【Sランク座談会】 得点開示の経緯と展望(上)
こんにちは、牛嶋・寺前・和田法律事務所の弁護士岡崎教行です。
今日は、自分の担当日ではないのですが、今回の診断士二次試験の得点開示を受けて、先日緊急に実施した歴代の一発道場ブログ担当者有志により行った座談会の内容をご報告したいと思います。
議事録を公開しますので、どうぞ。
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一発合格道場座談会議事録
1 日時
平成27年4月24日午後7時~午後9時
2 場所
都内某所
3 出席者
ふうじんさん 平成21年度合格
くれよんさん 平成22年度合格
うちあーのさん 平成23年度合格
ひめさん 平成23年度合格
岡崎教行さん 平成26年度合格
4 議事
ふうじん(司会):この座談会は、なぜ今回の得点開示が認められたか、またこの開示が今後どのような影響を及ぼすかを考えるため、当ブログ執筆陣の中でも特に「2年目Sランク」を呼ばれる3人に、無理を言って集まっていただきました。ではまず、今回の得点開示請求に至った経緯から確認していきましょう。
くれよん:えっ、なんですか、それ?得点って開示されるようになったのですか?
ふうじん:はい、そうなんです。知らなかったですか?
くれよん:はい、最近、忙しくてブログ見れてませんでした。
(・・・くれよんさん、スマホで一発道場ブログを見始める・・・)
ふうじん:では改めて、今回の一連の経緯につき、岡崎さんから説明をお願いします。
岡崎:まず、どうして情報開示請求をしたのかという点からご説明しますと、私が司法試験に合格したのが平成13年だったのですが、その当時は、診断士と同様、「不合格者には科目ごとの成績ランクが開示されるものの合格者については開示がされない」という運用がされておりました。しかし、平成18年頃なのか、正確にはわからないのですが、司法試験では、現在は、「合格者、不合格者全員に、順位と点数が通知される」という運用になっています。しかも、昔の順位等も、開示請求をすることによって開示されるということを聞いておりました。そのため、診断士でもできるのではないか、と思い、開示請求を行うに至った次第です。
ふうじん:いつ頃、請求しようと考えたのですか。
岡崎:合格直後すぐですね。ただ、実際に請求したのは3月14日でした。
ふうじん:思ってから請求までに若干期間を要したのは何か理由がありますか。
岡崎:法律を調べていたんですね。法律等を調べて、どこに請求すれば良いのかを考えてました。具体的には、経済産業省にするべきなのか、中小企業庁にするべきなのか、診断協会にするべきなのかを調べていたのですが、業務の関係であまり詰めきれなかったので、3か所に一斉に開示請求をしたということになります。
ふうじん:3月14日に申請してどうなったのですか。
岡崎:3月14日に、配達証明郵便で開示請求を3か所に送りました。3月14日が土曜日だったのですが、月曜日の3月16日か、3月17日か忘れましたが、確か経済産業省から連絡があり、「開示請求された情報は保有していない」という話がありましたので、そちらについては、取下げをしました。その後、3月20日の夜中に飲んで家に帰ったところ、診断協会から封書が届いていたということになります。封書をみると、3月18日付けで開示の決定がされ、自分の事例ごとの点数とランクが通知されていました。
ふうじん:開示決定を見てどうでしたか。
岡崎:いや、まじびっくりしました。自分の想定では、個人情報保護法25条1項2号(編集者注:「個人情報取扱事業者の業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがある場合は、その全部又は一部を開示しないことができる」)を理由に退けられると思っていたので。
ふうじん:ではこの経緯を聞き、他の皆様から感想をお願いします。
うちあーの:革命ですね。これまで合格者については、各答案、4段階の評価もわからなかったわけです。そして、不合格者については、各答案、4段階の評価しかわからなかった。これらが、全て100段階の評価がわかるようになったというのは正に革命ですね。
くれよん:発想にびっくりですね。診断士とは別の世界の方々が別の視点で、このような行動に至り、開示がされたというのは、まさに「新結合」だと思います。
