2020/03/06 | 中小企業診断士試験 一発合格道場のブログ記事

  道場 春セミナーのお知らせ  

 

<一発合格道場 読者の皆様>

春セミナーについては既に下記日程で会場を確保しており
3月15日(日)より「こくちーず(告知’s)」で募集を開始する予定です。

一方、昨今の情勢を受けて
春セミナーを中止すべきか否かも慎重に検討しています。

決定次第、ブログでご案内しますのでご注意のほどお願い申し上げます。

7月に向けた大切な直前期を迎える受験生の皆様の体調を第一に考えます。
万が一「中止」を決断した際には何卒ご理解のほどよろしくお願いします。

 

一発合格道場 春セミナー2020 in 東京
2020年4月4日(土) 午後 @文京区シビックセンター
別途、こくちーずにて受付開始予定

タキプロ・ふぞろい・一発合格道場 合同セミナー2020春 in 名古屋
2020年4月5日(日) 午後 @名古屋市西生涯学習センター
別途、受付開始予定

一発合格道場 春セミナー2020 in 大阪
2020年4月12日(日) 午後 @難波市民学習センター
別途、こくちーずにて受付開始予定

一次試験・二次試験学習の進め方、相談会等、
損はさせないコンテンツを企画しております!

ぜひご予定ください!

         

 

こんにちは! 等身大の独学ストレート生・金型屋のかーなです!

 

今年度の試験日程も発表され、やる気が増してきた方も多いのではないでしょうか。

ちなみに、今年初めて試験を受ける方のために言っておくと、中小企業診断士試験の申込は、だいぶアナログで手間がかかります。

具体的には、①返信用封筒を添えて郵送で申込書請求(もしくは協会に直接取りに行く)→②申込書が届き、専用の用紙で郵便局から(!)受験料振り込み→③申込書を手書きで記入し、受験料振り込み済の証明書を添えて郵送 です。

簿記等の試験に慣れている方は、「いまどきwebでサクっと申し込めるでしょ♪」と思うかもしれませんが、診断士試験は違います。今のところ。

そのため、受けるか迷っている場合でも、申込書が請求可能になり次第、取り寄せておくことをおすすめします。

くれぐれも、日程に余裕を持ってお申込み下さいね!

 

さて、今回から【実録】リアル企業経営理論&事例Ⅰの世界 と題して、組織や風土や、何から何まで対照的な中小企業2社で働いて気付いたことを紹介しようと思います。

よかったら、「この2社は、なぜこんなにも違うのだろう?」と想像しながら読んでみて下さい。

最後のまとめで、実際に経営者から聞いたこと+私の考察による解説がありますのでお楽しみに。

 

もくじ

プロローグ 東京の人材系ベンチャーから地方の金型屋へ

第1章 企業風土の違い

第2章 組織構造の違い

まとめ 違いの源泉はどこにある?

 

 

~プロローグ 東京の人材系ベンチャーから地方の金型屋へ~

自己紹介にも少し書きましたが、私は結婚を機に生まれ育った東京を離れ、地方に移住しました。

東京で勤めていたのはHR(Human Resource=人材)系サービスを提供する企業です。仮にA社としましょう。

A社は社長が仲間と立ち上げて10年未満の、「いろいろ無いけど、とにかく勢いがある」典型的なベンチャー企業。

私はここで、企画営業の仕事をしていました。

企業の人事ご担当者様にお会いして、課題をヒアリングし、人事制度改定や研修等の具体的な施策をご提案する仕事です(ちなみに、コンサルタントや講師は別にいます)。

東京には似たような会社がゴマンとあるため、日々厳しい競争にさらされながら、高層ビルが立ち並ぶオフィス街で働き、営業活動で都内を駆け回り、忙しい日々を過ごしていました。

(写真はイメージです)

 

その後、結婚にともない、夫の仕事の都合で地方への移住が決まりました。

転職活動の末、縁あって私を雇ってくださった会社は、「自動車関連の金型屋」。こちらはB社としましょう。

初めての地方暮らし、初めての車通勤、初めての製造業……。

初めてだらけで不安と期待が入り交じります。

会社は国道沿いの田んぼの横にあり、周辺で目にするものといえば

ウグイス

(写真は実物です)

カモたち

(実物です)

サギ

(しつこいようですが、実物です)

