平成24年度一次試験をデータで振り返る~二次試験は狭き門に?~

こんにちは。ハカセです。記事を書くのは久しぶりです。

本日は『国家資格』であるところの中小企業診断士の、『国家試験』の一次試験の合格発表日、ですね。

合格された皆さん、合格おめでとうございます

特に、没問で救われた方、マークミスで意外な合格を拾った方、これ奇貨として二次試験も突破できるよう頑張ってくださいね。

残念ながら不合格となった皆さん、本当に残念でした。でも、これまでの皆さんの努力は血となり骨となってこれからの社会人生活の役に立つと思います。再度挑戦するもよし、これを機に別の道を探すもよし。まずはゆっくり休息して、そして、充電が済んだら、皆さんが信じる道を再度まい進してください。

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ところで、今回の一次試験の統計資料を見ていて、「うーん、やっぱりなぁ」と唸ってしまいました。順にみてみましょう。

まず、申込者数と合格率

うん、なるほど、ここ二年間のブームがひと段落し、申込者数は減少に転じたようですね。一次試験が難しかったですからね。それで諦めてしまった人もいるのかもしれません・・・。

そして、(多くの受験生が感じていたように)、今年は全体的に難易度が低下し、合格率は向上したようです。

あんまり重要ではありませんが、ついでに、科目合格率もみておきましょう。

最近は、基幹科目が難しく、暗記科目がやや易化傾向にあるんですかね。

このように、「申込者数が減少して合格率が上昇した」という平成24年度の一次試験は、比較的恵まれていたという見方も出来るかも知れません。(おっと、合格者にも未合格者にも怒られそうな過激な発言。お怒りはごもっとも。種明かしは下方で・・)

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でもね  

この状況、喜んでばかりはいられません。

上記とはちょっと視点を変えて、「合格率と合格者数」というグラフを見てみましょう。

合格率の上昇に伴い、合格者数も増えていますね。

よく見ると、今年の数値は、我々道場の初代執筆陣が合格した平成21年度と酷似しているのです。(つまり、僕らも「恵まれた年度」の一次試験を通過したメンツなのです  )

どうして喜んでいられないのか。

それは、二次試験の合格率が低下することが予想されるからです

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一次試験は、問題を一旦リリースしてしまった以上、難易度を上下に動かして調整することは難しいものです。確かに難しすぎるときには、平成23年度のように「下駄を履かせる」ことができますが、簡単すぎた時には、「やっぱり平均62点以上を合格にします」とは後からは言えないわけです。90分科目の配点で多少調整できるかもしれませんが、まぁ難しいでしょう。

でも、二次試験の難易度を調整することは「いとたやすき」ことなのです。

なぜならば、二次試験は「相対試験」だから。「今年は上位●●を合格にしましょう」という鶴の一声で合否ラインを設定することが出来るのです。

その合否ラインはどこにあるのか。ここ5年間の「合否ライン」は

『上位20%』 または『 950人』

であると思われます。これは過去数年の実績から言っているだけであり、どこかに規定があるわけではありません。

今年は一次試験合格者が多い(3,519人)。そうすると、二次試験申込者は5,000人を超えると思われます。

ここに「上位20%」を適用すると、1,000人以上の合格者が出てしまいます。

(そうすると、来年の2月から3月に行われる、二次試験合格者を対象にした「診断実務補習」への申込者が多くなり、指導員が足りなくなり、診断協会が対応できなくなってしまうのです)

よって、今年のように一次試験合格者数が多い年は、「上位20%」ではなく、「上位950人」が合否ラインとなる可能性があります。

すると、平成24年度の二次試験の合格率は17-18%となる可能性 があります。

「だから何なんだ?」

確かに、その通り

狭き門になろうと、広き門が開いていようと、受験生のやることは変わらないはず。

でも、プロダクトアウトの考え方ではもはやモノが売れない時代。マーケットインを考慮することも重要でしょう。

敵を知り、己を知れば、百戦危うからず

脅すつもりはありませんが、気を引き締めて二次試験対策をとるに越したことはないように思います。

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ちょっとだけ、私論を申し上げますと、「合格率の低下」は、「不思議な勝ちの減少」に結びつきやすいのではないかと危惧しています。