ふうじん:得点が開示されたということを受けて、周囲の方々の反応はいかがでしたか。
うちあーの:私も得点開示を知ってびっくりし、同期とかにも伝えたのですが、みなびっくりしていましたね。「早速開示請求してみる」とみんな言ってました。
岡崎:私は、金曜日の夜中に道場ブログに記事をアップしました。そしたら、ふうじんさんが、それに対応する記事を、土曜日朝9時 と 日曜日の朝6時 に矢継ぎ早に投稿されていて驚きました。そのあとは、僕の記事のコメント欄にコメントがたくさん入って、拡散していったというのが今までの経緯ですね。
ふうじん:3月14日に開示請求、3月18日に開示決定とは、診断協会の対応はかなり迅速ですね。その点はどうでしょう。
岡崎:補足をすると、3月14日土曜日に発送したので、3月16日の月曜日に診断協会に書類が届いた、そして、3月18日に開示決定をした、ということは検討期間は厳密には3日間ということになります。
うちあーの:得点開示が迅速になされたことから想定できるのは、2つ。1つは「前例があった」ということ、もう1つは「開示請求があった場合の対応を決めていた」。そのあたりがあるのかなと思います。
岡崎:ただ、何となくですが、これまで情報開示の事例があれば、即座に広まっていたと思うんですね。なので、僕が初めてだったような気がします。
うちあーの:そうなると、開示請求された場合の体制を決めていたのですかね。
岡崎:僕はそう思います。
ふうじん:その後、診断協会は4月1日付で、情報開示請求時の申請書 のブランクフォームをHPに公開しました(編集者注:左記のリンクは、中小企業診断協会の「診断士試験に関するよくある質問集」のページに添付されているワードファイルへのダイレクトリンク)。この中で、請求があれば公開する個人情報として「受験番号」、「受験した科目ごとの得点」、「受験した科目ごとのランク(第2次試験の筆記試験のみ)」の3項目を明示しています。このように、情報開示項目と請求手続きが明確になったことで、開示請求への抵抗感が薄まりました。
くれよん:いつまでさかのぼって教えてくれるんですかね。
ふうじん:平成21年(2009年度)の私のデータを開示請求した所、「個人データの保有はありません」という回答でした。H23年の個人得点データが開示されているのは確認済なので、H22年のデータがあるかないか。また個人データの保有期限はMAX5年ということでしょうか。
くれよん:診断協会の申請書ブランクフォームやQ&Aには「何年以降の情報が開示される」と書いてないのですか。
岡崎:書いてないですね。
ふうじん:さて、開示請求が公に認められたとすると、今後はどうなるでしょう?
うちあーの:多くの受験生が公開申請をすることになりますね。せっかく受けた2次筆記試験の得点が何点だったかは誰もが知りたいし、受験校が集めた再現答案の分析精度を高めるのに、欠かせない情報でっすし。
くれよん:司法試験では、開示請求をすると得点と順位が開示されるのですか。
岡崎:現状は、開示請求をしなくても全員に通知がされると聞いています。
くれよん:そうなると、診断協会としては受けて裁くオペレーションは手間がかかるので、近い将来、点数が通知されるという運用に変わる可能性がありますね。それから、採点の仕方には影響あるんですかね。
ふうじん:USCPAは75点で合格する試験ですが、点数でなく「スコア」と称し、統計処理や没問(加点も減点もしない問題)を入れて選抜精度を上げています。診断士もそれ位はやっていて欲しいですね。
岡崎:今回の開示請求では、「順位」も開示を求めたんですね。でも、「当該情報はない」という結果が返ってきたんです。それって、いままで、相対試験だと思っていたのですが、絶対試験ということになるのでしょうか。
くれよん:60点以上合格と言う点では絶対評価なのでしょうが、得点調整等が入ったりとかもあるので、実質は相対評価となるのではないでしょうか。
岡崎:ところで、予備校が、今現在、点数を収集しているという情報には接していないのですが、どうなのでしょうか。
くれよん:間違いなく集めて分析するのではないでしょうか。100段階になったことによって、N数が増えれば増えるほど、分析も高まる。これまで予備校が集めていた再現答案に点数がひもつくことで、分析の精度が高まると思いますね。
