【合格体験記】目的意識を明確にしてストレート合格~アンドロメダさん~

こんにちは。wackyです。

今回は私の出身であるTAC横浜校の後輩の合格体験記を掲載したいと思います。
アンドロメダさんと初めて出会ったのは12月の口述模擬面接でした。とても堂々と受け答えしていて非常に印象に残っていました。そんなアンドロメダさんと1月の合格祝賀会2次会で再会したのですが、色々と話を聞くうちに非常にストイックで熱い性格であることがわかり、私から寄稿をお願いした次第です。

送られてきた体験記は私の予想をはるかに超えるもので、寄稿をお願いしてよかったと思っています。
アンドロメダさんは好成績を収めながらストレート合格を果たしました。みなさんの参考になると思いますので是非ご覧ください。

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1. はじめに
みなさん初めまして。「アンドロメダ」と申します。どうぞよろしくお願い致します。

2010年9月からT○Cのストレート本科生(教室講座)で学習を始め、おかげさまで2011年に1次2次ストレート合格することが出来ました。
学習するにあたって、他の方々から見るとかなり特殊なモチベーションの保ち方をしていると思いますが、現在合格に向けて学習されている方々の参考になればと思い投稿させて頂きました。

2. データ
<学習開始時基本データ>
・27歳
・工学部情報系学科卒。卒業後は中堅独立系SIerを経て、社員4人のITサービス企業に転職。
・取得資格は、
基本情報技術者、ソフトウェア開発技術者、データベーススペシャリスト
(情報の科目免除資格はありましたが、保険のため免除申請しませんでした。)
・学習経験は、簿記3級をかじった程度。

<1次成績>
・養成答練: 607点
(経営:63、財務:80、運営:90、経済:92、情報:100、法務:90、中小:92)
・完成答練: 521点
(経営:58、財務:72、運営:80、経済:88、情報:90、法務:56、中小:77)
・TAC公開模試: 465点(217位/3,701人:B判定)
(経営:59、財務:76、運営:59、経済:60、情報:72、法務:60、中小:79)
・本試験: 499点
(経営:66、財務:64、運営:80、経済:68、情報:76、法務:72、中小:73)

<2次成績>
・TAC実力チェック模試:135点(928位/1,437人:D判定)
(事例1:33、事例2:37、事例3:28、事例4:37)
・TAC公開模試:204点(253位/2403人:B判定)
(事例1:45、事例2:61、事例3:42、事例4:56)
・筆記試験: 合格

3. 利用講座・テキスト/問題集
※ 以下の▲付きのものは、「結果的に」取らなくてもよかったと感じたものです。
あくまでも「個人的な」感想です。

<1次対策>
・2011年目標T○C1・2次ストレート本科生(2010年9月開講)
・▲T○Cオプションゼミ(財務、経済)
→ 自分が各論点を理解しているかどうかの確認のために受講したが、結果的には扱った論点はすべて理解していたため。(安心感には繋がりましたが)
・スピード問題集(全科目)
・▲L○C公開模試
→ T○Cでは見たこともない論点がたくさん出てきて、とてもカバーしきれないと感じたため。(それでも合計440点くらいは取れましたが。)

<2次対策>
・T○C実力チェック模試
・T○Cオプションゼミ
・▲T○C事例4特訓
→ 計算ドリルのような内容で、自分が理解している内容がほとんどだったため。
・▲L○C公開模試
→ 採点基準が明確でなかったため。
解説にはかなり力が入っていたが、80分でそこまで解釈するのは「自分には」無理だと感じたため。
・▲大○公開模試
→ 出題の方向性が先述2校とかなり異なっていて、解答プロセス確立にあたり混乱を招いたため。

4-1. 学習について(講座選定まで)
学習開始のきっかけは、自分が小規模企業に在籍していたこともあり、「1人のエンジニアとして働くのではなく、経営者と対等な視点で仕事をすることで売上に貢献し、収入を増やしたい」というのが大きなきっかけでした。
そして、結果的にT○Cの教室講座を選んだわけですが、その理由は大きく分けて3つあります。
(1) 独学ではなく予備校を選んだ理由
学習経験のない分野が多すぎて、明確な学習指針が短期間では立てられなかったため。

(2) T○Cを選んだ理由
1) 教室講座の最大手という実績もあり、体験講義を受講した時に「ある程度カリキュラムに乗っかれば指針が見えてくる」と感じたため。
2) 勉強会メインの少数精鋭の学習形態では、学習仲間に迷惑をかけられないという思いが出てきて、学習することが「義務」に感じてくる可能性があるため。

(3) 教室講座を選んだ理由
多くの方が仰っているような「かけがえのない勉強仲間が得られ、切磋琢磨しながら学習ができる」という理由ではなく、「診断士試験は競争である」と捉え、他の受験生が講義に臨んでいる姿を意識することで、「他の受験生には負けられない」と、自分を奮い立たせるため。

