2次試験:多面的解答の切り口について【中小企業診断士試験】

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皆様、こんにちは。3chです。
今日も道場ブログを読んでいただき有難うございます。

4連休の勉強の進捗状況はいかがですか?今年は2次試験までこれが最後の連休ですね。
私も昨年のこのあたりから勉強を加速させました。今のままでは絶対に受からない、これまでこれだけ時間とお金をかけてきて受からないともったいない。来年同じだけ勉強できる機会があるとは限らないですからね。是非連休後半も悔いの残らないように時間を使いましょう。

さて、本日は、一年前を振り返り、与件の読み方や設問解釈の精度が、ダメダメだった以前に比べてたら少し上がってきた(ような気がした)ときの気付きについて、記事にしたいと思います。

それは、「多面的解答」についてです。

1.多面的解答-大事だとわかってても出来ない

特に初学者の方、過去問・模試の事例数を解いた後、それなりに解答を書けたつもりでいても、現実は中々点数が伸びない、模範解答と比較すると全然ズレている、、そんな状況で苦しんでいませんか。

日本語表現力や論理展開の次元の課題もありますが、私の場合、そもそも多面性をもった与件の読み込み、記述ができていない、といったことがありました。

「強み」を問われる設問でも与件文でこれだ!と思った例えば長年蓄積された生産技術力についてのみ飛びついて記載し、そこそこ書けたつもりで予備校の模範解答を読むと、例えば地域密着の営業力について記載が漏れているといったことが何度もありました。「生産技術面」で強みがあれば、もう一方「営業面」はどうなのか。中小企業診断士として、もう一面に即座に回り込ん多面的視点で即座に与件企業を把握・分析する、という観点が、言葉でわかっていても実践できていない。限られた時間でアウトプットできていない。そんな自分の解答レベルがもどかしく、相当しんどい思いを持っていました。(当時は時間をものすごく掛けたらできるかもしれない、と思っていましたが、それは自分への言い訳で多分時間を掛けても大してできてなかったはず。)

ここが私が診断士試験で苦しいと思った点の一つです。私は高度情報処理技術者試験をいくつか経験してきましたが、基本的に記述内容は具体的で一意に特定される。(論文はまた別です。)試験といえばそうした問題・解答に慣れていたので、逆に診断士は一層苦しく感じました。「診断士脳」に切り替えないとダメだなと思い立ちました。

2.抜け出した(と後から振り返って思える)方法

そのような状況を抜け出した方法をご紹介します。といっても、スマートな手法や凄いノウハウで切り抜けたわけではありません。

道場BlogやStudyPlusの投稿等を参考に以下の通りの泥臭い手順を試行錯誤しながら、焦りもがきながら掴んだ(気がする)感じです。これが効率的な方法で、万人受けするとは全く思っていませんが、もともとそんなに素養があるわけではない私が診断士脳になって「多面的解答」ができるようになるために、試行した1つの参考事例としてお読みいただけると幸いです。

(実際にやった内容)

①設問文と模範解答を写経。
ただ、単純に写経ではなく、一文の言い回しを覚えるように写経しながら覚える。全体をそのまま。

②模範解答がどのような面で切っているか、切り口を記載。
「設備(ハード)面」「ノウハウ(ソフト)面」とか、「組織構造」「組織文化」とか。模範解答を読みながら切り口のセット(基本は対)をノートに記載します。ちなみに2次試験対策では、書く力をつけるため、ひたすら手書きでノートにアウトプットすることを意識していました。(Excelなどで綺麗な資料を作ることは一切していません)
※自分のノートをベースに具体的な切り口集を最後に記載していますので、参考にしてください。

③切り口に対応する模範解答を転記
抽出した言い回しで、自分が納得する言い回しをそれぞれの切り口に応じて追記。これにより、切り口に具体性を持たせるためです。ここでは自分の思いついたベスト解答ではなく、あくまで自分が持ってない(すっと解答を書けない)解答を取得するという観点から、予備校の模範解答としました。ここを自分の力で考え抜いて書くというのがベストなのかも知れませんが、私の文書力がその域に達していなかったので、とにかく慣れることを重視して模範解答を切り出していました。

④スキマ時間で思い出してメモ書き
これが私にとって結構重要でした。最初翌日にやってみたら、全然できないことに気づきました。つまり、ノートに書いたものの上っ面だけで自分自身に十分浸透していない。そのため、②・③に戻ってもう一回清書しながら覚える。あと、重要なポイントは暗記ツールReminDOをつかってある程度暗記ルーチンに回すことで補強しました。知らないパターンは最初は暗記しないと始まらないので、1次試験で使い慣れた暗記ツールを活用してスキマ時間に思い出すようにしていました。

⑤「抽象化ブロックシート」との紐づけ
たんなる多面的な切り口については、英語の試験のように単純な対義語を覚えるような感覚ではなく、いわゆる1次知識との紐づけ(経営学的根拠)が重要だと考え、「抽象化ブロックシート」の該当ページを見て必要な1次知識と紐づけをしてみました。抽象化ブロックシートはReminDOに登録していたため、そこに追記する形で気づきを入力し、切り口に加えて関連知識も合わせて振り返るようにしておりました。
過去問を進めていきながら⑤の繰り返しの中で、抽象化ブロックシートが過去問で問われた論点を的確に整理されていて、そのすばらしさを実感するに至ります。(正確には試験が終わってから振り返ってみてですが・・遅い。。)

