2015年度事例Ⅱの解説

皆さん、こんにちは!Nicoです。

 

遅くなりましたが二次試験、大変お疲れ様でした!

受験校の解答と自分の解答を見比べて、色々と反省や自責の念が出てきて、気分がドンヨリしている人もいるかと思いますが、モッタイナイですよ!結果が出るまでは何もわかりません。今は心と体をリフレッシュして、来る12月11日の合格発表まで待ちましょう。

それともう一つ、特に家庭を持たれている方は、この時期に家庭環境のメンテナンスをやっておくことをおススメします。

それは、「ここまで支えてきてくれてありがとう!」という側面もありますが、主には「来年もよろしくね!」という未来に向けたネマワシのためです

不合格の場合には、再チャレンジするためには、1年の期間とそれに付随するコストがかかってきますし、合格した場合には、その後の実務補習では2ヵ月くらい拘束されますし、受講代も約15万円かかります(高い!)ので、家族への負担は少ないものではありません。

来年より一層協力してもらうためにも、今はとことん家族サービスをやってやりましょう

 

 

というわけで、メインテーマに入り、事例Ⅱについての所感を書きたいと思います。

以下はあくまでNicoなりの推論になりますので答えではありませんので、その点はご了承ください。

多くの方のメンタルブレーカーとなったと思われる今回の事例Ⅱ。

「企業ではなく商店街」、「わけわからん地図と人口分布のグラフ」、「設問が全て助言形式」となっており、ほとんどの人が面食らったのではないでしょうか。完全に善良な受験生の動揺を誘っていますよね、コレ。

また、与件にヒントがない設問が多く、どこまでアクセルを踏んで助言するべきか躊躇したかと思いますが、基本的には与件から類推できる範囲に留めておく必要があるかと思います。(とはいっても、めっちゃ難しいですよね)

 

 

設問の大まかな流れは、

第1問:今後のターゲットの明確化とそれに対するマーケティング戦略

第2問:短期的な課題(イベント改善)

第3問 設問1:中期的な課題(食品小売店の誘致)

第3問 設問2:長期的な課題(顧客との関係性強化)

となっています。

特に第2問~第3問の流れは、与件の最終段落の「代表理事の思い」とリンクしており、思いに答えるように助言する、ということが重要だと思います。

 

 

第1問(設問1)

今後のB商店街のターゲットとする顧客層について聞かれています。

顧客「層」と聞かれていますので、ある程度幅を持って答えるべきです。

まずは、2000年以降に高層マンションの再開発によって、増えてきた住民について記述したい所です。

人口分布を見ると、2005年のグラフから2015年のグラフで、「25~40歳まで、0~5歳までの人口」が10年前から増加していて、「ファミリー層」であることが類推できるかと思います、この辺りも解答には触れておきたい部分です。

 

第1問(設問2)

設問1で設定したターゲットに向けて、どのような新しいサービス業を誘致するべきか、問われています。

要は、「ファミリー層+高層マンションを買えちゃう高所得者層」向けにできるサービスは何か、という所ですが、与件からはヒントがありませんので、類推するしかないですね。Nicoは「託児所のサービス」がパッと思い浮かびましたが、いかがでしょうか。これなら遅くまで営業しているB商店街の強みも生かせそうですね。

 

第1問(設問3)

設問2のサービス業と既存飲食店とのテナントミックスの効果を最大化するための、飲食店のマーケティング戦略について問われています。

これまでは周辺住宅街に住む住民を対象とした「大人が落ち着いて食事ができる食事処」でした。ここから、ターゲットがファミリー・高所得者層に変わっています。そのためには商品面では、子供向けのメニューの拡充、持ち帰りメニューの充実販促面ではVMDの強化等が挙げられるかと思います。

 

第2問

物産市における、非食品小売店の売上向上の実現について店主たちにどう助言すべきか問われています。家具店、食器店、スポーツ用品から業種を選択しますが、これは、どれでも良いかと思います。

物産市で売上が上がっていない理由が「集客が増加していない(認知されていない)から」なのか「集客はできているが購買に結び付いていないから」なのか不明です。ですので、両方に対応できるように書くことがベストかと思います。

集客⇒認知度を向上させたい。そのために、物産市に出展する、無料体験イベントを開く

購買⇒総合スーパーと差別化できるように高付加価値化したい。そのためにはこだわりの品を置く、顧客に合わせた提案型の販売をする、寝具店のようにアフターサービスの強化をする等々が考えられます。

また、食器店であれば、物産市に直接参加することで、食品との関連購買も期待できますね。

 

第3問(設問1)