うちあーの: N数が増えるほど分析の精度も高まるという意味では大手の予備校ほど有利ですね。
ひめ:ただ、再現答案の精度もありますよね。再現答案の精度に問題があるという理由で「あまり分析しても意味がない」と考える講師もいそうですね。また、事例毎の得点は出たけれども、設問毎に何点獲得しているか分からない。例えば、「全ての設問を万遍なく得点出来て80点」なのかもしれないし、「ほぼ完ぺきな回答だったけど、ある設問をごっそり落とした結果80点」かもしれないわけです。なので、分析の精度はある程度高まったとしても、限界もあるかな、と思います。
くれよん:でも、再現答案と点数をひもつけたものの分析って面白そうだなぁ。やってみたいなぁ。
うちあーの:そうですよね。
岡崎:素朴な疑問ですが、今回の情報開示によって、合格者答案の分析本って売れなくなりそうな気がしますね。というのも、これまでの合格者の答案としていろいろと分析をしてきたものの、これからは合格答案がわかるわけで、しかも、点数が90点とか、そういうものをいくつか集めれば、それで正解がわかってしまうので。
うちあーの:確かに、そういう見方もありますね。今回、70点以上をSランクとして、「道場まとめ 2次試験Sランク解答の決定版!」に随時掲載していくことにしましたが、「分析本を買わなくてもそれで十分!」という受験生が増えるかも。それから、小問ごとの点数まで出れば、より分析もしやすくなるよね。
岡崎:先ほど指摘のあった「再現答案の精度」という課題がありますし、また、「小問ごとの点数」が明らかになれば、飛躍的に分析の精度が高まると思いまして、情報開示請求の第二弾として、新たに「小問ごとの点数」と、「自分が書いた答案の写し」の開示請求をしましたが、個人情報保護法25条1項2号を理由に退けられました。それが意味することは、さっきの話にもありましたが、得点調整をしている可能性があるということだと思います。断言はできませんが。
くれよん:冒頭に話があった岡崎さんの開示請求に対するコメントですが、道場としては、単なる興味本位でやっているのではないよ、という点、誤解のないようにしないといけないかと思います。他の試験でも開示されていて時代の流れということもあるのですが、やはり受験生のため、試験の公平性のためという点、誤解のないように情報発信していく必要があるのかなと。
ふうじん:そうですよね。沢山努力をして合格すべき人が合格する、そういった試験になって欲しいですね。
岡崎(ここで司会交代):さて、次なのですが、得点開示結果を踏まえて、「どう対策するか」という本日の主題に入りたいと思います。事例Ⅰ~Ⅲと事例Ⅳとでは毛色が違うので分けて考えたいのですが、これまで道場において把握している点数を見る限り、平成26年についていうと、事例Ⅳで合格している人が多い、とりわけ私なんかもそうですが、そういった傾向があるように思います。今後の勉強にあたって、事例Ⅳはどのように位置付ければ良いでしょうか。
うちあーの:スト生は事例Ⅳで稼ぐというのは前々から言われていることですが、実際の点数を見ても明らかですね。多年度生と比べて2次対策期間が短いスト生は、事例Ⅳで稼いで合格するというのが特徴です。岡崎さんなんかもそうでしょ。
岡崎:はい。事例Ⅳはどのように位置付ければ良いでしょうか。
ふうじん:ボーナス得点ですね。今回分かったのは、総合で240点取ればよいということで、スト生のたまたま合格とは「多年度生より他事例は点が低いが、Ⅳの高得点で逆転してしまうこと」だと考えられます。
うちあーの:スト生は事例Ⅳ、多年度生は事例Ⅰ~Ⅲもしっかり対策して武器にするということでしょうかね。
くれよん:事例Ⅳについていうと、スト生にとっては攻めの武器、多年度生については守りの武器ということにあるかと思います。
ひめ:確かに、特に事例Ⅰと事例Ⅲって、テクニックが必要となる面が多くて、多年度生にとって有利ですよね。
ふうじん:「スト合格とは、事例Ⅳでたまたま合格」ということが、改めて示されましたね。
岡崎:はい、私、その領域の人間です。
ひめ:でも、スト生って、11週間しかないわけで、スト生の戦略としては王道だと思います。
ふうじん:さて、事例Ⅳだけで合格してしまうのは、試験制度としてアリでしょうか?
