スト本科生の2次対策 – 経営・財務・運営を終えて(おまけ)
スト本科生の2次対策のを書き上げ、マック(関西ならマクド)なう。
こんにちは、らいじんです。
特別な対策は必要ないと言ったものの、「いや自分は1次プラス2次の勉強もやり切れるから何か対策を」という超前向き&強気な方もいるでしょう。道場はそういった能動的に学習される方のサポートは惜しみません。また、どーしても何か対策をしないと不安で仕方が無い、1次対策に手が付けられないという方を暖かくバックアップするのも道場。
よって(おまけ)として、1次対策に影響のない(というかむしろプラス)になるような「生活時間を使った2次対策」のご紹介。
お遊びっぽいし、試験には直接関係ないと思うかもしれませんが、意外と効果はあります。また、金も労力も大してかかりませんので気になる方はお試しを。
尚、これから紹介する対策は事例I~IIIについて。事例IVは1次の財務会計の学習がそのまま2次の対策になるから割愛です。
2次試験概要
まずは2次試験概要のおさらいから。
2次試験は事例I~IVの4科目。各事例に記載される事例企業について、それぞれ、組織、マーケティング・流通、生産・技術、財務・会計の観点で出題される。各事例4~6問程度の出題で、総解答字数は年度により異なるが500~750字程度の筆記試験。
詳しい話は、後日本格的な2次対策の時期になったら書いていくつもりですが、今日はざっくりと。ポイントは2次試験では、
出題者の考えを推測することが大事なスキル
これから紹介するのは、そのスキル向上の訓練をしましょうという話。
基本編:目の前にある物事の目的と結果を考える
買い物でも移動中でも何でもいい。とにかく何か目に付いたものについて、それがどのような考えや狙いで作られ、その結果どのような影響・効果が得られるかを考えてみる。その際、自分の考えを整理することも大事だが、可能性のある答をできる限り多く見つける努力をすることが、もっと大事。
説明ばかりでは、分かり辛いだろうから、具体的に。
今私が居るマック。レジで対応してくれた方の名札には、できる仕事の内容を表すシールが張られている。そこで、
「そのシールの目的と効果は何だろうか?」
と考えてみる。あくまでマックの立場で推測する。正解を探しにいくのではなく、可能性のレベルでOK。内容の正誤は問わない。以下は推測例。
・店舗を仕切るマネージャーが、アルバイトの能力を判断できる
・シールの数を基準にして適切な人員配置(バイトのシフト)を計画できる
・時給の基準にできる
・シールが与えられることでバイトの意欲が向上する
・バイトの多能工化が促進される
・やる気のあるバイトが増え、顧客対応が改善する
・未経験でもバイトとして働けそうに(客から)見えるので、バイト募集の効果がある
等々・・・思いつくことをどんどん挙げていく。
実践するときのひとつのコツはakiがおススメの
「なぜ?」「なぜ?」百裂拳(ちとネーミングがダサ過ぎるか)
を仕掛けることと同時に「それで、どうなるの」を反復すること。
基本的には、これだけ。
な~んだ、そんなことと思うこと無かれ。これが意外に効果的。しかもこれなら日常生活のどんな場面でも実行可能だし、1次の勉強時間を犠牲にすることも無いでしょ。
応用編:制約条件の下で推測してみる
上記のように、自分の考えではなく他人の考え・狙いを推測するだけでも2次対策としてかなり効果があるが、加えて、いくつかの制約条件を加えて同様のことを行うと、さらに効果は高い。
何の制約も無しに他人の考えていることを当てることは不可能に近いから、試験において制約条件なしに問題を作成すると、それこそ解答者の数だけ答が出てきてしまう。だから事例問題には制約条件がついてくる。
2次試験の場合には、まず事例毎の約束事(例えば事例IIならマーケティングの観点での答えを求めていますよ・・とか)があって、それを外すとまず点数は貰えない。
