「小さいことは良いことだ」事例Ⅱの対応について
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皆さん、おはようございます!ヒロちゃんです。
急に涼しくなって、過ごしやすい時期になりましたね!
本試験まであとちょうど一か月となりました。
皆さん日々お仕事や家事で忙しいと思いますが、後悔しないように計画的に試験対策していきましょうね!
さて、本日は事例Ⅱの特徴についてお話したいと思います。
低空飛行で合格した私には、だいまつやきゃっしいのように緻密な分析は出来ませんので、私なりに捉えた「事例Ⅱの世界」をお伝えできればと思います。
事例Ⅱに対して、受験生の長年のビジネス経験やアイディアが邪魔をして、なかなか思うように攻略できない方が結構いらっしゃるのではないでしょうか?
診断士試験、あくまで試験です。
実際の皆さんが経験されてきたことを発表するのではなく、いかに作問者の作った「世界」、「箱庭」の中で、作問者が求める解答を出すかが求められています。
そしてこの「世界」には2人の重要人物が登場します。
「ターゲット顧客」と「B社」です。※厳密にいうと競合とかもいますが、今回は割愛します。
この「ターゲット顧客」と「B社」の2者について、皆さんそれぞれが独自のイメージを持ちながら事例Ⅱに挑んでしまうと、解答の方向性が定まらず、アイディア発表会、大喜利のような解答となってしまいます。
国家試験である以上必ず模範解答があるはずですので、そこをうまく忖度して解答を書くことが必要です。
つまり、作問者側もターゲット顧客とB社について定義しているはずですね。
では一体どのようなターゲット顧客とB社なのか?
それは、おおいに「試験委員の考え、意見」が定義を形作っている、と私は思っています。
そこで、事例Ⅱの試験委員がどんな考えを持っているか検討してみましょう。
事例Ⅱの試験委員として有名な岩崎邦彦先生は、自著「スモールビジネスマーケティング」において、中小企業、特に小規模小売業の戦略について以下のように述べています。
「小さな店に惹かれる人々をターゲットにし、小規模メリットを活かしたマーケティングをしましょう!」
と。
ふむふむ、
「ターゲット顧客=小さな店に惹かれる人々」
「B社=小規模メリットを活かしたマーケティングをするべき会社」
という感じに置き換えられそうですね。
では、
小さな店に惹かれる人々(消費者)がどんなニーズを持っているかというと。
①人的コミュニケーション志向
・・・双方向コミュニケーション、商品サービスにプラスして有益な情報も欲しい、消費者側の意見も取り入れてほしい。
➁関係性重視志向
・・・継続的な関係性を店側としたい。1対1の関係性を築いてほしい。
③本格化マーケティング志向
・・・量販店には置いてないようなこだわり、個性のある商品サービスが欲しい。
ということだそうです。
事例Ⅱで登場する「ターゲット顧客」を、上記特徴を持った人々という風に意識してみると、事例Ⅱに対する見方も変わってくるのではないでしょうか?
次に、「B社」についてです。
岩崎先生が定義するB社は、「小規模メリットを活かしたマーケティングをするべき会社」ということです。
この小規模メリットとはつまり、大企業には持ちえない中小企業ならではの強みのことです。
具体的には以下5点とのことです。
①真空地帯対応力
・・・大手量販店同士の競争により発生した、ニーズ未対応地帯(真空地帯)への対応力。
➁地域密着力
・・・物理的に顧客と近い距離に存在出来るということ、大型店と比べて高い密着力。
③変化対応力
・・・規模が小さい中小企業だから可能なスピーディーな変化対応力。
④対面販売力
・・・消費者の生の声を即座にキャッチアップ出来る力、会話を重ねてお互いのギャップを解消する力。
⑤個性化力
・・・量のマーケティングでは対応出来ないこだわりや個性を高める力。
これら5点が大企業には無い、中小企業ならではの強みであることを念頭に事例Ⅱと向き合っていきましょう。
ちなみにこの5点の小規模メリットの覚え方として、頭文字をもじって、「新地に変なタコ」があります笑。
ということで、
事例Ⅱに登場する「ターゲット顧客」と「B社」について、試験委員である岩崎先生の考えを知ってもらえたところで、最近の過去問を見てみましょう。
①H29年 商店街の布団屋であるB社の強みは、地域密着力や対面販売力とかが言えますよね。一方ターゲット顧客に関しても、こだわりの寝具を求めていたり、井戸端会議でコミュニケーションを楽しんだりしています。
②H28年 しょうゆメーカーであるB社の強みは、伝統的手法と国産大豆で作られた本格しょうゆであり、ターゲット顧客は、食や健康に敏感なこだわりニーズを持った女性やシニア層と考えられます。
③H27年 会社ではなく、B商店街という変化球できましたが、考え方は一緒です。B商店街が狙うべきターゲット顧客は低価格志向ではなく、本格志向を持つ、近隣高層マンションのファミリー世帯です。
というように、年度によって業種は様々ですが、ターゲット顧客とB社の幹となる特性は変わらないことが分かります。
このように、
作問者側が定義した「ターゲット顧客」と「B社」を理解した上で、事例Ⅱの世界観をイメージしながら80分間に挑むことが出来れば、大外しする確率も減るのではないでしょうか。
事例Ⅱに関しては最近Chikaが本記事と同様のことをお伝えしています。えっパクリではないです‼たまたまです‼そちらも合わせて参考にしてください。
ZENZENの昨日の記事で言っていましたが、診断士試験、6割取れればいいんです。
肩肘張らずに素直にわかりやすい解答を書けば大丈夫です。
今日も一日楽しく頑張りましょう!
以上です。
トリックスター様
いつもコメントありがとうございます。私も受験生時代に同書を読み、
「口コミ」=「伝えやすい」×「伝えたくなる」
というところには、なるほどな、と思わずにはいられませんでした。事例Ⅱでは「口コミを生む」と書けば点が入る側面があるのかもしれませんが、実際には「口コミ」は自然発生的に生じるのではないと思います。逆に言えば、上記の式の右辺に合致する要素が事例文から見い出せれば「口コミ」を記述する妥当性が高まるのかもしれません。事例Ⅱは岩崎先生の色が出ていると言われていますから、時間が許せば他の著書を眺めてみるのもありかと思います。
過去記事ですが、自身への記録もかねて投稿しておきます。今日5/12に初めてスモールビジネスマーケティング読みました。この記事でもきれいにまとめられている通り、シンプルながら確かにそうだな、と思わせる内容でした。過去の事例Ⅱを何事例かやった後に読んでみると尚更実感できます。「新地に変なタコ」…意味はよくわかりませんが、くだらないほど記憶に残るってことでしたよね(笑)。ノートに書いて覚えておきます!