岡崎:ありなんじゃないかと。そうでないと僕受かってないですから。そこが、公認会計士や税理士が受かりやすいと言われる所以かと。事例Ⅰ~事例Ⅲって出たとこ勝負な感じがあるし。
ふうじん:不合格者にすれば不満が残りますが、資格試験はあくまで「合格したもの勝ち」ですし・・。
岡崎:司法試験のときに思っていたのですが、複数の論文試験って、みんなが書くであろう答案を全て並べることができれば、それだけで合格すると思っていたんですが、診断士も同じ感覚で受けてましたが、どうでしょうか。
うちあーの:そうだと思います。みんなが書くであろうことを落とさなければ悪くて引き分け。実際、勉強会でも答練や模試の後に答案をメンバーで共有し、ディスカッションしていました。
岡崎:ちょっと話が前に戻ってしまうのですが、相対試験が絶対試験かに関わるんですが、診断協会として、毎年何名を目安に合格させるってあるんですか。
ふうじん:あると思いますよ。
岡崎:事前に公開されるんですか。
くれよん:いや、事前に公開はされてないですね。
ひめ:本当かどうかわからないけど、翌年の実務補習の定員数の調整もあるから、およその合格者数を何名にするか、あらかじめ決めている可能性もありますね。
岡崎:司法試験だと、事前に約何名合格するっていうのが発表はされてるんですよね。そうなると、毎年、何名受からせるかはわからないわけか。そうなると、やはり絶対評価、240点以上取った人が合格ということになるんですかね。
くれよん:即、そういうことにはならないと思います。事例ごとの個別の点数をどうつけるかという問題は別なので。
ふうじん:確か、一次試験で、平成22年と平成25年に得点調整が入ったでしょ、あれって、得点調整しないと一次試験合格者が5000人程度にならないってことだから、およそ、合格者数は事前に決めているよね。だから、二次試験でも、個別の答案の採点過程で得点調整をしている可能性はあるね。
岡崎:ちょっとまた脱線してしまうのですが、よく口述試験って、点数が悪い事例を2つ選んで聞かれるっていうじゃないですか。僕は正に、事例Ⅰと事例Ⅲを聞かれたんですよね。そして、確か、きりさんだったかな、きりさんも、そうだったという情報が寄せられているんですが、いかがですか。
うちあーの:僕は違いましたね。事例Ⅰと事例Ⅲを聞かれたけど、事例Ⅰが一番点が良かった。
ふうじん:私はⅣを聞かれたけど?でも、苦手な事例を重点的に対策するのは悪いことではないし、都市伝説としてそのままにするのが良いね。
ひめ:3事例聞かれたって人もいるので、関係ないと思いますね。
岡崎:ところで、うちあーのさんが、「道場まとめ 2次試験Sランク解答の決定版!」を作成してくれましたが、AとSってどう違うんですか。
ふうじん:Sランク合格の名付け親のくれよんさんに解説いただきましょう。
くれよん:Sランク合格というのは、野球でいうとストライクゾーンがあって、その範囲であれば、空振りをしないような太いバットを持ってヒットを打つというイメージです。安定度が高い。ストライクゾーンに来た球をホームランする技術はあるんだけど、それを狙うと空振りの可能性もある、その危険を冒さないで、しっかりとヒットを打てるようにすると言うイメージですかね。
岡崎:イチローと松井の違いみたいなものですか。
くれよん:確かに、イチローも、ホームランを打てる技術はあるけど、それは狙わないと言ってたかと思いますしね。
うちあーの:Sというのは、「安定」ってことであって、「得点が高い」ということと同義ではないんですよね。道場まとめでは、単に「点数の高いもの」をSランクと位置付けてますが、本来の意味でいうSランクは違う。難易度にもよるけど高得点を狙うということはその分リスクが高まる。Sランクは「難易度を判別でき、80分で難易度に応じた対応ができる」ということ。僕は某予備校のある先生のクラスに通っていたのですが、本試験が終わった直後に再現答案を作成し、先生と受験生で集まって、どの要素をいれたかどうかを1つずつ検証するんです。ある要素について半分以上の受験生が入れたものについては、必要な要素と位置付けて、その要素は外してはいけない、それを足していくと合計で160点くらいだった。それ以外の要素は当たったり当たらなかったり、いずれにせよ、ばらけているから勝負所ではない。当然難易度により異なるけど平成23年の場合、この160点を確実に取れているのがSランク。
