に考える上では大切なことかなって思ってます。
つまり、分析し評価するには比較対象が必要であり、当たり前ですが比較対象が無いと評価はできないということです。比較対象としては平均、理想標準、他社(者)、前年実績、計画など、その評価目的に応じて様々でしょう。

話を本題に戻し、次は2次試験の事例Ⅲです。
事例Ⅲにおいては、主人公のC社で製造において何らかの問題が発生してます。
そこで診断士としてC社で発生している事象を分析して問題点をあぶり出し、経営者にその問題点をを指摘して、改善策を提言するというのが典型的なパターンです。問題点をあぶり出し改善策を提言するためには、今後、学習するであろう運営管理の知識を応用が必要となります。

ここでいう問題点というのは、本来あるべき姿や理想標準に対して現状とギャップがある場合におけるそのギャップです。
在庫が多いとか、生産リードタイムが長く顧客の求める納期に間に合わないとか、ボトルネック工程があり稼働率が低いとか、歩留まりが低下しているとか・・・など、製造において様々なムリやムダの問題が生じている状況です。このように事例Ⅲでは主に製造現場における効率の悪化が問われますが、その理由として最初の頃はうまくいっていんだけど、顧客ニーズも含めた外部環境の変化によって既存設備や従前の生産方法ではうまく対応できず、不具合や効率の悪化が事象として発生しているというパターンです。

 

【本日のまとめ】

診断士には様々な能力が求められると思いますが、その中の重要ものの一つに分析能力があります。
2次試験において分析能力を問うような問題は4つの事例全てにあり、全てに共通していると言えます。
しかし、本来のあるべき姿や理想標準、あるいは同業他社との比較において、事例企業としての問題点や改善すべき点を問うような分析能力については、事例Ⅲと事例Ⅳにおいて特に問われる傾向があると考えます。これらの分析能力はマーケティングでの将来への提言のような華やかさはなく、どちらかというと地味で細かい改善指摘などになりがちなイメージですが、ぽらーのとしては事象や数字を基にした客観性の高い分析をもとに事例企業をより良い方向に導く点において大変有意義であると考えますし、事例Ⅲと事例Ⅳに共通する性格ではないかとも感じます。

T●Cでストレート生として受講されている方は、財務を終えると次は運営管理が待っていますね。
今の財務と12月からの運営管理が一つの学習のヤマだと思いますし、学習ペース確立の意味でもとても大切な時期とも言えます。
今日の話は少し先々の話も含めたゆるい話題ですが、「今、何を学んでいるのか」ということを2次試験とのつながりにおいて感じてもらえることで、今後の診断士学習がより楽しく充実したものになれば良いなぁとも思い、事例Ⅲ・Ⅳに共通する分析能力の所感からのとめない記事を書きました。

1次試験では覚えることも多く、とても大変かと思いますが、1次試験対策での鉄板な知識が2次試験でも大きな武器になることは間違いありません。運営管理において2次試験の事例Ⅲとのつながりで言えば生産管理が重要論点です。その中でも2次試験で問われる頻出・重要論点については特に意識して基礎的な知識固めを徹底することが、より短期での合格可能性を高めることにつながると考えます。

以上、ぽらーのでした。

Follow me!

事例Ⅲ・Ⅳで共通に求められる分析能力の所感(1次知識のキホンの今が大切!)”へ2件のコメント

  1. ぽらーの より:

    エスパー様

    いつも道場をご愛読いただき、ありがとうございます。スッキリされたようで、良かったです!今後もよろしくお願いします!

  2. エスパー より:

    1年間道場記事を読んできましたが、「ゆるわだ」が何なのか今日やっと分かりました。スッキリ!

ぽらーの へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です