実務補習から2次対策を考えよう
みなさん、こんにちはu-taです。
2次試験まであと一ヶ月ほど、昨年の私自身の経験を基にお話しさせて頂くと、9月末でも合格できる手ごたえはありませんでした。
演習の点数が伸び悩んでいる方もまだまだ時間はあります。点数が伸びない方はまず、戦略の定石を把握・理解・暗記をし、事例に素直に解答することを意識してくださいね。
さて、今日の話題は合格後の大きなテーマである実務補習です。
診断士合格後、3年以内に15日間の実務補習に参加すると診断士に登録することが出来ます。(或いは診断実務に15日以上従事してもOK)
まずは実務補習の大まかなスケジュールを以下にまとめています。
指導員の先生によって、或いは地域によって差がありますが、概ね上記の様な流れだと思います。
このスケジュールを見てお分かり頂けると思いますが、実際に診断先企業に伺えるのは1日目の午後のみ。私が参加した実務補習では店舗見学30分と社長ヒアリング2時間で終了というケースもありました。
それでも結果を出すために重要なのは、”いかにヒアリングまでに仮説を立てられるか”の1点につきます。
指導員の先生にもよりますが、多くの場合、実務補習が始まる前に会社名及び財務情報を頂きます。
財務諸表を分析することはもちろんですが、企業名を知ることが出来れば当然HPをチェックしたり、サービス業や小売業であればネット上の口コミも見ることが出来ます。或いは実際の店舗に足を運ぶことも可能です。
様々な手段で仮説を立てること、これが実務補習全体の成否に関わります。なぜなら、この仮説を持つことで、社長へのヒアリング内容が変化するから。何せヒアリング時間は限られていますからね。
(あれ??『仮説』とか『限られた時間』とか何か2次試験と似ていますね・・・・。)
ヒアリングは戦略・財務・製造・人事など各パートごとのテーマに沿って行っていきますが、それにも増して重要なのは、社長がこれから実現したいこと、実現したい理念、或いは解決したい課題をヒアリングすることです。
実務補習でも、診断先の社長の反応がイマイチなのは、改善提案が仮に良いものであったとしても、社長のニーズと乖離している場合。
或いは提案自体は素晴らしいものであっても、実現するためのリソースが無い場合。
(あれ??これって2次の学習でも一緒ですよね。)
ここから2次の話に移りますが、事例には社長の解決したい課題や実現したい方向性がある程度明記されています。(時には何が課題か分かっていない社長も登場しますが。)
まず、大事なのは、社長が何を求めているのか、事例企業の社長のニーズを考えること。
ここから外れた解答はどんな素晴らしい解答であっても点数は伸びないでしょう。
診断士の2次試験は診断士の教育・養成目的の試験です。2次試験合格後の実務補習で求められているのも社長のニーズにあった提案ですから。
(合格後のゴール【実務補習】から逆算すると2次試験の本質も見えてきます。)
2次対策で事例に素直に・・・良く言いますが、それの第一のPOINTは『社長のニーズ分かっていますか?』ということ。これは絶対です。
時に上述したように課題を理解できていない社長もいます。そんな時には課題を特定してあげることが必要ですが。
さて、社長のニーズが分かったところで、次は実現するためのリソース探しです。
上の実務補習のスケジュールの2日目を見てください。AMでSWOT分析を行います。
繰り返しますが、中小の企業のリソースには限りがある。その為、いかに現在の強みを生かせるかがポイントなんです。もっと具体的に言えば、強み(S)と機会(O)をいかにマッチングしたビジネスチャンスを作れるかがポイントなんです。
また、それと同時に弱みを出来るだけ改善する施策と脅威に対する対応を検討する必要があります。脅威と弱みがマッチングしたら大変ですからね。
これも2次に共通することです。各事例ごとにSWOTの材料が記載されていますよね。
2次対策の『素直に・・』の第二のPOINTは『事例企業のSWOTを理解した戦略ですか?』ということ。
また話が少し脱線しますが、診断士の2次試験の採点って誰がしているんでしょう。
質問しておいて恐縮ですが私も分かりません、ただ、到底一人で採点出来るはずがないということは想像できます。そう考えると当然採点基準が存在している。その基準って何?って考えていけば、上の2つ・・・・
『社長のニーズ分かっていますか?』
『事例企業のSWOTを理解した戦略ですか?』
に繋がると思いませんか??
