今の時期から意識しておきたい、「合格できる思考プロセス」の磨き方
こんにちは。6代目のうみのです。
7代目のメンバーが現在超多忙を極めておりますため、5月の水曜日のみ、6代目が臨時で復活しております。
来週は岡崎教行、再来週はXレイが執筆予定です。
先週の水曜日を担当したおとからは、「空色プロジェクト」についてお話させていただきました(私もこのプロジェクト内の案件にかかわっております)が、今回の私の記事では、診断士試験について書きたいと思います。
GWも終わり、ここからはあっという間に一次試験の最終追い込みに突入していく感がありますね。
ストレート生の皆さんにとっては特に、一次試験に集中したい時期かと思いますが、敢えてそんな時に二次試験について書きます。
なぜかというと、今回お伝えする内容は、「一次試験が終わってから着手するより早めの段階で意識しておきたいこと」だと考えるためです。
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昨年の記事で、
「合格するための思考プロセスは、自分自身で試行錯誤しながら磨き上げるしかない」
ということを書きました。
では、その思考プロセスを磨き上げるために具体的にどのような対策を行ったら良いかについて、今回は書いてみたいと思います。
「他者の思考プロセスはコピーできない」ということと相反するように思えるかもしれませんが、実は
「他者の思考プロセスをトレースする」
ということが非常に有益な対策になると私は考えています。
以下にその理由を述べます。
「合格に必要なことはなにか?」という質問に対して合格者の多くが、「聞かれたことに素直に答える」と回答することはすでに皆さんもご存じのことかと思います。
「素直」という言葉の持つ抽象性に困惑し、
「素直ってどういうこと? 自分としては素直に答えているつもりなのに…。何をもって‟素直”とするの?」
と思ったことのある受験生もいらっしゃるかと思いますがそれは、
「素直に答える」の「何に対して素直であるか?(=「素直」の目的語)」を正しく捉えられていない可能性が高いです。
それは、
「自身の自然体な印象に対して」ではなく、
「出題の意図に対して」素直である、
ということなのです。
しかし多くの人が、
「与件文のここにヒントが書いてあったのに、解いているときは気づけなかった…」
「何が問われているのか理解できなかった…」
という経験を持つように、誰もが自分自身の中に無意識に確立している「思考のクセ」があり、多くはそれが出題の意図を汲み取り難くしています。
そこで、合格者がどのように与件文や設問文を読解し、どのように出題の意図をそこから汲み取っているのかを学ぶ方法としては、合格者の思考プロセスをトレースすることが最も直接的だと考えます。
合格者の持っている「出題の意図を汲み取る読み方や考え方」を自分自身の思考パターンとの重ね合わせてみることで、自身の思考のクセを可視化し、合格答案を書くための思考プロセスに近づけていくことができるのです。
そう、合格者の再現答案を分析することで学んでいるのは、「何を書いているか」ということよりも、「出題の意図に沿って正しく読む力」なのですよね。
私は「ふぞろいな合格答案8」の執筆にあたるなかで、多くの合格答案と不合格答案を見てきましたが、A評価の答案はやはり、出題の意図を正しく捉えたうえで、それが採点者に伝わるような書き方で解答を構成できていると感じますし、C/D評価の答案は「自分自身の思考のクセ」の枠から抜け出し切れていないなと感じます。
では、その思考のクセをどのような方向に修正していくべきかで言うと、どの合格者の思考プロセスをトレースしても、最終的には王道と言ってもいい、よく言われている対策に行き着くはずです。
「問われていることに関連する一次知識を引用する」
「断片的な知識を並べるのではなく、多面的な切り口で体系的にとらえる」
「与件文から根拠を示し、因果を明らかにする」
「上記のことをロジカルに表現するために解答フレームを意識しながら書く」
これらのことでほとんど、思考のクセは矯正できます。
