診断士試験を俯瞰する

 

 

なごです。
診断士1次試験まで1か月を切り、限られた時間の中で追い込みをかけている時期ですね。皆さんの勉強、どのような形で進めているでしょうか。

 

「残された時間は○○時間しかないから、今はただがむしゃらに…」

 

受験者約2万人のうち、7割がたが上記の心境だと思います。ちなみに昨年は約17%が受験会場にも来ていませんので、残されたごく少数(2割弱?)の人たちのみが、現在の立ち位置を客観的かつ冷静に把握している、そんな構図ではないかと感じています。

 

実はこの“立ち位置”の違いが2次の学習(特にスタートダッシュ)に大きく影響をします。ストレート合格をするか、2次を2年頑張るか、ほんの些細な違いで結果が別れる勝負の境目は、意外にもこのちょっとした違いに現れているのでは、と私は思っています。

 

さて、本論に行く前に、まずはこれまで当ブログで紹介した勉強方法について、大手予備校の学習プログラムと重ね合わせながら簡単におさらいをしてみましょうか。

 

 

【昨年~本年3月】
大手予備校では7科目を学ぶ講義形式の授業が行われます。当ブログでも合格体験記を経て代替わり(5代目⇒6代目)をしながら、新たな学びについて各人それぞれのコメントを書いている時期です。
この頃の学習に重要なのは、「橋げた構築」。まずは基礎的な知識を着実に覚え、一旦、強固な知識基盤を作ることでしたね。もしほかの学習を進めるうちに忘れてしまっても、すぐに思い出せるような基礎を固めることが大切、そんな話題が多くの執筆陣の話題から散見したと思います。

 

【4月~5月】
大手予備校では、完成答練という試験形式の授業「怒涛の7週間」。この時期に脱落する人も多数います。講義形式の授業から試験形式の授業へ変化するとともに、ひっかけ問題や盲点を突いた質問など、設問自体の難易度が上がるため点数が伸びず、勉強そのものが苦しくなるのです。
この時期に必要なのは知識を点から面に広げ、学力のレベルを全体的に上げる「鶏がら勉強法」。単なる「暗記」から流れを「理解」することに軸足を移し、知識の広がりを支援していました。
具体的には≪渾身シリーズ≫≪マイベスト記事≫などのテーマで、執筆陣が、各々の観点から学びを提供していたかと思います。

 

【6月~7月】
予備校では一次試験を迎えるにあたり模試を実施します。まずは受けさせて試験に慣れさせると共に「ここまで来れば、あと一か月で合格できるよ」と受講生全員を後押しします。
当ブログでは試験本番と意識して、それこそ食べるものから、当日読むファイナルペーパーまで意識させる徹底ぶり。420点を意識するどころか、500点越えを狙わせます。

 

【7月直前期】
予備校では最後の追い込み、そして意外にも超直前期は、本人に全てを任せた“放置”となります。またオプションなどで最後の学生支援をおこない、これまで学んだ集大成として一次試験を本人の絶頂期で迎えさせる、それが予備校のスタイルです。
当ブログでは、模試前まで徹底していた知識を広げる学習方法から一転、一日に複数科目を学ばせる「試験当日に向けた頭の切り替え」学習や、これまで学んだ知識を確実なものとする「知識の完全定着」学習。中小などの覚えにくい単純暗記を脳の余剰スペックで対応する「丸暗記」学習など短期的に効果の出る手法に転換します。

 

 
さて、両者のもっとも大きな違いはなんでしょうか?

 

 

「420点」と「500点」へのこだわりの違い?

 

 

私は違うと思います。

 

 

では何が違うのかというと、“最善に仕上げる時期が違う”と私は考えています。誤解を恐れずに言えば、予備校は一人でも多くの方に一科目でも多く合格してもらうことが企業としての目標であるはず。模試の結果が悪くても、叱咤激励しながら全員を1次試験会場まで連れて行き、直前まで最善を尽くせるようあらゆる手段を尽くしつつ全力疾走をバックアップしてくれます。
それが予備校で学ぶ受験生の特権であるし、否定するつもりもありません。

 

でもこれをやると試験が終わった途端、ホッとしてしまう人が確実に一定数いるんですよね。頑張った自分へのご褒美として、しばしの休息をするにはお盆はもってこいのタイミング。7科目合格しなかった友人に「すごいね」と言われ、家族に「よく頑張ったね」と言われて余韻に浸る。

 

 

あれ?そこ目標の最終地点だったっけ?

 

 

当ブログは、予備校の模試で420点を大幅に越えるよう毎年煽ります。それを達成するのが至難の業であることは執筆陣一同、百も承知なんです。例えば420点越えを達成するために、コンスタントに週25時間以上の勉強時間を確保し続けるなど、相当自分自身に負荷をかけなければいけません。

 

 

でもそうやって負荷をかけることでメリットが3つあります

 

一つ目は、強い学習耐性が構築されること。8月からの2次の勉強は、1次免除の受験生を交えて、今まで以上の激戦になります。そんな中、本番でなく模試までに420点を越える実力をつけた受験生は、相対的に瞬発力のある学びの土壌が醸成されます。そのため短期間で実力向上を課せられるストレート生でも、10月までに確実に合格圏内まで実力をアップすることができるのです。

 

二つ目は心に余裕をもって1次試験に臨むことができること。自分を信じて、心に余裕を持った状態で試験を受ければ、例えばうっかりミスやちょっとした見落としを回避することができるでしょう。また隣の席の貧乏ゆすりに、過剰に反応することも無い。

 

三つ目は、1次を通過点として認識することができること。1次の心理的ハードルが下がれば、2次を意識しながら1次試験に取り組むことができます。1次試験終了後、すぐに次の行程(2次の学習)に進むことができること。実はこれがのちのち、大きな違いとなります。

 

例えて言うなら、世界陸上の時、100m走で優勝候補の選手は、予選の最後10mは後ろの選手を見ながら、流してゴールしますよね。彼らは予選を走りながら、すでに本選の事を考えて、体力を温存しながら走っているわけです。皆さんで言えば、2次を見据えて1次を走る、そんな感じでしょうか。

 

 

先日の模試で420点を越えた人は、今までのペースで、慣れた問題集などを使いながら本番までの知識の定着を図ってください。60点に届かなかった科目を中心に学びを深めながら知識の定着を目指してくださいこれまで学んできたペースを落とさず、努力を重ねることが2次の勉強開始の際、役に立つのです。

420点を越えなかった人は、ここからが勝負です。点と点の知識を線、面展開できれば一気に得点が伸びます。ここから思いっきり走ってください。

 

 

そして試験3日前、自分自身を俯瞰するのです。「よし、大丈夫だ」と。

 

このリラックスした気持ちが持てるかどうかで、試験終了後の行動が分かれます。当日は自分の持っている実力を、紙面上にマークして置いてくるだけ。マークシートなので、誤字脱字、字の汚さは関係ない。実力に対して不確定要素は最小限なわけです。

 

そう思いつつ、1次試験を終えた人が、当たり前のように」2次試験の勉強をすぐさまスタートさせることができるわけです

 

こんな直前期で、こんな全体を俯瞰するような大きめな話題を提示してすみません。でもこの時期だからこそ、自分の実力、立ち位置、そして学びの原点である皆さんの初心などを少しだけ思い出してもらいながら、最後の時間を大切に過ごしてほしいと思うのです。

 

一人一人の歩んできたこれまでの学び。必ずや実を結ぶと信じています。
皆さんの健闘を期待しています。

 

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