財務の知識は診断士になってから、こう役立つ
本日は、財務・会計の知識がどのように診断士になってから役立つか?というお話
いきなり逆説的なお話で恐縮ですが、極論を言いますと、財務分析ができない人は良い診断士にはなれない、と私は思います。
つまり「役立つ」というより、無いと始まらないもの、というのが私の財務・会計に対するイメージです
企業診断における財務・会計
私は金融機関に勤務する企業内診断士ですが、専門的な部署に配置されてしまっているため、悲しいかな診断士としての活動は全くできておりません
独立して診断士として活動しているわけではありませんので大きな事はいえないのですが、少なくとも、実際の診断の手順をなぞらえていると思われる実務補習だけ見てもその重要性は見て取れます。
私の周りでは、以下のような流れが、診断の現場(少なくとも実務補習の現場)ではスタンダードでした
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①最初決算書(及び確定申告書)が3期分程度渡される (下手をすると勘定科目明細がないときも)
②当社の財務状況を読み取り、課題の仮説をたてる
③公開情報から裏取り/仮説の補強
④現場で聞く質問を考え、質問の選定
⑤現場に行く
⑥ヒアリングと現場の目視で仮説の検証
⑦課題の特定
⑧助言の検討
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最後の方は端折っている部分は大きいですが、大まかな流れはこれでハズレてはいないと思います。
これを見ていただいてもわかる通り、財務とは、全ての起点となる、まさに企業診断の導火線
これがスムーズにできなければ、闇雲に課題を探しに行くことになってしまいます。
また、よく「財務3表を読めば、社長の考えの半分くらいは理解できる」と言いますが、まさにその通りで、やはり決算書には会社がよく表れます
彼は、渡された決算書をぱらぱらとめくると、一言こういった。
「御社の問題点は、〇〇が〇〇なことですね」(ニヤリ)
「…な、なぜそんなことがわかるのですか!?」
これこそが私が企業診断(金融機関の仕事)で最も楽しい瞬間のひとつです笑
さながら中小企業の安楽椅子探偵!
特に独立を目指している方には必須の「ツカミ」の能力じゃないでしょうか?
財務「は」楽しい!
このように財務は楽しいんです
でも財務・会計に診断士試験対策で初めて触った方は、アレルギー、出ちゃいますよね?
私も金融機関に入社しておきながら、数字を見る事すら大嫌いだったので、
何をちまちまと計算ばかり…こんなものが何の役に立つんだ
そんな事よりも、営業は相談してもらってナンボ!
つまり話が面白くて、雑談で盛り上がって、なんでも最初に相談してもらえるよう仲良くなれば良いんだ!
…と、入社2年目にして本気で思っておりました
まぁはっきり言って、雑談ばっかりしに来て、肝心の商売の話をしたら全く分からない金融機関職員なんて、会社に来なくて良いですよね時間の無駄です(笑)
今振り返ってみれば、私が財務・会計が嫌いな一番の原因は「よく分からない」事でした。
「細かい事がいっぱい書いてあるし、何が書いてあるかよくわからないからキライ」
そんな私でも、財務・会計が面白いと思いはじめることができたのは、國貞克則さんの財務3表シリーズを上司に勧められて読んだところからでした。
基本的には財務3表の繋がりがわかる本なのですが、実に財務の楽しいところ(安楽椅子探偵っぷり)が分かりやすく解説されています。
2016年合格目標の方で財務にしっくりきていない方、財務・会計は絶対に診断士として避けては通れないものです。
だからこそ、できる限り早い段階でこの「よくわからないからキライ」を、「よくわからないけど面白そう」に変える必要があります。
そのとっかかりとして、一度手に取ってみてはいかがでしょうか
きっと新たな発見があると思います
それではmyaでした。