この図は、僕が考える「合格者の分布図」です。


合格率が低下すると、この虫食いの「合格者の分布」が小さくなります。どういう風に小さくなるかと言うと、当然、「上の方に移動」、つまり「番狂わせが少なくなる」方向に狭まると思われます。そうすると、「不思議な勝ち」をする人が少なくなるんじゃないかなぁと予想するのです。

よって、「順当勝ち」が多くなるのかなと。

そうすると、「経験者有利、初学者不利ですね?」と考える人も多いかもしれません。そうとも言えるかもしれません。でも、僕の本音はそうじゃありませんが・・・。

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一発合格道場は、これからも受験生を応援してまいります。

合格者が「得た気づき」、「ハマった罠」を分かりやすく紹介することによって、受験生へのショートカットやベストプラクティスを提供するのが道場の使命です。

(でも、ショートカットを多用しすぎると、全体を見誤りますので、ご注意ください)

道場執筆陣は、少しでも受験生の役に立とうと、日夜執筆に勤しんでおります。

今後ともご愛読頂きますよう、そして「どしどし」コメントを寄せて頂きますよう、お願いいたします。

by ハカセ

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追伸:

主に週末に執筆している初代執筆陣の ふうじん が この記事 で、「ハカセの登場を期待」てなことを書いてくれています。「呼ばれて飛び出て・・・(古い?)」と登場しようかとも思ったのですが、残念ながら二次試験対策については、2010年、2011年で書きつくしてしまいました (^_^;)。よって、残念ながら今後「気合の入った」記事を書く予定はありません。・・・だって、書こうと思っても、過去の自分の記事 と論点が重複してしまうので・・・(+o+)。もしよければ、小職の過去記事 も参考になさってください <(_ _)>。

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平成24年度一次試験をデータで振り返る~二次試験は狭き門に?~”へ3件のコメント

  1. ありがとうございます より:

    早速のお返事感謝します。

    財務は、嫌いじゃないので、1科目集中は

    私の中でも案としてありました。
    簿記部分を強化して、ファイナンスは好きですので
    財務マニアになるくらいやってやるという、考えが
    ありました。

    財務マニアへの道と、銘打って1年間やるのは
    ありですね。忙しいところ返事頂きありがとう
    ござましたを、

  2. ハカセ より:

    >残念ながら様、わざわざコメントを頂き、ありがとうございます。2点・・・(>_<)。ご本人が一番口惜しいと思いますので、多くは申し上げますまい、本当に残念でした。でも、すでに来年に向けての計画を練られているとのこと。本当に頑張ってほしいです。

    さて、お尋ねの件、個人的な意見としては、「財務会計一科目集中」をお勧めします。少々辛口になりますが、一次試験で60点を超えなければ二次試験の事例IV(財務会計に直結する試験です)で合格ラインを突破するのは至難と思われます。ここは「財務会計のみで勝負して一次試験突破できなければその先の診断士試験最終合格もない」という覚悟で、一年間「財務会計まみれ」になってはいかがでしょうか。経済も経営も、来年の難易度は誰にもわかりません。残念ながら様が余程それらの科目の専門家ならともかく、そうでない場合はリスクを高めてしまうのではないかと危惧します。

    もちろん上記だけが唯一解とは思いません。総合的に最適解を見つけていただければと思います。引き続き応援しております、頑張ってください!

  3. 残念ながら。 より:

    昨年、4科目残して相談をしたものです。
    4科目に集中した方が良いとのアドバイスを頂き
    2年目受験しましたが、2点足りず敗退しました。

    財務が、1科目残ってしまうというかなりリスキーな
    感じです。そこで、ご相談なのですが、私の中で
    2次に重きをおき、1次としたいと思っています。

    すでに、お気づきだとは思いますが、1次は
    財務のみで、勝負したほうがいいのか、それとも
    何かしら補填したほうがいいのか、悩みます。

    みなさんの、ご意見お聞きできれば、幸いです。
    来年の経済が易しくなるようなら、受けてもいいかなとか
    企業経営を受けようかなとか、まだまだなんとも
    言えないような状況です。

    お忙しい中かとは思いますが、お返事頂けましたら
    うれしいです。

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