さらに各事例について、よく用いられる視点のようなものがあって、それを基準に解答を作ることが結構ある。従って、それを頭の中にキーワードとして持っておき、フレームワークっぽく利用することは、見当違いな解答をすることを避ける効果がある。
以下は私が実際に使っていたキーワード。
・事例I 人事・組織
・事例II 誰に・何を・どのように
・事例III QCD、ダラリ、因果
さて、基本編の題材を、上記キーワードを念頭に置きながら推測してみるとどうなるか?名札の例なら事例Iのキーワード「人事・組織」の視点が考えやすい。つまり人的資源管理ね。
ところで、人的資源管理と言われて採用・評価・報酬・能力開発という言葉が直ぐに出てこない人は企業経営理論の復習要。折角復習するなら、その周辺知識、OJTとOff-JT、賃金制度などテキストで目に付いたものも併せて確認し、それら項目の視点でまた考えてみる。そうやってテキストに書いてあることを実際の場面に落とし込んであてはめると、1次対策としての知識の定着と2次対策としての分析能力が同時に磨けるというわけ。
このちょっとしたお遊び、学生や勤務経験の浅い方々ほど効果が高い。
さあ、理屈はもういいから、あとは実践あるのみ。
次の題材。メニューにあるハッピーセット。これはおもちゃのオマケがついた子供向けセットメニュー。これを事例IIのキーワードを使って「そのメニュー導入の目的と狙い」を推測してみよう。思いついたものをこの記事に対するコメントとして残したりすると、もっと効果的。何故なら確実に記憶に残るから。騙されたと思って是非お試しあれ。
はい次。マックは事例III題材の宝庫。現在マックでは注文を受けてからハンバーガーを作っていますが、昔は作りおきだったことをご存知。これなんて格好の材料。いわゆる見込み生産から受注生産に変わったわけで、Q:品質、C:コスト、D:納期の各観点から、その狙いと効果を「因果関係」を整理しながら考えてみると面白い。モスとの比較なんていうのも、さらに面白そうだね。
繰り返しになるが、大事なことは施策に絶対はないと理解し、あらゆる可能性を推定すること。正解である必要なんて無いし、そもそも本当の正解が何かなんてマックでその施策を実行した人達しか分からないしね。
まとめ
おまけのつもりで書き始めたのが、いつの間にやら長文に。
お伝えしたかったのは、どうしても2次対策が気になるスト生は、日常生活全般で考える練習なんか如何ですかということ。また、ここでは目に付いたものを題材にとのご提案ですがZonEがここで紹介しているようなことでも同様の効果アリ。
但し、スト生が2次試験に合格するには、1次試験終了後の脱兎のごとき猛ダッシュが必須。この対策をすることで、このダッシュが鈍るようでは本末転倒であることを、よーく心に留めておくこと。これホント重要。
それと、この練習のメリットをもう一つ。これを会社の業務で実践すると、確実に仕事がデキル奴になっていきます。特に「それで、どうなるのか?」と考える習慣をつけると上司に伝わる報告書が書けるようになります。なぜなら職位が高い人ほど「なぜ?」よりも「それで、どうなるか」の方に興味があるから。
こんな所が診断士試験学習のステキなところ。
学習自体が即スキルアップに繋がっていく
皆さんワクワクしてきませんか
では、これにて
by らいじん
らいじんさん、akiさん、想定以上のご回答早々にありがとうございます!
akiさん指摘の理由(因果)により、らいじんさん指摘の「自分の市場価値向上」が実現。であればさらに「それからどうするか」まで矢継早に次から次へと手が打てる。
読者の立場で見ると、自分がぼんやり考えたことを(かつ想定を上回って)ズバリ言い当てていただけることは大変心地良いですねー。では特集記事楽しみにお待ちしています!!