B商店街の魅力向上するために、どのような食品小売店を誘致すべきかを、マーケティング戦略と合わせて問われています。

ここでは、代表理事の思いである、中期的な課題にあげている「総合スーパーとの棲み分け」というキーワードは入れたいですね。

食品小売店に関しては、与件にあった「物産市で人気を博した、こだわりの商品を販売している、県内の農水産物および加工品の小売店」で良いのではないかと思います。

こちらによって、低価格志向の総合スーパーと、こだわりのある高級志向のB商店街ということで棲み分けを図ることができます。また、B商店街の今後のターゲットである「高所得者層」にも合致しています。

 

第3問(設問2)

設問1の食品小売店が長期にわたって、商店街に定着するための誘致と連動した新規イベントについてどうするべきか、期待される効果と合わせて問われています。ここでは、代表理事の思いである、長期的な課題「顧客との関係性強化」をキーワードとして入れたい所です。

顧客との接点が増えるようなイベントを実施すれば、顧客との関係性が強化でき、その結果リピート客が増えて、売上も継続的に伸びていくということですね。

ここは色々なイベントが考えられますが、「食品小売店のこだわりの商品を活かす」「顧客との接点が増える」イベントであれば、何でも良いかと思います。

飲食店と共同開発したご当地グルメを味わうイベント、季節商品の開発を顧客から募集する顧客参加型のイベントなどが考えられます。

 

総評

こんなもん、80分で解けるかい!って感じですね

それでも何とかして、第1問の設問1・2、第3問の設問1で点数を取りたい所ですね。

あとは、力不足で恐縮ですが、商店街の概略図をどう解答に利用するかが全然わかりませんでした…これを解答の根拠にするには、情報が大雑把すぎるような気がします…。

わかる方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えてください。

 

☆☆一発合格道場 2次試験お疲れ様でした会☆☆

<開催概要>

日時 2015年11月07日(19:00開始)

開催場所 東京駅近郊の居酒屋(東京都中央区)

参加費 3,500円(税込)

http://kokucheese.com/event/index/348751/

皆様にお会いできるのを楽しみにしています。

 

以上、Nicoでした。

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2015年度事例Ⅱの解説”へ14件のコメント

  1. Nico より:

    ヤス様

    コメント、ありがとうございます。

    辛いですよね…。
    去年の私もこの時期は、ヤス様と同じ気持ちでモヤモヤしてましたので、痛いほどわかります…。

    模範解答を見れば見るほど、自分の解答のアラが目立っているように見えて、落ち込んでいました。

    ですが、よく良く考えてみると、模範解答は80分で解けるような答えになっていないですし、80分ではそこまで良い解答は絶対に作れません。大抵みんなできてないものです。(今回は特に事例Ⅱ)

    頭の片隅には試験の事を残しつつも、しっかりリフレッシュして、お世話になった人へ感謝の気持ちを行動で示していってください。

    今の時期はそんな感じで、ゆっくり待つしかありませんから…。

    ヤス様が合格されていることを祈っております。

  2. ヤス より:

    ありがとうございます。
    色々な模範解答を見ていると、事例Ⅰ~Ⅳはデコボコですが合計すると合格・不合格はギリギリレベルなので、ここで全問に渡って減点された時点で終了になりそうです。
    なので、発表まで正直モヤモヤですね。
    うぅ~、辛い。。。

  3. Nico より:

    ヤス様

    コメントありがとうございます。

    頂いたご質問に回答させて頂きます。

    まず、今後のターゲットですが、上記コメントで説明させて頂いた通り、以降の設問の文字制限を考えるとシニア層を入れない方が解答しやすいかと思います。

    >全部ファミリーにしたら、商店街内で競合してしまいませんか?

    今後のターゲットがファミリー層だからといって、今ある全ての商店街の店舗をファミリー向けにしようという提案はしておりません。
    設問からも新しいサービス業を誘致して、そのサービス業と既存店舗とのシナジー(テナントミックス)を考えて行こう、という文脈になっているかと思います。

    また、シニア層(マンションに住んでいない周辺住民)の需要は、商店街のすぐそばにある、低価格路線の総合スーパーに取られています。

    商店街全体の今後の事を考えた時に、「商店街内で競合したとしても、高所得者のファミリー向けにシフトしていくこと」と「総合スーパーと競合しながらでも、シニア層にリーチしていくこと」では、前者の方が、生き残る可能性が高いと思います。

    >他地域へ転居する「中高年」は40代~50代を言うようなので、60代後半~70歳の高齢者は外れると思ってますが、如何でしょうか?

    中高年の定義については私にはわかりませんが、「中高年の人口が転居によって減少している」という文脈と人口分布のデータから判断するにつけ、60代の層も中高年層の一部として入っているのではないかと考えています。

    >そのあとは、全てファミリー、シニアでターゲットを統一して解答してしまいましたが、それが間違いだと全部減点でしょうか?

