ブログを参考に自分に合ったプロセスを作り出す—マッキーさんの合格体験記

本日3本目の合格体験記は、マッキー さんの合格体験記です。

— 寄稿ここから —

2010年度 中小企業診断士試験に合格しました、マッキーと申します。よろしくお願いします。

私は、ある受験校の通信生です。2010年2月から学習を開始し、1次・2次とも通信講座を受講しました。ただ、2次試験を受験するにあたっては、いい教材だけでは限界があり、いくつかのブログで情報収集できたことが大きな力になりました。現在、独学や通信で来年度の合格を目指している方に、少しでもお力添えになれば幸いです。

  
通学?通信?

まず、私が通信制を選択した理由をお話しします。最初は通学も検討しましたが、①勤務地の都合で通学が容易でなかった、②講義形式だと集中力が続かない、③お金がかかる、という理由で断念しました。

今ふりかえってみると、特に②が一番大事な部分だったと思います。学習を進めていく上で、「分かったつもり」「やったつもり」は大敵です。私の場合で言えば、講義を聴いているとどうしても「分かったつもり」になってしまいます。途中で別のことに気を取られたりしていても、です。これでは、分かっていないのと等しいですね。ですから私は、自分の集中力と相談しながら学習時間を決められる通信制を選択しました。但し、通信(または独学)は、強い意志がないと続かないのはご承知のとおりです。ストイックに自分を追い込める(いろいろなことを我慢できる)タイプの方は、通信でも全く問題なく合格できます!

 
1次対策:とにかくインプット

学習方法についてお話します。1次試験対策でまず初めにトライしたのは、テキストの要約ノートを作るという方法でした。要約するには、もちろん理解しなければいけません。また、ノートに書く(手を使う)ことで、内容が記憶に残っていくという効果も期待していました。

ところが学習を進めていくと、当然のように既出の内容がどんどん再登場するのですが、その度に結局前に戻って教科書を読みなおしている、つまり要約が知識の定着に繋がっていないという状態に気がつきました。それで、2科目目の途中から学習方法の変更に踏み切ったのです。

次に取った学習方法は、単語カードの作成です。なぜかというと、テキストの理解を深めるためには、まず基礎となる知識(断片的な部分)が定着していることが必要だと思ったからです(単語カードは自分で作成することがミソです。この過程も、知識の定着の一助になるからです)。ちなみに単語カードといっても、内容はほぼ要約ノートと変わりません。例えば表面に「バーナードの理論」と書いて、裏には組織の成立要件をずらずらと書き並べていきます。通勤の電車の中、及び駅から会社までの徒歩の時間を利用して、この単語カードの内容を暗記し、基礎知識の定着を図りました。

そして7科目目まで終えたら、それからが本番です。テキスト2巡目として、基礎知識を得た状態でもう一度テキストを読み込んでいきました。この時点では、1巡目と比べるとやはり理解度が全く違います。もちろん、どこが理解できていないかも判ってくるため、単語カードは適宜追加します。1次試験は科目数が多く、最後の科目まで行くとやはり最初の方の科目が不安になってきたので、試験前3週間でテキスト3巡目の読み込みを行いました。また、2巡目に入ってからは、通勤時間におさらいする単語カードの科目はランダムに選び、知識の安定を目指しました。

 
2次対策:人のやり方を参考にしよう

2次試験の学習方法ですが、1次試験とは全く違います。こちらも通信の教材を利用したのですが、まずはテキストに沿った形で解答プロセスを理解することから始め、過去問(8問、解説付き)に取り組み、解き方に慣れていきました。

もちろん、8問やってみたくらいでは全く結果を出せないので、ネットで過去問と模範解答を拾って取り組みました。この時点では、解答プロセスを身につけるため、時間は無制限で1日1事例を目標にしています。ただ、ネットで拾った事例は解説がなく、さらに本当の正解も分からないため、やってもやっても手応えが得られない状況が続きました。

そんな中、診断士関連のブログが数多く存在することを知りました。2次試験対策は、壁にぶち当たることが多々あり、そんな時にブログの過去の記事を探すと答えが見つかったりします。今まで受験生仲間がおらず、情報交換が全くできなかった私には、ブログの存在は非常にためになりました。そして、それがきっかけで事例に相対するテクニック的な部分を考えるようになりました。

過去問は、受験校の模試や添削問題に比べて良問だと言われています。私の場合は、過去問7年分を3巡やりました。解答プロセスを確立するためには、一度解いた事例でも十分意味があります。特に、新しいテクニックを用いて事例に取り組むと、前回と全く違う解答が作れたりします。問題にある程度慣れてきたら、時間を計りながら1日2事例を目標に取り組みました。なお、2次はアウトプット訓練が重要と言われますが、やはりこの時点でもインプットは必要です。それは、「切り口」がすぐに出てくるようにインプットするということです。例えば、「モラール低下」という言葉に対して、「人事システムの4本柱」「責任と権限の移譲」「コミュニケーション」「小さな成功体験」…などの言葉がすぐに出てくるようにするのです。ですから、2次対策でも単語カードはフル活用しました。