あまりの落差に「思えば遠くへ来たものだ……」と遥かな気持ちになりながら、金型屋の経営企画部勤務が始まりました。

いま、「金型屋の経営企画部って何するの?」と思った貴方。ほんとですよね。

他社の事情までは分かりませんが、当社では社長をはじめ経営陣に報告するための資料を作ったり、社内でスポット的に立ち上げる様々なプロジェクトの事務局をしたりしています(要は何でも屋です)。

 

A社とB社のプロフィールは、ざっくりこんな感じです↓

(表はクリックで拡大します)

 

【第1章:企業風土の違い】

金型屋B社に転職してからすぐに、前職のA社と企業風土が全然違うことに気付きました。同じ中小企業でも属性が全く違う二社なので、当たり前といえば当たり前です。

違いは多岐に渡りますが、例えば以下のようなことです。

※どちらが良い、悪いという話ではありませんので、あくまで「違い」として読んで下さい。

 

・職場の人間関係

東京のベンチャーA社は、20代~30代の若手が多かったこともあり、にぎやかな雰囲気でした。

オフィスでも、企画書のアイディアを出し合い、わいがやな雰囲気で仕事をしています。

仕事のことは熱く語る反面、プライベートなことは仲の良い同僚にだけ話していました。

人の入れ替わりも激しかったので、メリハリがあるといいますか、ある意味では熱く、ある意味ではドライな関係性だったと思います。

 

一方、地方の金型屋B社は、従業員の大多数が地元出身。

「あの人は中学の先輩」「あの人は町内会の去年の会長さん」「あの人の実家は山の方で、お父さんが地主さん」など、なにかとプライベートが筒抜けの環境です。

転職する人も少ないので、自然と従業員同士が親密になり、多くを語らなくても意思疎通ができる関係になっていきます。

職人さんは、仕事中は黙々と作業をする方が多いですが、あうんの呼吸で通じ合っている感じです。

 

 

・スピード感

東京のベンチャーA社では、「お客様からの問い合わせは原則当日中に、どんなに遅くとも24時間以内に返信する」が鉄則でした。

営業部員は全員モバイル端末を持たされていた 持っていたので、移動中の電車の中でも上司からメールが飛んできます。

企画書・提案書の類も、2日以上寝かせるな、上司がつかまらなければ誰でもいいから相談しろと言われていました。

スピードはかなり重視されていたと思います。

 

一方、地方の金型屋B社では、時間はゆったりと流れます

上司からの仕事の依頼に「今日中は難しいかもしれません」と答えると、「今週中でいいよ」と言われたりします。まだ火曜日なんですけど。

私の職種が営業から内勤になったからでしょうか。

それにしても、B社の営業さんも見積提出前などの繁忙期を除けば、そこまで時間に追われている感じはありません。

客先への往訪は車移動が多いので、その間は連絡がとれませんが、とくに問題ないようです。

 

 

・上司から求められること

HRベンチャーA社では、お客様の要望や企画をとにかく「言語化しなさい」と言われました。

例えば、若手向け研修の企画で、「主体性を獲得することがゴールです」と言うと、上司から「ここで言ってる主体性って、具体的にどういう事? 現状では、どんな様子を見て人事の方は『主体性がない』って感じているの? 何ができたら『主体性を獲得した』って言える?」など、びしびしツッコミが入ります。

これ、慣れないと普通にきついのですが、とにかくそこまで詳細を言語化できていないと、企画書が上司のレビューを通過できませんでした。

 

金型屋B社では、またしても事情が違いました。

入社後数ヶ月間の現場研修でわかったことは、職人さんたちは「背中を見て育つ」世界だということ。もちろん一通りの作業手順は教えてもらえますが、あとは自分で練習し、先輩の技を盗んで上達していきます。

そのため、言葉で語られることは最小限で、あとは「感覚をつかんでほしい」と言われたりします。感覚をつかむまでに5年、10年かかるそうです。

 

 

なんとなく、それぞれの組織風土のイメージが湧いてきたでしょうか?

さらに、組織体制も異なりました。

 

【組織体制の違い】

A社は組織構成上、営業部門が最も大きく、その他にお客様の要件に合わせてサービス内容をカスタマイズする部署、サービス自体を開発する部署等がありました。

全従業員の半分以上は営業部員というイメージです。

営業部員は、お客様から案件を受注すると、社内のカスタマイズ部署に依頼をかけ、外部のコンサルタントや講師に仕事を発注します。

 

一方B社は、製造部門が最も大きく、次いで技術部門、製造間接部門(生産管理等)の順番です。

こちらは全従業員の半分以上が製造部門(つまりは金型職人さん)で、営業部員は全従業員の数パーセント程度しかいません。

仕事の流れは、営業がお客様から受注→技術部門にて設計→購買部が材料調達→製造部門にて製作、です。

 