    申し訳ございませんが、減点になるかどうかは、結果がでるまでわからない、としか言えません…。

    ただ、ヤス様は全ての設問に一貫性を持って答えられているという事ですので、設問間での関連性を採点者がチェックしているのであれば、しっかり得点も入っているのではないかと思いますよ!

    是非、合格発表の後には得点開示請求をして頂いて、事例Ⅱでの得点がどのくらいであったのか、再現答案と合わせてフィードバック頂けますと幸いです。

    上記がヤス様の質問の答えになっていますと幸いです。

  4. Nico より:

    まさや~んさん

    コメントありがとうございます。

    今回の事例Ⅱは本当に難しい…。
    また土曜日、色々とお話しできればと思います。
    宜しくお願い致します。

  5. ヤス より:

    商店街なので、一店ではないので、高齢者もターゲットに入れました。
    全部ファミリーにしたら、商店街内で競合してしまいませんか?
    他地域へ転居する「中高年」は40代~50代を言うようなので、60代後半~70歳の高齢者は外れると思ってますが、如何でしょうか?
    そのあとは、全てファミリー、シニアでターゲットを統一して解答してしまいましたが、それが間違いだと全部減点でしょうか?

  6. Nico より:

    アリナミン様

    コメントありがとうございます。

    今回は与件にヒントがないことが多く、与件にしがみつこうとすればするほど、難しく感じるような内容になっていたように思います。
    とはいえ、試験当日にアイデアレベルの解答でアクセルを踏みきって書くのは、相当勇気がないとできませんよね。
    今回の事例Ⅱは殆どの受験生ができなかったと感じているかと思いますので、『解答欄をしっかり埋めていればOK』くらいで思っておいて良いのではないかと思います。

  7. Nico より:

    わらし様

    コメントありがとうございます。

    なごも書いていますが、確かに会社帰りのマンション住人を狙う、という点はざっくり地図から判断できるかもですね。

    第1問ですが、確かに人口分布をみるにつけ、現在のボリュームゾーンとしては、60~70代も大きいかと思います。
    しかし、設問は『今後の』ターゲットと聞かれています。

    また、与件には、

    ●高層マンション街が形成されつつある+『2015年以降』も高層マンションの建築が計画されている
    ●同時に近年は高層マンション開発を契機とする地価の値上がりを受けて住宅街の中高年層が土地・建物を売却し、他地域へ転居する例も増えつつある。この傾向は『当面』続くものと見込まれている。
    ●現在は人口の流入分が流出分を超過し、周辺人口は増加傾向にある。

    と書かれていることから判断すると、やはり60代の層を『今後の』ターゲットと置くのは少し無理があるような気がします。

    もし仮に、『ファミリー層』と『60代の層』を両ターゲットと捉えるのであれば、まずはミックスせずにそれぞれに対してサービス業の誘致を考えることが先かと思います。

    ファミリー層に向けたサービス業は~~、60代に向けたサービス業は~~、といった具合にです。
    ただ、50文字以内の制限なので、一つに纏めるのはやはり難しくなりそうですね。

  8. Nico より:

    なごさん

    遅くなりました。
    コメントありがとうございます。

    なごさんから同意見が出て、正直ホッとしています。
    ただ、今回は導線まで拘ってしまうと「線路の逆側のマンション住人をどうすんねん」問題が出てきますよね。
    よって、地図からはザックリ「マンションが商店街や駅の近くにある」レベルで留めておく方が無難かもしれないですね。

    こだわるところはこだわる(人口分布)。こだわらないところはこだわらない(地図)。
    制限時間内に情報の取捨選択や即時対応力が求められる、難しい事例となっているような気がします。

  9. まさや~ん より:

    今週末のお疲れ様会の話題ネタになるかなと思い解いてみました。といっても、解答論点を書きだした辺りまでですが。。

    現役に近いNicoさんの解答と問1はほぼ同じになり一安心w

    問1設問3は「飲食店利用方向けの臨時保育」的な助言を考えました、この辺りは設問1,2と比べガイドのない助言などでなかなかばらけそうですね。

    地図は私もNicoさん的な考えでした。活用するにはもっと特徴的or動線まで書いてあるなどがほしいなぁと思いました。高層マンションが駅の左右両方にありますし、商店街側に総合スーパーもあるってことで私の力量では特徴を抽出するのは無理と諦めました(笑

    私が書こうとする場合の論点は、
    1-1.子持ちのファミリー層
    1-2.託児所or保育所みたいなサービス業
    1-3.パパママが宴会中に臨時保育てきなサービス拡充
    2 食器 物産会場で販売or物産品を料理したのを盛りつけアピールし販売
    3-1.高付加価値商品&スーパーより遅くまでやる営業時間
    3-2.スタンプラリーor町ゼミor町バル → 店の認知度UP → 顔なじみ増やす
    的な感じで落ち着きました。