>ふうじんさん
ご無沙汰しております!akiです。
遠い異国よりコメントいただき、ありがとうございます☆
私が考えます「合格以外の副産物」について、書かせていただきます。
①全体を俯瞰する”バランス力”が身につく
診断士試験の特徴は何と言っても「究極のジェネラリスト」。特に1次試験では7教科に対してリスクを最小限にし、100点満点を狙わない効率的な学習を行うことが求められます。
これを理解し実践できてこそ合格を勝ち取れると思いますので、学習を通じ、「全体を俯瞰するバランス力」が身につくものと考えています。
②企業行動の”仕組み”が分かる
大きな企業になればなるほど、会社のルールは企画部門が決め、事業部門はルールに則り業務を行う、といった分業が行われています。
つまり「なぜこのルールになっているのか」を知る機会のないまま、業務を遂行している方も多いのではと思います。
学習を通じて経営全般の知識を学ぶことで、身近に接しているルールの”意味”が分かるようになってきます。
「この法規があるから、この規制があるんだ」「このような事業特性があるから、この組織となっているんだ」とか、
企業行動の仕組みを体系的に捉えることができるようになると考えます。
③自身の”仕事観”を見つめる機会になる
学習を通じて異業種の方と接する機会が多くなり、様々な仕事観を持った方と出会うことができます。
その中で「自分は何をしていきたいのか」を見つめることができ、将来のビジョンを再認識することができると考えています。
少し長くなりましたが、こんな感じでいかがでしょうか?(^-^;
ふうじんさん
コメントありがとうございます。過大なお褒めの言葉は嬉しいですが、まだまだ旧執筆陣の皆さんのような思考の深みが足りないことは重々自負しています。今後も精一杯書いていきますので、今後もアドバイスをお願いします。
さて、「合格以外の副産物」ですね。これについては一本の記事としてしっかり書きたいと思っています。
私の考えは、経営に必要な知識を体系化して持つことで、大雑把に言えば「仕事ができるようになること」、特に
「環境変化に即時対応できる能力が身につく」
という自身の変化により
「自分の市場価値が高まる」
ということです。
ただ、これは資格取得を唯一最大の目的として診断士試験対策を行った場合には難しいでしょうから、今頑張っている受験生の皆様には、そうあって欲しくないと思っています。
ふうじんさんの期待に応えられましたでしょうか・・?
はまっちさん
コメントありがとうございます。恥なんてとんでもない、素晴らしいです。
自身の頭で考えているだけの時と、ブログとはいえ実際に自分の考えを書いて発表するのとでは、考える深さが大きく違ってきますよね。これは実際に体験しないと分からないことです。
1次対策に支障がでない程度に、この遊びを続けてみてください。この問題でも、まだまだ沢山のアイデアがあるだろうと思います。
特に受注生産における短納期化という課題は重要な論点ですから、さらに踏み込んで考えてみても良いかもしれません。どの工程に問題がありそうか、注文等の情報を誰と誰がどのように共有するか等。
頑張ってください。
はじめまして。恥をさらすのも訓練だと思うので、書きこんできます。
①ハッピーセット
・製品自体の差別化が困難なため、付随サービスの充実による集客力向上を狙った
・小さい子供を持つ家族を標的とし、販売単価の向上を狙った
②見込み生産→受注生産。QCDの観点から
【狙い=QC】
・作りたての商品により味がよくなる
・需要量だけを生産することで、廃棄ロスを減らす
【改善点=D】
・機械やマニュアルによる生産手順の標準化により、生産の平準化を計った。
Dは受注生産導入による納期面での不利の克服、と考えました
らいじんさん、本格投稿2回目にして、1年かかった旧執筆陣の思考レベルを早々に超えていただき、大変ありがとうございます(涙)。
仰る通り、身の回りのことや日常業務から診断士試験対策に役立つことがありますね。であれば、診断士試験対策が逆に身の回りや日常業務に役立つことがあるはず。その「合格以外の副産物」とは何か?
らいじんさんが記事文末で既に少し触れられていますし、先日akiさんも言及していましたが、この点をよりズバリ言い当てていただけると大変幸いです!
診断士試験学習中の方が勘違いしないよう、私の期待している答えが「人脈の広がり」などという月並みなものでないことだけ、一言申し添えておきます。