 

A社とB社の違いをまとめるとこんな感じです。

 

~まとめ 違いの源泉はどこにある?~

A社とB社、両社がここまで違うのは、偶然ではありません。

背景には、いろいろな理由があるのです。

 

たとえば、人間関係。

→これは上にも書いた通り、土地柄や人の入れ替わりの頻度が背景にあります。

A社は東京のベンチャー企業なので、人の入れ替わりが激しく、親密な人間関係は生まれにくいです。

こういう企業で働いていると、「一生この会社で、このメンバーと働くんだ」って思っている方はおそらく少数派ですよね。

一方、B社は地方で数十年続いている企業なので、従業員は何十年も同じメンバーと働いています

大多数は会社の近くに持ち家があり、引っ越す予定もありません。

そのため、半分家族のような、親密な関係性になっています。

 

では、スピード感はどうでしょう。

→背景には、①商品のリードタイム ②競合他社数の違い があると思います。

A社の場合、受注からサービス納品までのリードタイムが短く、競合他社が多いです。

具体的には、たとえば社員研修では、お客様からコンペに呼ばれる→受注→内容カスタマイズ→研修実行まで、数ヶ月~半年というスケジュール感です。

極端な話ですが、「今日お客様から電話が来て、明日研修することになった」というケースも見たことがあります。講師がいて、既存のプログラムでOKであれば、実行可能です。

また、案件にもよりますが4~5社くらいコンペ相手の競合他社がいて、その他にも新興の会社が常に受注を狙っています。

そのため、なるべく速くお客様にコンタクトをとり、案件の内容や競合他社の動きをつかむことが重要になります。

受注後も、お客様と連絡を取り合いながら、テキパキ研修の詳細を詰めていく必要があります。

 

一方、B社受注~金型納品までのリードタイムが長く、競合他社が少ないです。

海外のお客様の場合、見積依頼→受注→製作→納品まで、最低でも1年はかかります。

製造業は、たとえ設計図ができていても、材料を仕入れて、金型本体を加工して、部品を組み付け、手作業で仕上げるという作業があるため、「今日発注して明日納品」という訳にはいきません。

大型の金型ですと、材料の鋳物を仕入れるだけで1ヶ月程かかります。

また、お客様はほぼ固定客で、当社指名であったり、競合他社も限られています。

そのため、スピード重視で他社を出し抜く必要がほとんどありません。

 

従業員に求められる事や、組織体制はどうでしょう。

→最大の理由は、収益構造の違いです。

これはA社の取締役から聞いた話です。

外部のコンサルタントや研修講師とパートナー契約を結んでいるA社の場合、営業が案件を受注すればするだけ売上が上がります。

身も蓋もない話ですがマージンがA社の収益となるため、件数や単価が増えれば収益も増えます。

財務的に言うと、固定費負担が軽いともいえます。

また、商材がサービスなので、提案の時点で実物を見せることができません。

他社と差別化してお客様に選んで頂くためには、「どれだけ説得力ある提案ができるか」がカギになります。

つまり、営業部員が徹底的な言語化により自社サービスの価値をお客様に訴求し、件数を受注するほど、収益が上がるという構造になっています。

 

 

一方、B社は工場を持つ製造業の会社なので、固定費負担はそれなりに重くなります。

社内のキャパシティをオーバーする仕事は外注を使いますが、それにしても限度があるので、営業もやたら案件をとれば良い訳ではありません。

また、B社の付加価値を生み出しているのは、製造現場の金型職人さんたちです。

(もちろん技術部門も付加価値を生みますが、最終的な差別化ポイントは、職人さんによる手作業の仕上げ工程です。)

そのため製造現場に最も多くの人数を配していると考えられます。

つまり、工場のキャパシティに対して適正な量を受注し、職人さんによる手作業で製品の付加価値をつけて収益を上げるという構造になっています。

 

表にするとこんな感じですね。

 

いかがでしたでしょうか。

おもしろくないですか、企業経営理論&事例Ⅰの世界。

ご自分の勤務先も企業経営理論&事例Ⅰ的な目で見ると、新たな発見があるかもしれませんよ。

 

 

さて、明日は診断士Twitter界隈でちょっとした有名人⁉ いけちゃんが、得意の話題を投稿する予定です!

ではでは、引き続き一緒に勉強がんばりましょう~。


☆☆☆☆☆☆☆

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