ふうじん:事例の文章量・計算量って、80分では解けないよね、時間的に。
うちあーの:そうなると、みんなができる問題はどれかを探す嗅覚が必要になりますね。事例Ⅳの場合、経営分析は取らなければいけませんよね。
岡崎:今回の得点開示でわかったのは、AAAAでなくても合格するってことですよね。合格者の答案の中にも、C答案はあると。「ふぞろい」とか読んでて、「なんでこの答案で合格するの?」という疑問を持ったこともあったのですが、その理由が分かりました。さて、盛り上がってきてますが、そろそろ時間も押してきましたので、最後に、一言ずつお願いします。
ひめ:今回、得点が開示されましたが、受験生がやることは変わらないと思います。うちあーのさんのおっしゃった、半分以上の受験生が書くであろう要素=160点分、を解答に盛込む勉強をしていけば、合格ラインに到達するってことですね。
うちあーの:私も同意見です。今回のことによって、道場などで、独学生も合格答案がどういうものかという情報を手に入れることができるようになった、これは大きいでしょうね。再現性の問題はあるけど、実際の合格答案を並べてみれば対策を立てることもできる可能性がある。さきほどの、道場まとめでは、70点以上の答案を集めて掲載することによって、独学生と通学生の情報格差が小さくなるというのはあるでしょうね。
ふうじん:得点開示によって、独学者も有利、多年度生も有利になり、スト生も有利。要するに全員が有利になる。その材料をどう判断するかの個人の才覚で合否が決まっていくはず。
くれよん:今回の得点開示は、分析が進むという点で良い影響があると思います。ただ、逆に、ダークサイドに落ちてしまう人もいると思います。すなわち、人間って、点数が出れば、高得点を取りたくなるのが性じゃないですか、それを狙ってしまう、中途半端な人は、高得点を狙って自滅する可能性はあるんじゃないですかね。そういう意味では、毒にも薬にもなる劇薬って感じですね。ひねくれ者なので、こんなことを感じました。
くれよん:大事なのは、ヒットを打とうと思って打てること、要するに、狙いと結果の一致なんですね、それを近づけていくことが合格への近道なんではないでしょうか。あと、予備校がどう脱皮するのかは見ものですね。
岡崎:予備校の答案って、あれ書けば点数が高いって本当に思って公表してるんですよね。得点開示で90点とかの答案が明らかになるわけで、それと予備校の模範答案が離れていたりしたら、予備校も困ってしまいますね。
ふうじん:今回のことで、どういう答案が良い評価なのかがよりわかるようになったわけで、そうなるとみんなの答案のレベルって上がるのかな?と思うんですが、どうでしょう。
うちあーの:みんなの答案レベルが上がるということではなく、できる人はより確実に点数を取れるようになり、その結果、差が広がるということだと思います。情報の集め方、使い方がより求められるってことになるんでしょうね。うまく使った方は合格する一方で間違って使った人はダークサイドに落ちる。よりコンサルのスキルが問われる試験になりますね。
くれよん:合格ライン上ゾーンでの入れ替え戦がおきそうですね。僕は多年度生に有利になるような気がします。
岡崎:ありがとうございました。全く関係ないんですが、今回の試験、僕個人的にはめっちゃ辛かったんですよ。というのも、司法試験のときって、学生なので勉強時間もたくさんあって、予備校の答練で良い点数を取って、その先に合格があると思って、合格したという経験があるんですね。だけど、診断士の試験ってそうじゃなかった。そのために、どうすれば合格するのか、すごく考えましたね。事例Ⅳの公開模試なんて6点ですよ。
ふうじん:そこから本試験79点って凄いね。
岡崎:某予備校の「事例Ⅳ特訓」って講座を受けて、それしかやれませんでした。授業は受けずに直前答練だけを一次も二次も受けましたが、1回も合格点がとれなかったし、つらかったです。しかも、予備校によって過去問の答案の方向性が異なるものが結構あって、何を信じればいいのか・・・。司法試験で予備校で解答の方向性が割れるって殆どなかったんですよ。
くれよん:岡崎さんの話を聞くと、司法試験と診断士では、受験校の本気度が違うのかもしれませんね。やはり予備校に頑張ってもらいたいなぁ。N数がたくさんあるんだから。これまで正解や採点基準が謎だったため、PDCAでいうCからAに繋がらず、PDCAサイクルが重要だと言っておきながらもサイクルが途切れていた。それが今回、点数が開示されることによってCの精度があがったので、より適切なPDCAサイクルを回せるようになるのではないかと思います。その意味でも、予備校には期待したいですね。