せっかく自分で学習することを「選択」したので、楽しく自分のペースで進めたかったという意識が強かったです。なので、あくまでも少数精鋭の集合学習形態が自分に合わなかったというだけです。
そのようなマイペース思考が強かったので、よく受験生の間で企画される「交流会という名の飲み会」や、「1次対策中に行われた2次対策のための勉強会」には合格まで1度も参加していません。1次試験を突破しなくては2次試験もないわけで、学習時間に比例して得点が伸びるといわれている1次試験の対策の最中では正直、「飲んでいる時間があったら勉強した方がいい」という判断でした。
その代わり、「合格したら講師の方々や先輩・同期診断士と思いっきり交流を広げてやる!」という意識が強くなりました。

 

 

4-2. 学習について(1次試験まで)
<進め方>
自分が学習を進めていく中でやっていたことは、以下の3点です。
1) 予習は、テキストの講義で扱う範囲を1度サラ読みして、「どんなことをやるんだろう?」くらいで止めておくこと
2) 講義で扱った論点について疑問に思ったことは、必ず講義終了後に講師の方に質問をして解決し、家まで持ち帰らないこと
3) 「どの科目で○○点」といった皮算用をせず、各科目で60点以上取れるような学習をすること

1) に関しては、結局「復習の方が知識の定着がいいはず」という考えがありました。基本的には各講義の間でスピード問題集を使った復習+サラ読み予習を行っていましたが、時間が足りなくなった場合は予習をカットしていました。

2) に関しては、ただでさえ範囲の広い中で、不明点を積み残すと最終的にそれを消化する労力は、それはもう大変なことになります。ですので上記の2) は徹底しました。

3) は自分にとってはとても重要でした。もし50点を計算していた科目の難易度が高くなった場合、40点を切る可能性が高くなり、かつ「50点だからこのくらいやればOKだろう」という甘えも出てくるので、その可能性はより高くなります。また、挽回予定の科目(自分の場合は情報)の難易度が高くなっただけで焦ります。そのような「本番で自分の計算が狂う」という不安要素を排除したかったのです。

基本的には、通勤の最中にサラ読み予習+スピード問題集を使って過去にやった科目を復習し、自宅では現在講義で扱っている科目の復習(スピード問題集中心)+財務(最低30分。多いときで2時間くらい)をやっていました。講師に学習方法を相談した時には、「今やっている科目に集中すべきだ」という意見をいただきましたが、心配性なので、直前期に入る前に各科目を80%くらい覚えていることを目標とし、過去の科目もスピード問題集で振り返りを行っていました
ただし財務だけは特別で、「計算方法を忘れると再習得までに(他の科目より)時間がかかる」という講師の方の意見も取り入れ、毎日少しでもいいので必ず復習するようにしていました。

ちなみに過去問を解き始めたのは、一通りスピード問題集を解き終えた後でした。理由は、問題は最初に対峙する時が最高の難易度であるから、それまでに自分が学習してきた成果をそれで試したい
という目的を確実に果たすためです。最終的にはスピ問も過去問も3回転(情報は1回転)しました。
【1回転目】全問題平等に。各選択肢のどこが誤りなのかを選択肢ごとに検証し、不安な選択肢は間違いとしてカウント。
【2回転目】1回転目で正解した問題はサラッと。間違った問題を中心に見直し。
【3回転目】全問題平等にサラッと。間違った問題があればそれをマークして試験日の朝に再チェック。
※中小スピ問の「白書」の範囲はやっていません。実際やった時に、テキストで扱っている範囲外の内容が多いと感じ、「ここまでカバーするのは無理」と思ったためです。

<進捗管理について>
学習を進めていく中でおおよその学習計画は立てていましたが、時間管理はしていませんでした。理由は、大事なのは学習時間ではなく「自分が決めた範囲の論点を確実に理解すること」だったためです。なので、時間ではなく進捗度合いを管理することが自分には合っていると感じました。
あとは、基本的にエンドを決めて学習計画を立てると思いますが、そのエンドを1次試験本番ではなく、1ヵ月前の公開模試に設定しました。ラスト1ヵ月でカバーする範囲を極力少なくし、試験の対応能力に厚みを持たせるためです。やはり心配性で、1次試験だけは確実に突破したいという思いが強かったからでしょうか…。

<サブノートについて>
ノートは基本講義中には作成せず、テキストにポイントを書き込んでいく方式を取ったのですが、直前期に確実に自分の脳に植え付けるため、不安だった各科目で以下のような対応を取りました。
【経営】【法務】
自分が不安な論点を、自分なりに要点をまとめたノートを作成。
【財務】
計算問題で使う公式+模試・答練で扱った会計基準の正答を殴り書き程度にメモ。
【運営】【経済】
殴り書き程度にテキストで扱った論点をメモ。
【中小】
テキストや答練・模試の解説に掲載されていたグラフをコピーしてノートに貼り付け、グラフや表にメモ書き。