テクニック的な部分で言えば、①時間配分を決める、②題意把握のために問題文の要約をする、③与件文に3色でアンダーラインを引く、④事例Ⅳの問題1での解答に定型文を用いる、などを行いました。特に②を始めてから、解答レベルが変わった気がしています。みなさんも、いろんな人の解答プロセスを真似してみて、自分に合ったプロセスを作り出してください。ちなみに私も、ブログを参考に新しい解法に取り組んだり、最初のテキストどおりの方法に回帰したり、という試行錯誤を続けました。上記①~④のような自分なりのプロセスができたのは、試験の2週間くらい前のことです。

 
試験間際の過ごし方

それでは、試験当日に向けた対策をお話しします。7月、そろそろ1次本試験を想定した準備を始めたい時期です。私は模試を受けなかったのですが、その代わり、試験3週間前の土日を使って本試験と全く同じタイムスケジュールで前年度の問題にチャレンジしました。朝起きる時間から、会場までの移動時間を想定した散歩(もちろん手には単語カードです)、試験会場入りした後の直前の復習等、全て本番通りの時間で行いました。

試験当日ですが、私はもともとプレッシャーに弱いうえ、緊張すると前の晩よく眠れない性質ですので、試験中に眠くならないように「3種の神器」を準備しました。それは…

① メガシャキ
② 缶コーヒー(大きめのボトル)
③ ブラックブラックガム

会場到着後と昼休みに①を飲みました。②と③は頻繁に口にしました。特にメガシャキは、集中力を高める効果があるようです。自分でも驚くほど集中できました。そのおかげで、無事に試験を通過することができたと思っています。

2次試験対策では、9月初めに模試を受けることにしました。また、9月末からは、日曜毎に本試験を想定した1日を過ごしました。通信の添削問題で1日、最後まで解かずに残しておいた前年度の過去問で1日、他の日は既に解いている問題の再チャレンジです。本試験で1日4事例に取り組むのは相当疲れますので、これは早めに慣れておいた方がいいでしょう。それから、2次試験は10月下旬です。風邪対策は例年以上に行った方がいいですね。私も小学校の時以来のインフルエンザ予防接種を受けました。

 
さあ、覚悟を決めましょう。

まだ受験勉強を始めていない方、これからでも十分にストレート合格の可能性はあります。特に、受験校の1次向けテキストはとても洗練されていますから、これをインプットできれば8割以上の得点が可能です(テキストでカバーしきれない問題もでますが、そこは無視するくらいのつもりで大丈夫です)。つまり、テキストを80%インプットできれば、試験では64%以上得点できます。まずはテキストの完全理解・インプットに努めましょう。2次試験対策も、1次試験終了後でも何とか間に合います。但し、ここでは情報収集を積極的に行って、自分なりの解答プロセスを早く確立することです。

最後に、私の受験生としての過ごし方を紹介します。

月・水⇒朝5時前に起床、自習90分。夜は8時~11時まで自習。
火・木⇒朝は同様に90分。スポーツクラブで泳いでから帰宅、9時~11時まで自習。
金  ⇒朝は同様に90分。夜は8時~10時まで自習120分、その後お酒を頂く。
土・日⇒朝7時頃起床、夕方まで断続的に自習(実質)8時間。その後買い出し、団欒。
ゴルフ⇒自粛
飲み会⇒なるべく自粛
会社行事の飲み会⇒必ず1次会で帰宅
TV⇒朝食の時間のニュースと、寝る前の数分、週末の夜のみ

何だか聖人君子のような生活に聞こえますが、実際に8ヶ月間こんな生活をしていました。逆に、これくらいしないと短期間での合格は難しいのかもしれません。覚悟を決めて、9ヶ月間は遊びを我慢して頑張ってみませんか?

それから、家族には大変な我慢を強いてきたと思います。家族持ちの方は、学習を始めるにあたり充分に理解を得るよう努め、ことあるごとに感謝を忘れないことも大切です!

それでは、来年の今頃、一緒に勝利の美酒を味わいましょう。お待ちしています。

— 寄稿ここまで —

マッキーさん、どうもありがとうございました。

受験生同士の情報交換が発生しにくいという通信制のデメリットをブログでカバーし、いろんな人の解答プロセスを真似しつつ、自分に合ったプロセスを洗練させていった点が素晴らしいですね。

受験生の皆さんも、マッキーさんのように「仮説→実践→検証」を繰り返して、自分に適した学習法や解答プロセスを探求していただければ幸いです。

それでは、今日はここまで。

 

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