岡崎:ひめさんがさっきおっしゃった再現答案の精度についても、確か、僕が司法試験を受験したころの予備校は、試験が終わった次の日かに会場を開放して、再現答案を書かせる場を提供し、なんかしらの謝礼をしていた記憶がありますが、診断士ではないですよね。
くれよん:そうですね。翌日集めてやることまではしないですね。
岡崎:最後の最後ですが、何かありますか。
ひめ:得点開示はされましたが、くれよんさんの言うとおり、「高得点は狙わない!」、これはとても大事ですよね。
うちあーの:その点は強調したいですね。結果的に高得点になるのは大いに結構だけど、狙うのは「難易度に応じた安定得点」ですね。
岡崎:以上をもって、本日の座談会を終了します。本日はありがとうございました。
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(Sランク座談会(上)はここまで。GW頃公開予定の(下)にご期待ください)
handys97様
早々にご友人の再現答案をお送り頂き、心より御礼を申し上げます。早速、【道場まとめ】2次試験Sランク解答の決定版!に掲載させて頂きましたのでご確認頂ければ幸いです。
おかげ様で直近平成H26年が事例Ⅰ~Ⅳまで一通りそろいました。さらに事例Ⅲ以外はすでに複数掲載されているので、それぞれを比較分析も可能になってきました。
今後もできるだけ数多くのSランク情報を掲載し、handys97様およびご友人の方々からご提供頂きました情報がさらに受験生の参考に資するものになるよう継続的に努めて参ります。
これからも何卒よろしくお願い申し上げます。
うちあーの様
早速のご対応ありがとうございます。
結婚同期ですか?奇遇ですねぇ。
しかも「海外」とは。うちは名古屋の片隅で・・・
と、よしなしごとは置いといて、
友人の再現答案開示の件は交渉してみます。
了解が得られたら、事務局あてお送させて
いただきます。
よろしくお願いいたします。
匿名様
なごです。私の拙い結果で良ければ公開させて頂きます。
1年目
70/45/44/64
2年目
64/67/60/86
でした。
これまでの合格体験記などにも書かせていただきましたが、2年目の二次集中の勉強は決して冗長でなく、厳しくも全力で駆け抜けた1年でした。
試験が終わった後、
昨年の自分にこの答案は絶対書けない!
これが私の試験が終了した瞬間の偽らざる感想でした。
結果的にそれが数字となって現れたこと、嬉しく思っています。また今後、二次の話題についても触れていきたいと思います。
ちなみに今年は出題者側である試験委員の皆様が、大幅に入れ替わったとの情報があります。そのため、今回の開示とは関係無く、来年の出題傾向が変化する可能性があります。
試験に通るテクニックでは無く、本質を攻める話題として、若輩ながら執筆できたらと考えております。
handys97様
貴重なコメント頂きありがとうございます。
またハンドルネームに誤りがあり大変失礼致しました。謹んで訂正させて頂きました。
実は私うちあーのが結婚したのも同じ97年。当時住んでいたイタリアは気候に恵まれワインの当たり年でした。間違っておきながら恐縮ですが、handys97様に勝手に親近感を感じてしまいました m(_ _)m
handys97様の周りの方も開示請求されたのですね。
80点超の方や大設問丸々空欄だったのに70点の方の再現答案は、後進の受験生の方々に大いに参考になると考えます。
つきましては、もし再現答案を作成されていて、かつ公開することに支障がなければ、ぜひとも道場まとめに掲載させて頂きたいと考えますが如何でしょうか?
公開可能な再現答案をご寄稿頂けることとなった暁にはうちあーのが責任をもって(HNも正確に^^)掲載させて頂きます。不躾なお願いであることは重々承知の上ですが、ご検討頂ければ幸いです。
合格された方が良い点を取っているのはやはり素晴らしいです。また私も得点請求をし、45・58・52・55のCBBBでした。自分の弱点がわかりました、といいますか全然ダメですね。昨年不合格の方がどのくらいの点数だったかをもっと知りたいです・・、というお願いはムリでしょうか?