あくまで私の仮設ですが、公平性を担保しなければならず、且つ診断士の養成目的を含んている2次試験で上記二つの要素が欠けた答案に高得点を付けるとは考えにくい。
逆に言えば、『社長のニーズ分かっていますか?』『事例企業のSWOTを理解した戦略ですか?』に素直に解答すれば、点数が伸びる。
実はこれ、昨年9月に点数が伸び悩んだ私が事態脱却の為に、事例を解く際に強く強く意識した2つなんです。
でも、これだけでは2次の点数は伸びない。何故か。
以下で説明します。
実務補習のスケジュールを見てください。
二日目と三日目の間に各自の作業時間があります。実務補習の2日目にはSWOTを意識した戦略が決まっています。でもSWOTだけではダメなんです。
各パートごとに具体的な改善提案を記載しなければなりません。
『社長!御社の強みは○○です!機会は○○です!!』じゃあ、意味ないですよね。
せめて『社長!御社には○○という強みがありま。また機会として○○が考えられます。その為△△の施策を実施することで売上が増大する可能性が高くなります』
と△△の部分の具体性が大事ですよね。事例を解くときもこれと一緒。
例えば事例をラーメン屋としましょう。強みは非常に味が良く、常連客から絶賛されていること。しかし、まだまだ認知度が低い。具体的な施策を提案したい。
ちなみに競合はネットでの口コミ醸成が上手く業績を伸ばしているとのこと。
こんな事例だったら、どんな提案(解答)をしますか?
認知度向上を社長が望んでいることが分かったらどんな引き出しが頭の中に浮かびますか??
大枠で言えば、プルかプッシュか、細かく言えばプルなら口コミ醸成(バイラル)なのか、HPなのかSNSなのか・・・・色々とありますよね。
でも、与件文にはネットが機会(O)と捉えられる記述があります。
こんな事例に出会った際でも自信の知識(引き出し)と与件文のSWOT要素をマッチングしていける方は事例の解法スピードも速いはずです。
2次試験は1事例80分しかありませんよね。その中でいかに自分の引き出しから知識を引き出せるか。そのためには知識の整理と引き出す練習が必要になります。
ただ、知識の整理に時間をかけるのは非効率ですので、以前ご紹介した本・勉強方法なども参考にしてください。
あとは数ある引き出しの中からどの引き出しを使うかの訓練です。
しかし、これは各事例ごとに異なります。与件文にヒントが書いてある場合にはそれに沿う必要がありますし、書いていない場合には現状からベストと考えられる解決策を記述する必要があります。
その部分の説明は事例ごとに異なるため各受験予備校の各事例の解説に譲ることにします。とにかく
ちなみに仮説や引き出しなんていらない。事例に素直に。
なんてご意見も聞きますが、これは既に引き出しが自分の頭に入っている方だから言えることだと思いますよ。
今日のPOINTは3つ
1.『社長のニーズ分かっていますか?』
2.『事例企業のSWOTを理解した戦略ですか?』
3.『知識の引き出し、構築できていますか?』
逆に言えば、事例の解答を書いた後に・・・
1.『社長のニーズに合った施策なの?』
2.『事例企業のSWOTを理解し、活用した施策のなの?』
3.『他に適切な引き出しは無い?与件文のヒントと整合性ある?』
と確認するのも良いかもしれません。
そして、各事例の採点結果が判明後、解答の解法根拠と自身の知識の引き出しや解法根拠を比較し、乖離があればその理由を考えてみましょう。
長文失礼いたしました!まだまだ間に合います!頑張ってください
by u-ta