⑥ファイナルペーパー化
結果的に上記の成果物が自分にとっての2次の”ファイナルペーパー”となりました。最初からそこまで意識していませんでしたが、本番の各事例の直前に読み返し、とにかく多面的解答を強く意識して書く」と念じ、本番に臨みました。

振り返って評価すると①の写経が効率的だったのかという疑問はあります。私にとっては、書いて覚えることが合ってたので模範解答のような語句や言い回しが引き出しから出せるようになるための唯一の手段と考えてました。混乱期には自己満足に近かったかも知れません。ただ、非効率でも少しでも前に進める感触があったので精神安定にはなっていたと思います。

手書きに慣れていなかった私としては、1次終了から2次までの短期間で、ひたすら手書きで書くという行為を繰り返すことで、字を書くスピードを上げる、20字1行の字数感覚を身につける、という点で”筋トレ”として有効であったと考えます。実際、これだけ書いたから初見問題でも解答用紙埋めることくらいはできるだろう、という(今思えばよくわからない)自信につながったのは良かったですね。手法が合う・合わないは人によって違うのでご参考まで。

 

3.外部の力を借りて検証・ブラッシュアップ

(1)予備校、模試

上記の学習を続けていましたが、AASのオプション講座、模試で試してみるということを行いました。AASのオプション講座の場合、新作事例をその場で解いて当日採点・解説なので気づきを得る点で有効だったと思います。模試はどうしても採点結果がわかるまでのタイムラグがありますからね。模試はあくまで参考程度と位置付けてました。実際先輩方から2次模試の採点は本番とは関係ない、当てにならないと聞いていたので、あまり気にしていませんでした。

(2)勉強会

9月中旬頃からはWeb勉強会(ココスタ)の門戸を叩きました。正直焦っていたのと、他の方の多面的思考を盗みつつ、自分は恥ずかしい思いをして他人から突っ込んでもらおう、と思ったところもあります。
自分の解答は全然自信がなかったのですが、大きくズレていてない部分もありつつ、設問にフィットしていない切り口も見つかり、プラスもマイナスも多くの気づきを得て、モチベーションは高まりましたね。
当時は必死でしたが、今振り返ると他の方へその場で口頭で意見を言うというプロセスにおいて、ものすごく(診断士的)思考を頑張ってしようとしていることに気づきました。勉強会では確かに自分の解答をさらして多面的な意見をもらう、気づきを得ることの効果が高いと思っているのですが、それ以上に他人の解答を分析し、コメントを考えるプロセスが重要と感じます。自分と同じ受験生を目の前に、人前で恥ずかしいアホなコメントはできないというプライドが自分に程よい緊張感を与え、無理やりでも深い思考を促進し、結果多面的思考がブラッシュされた気がします。
私の時は今思えば参加者のレベルが高かったので、片面からしか論じていない人はいないので、もっと違う次元での議論でしたが、(自分も出来ていないことは棚に上げて)「ほかに切り口がないのか」という観点で考える、という点で鍛えられたと思います。中身はともかくも、リアルなディスカッションでこのスピードが上がったように思えます。勉強会でもこうした観点のみを集中的にトレーニングするディスカッションがあっても良いかもしれません。

 

4.普段から意識して定着させる

普段からこの思考プロセスを徹底して定着させいないとダメだと思い、仕事でも多面的思考を心掛けるように強く意識しました。今までしていなかったわけではないですが、常にもう一つの視点がないか、立ち止まって考える癖を付けました。「営業」と「開発」、「自部門」と「他部門」、「自社」と「顧客」、「自社」と「競合他社」。改めて並べたところで、当たり前といえば当たり前なんですが、意外と社内の議論は目先の損得重視で近視眼的になっていることが多く、「もう一つの切り口」に気づけていない。なるべくそういった観点を短い時間で取り入れるように意識しました。

 

5.切り口集

では具体的にどういう内容のものを作ったかを記載します。実際のノートそのものには模試や予備校、各種書籍の模範解答をそのまま転記しているため著作権等を考慮しそのままは公開できません。「切り口」については実際に使ったものと、いくつか追加しましたのでご参考になればと思います。

(1)作成例(上記2.②、③のプロセス)

実際に自分の再現答案を「模範解答」と見立てて、どのように切り口集を作成していたかを以下に記します。

例)

<参考にする回答>
理由は、①葉たばこ生産者の後継者不足や高齢化が急速に進み、市場が縮小して売上が低下したため、②補修用部品の在庫管理が不十分で計数管理が行われていないため、費用が増大したから、である。
(収益悪化の要因)
「売上(低下)」・・葉たばこ生産者の後継者不足や高齢化が急速に進み、市場が縮小
「費用(増大)」・・補修用部品の在庫管理が不十分で計数管理が行われていない