メモを作るときに意識していたことは、「ファイナルペーパーとして試験直前に目を通すことを意識すること」と「時間をかけすぎないこと」です。あまり書きすぎず、「これが試験直前に手元にあれば安心する」という観点で作成しましたが、一番重要なのは問題を解くことであると思ったので、それほど時間もかけていません。(各科目3日くらい?)
やはり自分で書いたことは忘れづらく、特に暗記系は「この論点はノートのあの辺に書いたな」「ノートのあのグラフの問題だな」といったような、自分の引き出しとなりました。
まぁ、テキストでそれができる方はそれで充分だと思います。ただ直前講義の後に、各科目にかける比重を決定することは重要だと思います。

 

<試験会場に持参したものについて>
試験に臨むにあたって、なるべく受験前のストレスを無くすため持参する資料は最低限に留めました。持参したものは、試験直前に見るための上記に登場した登場したノートやメモと、朝に会場入りする前にする再チェック用のスピ問+過去問です。
結果的に結構持って行ってしまったかも知れませんね…

4-3. 学習について(2次試験まで)
2次試験の対策を始めたのは1次試験の翌々日からでした。1次対策中に行った2次対策は、5月に受験したT○Cの実力チェック模試のみです。カリキュラムに含まれていたスタートアップ演習は、提出を忘れていて結局できませんでした(汗)
実力チェック模試を受けた目的は、
1) 80分×4事例を本番形式で体験できる機会を早めに設けておくこと。
2) 「2次試験とはこういうものか」という経験をしておくこと。
3) 対策ゼロで、「自分はこう考えて解いた」という経験をしておくことで、本格的に対策を始めた時に、そのプロセスの差を実感して短期間で解答プロセスを習得すること。
4) 対策ゼロで取った点数を記録として残すことで、本格的に対策を始めた時に取った点数と比較して成長を実感すること。

でした。特に対策を取っていなかったため、結果はとんでもないことになりましたが、これもあくまで想定内。先述の目的がはっきりしていたため特にショックを受けることもありませんでした。この模試を受けたおかげで、二次試験の雰囲気をつかむことができ二次対策が始まるときには特に抵抗もなく入っていけました
やはり、初学者が一次対策をしている最中に中途半端に二次対策をやるのはリスクがあると思いました。やる場合は、目的をはっきりさせて短時間で取り組むべきだと思います。

初学の自分が意識していたことは、「設問で聞かれている内容に対して、素直に答えること」ということです。この「素直に」ということがポイントでした。相対評価である二次試験。テクニックでは過年度生には勝てないので、T○Cメソッドのような手法を徹底的に叩き込むようなことはしませんでした。
設問に対して自分の考えていることを答えられるようにするために、対策の80%くらいは「設問要求」で何を聞かれているかを正確に捉える練習を重ねました。そして聞かれていることに対して与件を見に行く前にある程度書かれている内容を想定する練習を繰り返した結果、与件に書かれている内容に対してある程度の「気づき」を得ることができるようになりました。

残り20%は、設問の振り返りを行いましたが、与件に書かれていたことに気付けなかった場合は「なぜ気付けなかったか」を分析し、徹底的に補う作業を行いました。
自分の二次対策を振り返ってみると、やっている内容は至ってシンプルで、体験記のボリュームとしても少ないものになりましたが、逆にポイントを絞って対策を取ったことが功を奏した結果になったと思います。

5. 振り返って
合格することができたポイントは、「何をするにも目的意識をはっきり持って取り組んだこと」だと思っています。ただ漠然と問題集や過去問をやるのではなく、「なぜ」それをやるのかをはっきりさせることで、対策の成果を得ることができると思います。
最後に世間一般で言われてる「勉強仲間は大事」という定説に私は異議を唱えたいと思います。私には勉強仲間と言える人はほとんどいませんでした。確かに心の支えにはなるかもしれません。しかし、受験生同士で話をしていても結論を得られないこともあります。そのために講師の方がいらっしゃるのだと思いますし、相談であれば講師にすべきだと思っていました。

勉強仲間を作るのであれば、互いに高めあえる関係を築くべきです。互いの傷を舐めあうような関係であれば、合格への道のりの邪魔でしかないと思います。
「なぜ」勉強仲間が必要なのかを考え、目的を持って仲間が集まれば成果は出ると思いますので、ベクトルの方向を間違えないでほしいと思います。

 

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いかがだったでしょうか。とてもストイックに学習していた様子がわかるかと思います。

常に「何のためにこれをやるのか?」と自問自答しながら学習方法を見直していたのではないかと思います。「この学習法がよい」という意見に盲目的に従うのではなく、「これをやるとどんな成果がでるのか?」と自分なりに答えをもって取捨選択するという姿勢が本当に素晴らしいですね。こういう考え方ができる方はブレない「自分の軸」を持っていることが多いですね。

アンドロメダさん、本当にありがとうございました。

by wacky

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