一発合格道場の皆さんこんにちは。
岡崎様の開示請求にチャッチャと追従して、第2弾をご報告いたしましたhandys97と申します。
合格後、大阪の勉強会で受験生の方のお手伝いをさせていただいていることもあり、引き続き楽しく拝見しております。
今回の件につきネガティブな意見をおっしゃる方もいらっしゃいますが、私は、岡崎様がもたらせて下さった、全受験生や受験生の支援者にとって本当にありがたい突破口であったと大変感謝しております。
そして、協会の対応や開示されたペーパー、対応に要した期間(私も1週間でした)等を見る限り、事前にコンピュータ登録されていたものを事務的に打ち出した程度の話で、そんなにご迷惑をおかけしている様な様子ではなさそう(事前準備済み?)と考えております。
従って、今回の手続をしっかり活用して、可能な限りデータを集めて皆さんのお役に立つ形で分析できれば、受験生の方もまっとうな勉強法で対処し、教える側も誤った小細工をせずにすむようになるのではないでしょうか。
おそらく、今回正式手続の「代理人による申請」は受験機関による大量申請を想定しているものと考えてます。
また、協会の対応を見る限り、点数通知の様式をキチンと整えており、今後の合格者への成績通知も視野に入れているような気さえ致します。
さて、分析についてですが、私の周りでも、何人かの方が開示請求を行って、結果を教えてくれました。
ある科目が足切り直前だったのに他の科目が80点超で救われた方や、大設問丸々空欄だったのに70点(ということは回答した設問はほぼ満点のはず)という方の答案内容が思ったよりシンプルだったり、やはり開示請求で得点を教えてもらって、初めて判ることも、多々あるような気が致します。
私は、「基本絶対評価で、素点の上積みあり、ポイントをキチンと掴めば、ゴチャゴチャとキーワードと詰め込まなくても満点をくれる。もしかしたら、出題者はしょっちゅう試験を行なってる大学のエライ先生なので、問題の難易度の調整によって合格者の人数調整ぐらい可能な経験的ノウハウがあると思っている。間違えたら、素点で修正。」なんて、自分勝手に想像してました。
いずれにしても、岡崎様のおかげで、関係者のモヤモヤ感がかなり少なくなったのは事実ですので、大変感謝しております。
最後に「うちあーの」様にお願いです。
「道場まとめ2次試験Sランク解答の決定版」の栄えあるトップバッターに、私の拙い再現答案を起用して頂き、ありがとうございました。
ただ、私のハンドルネームはhandys92でなく「97」です。ただのハンドルネームですが、97年に嫁さんと結婚した、実は想い入れのある数字だったりします。
可能であれば、変更して頂ければ、感謝倍増です
m(_ _)m。
最後につまらないことをもうしましたが、今後とも、迷える受験生に啓示を与え続けて頂きますよう、期待しております。
長文失礼しました。
宅建クン様、ヤマフリ様
おはようございます。うちあーのです。
いつもコメント頂き、ありがとうございます。
環境変化を捉え、経営者に対して適切な助言を行うのが診断士の存在意義。2次筆記試験の得点開示をイノベーションに値する環境変化と捉えれば、診断士の端くれとして、診断士の登竜門で巻き起こった今回の環境変化に無関心ではいられず座談会の末席を汚させて頂きました。
得点開示の存在・内容・見解を発信していくことは診断士受験生をコア顧客とする当ブログの大切な役割と個人的に考えます。
環境変化を前向きな機会とし、自らの試験対策に冷静かつ客観的に活用した合格者が増えていくことを期待しております。それが結果として診断士の社会的貢献度の更なる向上に繋がれば素晴らしいですね☆
得点の高い答案を分析することは、試験当日における事例企業分析に通じるものがあり、その意味でまさしくうちあーのさんがおっしゃっていた「よりコンサルスキルが問われる試験になる」と思います。
とはいえ、試験に向けての準備・対策としてやるべきことが変わるわけではなく、材料が増えただけ。
私も自分の情報を開示してもらいましたので、弱点をつぶすのみです。
大変興味深い座談会です。
情報開示請求の第二弾「小問ごとの点数」「自分が書いた答案の写し」の開示請求はダメでしたか。
これが認められると「第二革命」とも言え、無理ポと思いつつ期待していましたが、応じなかった事実は意味深ですね。
受験本の販売には得点開示請求が認められただけでも、結構影響があるように思います。
レベルの低い匿名コメントにいちいちコメントを返すのも大人げないですが、この続編(下)を週末に投稿します。匿名様にぜひそちらもお目通しいただき、どのくらいのレベル感のご評価をいただけるか、大変楽しみにしております。
匿名様
コメントありがとうございます。
「もっとやることあるだろうに」とのご意見、おそらくそうなんだろうと思います。もし、こういったことを記事にすればいいのではないかというご意見ありましたら、アイデアをいただければ、ありがたいです。
レベルが低い、私個人的には受け入れますが、他の座談会参加者には当てはまらないと思っています。レベルが低い根拠を具体的に示していただければ、と思います。
いつでも、コメントお待ちしております。できれば、実名であれば、さらなる議論の発展がのぞめると思っております。
暇な人。もっとやることあるだろうに。レベル低い。