「二次試験っていったい何が問われているのかよくわからない」という状態であっても、これらのツールを意識して用いることで、「二次試験で問われていることってこういうことなんだ」という本質を少しずつつかむことができるようになるはずです。
冒頭で書いたように、これは一朝一夕ですぐ体得できるというものでもないので、今の時期から意識して与件文を読みこなしたり合格者の再現答案を分析したり、「ふぞろいな合格答案」に掲載されている合格者のドキュメントを読み込んでみて、合格者の思考プロセスをトレースしてみることをおすすめします。
実はこれって、 一次試験にも共通して言える事なんですよね。
ひっかけ問題になぜひっかかってしまうのか、何が問われているのかをなぜ読み取れなかったのか、という課題の多くは、自分自身の思考プロセスが出題の意図に沿っていないことに起因します。
なので、模試の振り返りにおいても、「自身が解答を導き出したプロセスを検証すること」が大事なのですね。
戦略的に自分自身を合格に導いていくために、ぜひ「自分の思考プロセス」にフォーカスを当てて、「合格できる思考プロセス」に近づけていく対策を進めてみてくださいね。
なお、「ふぞろいな合格答案」シリーズの最新版として、「ふぞろい7」と「8」の内容を合わせた「総集編」が今年の4月に刊行されました。
(私の試験当日ドキュメントも載っております…)
よろしければご参考になさってみてください。
zenzenさん
ご丁寧なコメントをいただき、ありがとうございます。
ふぞろいは合格者の方に推していただけることが多く、ありがたい限りです。
おっしゃる通り、昨年のご経験があるからこそ、より深い気づきを得られていらっしゃるのではないかと思います。
事例文に出てくる企業の成長の軌跡と同じで、どんな紆余曲折も自身の血肉となり強みとなるのですね。
日記の習慣、とても良いですね!
たとえ断片的でも自分の考えを文章としてアウトプットする習慣は、2次試験にも、診断士としての活動にもものすごく生きてきます。
書き記したことを何度も読み返すことで、思考の癖は少しずつ意識的に正せるようになっていくと思います。
日々の学びを楽しまれてくださいね。
「ふぞろい」ですが、仰る通りなかなかないと思います。某タ○プロセミナーでものすごく推す方がいたのも納得できます。去年の早い時期に触れていれば、迷子にならずに済んだかも・・という気もしますが、徒手空拳で昨年取り組んだからこそ、染み入る部分が多いのかも、とも思います。
釈迦に説法などとんでもないですが、
「書き記すということは、実に力のある管理法」ということは少し違う場面で感じていたところです。
何度もほぼ日手帳を購入しては挫折していましたが、今年は日記を書くこととTAC診断士掲示板の問いに答えることを継続しています。定期的に読み直すことで「悪くなり過ぎない」状態を作れている気がします。
zenzen様
ご購入いただきまして、ありがとうございます。
ふぞろいシリーズは、合格者の思考プロセスをトレースする教材としてこれに比肩するものはなかなかないのではと自負しております。
合格者の書く「キーワード」や「再現答案」というアウトプットの部分は表層に過ぎず、こうしたアウトプットから「合格する思考プロセス」と「自身の思考プロセス」の違いに敷衍できるように読みこなしていくのがふぞろい活用の真髄だと私自身は思っております。
特に「ふぞ8」の特集記事は、そのあたりのヒントがかなり凝縮されておりますので、ぜひご自身を多面的に分析する材料にしていただければ嬉しく思います。
また釈迦に説法かもしれませんが、気づかれたことはどんどん書き出していくと良いかと思います。
「書き記すということは、実に力のある管理法」
https://www.1101.com/m/pl/techo2010kotoba/203891
気づきを書き記していくことで、「不合格になる思考プロセスを避けがちになる」ことができると私自身の経験からも思います。
zenzenさんの合格を心より祈念しております!
「ふぞろいな再現答案3」と「ふぞろいな答案分析3」を先日購入しました。まだ全部は読んでいませんが、気付かされることが多く、読み応えがあります。
自分自身の思考のクセから脱却できるよう、解答フレームを固めていきたいと思います。