事例Ⅰを解くということ

なごです。

 
9月に入り、一次試験から1か月が経過しました。皆さんの勉強は順調に進んでいますでしょうか。ではその勉強の進み具合を判断するために、下記に3問ほど例題を用意しましたので、皆さん解いてみてください。

 

(与件文省略)
事例Ⅰ
 設問5)デシル分析の結果をもとに売上向上する施策を述べよ(100文字)

 

事例Ⅱ
 設問2)デシル分析の結果をもとに売上向上する施策を述べよ(100文字)

 

事例Ⅲ
 設問4)デシル分析の結果をもとに売上向上する施策を述べよ(100文字)

 

 

さあ、解けましたでしょうか。

 

私もざっと書いてみます。

 

事例Ⅰ
売れ筋である上位品目を販売員に割り振り、個別に販売強化策を検討させる。管理職が販売強化後の売上上昇率を従業員に定期的にフィードバック内的動機づけを図と共に、上位販売者のノウハウを部署内で共有する。(100文字)

 

 

事例Ⅱ
売れ筋である上位2割の商材に注力し、競合と差別化された商材の魅力既存顧客に訴求することで、継続的な購入を促進する。また店頭でのイベント企画により口コミによる新規顧客の開拓を図る。(90文字)

 

 

 

事例Ⅲ
昨年実績と比較し需要予測の精度を上げる。販売実績の落ちている品目の品質管理を徹底する。外注先からの納期管理定期的に行うことで納期遅れを解消し、在庫切れを防ぐことで販売機会ロスをなくす。(93文字)

 

 

なんとなく私が言いたいことは分かりますでしょうか。

 

 

相手が求めている解答、それを意識して解くことは極めて重要なことです。よく「事例Ⅰなのにマーケティングの視点で書いてしまった」という言葉を聞くことがあります。自分の得意分野で解答したくなる気持ちは十分わかります。でも相手の求めていることとずれている提案をすることは、実際の診断実務に置き換えたとしても有用ではないですよね。
例えば社長が「部下のモチベーションが上がらず困っているんだ」との相談をあなたに対して発した場合に、診断士であるあなたが「御社の商品を他社と差別化して売りましょう」と答えても全く相手の心に響かないわけです。そのため事例ごとの特徴を頭に思い浮かべながら解答を構成する必要があります。

 

また1次試験を通過してきた優秀な人材ばかりが集う2次試験でもあります。解答根拠になるキーワードは強調されているわけでなく、結構さらっと書いてあります。落ち着いて読めば誰しもが気づくキーワードも、緊張する中でしかも短時間で処理しなくてはいけないため、どうしても見逃してしまうことも多数あります。そのため事前に2次で使いそうなキーワードを意識しておくことが合格への近道となります。昨年の事例Ⅰでも「近年昇進した中途採用者が」「工学博士号を持った社員を5年ほど前から採用し」などの言葉に反応するわけです。

 

 

少しキーワードを整理してみましょう。
●SL理論
指示的リーダーシップ(フォロワー能力低い・フォロワー意欲低い)
説得的リーダーシップ(フォロワー能力低い・フォロワー意欲高い)
参加的リーダーシップ(フォロワー能力高い・フォロワー意欲低い)
委任的リーダーシップ(フォロワー能力高い・フォロワー意欲高い)

 

 

●セクショナリズム
会社全体の利益より自部門の都合を優先してしまう。ライン組織や事業部制組織などの縦割り組織形態でありがち。社長自らが先頭に立って事業部間の情報交換の場を作ったり、事業部の人事交流を行うことで解消を図る

 

 

●組織変革への抵抗
変革の必要性をなかなか認識できなかった
・業績の低下が穏やかだった
・既存の業務運営でもそれなりの成果が得られていた
・経営幹部が適切な市場情報を入手できていなかった
・組織の認知的枠組みが固定化していた

変革の必要性は理解していたが何らかの事情により実行に移せなかった
・埋没コストの存在
・社内外の利害関係者の抵抗
・組織内スラックの不足
・リスク回避という心理的傾向の存在

●職務充実と職務拡大

●採用、配置、報酬、育成、評価(茶化で覚える)

●計画、実行、統制

 

 

まだまだ必要な一次知識はたくさんありますが、企業経営理論で学んだ範囲と比較すれば限られた内容であることも事実です。これらの言葉、これらが必要とされるシチュエーションを意識して理解することが大切になります。

 

これから時間が取れれば少しでも多くの過去問に挑戦してください。また過去問は複数回解くことも重要です。ただ答えを覚えるのではなく、初見の問題だと思って与件文をきちんと読む訓練を行ってください。そうすることで「あれ、こんなキーワード見つけた」という気づきが、これから何度もあるはずです。
また通勤電車で移動する時間など細切れの時間を利用し、キーワードを自分の言葉で説明できるように訓練してみることも大切です。「内発的動機付けと外発的動機付けの違い」「インターナルマーケティング」「グループシンク」いろいろな言葉をイメージしながら自分の言葉で説明できるように考えてみる、また自分自身が作問者になりきり、これらの言葉を与件文で使うとしたらどのように使うか想像してみるなど、2次試験対策についても細切れ時間は有効に利用できます。

 

これからが本当の勝負。限られた時間を有効に活用しながら、本番に備えてくださいね。

なごでした。

 

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