    解いていく過程で思ったのは
    ・1-1、1-2、3-1、3-2は与件からの制約にそってないと厳しい
    ・1-3は解答ばらけるので1-1や1-2と連動してたらOK
    ・2は理論がしっかりしていればどれを選んでもOK
    かなと思いました。

    事例マイスターのなご先生やNico先生の見解を教えてもらえるとうれしいです。
    Nico先生は是非とも土曜日酒飲みながらでも楽しく討論しましょう(*´▽`*)

  10. なご より:

    アリナミン様
    コメントありがとうございます。今回の二次試験、特に事例IIは皆さん、大苦戦ですね。特に形式に囚われた人は、助言だらけの設問に、思考回路が吹っ飛んだと思います。
    アリナミンさんも、相当苦労されたのですね。心中お察しします。
    でも実は二次試験は、そんな極限状態でどこまで、もっともらしい話題を提供できるか、にかかっているとも言えますね。冷静に現状を把握できているアリナミンさんは、もしかしたらリードしているのかも。あとは結果を楽しみにして、ゆっくり待ちましょうね。合格祈願しますねー。

  11. なご より:

    わらし様
    コメントありがとうございます。今回の試験、助言ばかりで皆さん、大変苦労されています。わらしさんのコメントを拝見するに、マンションを購入された層がターゲットとして認識されているため、外しては無いと考えています。しかしながら、お客様同士のコラボ的な内容は確かに難しいかもしれませんね。親とその子供にターゲットを絞り、子どもが来たくなるような仕掛けで親を呼ぶなどのほうが、やや有利かもしれません。
    でも、今回の事例IIは同じターゲットで問いが続く最もいやらしいパターン。私は相当数の人が解けていないと考えていますので、悲観せずゆっくり待ってくださいね。
    合格していることを祈願していますよ。

  12. アリナミン より:

    当日再現答案作成しました。しかし、メモらしいメモも作ることすらできませんでした。

    過去問でのパターンなどを思い出してみても、ニーズらしいものはなし。第1問(1)をなんとか、回答。(2)(3)は大はずししてしまいました。

    (2)高価格でもこだわりの品や高品質な商品をもっていること。
    (3)営業終了時間を延長することで、差別化を図る。

    昨日与件を整理してみましたが、改めて、考えてみるに「こんなもん、80分で解けるかい」と思いました。事例1~4のうちで一番難しい、対応しがたい感じがしました。おそらく、事例Ⅱでは合否に関係ないと割り切りました。事例Ⅲ・Ⅳあたりで得点できればいいのかな、くらいの気持ちでのぞんでいたと思います。大体、どれか難問がいつも出てきますから、今回はこれか、みたいなものです。正直言って足切りさえなければいいのかな。
    できるだけ、与件のヒントを使って回答しなければと思いながら、結構苦労しました。80分で対応できたでしょうか。
    試験中は、上記のような気持ちで対応し無駄なエネルギーを浪費しなかったため、よかったですが。

  13. わらし より:

    恥を忍んで書き込みします。
    問題1に関しては、
    自分は、地図1の黒い太線のメインストリートを見た瞬間、通勤してる人が会社帰りのマンション住人がトラップされるよなと、与件文の「かつての工員の癒し」、繰り返される文言「歓楽街」。
    設1で、ターゲットをマンションに引っ越してきた20~30代、転居せず残ってる60代と書いたので、設2は、2つのターゲットの社交場の場が提供できるサービス業があればいいいだろ、思ってしまいました。
    しかし、制約条件である「新しいサービス業」と、商店街の復興はかつての強み「歓楽街」の強化だろという自分の解釈が邪魔して時間を取られ、結局具体的な「新しいサービス業」にフォーカスできない解答になり、完全に外してしまいました。
    自分の再現答案での解答プロセスの間違いが意識できればと思いあえて投稿させて頂きました。

  14. なご より:

    駅に隣接するマンションで商店街がマンション住人の動線外にある場合、相当強い誘引が無いと商店街まで人は来ないと思われます。
    しかしながら今回の場合は駅とマンションの間に商店街があるため、顧客は近くまで来ているはずです。そういう視点で言えば、出勤途中の託児所など、的を得た回答かもですね。
    逆に休日の視点で見れば、総合スーパーのほうが近いので、何かしらのイベントで強い誘引が必要。地消地産で差別化された食品小売と連携しつつ、街自体が付加価値を持つ提案をしたいところですね。
    私は地図をそう読みました。

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