といった感じで模範解答を切り出し、2つの切り口のセットを整理しながら覚えます。

(2)切り口集(ご参考まで)

相反する観点のものと、並列の別観点のものと混在しています。実際の模範解答ではこうした切り口で解答している、という着眼点を理解することがポイントです。

(切り口)
「外部」と「内部」
「生産面」と「営業面」
「組織面」と「人事面」
「組織構造」と「組織文化」
「能力開発」と「モラール向上」
「既存事業」と「新規事業」
「研究開発力」と「営業力」
「衛生要因」と「動機付け要因」
「顧客」と「競合」
「短期(成果、効果)」と「長期(成果、効果)」
「機会」と「脅威」
「自社」と「協力者」
「自社」と「顧客」
「事業構造」と「事業展開」
「良い影響」と「悪い影響」
「有形」と「無形」
「商品」と「サービス」
「商品」と「プロモーション」
「プロモーション戦略」と「販売戦略」
「特注品」と「一般品」
「不特定多数」と「地域密着」
「新規顧客」と「既存顧客」
「直接」と「間接」
「客数」と「客単価」
「規模」と「効率」
「ロイヤルティ」と「顧客関係性」
「売上拡大」と「社会貢献」
「人的販売」と「口コミ」
「立地」と「経営資源」
「生産技術」と「営業」
「計画」と「統制」
「製品面」と「サービス面」
「情報発信」と「情報収集・受信」
「作業工程」と「作業員配置」
「進捗管理」と「余力管理」
「生産計画」と「在庫管理」

この辺りを意識して使いこなせ流ようになってくると、事例を解くのが(少しだけ)面白く感じてきます。

私は、特に最後の方の戦略助言の設問などが最初の頃さっぱり出来ずでしたが、多面的な切り口を意識して解答を構成できるようになってくると、それなりに書けるようになって来ました。今回の記事をヒントに自分の中で多面的思考を意識して頂ければ、グッと合格に近づけると思います。

以上、3chでした。


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2次試験:多面的解答の切り口について【中小企業診断士試験】”へ4件のコメント

  1. ひろまる より:

    3ch様
    丁寧なご回答ありがとうございます。
    権利関係、そこは考えが至りませんでした。
    これも多面的思考ですね、、、。
    お願いしながらも、これは自分でしないといかんよなぁとも頭の片隅で思ってもいましたので、納得のご回答です。
    早速、今から単語帳に現在段階での自分なりの解を入れながら血肉化していきたいと思います。

    1. 3ch より:

      ひろまるさん、是非頑張ってください。
      必ず自分のモノになります。
      季節の変わり目、くれぐれも体調にはお気をつけください。
      吉報をお待ちしております。

  2. ひろまる より:

    3ch様
    記事ありがとうございました。
    まさに今、悩んでいる部分でした。
    オンナツで「覚醒するとか悟るってどんな状態ですか?」という問いかけをした際に初代ハカセ様から「回答に求められる幅と深さが分かった時」と言われあまりその時はピンと来ませんでしたが今、何となく分かります。その幅の部分が今回最後に入れてくださった切り口の部分だと勝手に考えています。
    今、私も色んな切り口を集め咀嚼しております。
    もし、可能なら今回の切り口にそれぞれでコメント頂けないでしょうか。
    例えば「外部」なら「自社の機会となる外部要因や顧客のニーズ等で自社で実施できるもの」など。。。
    これが脊髄反射のようにできるようになると組み立て速度がかなり上がる気がします。
    これだけ切り口をご披露頂いているので相当な作業ボリュームになり甚だ恐縮ではございますが、ご一考頂けますと幸いです。

    1. 3ch より:

      ひろまるさん、コメントありがとうございます。
      2次の学習が進捗し気づきを得られて、ご自身の成長を実感されているようで何よりです。

      各個別の切り口についてのコメントですが、是非ご自身でお考えになってください。
      2次試験でのコアな部分だと思います。
      私の見解を詳細に述べるとどうしても予備校や書籍等のノウハウにつながる部分もあるため、敢えて記事上キーワードでとどめている部分もあります。
      権利侵害等も考慮しながら丁寧に回答するとコメント頂いてる通り相当時間が掛かってしまいますし、削ると有益な情報になるか微妙な気がしています。
      (もともとは踏み込んで書く予定でしたが、権利侵害を考慮したのと諸々で断念しました)

      それよりも、模範解答の具体例を基にひろまるさんご自身が抽象化を考えるという「咀嚼プロセス」を(多少悩んで試行錯誤して非効率だとしても)経ることによって、ひろまるさん自身に多面的思考が確実に定着します。
      合格後もその思考プロセスは非常に役に立ちます。受験期の集中しているこの時期にそのトレーニングをされることは学習効果が高いと考えます。
      底力を上げることに繋がるのは間違いありません。

      ということで、是非トライしてみてください。(そして合格して、来年度道場メンバーとして是非そのプロセスと効果を記事にしてください。)

      逃げてるようで申し訳ないのですが、その方がひろまるさんにとって確実にメリットがあり、プラスになると考えコメントさせて頂きました。
      引き続き道場Blogをよろしくお願いいたします。

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